日本の戸建て住宅の約9割を占める木造住宅!木造住宅ならではの防音事情をご紹介します。

木造住宅とは、その名称から分かるように建材として木材を採用した住宅のことです。木造住宅は、高温多湿な日本の気候に適していると、古くから日本国内で用いられてきた主要な建築構造として有名です。ちなみに、現在では、鉄骨造や鉄筋コンクリート造など、木造よりも頑丈な建築構造が登場していますが、日本の戸建て住宅の約9割は木造が占めていると言われています。

木造住宅がこれほどまでのシェア率を誇っているのは、その他の建築構造にはないメリットが存在するためです。しかし、鉄筋コンクリート造など他の建築構造と比較すると、「防音性が低い…」というイメージを持っている方が多くなっています。特に、大阪市内などの都市部などでは、家と家の距離が非常に近くなっていることから、家を建てる時に「木造だと音漏れや騒音問題に悩まされるのでは?」と不安に感じてしまう方が多くなっていると言われています。

そこでこの記事では、日本国内の戸建て住宅のほとんどを占める木造住宅の防音事情を解説します。

参照データ:日本の住宅事情について

木造住宅の特徴について

それではまず、日本国内における戸建て住宅のほとんどを占める木造住宅の特徴を簡単に解説します。

木造建築様式は、古くから日本国内で愛されてきた歴史のある建築工法で、主なメリットとしては、主原料が『木材』であるなど、自然素材が採用されることから、他の建築様式と比較すると、温かみのある雰囲気の空間を作れる、高温多湿な日本の気候に合う通気性の良さや温湿度調整機能が優れているなどと言った点があげられます。この他にも、家を建てることを考えた場合、鉄骨や鉄筋コンクリートと比較すると、軽量で加工しやすいことから、工期が短くなり、建築コストが抑えられるという点が非常に大きなメリットになります。
ただし木造は、RC(鉄筋コンクリート)造や鉄骨造など、他の建築様式と比較すると、耐震性や強度が低いという点がデメリットと言われています。また、木造の利点である「通気性の良さ」については、裏を返せば音なども通してしまうという意味ですので、防音性の低さが悩みの種になる場合があります。

実際に、新築戸建て住宅の購入を検討中の方の中には、木造建築での騒音トラブルを不安視する方が多く、コストがかかっても他の建築様式の方が良いのかと迷ってしまう人も多いと言われています。木造は、素材的にコンクリートと比較すると、音を通しやすいのは事実です。しかし、一昔前と比較すると、住宅に採用される建材や建築技術そのものが飛躍的に向上していることから、現在建てられる住宅は、木造であっても高い防音性を持っていると考えても良いでしょう。
その証拠に、「高気密・高断熱」がキャッチコピーのように使用される近年の木造住宅は、非常に高い気密性を誇ることで、シックハウス症候群の急増が社会問題となりました。シックハウス症候群は、新築時に、建材から吐き出される化学物質が人体に悪影響を与え、アレルギー症状などを引き起こすものなのですが、これは住宅の気密性が非常に高い事で、人体に悪影響を与える物質が家の中に長くとどまってしまうことで起こるのです。そのため、こういった問題を解消するため、現在の住宅では機械による24時間換気が法律で義務付けられるようになっています。

気密性の高さは、「住宅に隙間が少ない」ことを意味していますので、昔の木造住宅のように隙間から音が漏れて騒音トラブルになるなんてことが少なくなっていることを意味しています。さらに、現在では、木造住宅で高い防音性を確保するため、住宅の各所にさまざまな対策が施されるようになっており、「木造は防音性が低い」という従来のイメージを覆す家が建てられています。

木造住宅で採用されている騒音対策とは

近年では、新築業界で「高気密・高断熱」であることがアピールポイントになっています。高気密・高断熱の家が実現すれば、室内の温度が外気温の影響を受けにくくなるので、空調にかかるコストなどを大幅に削減することができ、省エネが実現できるからです。そして、コロナ問題により、人々の在宅時間が長くなってきた現在では、高気密・高断熱に加えて、防音性の高さに着目する住宅メーカーが多くなっています。

