エレキギターは生音でもうるさい?騒音トラブルを防ぐために効果的な防音対策を抑えておこう!

自宅でエレキギターを弾く際には、演奏音で近隣の方に迷惑をかけていないか、配慮する必要があります。一般的に、エレキギターはアンプを通した時、非常に大きな音が生じるというイメージですので、アンプを通さない生音であれば、自宅で練習しても音で迷惑をかけることは無いと考える人が多いです。しかし実は、エレキギターは、アンプを通していない生音でもうるさいと思われる可能性があるのです。

特に、マンションやアパートなど、隣家との生活空間が非常に近い集合住宅の場合、アンプを通していない場合でも、クレームに繋がる可能性が高いため、適切な防音対策が必要と考えた方が良いです。そこでこの記事では、エレキギターを弾く際の音量に関して、必要な防音対策について解説します。

エレキギターの音量について

それではまず、エレキギターを演奏した時、どの程度の音量の音が生じるのかについて解説していきましょう。

多くの方は、自宅でエレキギターを演奏する場合、アンプを通した音をそのまま流すと、ご近所に音で迷惑をかけるというのはイメージできていると思います。ただ、アンプを通さない生音であれば、大した音量ではないし、自宅で時間を気にせずに演奏しても特に問題にならないと考えているのではないでしょうか?実は、この考えは大きな間違いです。

エレキギターを演奏した時の音は、アンプを通した場合、アンプのワット数やボリュームのレベルなどによって異なるのですが、30w程度のアンプで音を絞って使用した時でも80~90dB程度の音量となります。ちなみに、それなりの腕前の方がピアノを演奏した時の音量が約80~90dBとされていますので、アンプありのエレキギターの場合は、防音室が必須と考えられるほど大きな音が生じてしまいます。
一方、多くの方が「大した騒音レベルではない」と考える、アンプを通さないエレキギターの生音に関してはどうでしょう。実はエレキギターの生音は、65~75dB程度の音量になるとされていて、時と場合によっては十分に騒音と感じられるほどの音量となるのです。例えば、走行中の電車内の騒音レベルが約80dBとされていますので、エレキギターの生音はこれに近い音量が生じているわけです。深夜など、周囲が寝静まった時に、このような騒音が近くから聞こえれば、誰でも非常識と感じてしまうことでしょう。

このように、エレキギターは、アンプのありなしに関わらず、十分に騒音トラブルの原因となってしまう可能性があると考えるべきです。なお、ここで紹介したエレキギターの音量は、あくまでも目安です。実際の音量は、ギターの弾き方や腕前などによって異なりますので、参考程度の情報と考えてください。

自宅でエレキギターを弾きたいときの防音対策とは?

前項の情報で、エレキギターが騒音トラブルの原因となり得るということは皆さんも理解できたと思います。それでは、自宅でエレキギターの演奏を行いたいと考えた場合、どのような防音対策を施せば良いのでしょうか?

ここでは、効果的な防音対策をいくつかご紹介します。なお、エレキギターの防音対策は、主にギター本体から出る音を小さくする方法と、部屋そのものを防音する方法の二種類があります。

ヘッドフォンアンプを活用

電子ピアノなどの防音対策としても有効とされる方法です。ヘッドフォンアンプを活用すれば、ギターアンプを使わなくてもヘッドフォンから増幅した音が出ます。この音は、演奏者だけが聞くことができ、表には出ないので、効果的な防音対策になるわけです。ヘッドフォンアンプには、超小型の物やヘッドフォンにアンプが内蔵された物、スマートフォンに接続するタイプなど、さまざまなモノが登場していますので、好みのものを用意すると良いでしょう。

注意が必要なのは、ヘッドフォンアンプを利用したとしても、演奏時の生音を消音することはできません。上述しているように、エレキギターの生音は走行中の電車内の騒音に匹敵しますので、ヘッドフォンアンプのみの対策では、完全な騒音対策にはならないでしょう。生音まで小さくしたい場合は、ギター本体から生じる音を小さくする必要があります。

