窓シャッターには防音効果はあるの?二重窓と比較した場合、どっちがオススメ?

近年では、賃貸アパートなどでも、低層階の居室に窓シャッターが取り付けられているケース増えています。これは、現在の賃貸物件探しでは、物件の防犯性能が重視される傾向にあり、低層階の居室は道路からの視線を遮る事や窓を割って侵入する空き巣被害などを防止する目的で取り付けられているのだと思います。警察などが公表している資料によると、空き巣犯は、侵入に手間や時間がかかると判断できる物件はターゲットにしない傾向にあるとされているので、窓シャッターの取り付けは、非常に効果的な防犯対策とみなされているのです。

更に、新型コロナウイルス問題が取りざたされている近年では、テレワークなどが始まったことで、昼間も自宅で仕事をしなければならない方が増えています。そして、そういった方の中には、昼間の自宅周辺の騒音に悩んでしまっている…と言うケースが意外に多いそうです。今までは、昼間に在宅していないことで全く気にもならなかったのですが、目の前の公園が小さなお子様の遊び場になっており、日中は人の声が常に聞こえることから、テレワークに集中できない…と言った問い合わせが非常に多くなっています。

そして、こういった悩みについては、窓部分の防音対策が効果的になるのですが、二重窓と防犯シャッターならどちらの対策が有効なのか…と迷ってしまう方も多いようです。そこでこの記事では、防音面で考えた時の防犯シャッターの効果をご紹介します。

窓シャッターと防音効果について

それでは、近年、多くの方が取り入れるようになってきた窓シャッターの防音効果について考えていきましょう。窓シャッターについては、基本的に防犯効果を狙って取り付けるものと言うイメージで、窓の防音対策は二重窓や防音ガラスなどで対処するものと考えている方が多いのではないでしょうか?実際に、3階建てアパートなどであれば、1階部分の居室のみ窓シャッターが取り付けられていて、外部騒音は1階とさほど変わらないと考えられる2階部分にはシャッターなど取り付けられないのが一般的です。

それでは、窓シャッターを取り付けた場合、その部分の防音性能はどれほど向上するものなのでしょうか?ここでは、窓シャッターの基礎知識について簡単に解説していきたいと思います。

窓シャッターと防音性能について

窓シャッターは、外からの視線を遮る、空き巣などの侵入を防ぐなど、非常に高い防犯性能を得られるアイテムとして認識されています。ただ、物理的に室内と屋外を遮断できる設備となりますので、視線だけでなく音も遮ることが可能です。

一般的にですが、窓部分にシャッターを設置し、きちんと閉じた状態で計測した場合、外から侵入する音を30dB程度低減することが可能だと言われています。ちなみに、人がうるさいと感じる騒音レベルは、70~80dB程度と言われていて、騒音と感じない普通の状態は50dB程度だそうです。つまり、家の目の前で80dB程度の騒音が生じていたとしても、窓シャッターを閉じていれば、気にならない程度の音にまで低減してくれ、ストレスなく過ごせるようになるのです。

また、こういった防音効果が得られるメリットは、外から侵入する音を防げるだけでなく、室内で生じている音が外に漏れていきにくくなるという点も非常に大きいです。例えば、室内でペットを飼っているお宅であれば、ペットの鳴き声が外に漏れにくくなるので、自分自身が騒音源にならなくて済むというメリットをもたらせてくれるでしょう。

窓シャッターは、外からの騒音も、自分が出す音も遮ってくれるようになるので、防犯面はもちろん、防音の面からも非常に優れた設備と言えるのではないでしょうか。

窓シャッターの種類について

次は、窓シャッターの種類について簡単にご紹介していきましょう。上述したように、窓シャッターを取り付けて、きちんと閉じている状態であれば、音を30dB程度減退させる事ができると言われています。ただ、窓シャッターにもいくつかの種類が存在しており、どのタイプを導入するのかによって得られる防音効果などが違ってしまいます。以下で、一般的な窓シャッターの種類をご紹介しておきます。

  • クローズタイプ
    クローズタイプが、皆さんがイメージする窓シャッターだと思います。このタイプは、板状のシャッタースラットが隙間なく並んでおり、シャッターを閉じることで高い防犯性と防音性を得られます。このタイプのシャッターは、駐車場などのシャッターと同じく、通風や採光のための隙間などが設けられていません。したがって、シャッターを閉じていれば、日光を遮ることから、昼間でも室内が暗くなってしまいます。そのため、日中は基本的にシャッターを開放するという使い方をしますので、その場合は何の防音効果も得られません。クローズドタイプは、夜間にシャッターを閉じて、安全と静かな快眠環境を整えるといった使い方が一般的です。もちろん、テレワークなどのために昼間にシャッターを閉じておくという使い方をしても問題はありません。
  • スリットタイプ
    スリットタイプは、通風や採光のために、シャッターに隙間を設けているタイプです。また、隙間があることで、人の気配も感じられることから、防犯性も高くなると言われています。防音性能に関しては、クローズタイプと比較すれば、隙間からの音漏れがある分低くなるのですが、それでも、それなりに高い防音性能を期待することができます。昼間に採光と防音を両立したいという方にとっては、非常にありがたい存在になると思います。
  • ブラインドタイプ
    ブラインドタイプは、名称通り、ブラインドのように細長い羽板を開閉するタイプのシャッターです。隙間の大きさを自分で調整することができるので、採光や通風、目隠し具合を好きに決めることができる点が大きなメリットです。ただ、十分な採光や通風を得ようと思えば、隙間が大きくなってしまうので、防音性能は低くなってしまうと考えましょう。もちろん、ブラインドきちんと閉じておけば、それなりの防音効果は得られます。