というのも、コロナ問題以降、テレワークが多くの企業で取り入れられるようになり、自宅でも仕事に集中できる環境を求める方が急増しているわけです。そのため、大手住宅メーカーの中には、防音室付き建売住宅の販売を始めるなど、コロナ禍以降のニーズに応えられるような対策が進んでいます。

それでは、防音性能に着目した戸建住宅とは、どのような対策が施されているのでしょうか?以下で、代表的なポイントをいくつかご紹介していきます。

①出入口への対策

一つ目は、出入口へ防音対策です。実は、通常のドアは、きちんと閉めていても換気ができるように隙間が設けられていて、音漏れがしやす構造になっています。在宅時間が長くなった現在では、ご家族間の騒音トラブルが増加していると言われているのですが、その大きな要因の一つがドアの防音性の低さと考えられています。

したがって、こういった問題を解消するため、住宅に使用するドアについては、防音ドアを採用する住宅が増えています。住宅に採用するドア全てを防音ドアにすると、「かなりコストがかかってしまうのでは…」という点が気になりますが、実は防音ドアにもいくつかの種類が存在しますので、求める防音性能によって場所ごとにドアのランクを選ぶことで、コストを抑えることが可能です。通常のドアは、隙間が生じる構造になっていますので、ご家族間の音の問題を防止したいと考えるのであれば、大きな検討項目になると思います。

②窓や換気口の対策

窓や換気口も音漏れや音の侵入原因となります。例えば窓については、壁と比較すると圧倒的に薄い素材で出来ていますので、必然的に防音性能が低くなってしまいます。換気口に関しては、空気の通り道として設けられているわけですので、何の対策も行わなければ、音も素通りできてしまい、騒音トラブルの大きな要因となってしまうリスクがあります。特に、家と家の距離が近くなった都市部などでは、誰もが日常生活を進めるうえで生じさせる生活音で近隣トラブルに発展するケースが増えていると言われています。

こういった音は、窓や換気口の防音性の低さが原因となるケースが多いため、近年建てられる新築住宅ではこの部分の防音対策に力が入れられています。例えば、窓ガラスとして防音ガラスを採用したり、開閉をしない部分の窓は二重窓が採用されたりするケースが多くなっています。換気口についても、防音仕様の換気口が設置されているケースが多くなっています。

③壁の対策

外部からの音の侵入を防ぐ、自分たちが生じさせる音が外に漏れるのを防ぐには、壁の防音性能が非常に重要になります。実は、今では考えられないのですが、古い日本家屋は、外壁が無い構造になっている物も多いです。これは、高温多湿な気候に対応するのが目的で、夜間は雨戸などを設置するのですが、昼間は風通しが良くなるように開け放たれているような住宅は、現在でも地方に行けば残っています。

ただ、防犯性のことも考えると、さすが現実的ではなくなっていますね。そして、現在では、空調機器を効率的に使用できるようにするため、住宅の気密性や断熱性を高める対策が施されるようになっています。壁にはグラスウールやロックウールと言った断熱材が充填されているのですが、これらの素材は吸音材としての役割を持っており、現在の新築業界では隙間なく断熱材を設置することで、壁の防音性を高めるようにしています。なお、外壁材の中には、遮音性が高い事を売りにした製品などが登場していますので、こういったアイテムを併用することで、住宅の防音性を一気に高めることが可能になっています。

④屋根・天井の対策

住宅の防音性能を考える時には、屋根の防音性能について見落としてしまう方が多いです。そもそも、日本の戸建て住宅では、古くから瓦屋根が採用されており、瓦は非常に遮音性が高いという特徴を持っているため、屋根の防音性に目を向ける機会が少なかったのだと思います。