サイレントピックを活用

エレキギターの生音まで小さくしたい場合、サイレントピックの使用がおすすめです。サイレントピックとは、アコースティックギターの音量を抑えるために使われるピックで、これを利用した場合、通常の約1/2程度の音量までおされられるとされています。

サイレントピック使用時の音量が小さくなるのは、通常のピックと比較すると薄くてペラペラの素材だからです。つまり、通常のピックで演奏するのと比較すると、弾いた感触が変わる点は注意しなければいけません。

消音グッズの活用

ギター用の防音グッズとしては、弱音器などのアイテムがあり、これを活用することで生音を抑えることが可能です。なお、弱音器も本来はアコースティックギター用のアイテムですが、エレキギターで利用することも可能です。

弱音器をブリッジ付近に取り付けると、弦の振動を抑えることができ、余分な共振をカットします。そのため、ギターからの生音の音量が下がるという仕組みになっているのです。弱音器は、柔らかい素材が使用されているので、ギター本体を傷める心配もありません。

部屋自体に防音対策を施す

コストはかかるものの、騒音問題解消に最も効果的な方法が、部屋そのものに防音対策を施すというものです。簡単に言うと、我々のような防音工事会社に依頼して、既存の部屋を防音室に作り替えるリフォーム工事を行うという方法になります。なお、防音室に作り替えるまでの防音工事を行うとなると、部屋の広さや実現する防音性能によって異なるものの、最低でも100万円程度、場合によっては数百万円単位のコストがかかります。例えば、ドラムやベースなども含めた、バンド演奏用の防音室の場合、6畳程度の防音室を作る場合で500万円程度のコストになるでしょう。

「防音対策がしたいものの、そこまでコストをかけられない…」「賃貸だから大掛かりな防音工事ができない…」と言った場合には、自分で施せる対策を行ってみるのも良いでしょう。例えば、窓やドアの隙間を埋めるため、隙間テープを設置する、カーテンを防音カーテンに交換する、隣家との境界壁に防音パネルを設置するといった方法で、ある程度の防音効果を期待することができます。こういったDIYで使用できる防音対策グッズは、ホームセンターやネット通販で販売されるようになっていますので、コストを抑えて対策を施すことも可能になっています。
自分で対策を行う場合、得られる防音効果は下がりますが、かかるコストはかなり抑えられるので、専門業者による防音工事が無理な方は実践してみるのも良いでしょう。

自宅外で練習する

本末転倒ではありますが、スタジオやカラオケボックスなど、自宅外で練習するという対策を施せば、近隣の方とエレキギターの音でトラブルになる可能性はなくなります。楽器の練習用スタジオなどは、個人練習の場合、料金を低く設定している場合もありますし、大きな音を出しながら練習したいときには最適です。

また、スタジオには、本格的なアンプなども設置されていますし、バンド練習と同程度の大音量で思う存分エレキギターの練習をすることができます。カラオケボックスは、アンプなどの設備はないものの、スタジオをレンタルするよりは安価に練習環境を用意することが可能です。さらにカラオケの場合、練習したい曲をバックに演奏ができるため、コピー曲の練習であれば、最適な環境と言えます。なお、カラオケボックスによっては、ギターの練習などが禁止されている場合もあるので、利用前に必ずギターの演奏が可能かどうかを確認してください。

賃貸住宅に住んでいて、防音工事などの対策が難しい場合は、自宅外での練習がおすすめです。

自宅での楽器演奏の注意点

それでは最後に、エレキギターを含めて、自宅で何らかの楽器を演奏したいと考えている方がおさえておきたい注意点をご紹介します。ここで紹介する注意点については、コスト的な問題や賃貸だからなどと言った理由で、自宅に本格的な防音室を用意できない人に向けたものです。専門業者に依頼して防音室を作った方であれば、気兼ねなく楽器の演奏が可能ですが、そうではない場合、近隣の方に音で迷惑をかけてしまう恐れがあります。

