音にお困りの方へ!防音工事の打ち合わせをスムーズに進めるために知っておきたい知識

今回は、専門業者に防音工事を依頼しようと考えている方に向け、業者との打ち合わせをスムーズに進めるために知っておきたい専門用語などをご紹介します。

防音は、文字通り「音を防ぐ」ことを指していて、防音工事は何らかの対策を施すことで、外からの騒音の侵入を防ぐ、もしくは建物内から音が漏れ出るのを防ぐための工事です。一般的に、専門業者に依頼してまで防音工事を行うのは、自宅で楽器の演奏を行うなど、近所迷惑になるほどの大きな音を生じさせる人が、近隣に配慮する目的と考えられるでしょう。実際に、一昔前までは、こういった目的の防音工事が多かったです。しかし、近年では、コロナ問題により在宅時間が長くなっている、人々の生活空間が近くなっているなどと言った理由で、生活音を防止するための防音の依頼が増えています。

防音工事の需要が年々伸びている近年では、初めて防音工事業者に相談する方が多くなっていて、業者が使用する専門用語の意味が分からず、会話に困ってしまう…というケースが珍しく内容です。そこでこの記事では、防音工事の打ち合わせを行う前に、最低限知っておきたい知識をご紹介します。

音に関する基礎知識

防音は、『音』を防ぐためのものですので、音に関する基本的な知識をおさえておかなければいけません。実際に、防音工事の打ち合わせ時には、音にまつわる専門用語がたくさん出てきますので、以下で紹介する内容程度はきちんと押さえておかないと、業者が言っている意味が全く理解できない…なんてことになりかねません。

音の単位『dB(デシベル)』とは

音の強さは『dB(デシベル)』という単位で表されます。一般的に、40dB前後が人が静かで快適と感じる音の大きさと言われています。

なお、音は10dB違うと、それぞれの音の大きさは10倍違うことを意味します。ただ、人の耳で音を聞いたときには、20~30dBの違いがあって、はじめて音が半分近くまで小さくなったと感じるとされています。人間の耳と、機械的な計測では、遮音の尺度がかなり違うということです。

『暗騒音』とは

私たちに日常生活の中にはさまざまな音が存在します。一般的に、人がうるさいと感じないレベルでも、昼間の住宅街で40~50dBの騒音があるとされています。そして、この時に、家の中で楽器を演奏する場合、家の外に漏れていく音が先述の騒音と同じレベルになれば、楽器の音は外の騒音に紛れて、人が気にならなくなります。

このような屋外に存在する騒音の事を『暗騒音』と呼びます。

なお、『暗騒音』は、何も屋外に存在する騒音だけを指すのではなく、家の中に存在する騒音も『暗騒音』と呼びます。『暗騒音』は、屋外よりも屋内の方が低くなるのが一般的ですので、防音の対象が家の中にあるのか、外にあるのかによって求められる防音のレベルがかなり変わります。
防音工事を行う際には、自宅周辺の『暗騒音』のレベルによって防音室に求められる性能が大きく変わると考えておきましょう。

『Dr値』とは

防音工事は、全ての案件で同じ対策を施しているわけではありません。お客様によって音の悩みが異なりますので、それに応じた対策をその都度設計します。

例えば、防音室のご相談では、楽器の防音室が多いのですが、その場合、楽器の音域に応じた対策が必要になります。世の中にはさまざまな楽器が存在していて、楽器によって音域はさまざまです。一例をあげると、同じ弦楽器でも、ヴァイオリンとコントラバスでは演奏時の音域が異なりますし、サックスなどは同じサックスでも音域の異なる複数のサックスが存在します。そのため、防音室を作る際には、防音の方法やどの程度の遮音性能が必要かなど、楽器ごとに条件に合わせて対策を講じる必要があるのです。

このような時、指針となるのがJIS規格による遮音性能を表す「Dr(デーアール)値」です。Dr値は、各周波数帯域(音の高さ)ごとに基準値が設定されていて、その基準値ごとに遮音性能(何デシベル音が下がるか)が問われます。したがって、各周波数帯域(音の高さ)でしっかりと基準通りの遮音がされていないと、Dr値の基準がクリアされません。

Dr値は、防音工事の性能について話すときに登場するのですが、防音工事の性能を紹介する時には、以下の二つのパターンがあります。同じような意味に聞こえますが、実は中身がかなり違うので注意しましょう。

  • 防音工事で35dB音が止まります
    お客様からすると「35dB音が小さくなる」と感じますが、Dr値の表現ではないので、どの音の高さの遮音性能か判断することができません。そのため、楽器によっては防音室の効果に不安が残ります。
  • 防音工事でDr-35の性能を発揮します
    このような表現の場合、各音域ごとの遮音性能がはっきりと分かります。そのため、楽器ごとの防音効果を正しく把握できるので、自分に必要な性能なのか判断する事が可能です。

