コロナ禍で騒音トラブルが急増中!?周辺に配慮するため、「うるさい」の音量を押さえておこう!

今回は、私たちが日常生活を進めていく上で、身近に存在する騒音トラブルの原因について考えていきたいと思います。一昔前の日本では、庭付き一戸建て住宅が当たり前で、昼間であればお子様が窓を開けてピアノの練習をしていても、それによって近隣と騒音トラブルになるなんてことも少なかったように思えます。これは、一昔前の日本では、ご近所づきあいも密接でしたし、多少の迷惑であれば「お互い様」と考えて、わざわざいざこざにしないようにしていたというのも大きいと思います。

しかし近年では、マンション暮らしの方が増えてきた、都市部では戸建てでも庭付きなどは少なく、隣家との距離が非常に近くなっている、さらにご近所づきあいも減ってしまい、お隣にどんな人が住んでいるのかすら分からない…なんて生活環境になっています。そのため、数十年前の日本では考えられなかった生活音を原因とするご近所トラブルが急増していると言われているのです。例えば、戸建住宅なのに、夜中にトイレを流す音で騒音トラブルを抱えてしまった…なんて、信じられないようなお話も存在するのです。

さらに昨年から続く、新型コロナ問題により、在宅時間が長くなってきたことから、さらに騒音トラブルが増加していると言われています。そもそも音の問題は、人によって感じ方が異なりますし、「どこからどこまで」が騒音なのかイマイチ分からない…という点も問題の一つでしょう。
そこでこの記事では、私たちが日常生活で出している音が、どの程度の音量なのかを簡単にご紹介します。また、環境省が公表している、騒音と考えられるラインなども簡単に触れておきます。

『騒音』の基準について

騒音は、住環境を悪化させてしまう原因になることから、環境問題の一つと考えられています。ただし、音の問題の難しい点は、同じ音量でも人によって感じ方が異なってしまうことです。さらに、人間が日常生活を進めていく上では、何を行うにしても音が生じてしまうものですし、完全に無音で毎日を過ごすなんてことは誰にもできません。もちろん、「誰でも音を出すのだからどんな音でも我慢すべき」というわけではないのですが、必要以上に敏感になるのはあまり良くないことかもしれませんね。

ただし、騒音はご近所間のトラブルに発展してしまう危険性がある事から、「どのぐらいの音が騒音に当たるのか?」という基準を環境基本法によって定めています。具体的な基準については、以下のような感じになっていますので、ぜひ覚えておきましょう。

  • 療養施設、社会福祉施設等が集合して設置される地域など特に静穏を要する地域での騒音の基準は、昼間50dB以下、夜間40dB以下
  • 「専ら住居の用に供される地域とする。」「主として住居の用に供される地域」での騒音の基準は、昼間55db以下、夜間45dB以下
  • 相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供される地域での騒音の基準は、昼間60dB以下、夜間50dB以下

なお、道路に面していれば、自動車の走行音がどうしても生じてしまうことから、それぞれの地域で前述した基準にプラス5~15dBを加えた数値が騒音の基準になります。また、幹線道路に面している場所では、一律で昼間70dB以下、夜間65dB以下まで基準値があがります。
なお、数値だけで示されたのではイマイチイメージしにくいでしょうし、以下でもう少し具体的にご紹介していきます。

参考:環境省「騒音に係る環境基準について

身近にある音の大きさを知っておこう

引用:YKKap公式サイトより

それでは、私たちが日常生活で生じさせるさまざまな音について、それぞれの音の音量を見ていきましょう。上図は、音量によって一般の人がどのように感じてしまうのかを示しているのですが、基本的に60dBを超えてくると人は「うるさいな…」と感じてしまうと言われています。また、家の中にいて、快適に感じる音量に関しては45~50dBいかが望ましいとされていますので、この辺りを基準に考えておきましょう。

ただし、コロナ禍の現在では、テレワークが一般化しており、自宅で仕事をしているなんて方は、より静かで集中できる環境を求めていると言われています。上の基準は、あくまでも家の中でリラックスできるかどうかの基準程度で考えておきましょう。

生活音の音量

まずは日常生活にある音の大きさを見ていきましょう。誰でも、他人に迷惑をかけてやろうと考えて、無理やり大きな音を生じさせている…なんてことはないと思います。しかし、普通に生活していても、テレビや電話をかける時の音、掃除機や洗濯機を使用する時の音など、さまざまな音が生じてしまうものなのです。それでは、こういった生活音はどの程度の音量があるものなのでしょうか?

まず、テレビやラジオ、水洗便所の音に関してですが、これらは50~70dBの音量になると言われています。上述した、戸建てで水栓を流す音でトラブルが…というのは、寝室の真横がトイレになっていて、寝静まった深夜にトイレを流した時の音が聞こえてしまう…というパターンです。なお、このレベルの音に関しては、昼間であれば騒音トラブルを引き起こすようなことはないと思います。

次に、近隣の方が「ややうるさい…」と感じてしまうレベルですが。これは70~90dBの範囲と考えてください。このレベルとなると、パチンコ店の音やボーリング場の音量レベルと言われており、昼間でも静かにしてほしい…と思われてしまう音量になります。ステレオから出る音や、犬の鳴き声、掃除機の音がこのレベルです。
最後は、「きわめてうるさい…」と思われてしまう音量で、90~110dBの範囲の音になります。このレベルとなると、地下鉄や滝の音に該当しますので、昼間でも「うるさい!」と苦情を入れられてしまうレベルと考えておいた方が良いですよ。なお、このレベルの音は、基本的に防音対策などを行わないまま、自宅で楽器を演奏している、大型犬の鳴き声などになります。

楽器の音の大きさ

上述したように、楽器は非常に大きな音が出ますので、何の対策も行わないまま集合住宅や近年の戸建てで演奏していれば、高確率で騒音問題に発展してしまうと思います。楽器の音色は非常に美しいのは確かですが、その音を聞きたいと思っている人以外にとっては、騒音と感じられてしまう可能性が高いです。例えば、テレワークで家で仕事しているのに、隣から大きなピアノの音が聞こえてきて集中を乱されている…なんて場合、どれだけピアノの音色が美しくても騒音になりますよね。

ちなみに、楽器は種類によって生じさせる音量が異なり、クラシックギターやバイオリンなどの弦楽器で80~90dBの範囲の大きさと言われています。これがピアノになってくると、90~110dBの音量となり、地下鉄の騒音と変わらないレベルの大きさになってしまうのです。金管楽器などであれば110~120dB、ドラムやパーカッションは130dB程度とジェット機や落雷などに匹敵する音の大きさになります。

このように、自宅で楽器を演奏するという行為は、非日常的な騒音を生み出しているのと同じことで、ご近所さんに配慮するためには、防音対策が絶対に必要だと考えてください。

まとめ

今回は、身近にある生活音や楽器が出す音について、どの程度の大きさになるのかをご紹介してきました。この記事でご紹介したように、普段何気なく出している音の中には、完全に騒音の基準を超えてしまうような音量のものもあり、何の防音対策もしていない…というのであれば、騒音トラブルになってしまうことは当たり前のことだと言えるのです。

生活音に関しては、誰もが生じさせてしまう音ですし、お互い様な部分があるのも確かです。しかし、音を生じさせる時間帯を考えずに行動してしまっていると、ご近所さんとの関係が悪くなってしまう恐れがあります。
なお、楽器が生じさせる音については、完全に非日常的な音量になってしまいますので、防音対策が必要だと考えてください。特に、集合住宅などになると、部屋と部屋がつながっている分、余計に音が伝わりやすいですよ。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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