騒音トラブルを抱えないためにも、以下の点は注意してください。

早朝や深夜に練習は控える

なんらかの防音対策を施している場合でも、防音室を用意できていないのであれば、早朝や深夜の楽器演奏はNGと考えておきましょう。近所の方が寝ているような、早朝や深夜に楽器の演奏を行った場合、周囲が静かな分、演奏音が目立ってしまい、トラブルに発展する可能性が高いです。

特に、鉄骨造や木造アパートなどは、深夜にギターを演奏すると、隣家だけでなく、上下階の住宅まで音が響てしまう可能性があり、音に神経質な方が住んでいれば、クレームに繋がる可能性が高いです。なお、賃貸の集合住宅の場合は、楽器の演奏自体が禁止されている物件が多いので、入居前に楽器を演奏しても良いのか管理会社やオーナー様に確認してください。

窓やドアを閉めておく

楽器の演奏を行う時には、窓やドアは絶対に閉めておきましょう。窓やドアを閉めていたとしても、完全に音漏れを防げるわけではないのですが、開けているのと比較すれば、雲泥の差です、

なお、音漏れをできるだけ防ぎたいと考えるのであれば、窓やドアからできるだけ離れて演奏するのもオススメです。

ご近所さんに挨拶をしておく

意外な盲点となるのですが、集合住宅で騒音トラブルを防止したい場合には、近隣の方ときちんと人間関係を作っておくと言ことが重要です。音の感じ方は人それぞれなものですが、同じ大きさの音を聞いたときでも、その音を誰が出しているのかによって感じ方がかなり違ってくるものです。

例えば、同じ赤ちゃんの夜泣きの声でも、普段から仲良く会話をしているお宅から聞こえてくる場合には「○○さんも大変だね。」と騒音源となっているお宅のことを心配する余裕もあるなど、特に騒音と感じない場合が多いと思います。しかし、普段から挨拶もせず、コミュニケーションが全くない家から聞こえてきた音であれば、「うるさいな!防音対策ぐらいするのが常識でしょ!」と怒りの気持ちがわいてきてしまう場合もあるはずです。

このように、音の問題というのは、近隣の方とのコミュニケーションがきちんととれているのかという点も意外に重要になりますので、引っ越した際や日常生活の中で出会った時には、きちんと挨拶する、ちょっとした会話でコミュニケーションをとることが大切だと考えましょう。また、自宅で楽器の練習がしたいと考えている時には、音で影響を与えそうなお宅には、話を通しておくのがおすすめです。例えば、上で紹介したような対策をとって迷惑にかけないように演奏するつもりですが、「演奏を控えた方が良い時間帯などありますか?」と先に声をかけておけば、迷惑にならない時間帯に練習ができますし、相手の方も気遣ってくれていることがわかるため、多少の音であれば気にならなくなるものです。

まとめ

今回は、エレキギターの演奏音による騒音問題について、アンプにつないでいない生音でも騒音トラブルの可能性があるのかについて解説しました。

記事内でご紹介したように、エレキギターは、例えアンプにつないでいない状態でも、走行中の電車内に匹敵する騒音が生じます。つまり、集合住宅内でエレキギターの練習をする場合は、生音でも十分にトラブルになる可能性があるわけです。

この記事では、エレキギターの防音対策についても簡単にご紹介していますが、絶対に騒音問題は防ぎたいと考えるなら、専門業者による防音工事がおすすめです。防音工事の匠では、ライブハウスやレコスタなど、商業用のスタジオ施工はもちろん、一般住宅でもバンド演奏が可能なレベルの防音室を数多く施工しています。自宅でエレキギターの演奏をお考えであれば、お気軽に弊社までお問い合わせください。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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