防音性の高いシャッターを選ぶには?

上記のように、シャッターにもいくつかの種類が存在していて、何を目的に導入するのかで、選ぶべきタイプが変わります。とにかく、防音性が高ければ良いというのであれば、クローズタイプの窓シャッターを選んでおけば良いでしょう。

そして、窓シャッターの防音性を考えた場合、素材の遮音性能に注目すると良いでしょう。建材の遮音性能は、T1~T4までの等級が決まっていて、T1であれば25dbの遮音性が、T2であれば30db、T3は35dbなどと、数字が大きくなるほど遮音性能が高くなります。したがって、幹線道路沿いの住宅などで、テレワークするには車の走行音がうるさすぎるのでシャッターで対策したいと考えると、クローズタイプでT4のシャッターを選ぶのが良いでしょう。この場合、理論上は、80dbの騒音があったとしても、室内では40db程度にまで低減することが可能です。

シャッターの価格について

シャッターの防音効果はある程度理解できたと思います。ここまでの説明で分かるように、窓シャッターは、単に防犯効果が得られるだけでなく、窓部分の防音性をかなり高めてくれるという効果も期待できる非常に優れた設備と言えるでしょう。

それでは、実際に窓シャッターを取り付けたいと思った時、どの程度のコストがかかるのかも簡単にご紹介しておきましょう。なお、窓シャッターは、電動で開閉するものと、手動で開閉するタイプで費用がかなり変わってきます。
一般的に、手動タイプの窓シャッターで、6~15万円程度が設置費用の相場となります。手動タイプは、電気工事が必要ない分、設置にかかる費用がかなり割安です。一方、電動タイプのシャッターの場合、安くて十数万円かかりますし、モノによっては30万円程度かかってしまいます。

なお、窓シャッターの設置費用については、何か所の窓に設置するのか、高所作業が必要になるのかなど、条件によってもかなり違ってきますので、詳細は施工業者に問い合わせてみると良いでしょう。

二重窓との違いについて

それでは最後に、二重窓とシャッターの違いについても簡単に解説しておきます。窓部分の防音対策として最も効果的な方法と言われるのが、二重窓にするという手法です。要は、既存窓の内側に、もう一枚窓を設置することで、高い防音性能が得られるという対策です。この手法は、窓と窓の間に空気層ができることから、断熱性も高めてくれる上に高い防音効果が得られます。さらに、窓ガラスの種類を変えることで、さまざまな周波数に対する遮音性能を得ることが可能になりますので、非常に効果的な窓の防音対策になるのです。

つまり、二重窓と窓シャッターについては『防音効果が得られる』という点では同じ対策と考えても構いません。ただし、それぞれの方法によって得られる結果はかなり違います。

窓シャッターによる対策の場合、防音効果以外に高い目隠し効果や防犯性が得られるのですが、その反面、採光や通風が難しくなってしまうという点がデメリットになるケースもあります。二重窓は、窓部分の採光は全く変わらないので、明るさはそのままに、断熱効果と防音効果が得られるという手法となります。

どちらの手段も一長一短がありますので、防音効果以外の面でどちらが良いのかを検討すると良いのではないでしょうか。

まとめ

今回は、防犯目的で取り付ける方が増えている窓シャッターの防音性能について解説してきました。一般住宅であれば、標準装備のような扱いになっている窓シャッターですが、一般的には空き巣被害などを防止することができる防犯設備の一種として認識されています。空き巣犯などは、侵入するために手間と時間がかかる建物は、そもそも狙わなくなるというデータがあることから、破壊するために時間も大きな音も生じる窓シャッターを導入する方が増えています。

そして、窓シャッターは、物理的な遮蔽物になることから、防音目的と考えた場合にも非常に効果的な設備となるのです。一般的に、窓部分の防音対策は二重窓による対策が有名ですが、窓シャッターによる対策であれば、防音だけでなく防犯まで出来ますので、非常にオススメです。特に、賃貸住宅などは、防犯設備の充実度を重視する方が増えていると言われているので、窓シャッターの取り付けは物件の空室対策としても非常に効果的です。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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