『ふすま』は音が駄々洩れ?ふすまの防音対策をご紹介します!

今回は、住宅の中でも特に防音対策が難しいとされる『ふすま』の防音対策についてご紹介していきたいと思います。

現在の住宅事情を考えてみた場合、より洋風でスタイリッシュな家が好まれるようになってきたことから、間取りに関しても和室を作らない家が増えていると言われています。しかし、和室は日本人の生活スタイルに非常に適した機能を持った部屋ですので、自分の家を建てる時には、和室が絶対に欲しいと思っている方も少なく無いと思います。

このような「和室を作りたい!」と考えている方に注意してほしいのは「和室に取り付けるふすまは防音性能が低く、音漏れがしやすい!」という弱点があることです。というのも、和室に利用されるふすまは、一般的なドアと比較すれば、隙間ができやすいという特徴があるのです。
そこで今回は、「ふすまの部屋があるけど、他の部屋の音が気になって落ち着けない…」なんて考えている方に向けて、ふすまの防音対策についてご紹介していきたいと思います。

ふすまの防音性が低い理由

最近では、ふすまがある家も少なくなっていますが、それでも「ふすまの防音対策がしたい…」という問い合わせは意外に多いのです。家の中にふすまが無い人であれば、特に気にする必要はないのですが、今後ふすまのある部屋に住む可能性もありますので、まずは「なぜふすまの防音性が低いのか?」という部分から簡単にご紹介しておきましょう。

ふすまの防音性が低い理由は、主に以下のような特徴を持っている方です。

  • ふすまは、一般的なドアと比較して隙間ができやすく、気密性が低い…
  • ふすま自体の防音性がドアなどより低い…

上記のように、ふすまはその構造から隙間ができやすく気密性が引くという点や材質的にふすま自体の防音性が低いというデメリットがあるのです。持ち家の方であれば、思い切ってふすまをドアに変更する…などと言った対策も可能ですが、賃貸住宅の場合なかなかそういった対策をとることも難しく「ふすまの防音対策が難しい…」と悩んでいる方も多いのです。

しかし、ふすまだからと言って、防音対策を行うことができないというわけではありません。きちんとふすまの弱点を理解したうえで、対策をとることが可能ですの、以下の手段を頭に入れておきましょう。

ふすまの防音対策あれこれ

それではここからは、実際にふすまの防音対策を行いたい…と考えている方に向けて、いくつかの防音対策をご紹介していきましょう。自分でも可能な、簡易的な防音対策から、業者さんに依頼すべき本格的な対策まで、いろいろな方法が存在しています。防音対策を行う時には、「どんな音を防ぎたいか?」「どこまで改善すれば良いのか?」など、自分の要望を明確にしたうえで、採用する防音対策を決定しましょう。

何も考えずに対策を依頼してしまうと、オーバースペックになってしまう、無駄なコストばかりかかってしまうことになります。

レベル1 隙間テープで気密性を高くする

まずは最も簡単で、誰にでも手軽に行える簡易的な防音対策からです。上述しているように、ふすまの防音性の低さは、隙間が多くできてしまうことが大きな原因です。一見するときちんと閉まっているように見えても、普通に隙間がありますので、そこから音が駄々洩れになってしまうのです。したがって、ふすまの防音性能を高めたいと考えるのであれば、隙間テープなどを利用して隙間を埋めてあげましょう。

インターネット通販やホームセンターに行けば、防音性を高めるための隙間テープが簡単に手に入ります。ふすまを閉めた状態にして、生じている隙間部分にテープを貼っていきましょう。
なお、ふすまの防音対策に関しては、開け閉めが難しくなる対策がほとんどですの、出入りのことも考えてテープの貼付け方法などを検討しましょう。

レベル2 部屋側からでる音の対策は、吸音材

問題が、ふすまのある部屋から出る音…という場合には、ふすまに吸音材を貼り付けるという方法があります。ただし、この方法の場合、ふすまの開け閉めが基本的にできなくなってしまいますので、使用頻度の低い場所の防音対策と考えておきましょう。

ふすまの部屋側から出る音の場合、吸音材を貼り付けることで、音漏れを防ぐことができます。ただし、あくまでも簡易的な方法となりますので、外側から聞こえてくる音や室内から漏れる音を完全に遮断することはできません。最近では、規模の大きなホームセンターで、防音性の高い高密度ロックウールが販売されています。こういったものを購入し、音の発生源側に張り付けることで、外に漏れでる音を軽減することができます。

レベル3 ふすまの手前にカーテンを設置

和室の雰囲気が少し壊れてしまいますが、それを気にしない方であれば、ふすまの前につっぱり棒やカーテンレールを取り付け、防音性の高いカーテンを設置してみましょう。この方法は、窓の防音対策としても有効です。

ただし、カーテンのみによる防音効果は、もともとの音を1~2割程度軽減できるというのがせいぜいと考えておきましょう。ある程度の雑音や話し声であれば、10dB程度の音を軽減できますので、気になっている音がそういったものであれば、非常に効果的です。
上述したような、隙間テープや吸音材の貼付けは、ふすまの開閉が難しくなりますので、「それは困る…」という方は、こちらの方法を試してみましょう。

レベル4 ふすまが不要な人は完全に塞ぐ

最近では、ネット通販などで防音性の高いパネルが販売されています。そういったものは、一般の方でも簡単に設置できるような設計になっていますので、ふすま部分の面積を計測し、必要分を購入して貼り付けるのも良いでしょう。

この方法は、「ふすまを塞いでしまい、簡易的な防音壁とする」という手段ですので、使用頻度が極端に低く、ふすまとしての機能は特に必要ないという場所に限ります。他に出入り口がある場合には、それなりの防音効果を期待できますので、ぜひ試してみましょう。

レベル5 最終手段は防音ドアにリフォーム

最近では、防音仕様のふすまなども登場していますが、防音工事に関する知識がない施工会社に依頼してしまうと、結局隙間が生じてしまい、求めていた防音効果を得られなかった…などと言うケースも多いです。

他には、その部分全体の防音性を高めるため、そもそもふすまをやめてしまう…という手段も考えられます。この場合、和室の雰囲気は壊れてしまいますし、内壁から作っていかなければならないため、それなりの規模のリフォームが必要になります。しかし、コストがかかる分、その他の手段に比べれば、かなり高い防音効果を期待することができるでしょう。ふすまがある部屋を、今後どのようにして利用していくのかを検討し、特にふすまである必要がない…という場合は、最終手段として検討してみるのも良いと思います。

まとめ

今回は、日本家屋で古くから利用されてきた『ふすま』の防音対策についてご紹介してきました。冒頭でご紹介したように、和室自体を備えていない住宅が増えてきたため、ふすまの防音対策を特に考えなくても良いという方も多くなっています。しかし、地方の住宅では、まだまだ和室を備えている家も多く、現在ふすまの防音性能の低さに困ってしまい、「何とかならないものか…?」とお問い合わせをいただく機会も多いのです。

ふすまは、そもそもの構造や材質から、一般的なドアよりもどうしても防音性が低くなってしまいます。しかし、何の対策もとれないのか?というとそうでもなく、簡易的な防音対策を自分で行い、音の問題を軽減することもできなくはありません。しかし、どのような対策にしても、ふすまの開閉が難しくなる…という弱点が存在しますので、その辺りは注意しておいた方が良いです。他にも、自分で行える対策はあくまでも簡易的なものですので、本格的な対策を検討した場合、ふすまをやめてしまうという感じに、根本的な部分からリフォームすることを検討しましょう。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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