ピアノの音で騒音トラブルが起こる原因とは?騒音問題を引き起こさないための対策もご紹介!

人が日常生活を進める時には、どうしてもさまざまな音が生じてしまうものです。例えば、マンションなどで暮らしていれば、室内を歩いている音が階下の人に迷惑を掛けてしまうこともありますし、音楽を聴いているだけでお隣の住人からクレームを入れられたりすることも考えられます。つまり、私たちの日常生活は、騒音トラブルが常に隣にあるような状態で進んでいるといっても良く、普段から音の問題に注意しておかなければならないのです。

特に、この記事でご紹介するような、ピアノの音によって引き起こされる騒音トラブルに関しては、被害を被っている側が対策を考えるのではなく、楽器を演奏する側が、他人に迷惑を掛けないように配慮しなければいけません。それなのに、自宅で楽器の演奏を行っている方の中には、音の特性をあまり理解していないからか、十分な防音対策を行えていないケースが多いのです。

そこでこの記事では、自宅にピアノを設置して日常的に演奏している方が、絶対におさえておくべき、ピアノの音で騒音トラブルが発生してしまう原因をご紹介していきます。

ピアノによる騒音トラブルはなぜ起こる?

それではまず、ピアノの音を原因とした騒音トラブルがなぜ起こるのかについて考えてみましょう。近年では、マンションなどの集合住宅で生活する方が増えていることや、都市部の戸建て住宅では家ごとの距離が近づいているといった理由から、さまざまな音の問題が発生しています。例えば、洗濯機や掃除機など、大きな音が生じる家電製品については、使用する時間帯によって近隣に迷惑を掛けてしまう恐れがあります。

さらに、これがピアノなどの楽器の音となると、家電製品が生じさせる音とは比較にならないほどの大きさになることから、周囲への配慮を忘れてしまうと、ほぼ確実にトラブルになると考えましょう。ここで、ピアノなどの楽器による騒音トラブルの要因をご紹介します。

ピアノは想像以上に大きな音が生じる

ピアノの演奏が趣味と言う方からすれば、「ピアノの音色は誰でも美しいと考えるはず!」なんて考えを持ってしまっているかもしれませんね。しかし、こういった考えは大きな間違いで、ピアノの演奏を聞きたいと考えている人でなければ、確実に騒音と感じてしまうほど大きな音が生じる楽器なのです。

実は、ピアノを演奏した時の音量については、一般の方の演奏でも90~100dB程度になると言われており、これはなんと地下鉄の音に近いレベルの音量になるのです。ちなみに、時間帯を間違うと騒音トラブルの原因となると紹介した洗濯機については、脱水時でも50~55dB、テレビの音でも60dBと言われますので、ピアノの音がどれほど大きいかよくわかると思います。

以下に、日常生活の中に存在するさまざまな音の大きさを、人の感じ方にによって分けてみましょう。

人の感じ方 音の種類
きわめてうるさい ・落雷(120dB以上)
・叫び声(120dB前後)
・トランペット(110dB以上)
・地下鉄(100dB以上)
・ピアノ(100dB前後)
ややうるさい ・パチンコの店内(80dB以上)
・ステレオ(65dB前後)
日常(昼間なら気にならない) ・掃除機などの家電音(50dB前後)
・トイレの水洗音(50dB前後)
静か ・夜間の住宅地(40dB前後)

これからも分かるように、ピアノが生じさせる音については、地下鉄や落雷に近い大きな音となり、近くで聞いていれば「きわめてうるさい…」と感じてしまうレベルになります。

ピアノに関する勘違い

上記のように、ピアノは非常に大きな音を生じさせる楽器ですので、「一軒家だし弾いても問題ないのでは?」「昼間なら苦情は来ないでしょ!」などと言う考えは甘いと言わざるを得ません。ここでは、ピアノによる騒音トラブルの原因となる、演奏者の勘違いをいくつかご紹介しておきます。

■ピアノの音色だけ対策すれば良い!
ピアノは、耳に聞こえる音だけを対策すれば良いと考えている方が多いです。しかし実はこれが間違いのもとです。ピアノは、鍵盤をたたくときの振動や、ペダルを踏むときの振動が騒音の原因となります。実際に、マンションなどの集合住宅においては、両隣からのクレームではなく、階下の人から「振動音が…」と言ったクレームが入るケースがほとんどだと言われています。

■平日の日中だけなら迷惑を掛けない
自宅で楽器の演奏を考えているのに、防音室を作らない人の中には、「自分は平日の昼間にしか演奏しないし、ご近所さんは仕事でいないから迷惑を掛けない!」などと勝手な判断をする方がいます。しかし、ご近所さんにきちんと確認や承認をとったのでなければ、こういった勝手な判断はトラブルのもとになると考えましょう。例えば、体調不良で寝ている可能性もありますし、受験を控えたお子様が勉強していてその邪魔をしてしまう…なんて可能性もあります。特に、コロナ問題以降は、テレワークが導入され、平日の昼間も在宅している方が多くなっています。このような状況で、何の対策もせずにピアノを演奏すると、高確率で騒音トラブルが発生します。

■戸建てだから問題ない
上述したように、マンションなどにおけるピアノの騒音トラブルは、階下の方と振動音によって引き起こされるケースが多いです。そのため、戸建て住宅の場合、家が独立していることから、振動が伝わらないし騒音トラブルの心配がないと考えてしまう方がいます。ただ、都市部などでは、家と家の距離が近くなっていますので、この考えは甘いです。日本は木造住宅が多いのですが、木造の場合、壁の防音性能は30dB程度しかないと言われています。つまり、100dB程度の音が生じるピアノであれば、外に70dB程度の音が漏れているわけです。もちろん、距離によって音は減退しますので、お隣の住宅と離れているのであれば、そこまで問題にならないかもしれません。しかし、隣と数十cmしか離れていないという場合、夜間ならほぼ確実に騒音トラブルになるでしょう。ちなみに、通常の窓については、15~20dB程度の防音しかできないので、かなり大きな音が漏れてしまうと考えておきましょう。

ピアノによる騒音トラブルを防ぐには?