ただ、近年の新築業界では、屋根の軽量化が目指されており、瓦は全屋根材の中で最も重いということから、敬遠される傾向にあります。そのため、屋根材の中でも軽量な金属屋根材やスレート屋根などが採用されるケースが多くなっています。ただ、これらの屋根材は、非常に薄く成形されているため、軽量な屋根が実現できる反面、屋根材の防音性能は低くなってしまうのが弱点になります。特に、金属屋根を採用した住宅で、防音に関する対策を行っていない場合、雨音に悩まされてしまうほど防音に関する性能が低いです。

こういったことから、近年の新築住宅は、軽量な屋根材を採用するのに合わせて、屋根裏に断熱材を施工して防音性を高める対策が施されるようになっています。屋根裏断熱は、住宅の断熱性能を高めるのはもちろん、防音性能まで高めてくれるので、屋根部分の防音性能の低さを解消してくれます。

住み始めてからできる防音対策について

鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比較すると、防音性能が低いと考えられがちな木造住宅ですが、上で紹介されたような対策が施されていることから、防音性に優れた物件が増えています。ただし、木造住宅の防音性を高めようとすれば、それだけ新築にかかるコストが高くなる傾向にありますので、その辺りは予算などのこともしっかりと考えておきましょう。

ちなみに、住宅の防音性能に関しては、住み始めてから対策を施すことも可能です。最後に、自宅の防音性を高めるための対策をいくつかご紹介しておきます。

  • 隙間を埋める
    音漏れや音の侵入は、住宅に存在する隙間が原因です。高気密の家が高い防音性を誇るのは、この隙間が少ないからです。したがって、自宅で過ごす際に、何らかの音の問題を抱えた時には、隙間を埋めるという対策が非常に効果的です。ホームセンターなどに行けば、ドアや窓に生じる隙間を埋めるための隙間テープが販売されているので、そういったアイテムを利用すると良いでしょう。
  • 防音カーテンを利用する
    上述しているように、一般的な窓は、薄い素材のガラスですので、どうしても壁部分よりも防音性が低くなります。つまり、防音上の弱点になりうるわけです。この窓の防音性を高めたいと考えた時には、カーテンに気を使うと良いでしょう。最近では、防音カーテンと呼ばれるものが販売されており、通常のカーテンと比較すると、かなり防音性が高くなります。人の話し声や生活音などの防音であれば、十分な効果を発揮しますので、カーテンを防音カーテンに変更してみるのはオススメです。
  • 防音室を作る
    住み始めてから、楽器の演奏を検討し始めた…など、生活音とは比較にならないほどの大きな音を生じさせるという場合は、専門業者に依頼して防音室を作るしかないでしょう。楽器用の防音になると、小手先の防音対策ではほとんど効果が得られず、ほぼ間違いなく騒音トラブルに発展してしまいます。

このように、住宅の防音性能については、住み始めてから対策をとることも可能です。

まとめ

今回は、木造住宅の防音性について、開設しました。この記事でご紹介したように、日本の住宅は、古くから木造建築が選ばれており、さまざまな建築構造が開発された現在でも、約9割の住宅が木造を選択しているというデータがあるそうです。これは、日本の夏は高温多湿な気候になるため、家を長持ちさせるためには通気性を重視する必要があったからです。

ただ、通気性の良いということは、音も侵入しやすくなるという意味ですので、「木造は防音性が心配…」という印象が現在でも残っています。この記事でご紹介したように、現在の住宅は、高気密化が進んでいますので、一昔前までの住宅のように、家の隙間から音が侵入するという心配は少なくなっています。さらに、断熱性向上のための対策も施されているため、家そのもの防音性は飛躍的に向上しています。

なお、注意しておきたいのは、家の防音性が高くなっているとはいえ、楽器の演奏やカラオケ、ホームシアターなど、生活音とは比較にならないほど大きな音を生じさせる場合、本格的な防音工事が必要不可欠です。高気密・高断熱化が進んでいるとは言え、通常の家が持つ防音性能は、生活音レベルを防ぐことしかできないでしょう。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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