絶対に見落としたくない防音室の弱点について!防音室はカビが生えやすい事を忘れないで

今回は、これから自宅の一室をリフォームして、本格的な防音室を作ろうと考えている方が絶対に押さえておきたい基礎知識をご紹介していきます。

この記事のタイトルから分かるように、防音室を専門業者に依頼してつくってもらう時には、防音室に関わる深い専門知識を持っている業者なのか、どういった施工実績を持っている業者なのかをしっかりと確認しておきましょう。と言うのも、近年では、コロナ問題により在宅時間が長くなったことや、人々の生活空間が近くなったことから、日常生活上の生活音を原因とする騒音トラブルが増加しており、その対策として防音工事を検討する方が多くなっているのです。つまり、防音工事の需要が一昔前よりもかなり高くなってきており、もともと防音工事など請け負っていなかったようなリフォーム業者が、Webサイトなどで防音工事の営業を行うようになっているのです。

そして、こういった経験の浅い防音工事業者に防音室の施工などを依頼した場合、実際に防音室を使っていく上で、健康被害までを引き起こしてしまうようなケースが増加しているのです。そこでこの記事では、防音室を作る前に絶対に押さえておくべきポイントをご紹介していきます。

「防音室はカビる!」がポイント

防音室を依頼する時、皆さんに押さえておいてほしいのは、通常の部屋と比較する場合「防音室はカビやすい!」と言う事実です。と言うのも、防音室は、外に音が漏れ出ていかないようにさまざまな対策が施されるのですが、防音性が高まるのに比例して気密性も高くなっていくわけです。そして、この気密性の高さが「カビ対策」の面で考えると明確な弱点になってしまいます。

一般的に、日本の住宅が木造建築が多いのは、高温多湿な気候であることから、ある程度の通気性を保っていないと、湿気がこもってしまいカビや木材の腐食を引き起こしてしまうからです。そのため、昔の日本の住宅は、木造住宅の上に、窓すら設置されず、居住スペースは襖や障子などで区切られていたのです。これが、空調設備の性能が高くなってきた近年では、空調効率を考えて、気密性が高い住宅が求められるようになっています。そして、防音室と言うのは、小さな隙間が音漏れの原因となってしまいますので、気密性が高いと言われるようになった現在の住宅と比較しても、さらに高気密を実現しています。

こういった気密性の高さは、以下のような条件を満たしてしまうことになることから、カビの発生を招いてしまう危険があるわけです。

  • ・室内の温度が一定以上に保たれている
  • ・高気密=換気がし難いということですので、空気の動きが無く湿気が四隅にこもる
  • ・楽器がある程度の湿度を必要とするので、室内を60%ほどの湿度に保つことが多い

上記の様なことから、防音室と言うのは換気が非常にし難く、湿気の逃げ道がないうえ、それなり以上の温度に保たれてしまうことになります。これは、カビの繁殖条件に非常に適していると言われていて、いつの間にか防音室がかび臭くなってしまう…なんてことになるのです。

防音室のカビは危険がいっぱい

上述したように、気密性が非常に高くなる防音室については、部屋の四隅などに湿気がこもってしまうことから、室内にカビが大量に発生してしまうことがあります。さらに、人の目に見えるような位置にカビが生えているということは、壁の中や天井内の断熱材などもカビだらけになっている可能性が高いです。

このような状況になると、防音室に入るとカビ臭さを感じてしまう…、クロスにカビが生えているのが見えるため、部屋の見た目が悪くなるなどと言った問題が生じます。ただ、防音室でのカビの繁殖は、見た目や匂いなどと言った単純な問題と捉えるべきではありません。実は、体内にカビの胞子などを取り込んでしまう可能性が高いので、健康被害を引き起こしてしまう可能性が非常に高いのです。

特に、防音室の使い方を考えた場合、楽器の演奏や声楽の練習のため、室内で大きく息を吸いこむようなことが非常に多い事でしょう。したがって、防音室にカビが大量に発生してしまうと、体内にかなりの量の汚染された空気を取り込んでしまう恐れがあると考えましょう。特にお子様のために防音室を導入する場合、アレルギーなどの問題を引き起こす恐れまであります。

防音室を作る時は、カビの対策を依頼すべき

防音室を導入する場合、壁や床、天井などに断熱材などを施工し、気密性の高い環境を作れば良いと考えている方が多いです。もちろん、高気密な部屋を実現することは大切なのですが、長く防音室を使えるようにするためには、それだけではいけないということを忘れないでください。

例えば、防音室の施工にまだ慣れていない通常のリフォーム業者などであれば、我々がどういった施工を行っているのか、表面的な部分だけを学んで「壁に隙間なく断熱材を仕込めば良いのだ!」と言った考えの下、防音室の施工を行っているケースがあります。そして、何のカビ対策も行わないことから、梅雨時期になると、防音室内がかび臭くなってしまい、とても利用できない…なんてことになるのです。

実際に、弊社にも他社が施工した防音室について、1年程度で「かびの臭さが気になる…」と言った問い合わせが入り、現地調査をしてみると、壁の中の断熱材がカビだらけになっていた…なんて経験があります。なお、これは極端な例ですが、カビ対策が施されていない防音室については、数年経過していれば、どの防音室でも壁の中はカビだらけになっているはずです。正直、目に見えない部分ですので、健康被害などが出ず、においなども気にならないというのであれば、一生気付かずにそのまま利用してしまうことでしょう。ただ、体内には汚染された空気が入っていますので、決してオススメ出来るような状況ではありません。

ちなみに、防音工事の匠では、防音室の壁に換気口を設置し、壁内の換気を行える独自の施工法を開発しています。弊社が行う防音室であれば、壁内部の断熱材が湿気でカビてしまう…なんてことがなくなりますので、防音室としての寿命も格段に長くなります。

まとめ

今回は、これから防音室を作ろうと考えている方に向け、絶対に押さえておきたい防音室のカビ対策について解説してきました。防音室を作る時には、外に音が漏れないように…と言う防音性能にばかり注目してしまうものですが、防音性能が高いということは、気密性も高いという意味ですので、カビの繁殖に適した環境になっている可能性があると考えてください。

特に、近年では、防音工事の経験が非常に少ないリフォーム業者が、防音工事業者を名乗って営業をかけているケースがあるので、そういった業者に工事を依頼して、工事後数年で防音室がカビだらけになってしまう…なんてケースが少なくないのです。
この記事でご紹介したように、防音室の環境は、何もしなければカビの繁殖に非常に適した条件になっていますので、業者にその辺りを質問してみましょう。優良業者であれば、きちんと対策を考えてくれているはずです。万一、何の根拠もなく「防音室はカビの心配はないです!」などと言う業者がいれば、その業者は知識のない危険な業者と考えた方が良いですよ。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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