ここまでの説明で、何の対策もせずに、自宅でピアノの演奏を行っていれば、騒音トラブルに発展してもおかしくない…と言うことが分かっていただけたと思います。それでは、近隣の方に迷惑を掛けないようにするためには、どういった対策を行えば良いのでしょうか?

ピアノの音色は消音ユニット、振動音は防振マット

これは、マンションなど、集合住宅でオススメの防音対策です。ピアノは、後付けで消音ユニットを取り付けることが可能で、これを取り付けることで、演奏してもピアノの音色は生じないという状況を作ることができます。つまり、ピアノの音漏れを防ぐには最適な方法になるわけです。ただ、上述しているように、ピアノによる騒音トラブルは、鍵盤を弾くときの振動やペダルを踏むときの振動が階下に伝わりトラブルに発展するというケースが多いです。したがって、振動対策のために、ピアノを設置する前に、振動をおさえてくれるマットなどを敷くと良いでしょう。

デメリットとしては、ピアノなどの楽器は、音色を実際に聞きながら練習したほうが上達すると言われていますので、指の動かし方などの練習には良いのでしょうが、音の強弱などを自分の耳で聞きとれなくなることから、本格的な練習には向かないかもしれないのが問題です。また、単純にピアノの音色を楽しみたくて演奏するのであれば、音が出ないので楽しめません。

防音ドアや二重窓などで対処

これは、消音ユニットなどを取り付けずに演奏したいという方向けの対策です。上述したように、窓は壁などよりもかなり薄い素材ですので、通常の状態であれば、音漏れの原因箇所となってしまいます。また、ドアについてもこれは同じです。そこで、音漏れの弱点となってしまいがちな窓やドアについて、重点的に防音対策を施すといった対処を考えるのもオススメです。例えば、窓については、二重窓を導入すれば、窓部分の防音性能は格段に高くなります。さらに、室内ドアについては、換気のために隙間が生じる作りになっているので、ご家族に迷惑をかけてしまう恐れがあります。したがって、ドアを防音ドアに交換することで、対処すると良いでしょう。

ちなみに、このような局所的な対処については、戸建て住宅で、日中しかピアノの演奏を想定しない人向けの対策と考えてください。都市部などで、お隣の住宅との距離が非常に近いという場合、このような局所的な防音対策では、音漏れを防ぐことが難しいです。さらに、マンションの場合は、構造物で各家庭がつながっていますので、部分的な対処ではトラブルを防げないでしょう。

防音室を作る

防音工事業者だから言うのではありませんが、自宅でピアノなどの楽器の演奏を考えている場合、防音室を作るのが最もオススメです。これは、自分が演奏する楽器の音で、近隣住民に迷惑を掛けないようにするためには、防音室が必要だからです。上述しているように、騒音問題は、うるさいと感じる方が対策を行うのではなく、騒音源となっている方が何らかの対策を行うのがマナーです。
そして、自宅で楽器の演奏を行うと考えた場合、周囲に他の民家が無いというケース以外は、必ず音による影響を他人に与えてしまう訳ですので、演奏をする側が防音室を作らなければならないものなのです。防音室と聞くと、非常に高額になってしまう…と考えてしまいますが、演奏を予定している楽器や周辺環境などによって意外に安価に防音が実現するケースもあります。したがって、自宅でピアノの演奏などを考えている方は、まずは我々のような防音の専門業者に相談してみましょう。

まとめ

今回は、ピアノによる騒音トラブルについて、何が原因で騒音トラブルに発展してしまうのかをご紹介してきました。まず皆さんに押さえておいてほしいのは、自宅でピアノなどの楽器を、消音ユニットを使わずに演奏するのであれば、いつ騒音トラブルに発展してもおかしくないと考えなければいけません。そのため、マンションなどの集合住宅では、管理規約で楽器の演奏が禁止されたり、防音室が条件になっていたりするのです。

よくある勘違いとして、戸建て住宅であれば楽器の音で騒音トラブルにならないと考えている方がいるのですが、これも間違いです。一昔前までのように、庭付き一戸建てが当たり前で、隣家との距離がそれなりに離れている…と言うのであれば、騒音トラブルにまでは発展しないかもしれません。しかし、現在の戸建て事情を考えてみると、各家ごとの距離が数十cmしか離れていないなんてケースがほとんどで、戸建て住宅などでも生活音を原因とする騒音トラブルが増えているような状況なのです。そのような状況下で、ピアノなどの楽器の大きな音が聞こえてくれば、確実に騒音トラブルに発展してしまうでしょう。

この記事では、いくつかの対策をご紹介していますが、基本的には防音室を導入するのがおススメです。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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