空気伝搬音と固体伝搬音

防音を考えた時には、音の種類についても抑えておかなければいけません。防音に関する知識が無い方であれば、音を一つの『音』として考えていると思います。しかし実は、音にも「空気伝搬音」と「固体伝搬音」と言った感じに伝わり方で種類が存在します。

空気伝搬音は、皆さんが考えている通りの音で、空気を介して伝わってくる音を指しています。このタイプは、直接耳に聞こえる音ですので、直接音や一次音などとも呼ばれることがあります。

これに対して、固体伝搬音は、空気伝搬音が壁などに衝突した後、その壁を振動させその振動で発生する音、または壁などの構造物の中を伝わる音そのものを指しています。これは、空気伝搬音から発生することが多い音なので、間接音や二次音などと呼ばれることがあります。
楽器の音に限らず、どのような音でも空気伝搬音と固体伝搬音が混合して伝わっていきます。したがって、防音をするときには、どちらか一方の対策を施しても、望み通りの防音効果を得ることができないのです。楽器用防音室などは、吸音材や遮音材を施工することで空気伝搬音を防ぐほか、部屋そのものを二重構造にして、固体伝搬音の伝わりをシャットアウトすることで、高い防音環境を作ります。

防音室に関する意外な注意点

次に、自宅に高性能な防音室を設けたいと考えている方に向け、いくつかの注意点をご紹介します。

ユニット型防音室との違い

自宅に楽器用の防音室を作る場合、フルリフォームとユニット型防音室で迷う方が多いです。ユニット型防音室は、部屋の中に防音効果を持ったプレハブ小屋を設置するようなイメージで、フルリフォームの防音室と比較した場合、低コスト・短工期というメリットが得られます。ただ、ユニット型防音室は、音響環境に問題が生じるケースが多い、狭いものは長時間防音室に滞在するのが難しいなど、さまざまな問題点が指摘されています。

関連記事:自宅に防音室を導入するなら、ユニット型と一から設計するならどっちが良い?

防音室にエアコンは必要?

防音工事のお打ち合わせ時には、お客様からこの質問をされるケースが多いです。結論から言いますと、防音室にはエアコンを設置するのがオススメです。
というのも、音は小さな隙間からも漏れてしまいますので、防音室は可能な限り隙間が生じないような構造になっています。つまり、高性能な防音室は非常に気密性が高い空間になるわけです。そして、高気密な部屋は、外気の影響を受けにくくなります。
例えば、防音室内に長時間滞在した時には、人の体温で防音室の室温が上昇します。さらに、パソコンなどの熱源があれば、その熱も室温に影響を与えます。そのため、閉め切った状態で防音室内に滞在していると、どんどん室温が上昇し、人が居づらい環境になります。楽器の練習を目的に防音室を作る場合、長時間防音室に滞在することが想定されますので、快適な空間を維持するためにもエアコンの設置をおすすめします。

防音室内でWi-Fiは繋がりますか?

基本的には、無線でも問題なくインターネットに接続できる場合が多いです。ただ、防音室は、重量のある建材を多く使用していますので、間取りの関係などから接続状況が悪化することも考えられます。

動画配信用の防音室など、ネット環境が重要なのであれば、無線ではなく、有線LANの配線引き回しを行うのがオススメです。

防音室を寝室として利用できますか?

高性能な防音室の場合、寝室としての利用はオススメできません。ただ、生活音を防止する程度の性能であれば、寝室として利用した場合も、違和感などを感じることはないと思います。
注意が必要なのは、防音室に採用されるドアやサッシについては、可能な限り隙間が生じないような構造になっています。したがって、大きな地震などが発生した時には、歪みが生じて開閉しにくくなる恐れがあります。万一のことを考えると、防音室は、防音室以外の利用は控えた方が良いかもしれませんね。

賃貸に住んでいるのですが、防音工事は可能ですか?

賃貸住宅に住む方からの防音の相談も増えています。ただ、高性能な防音室を作るといった本格的な防音工事を望んでいる場合、賃貸住宅での工事は基本的にできないと考えてください。賃貸住宅は、あくまでもオーナー様の持ち物ですので、退去の際には経年劣化を除いて入居時の状態に戻さなくてはいけません。また、家賃は、他の部屋とのバランスなども考えて設定しますので、入居者が防音工事費、原状回復費を支払うとしても、防音工事を認めてもらえないケースがほとんどです。最近では、DIY物件など、入居者が自由にリフォームできる賃貸も登場していますので、そういった物件であれば防音工事も認めてもらえるかもしれません。ただ、DIY物件などは、まだまだ物件数が少ないので、見つけることが難しいですし、見つかったとしてもその希少性から家賃が高いです。

なお、小型のユニット型防音室であれば、認めてもらえる場合があります。ユニット型防音室の中には、1畳以下の広さのものや、性能がおさえられている簡易タイプなど、扱いやすい物も存在します。利用用途的に、そこまで高い防音性能が必要ない場合は、こういったものを設置するのも良いかもしれません。なお、ユニット型防音室についても、購入前に設置の許可は取りましょう。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の建物にショールームがある会社さんが多い中、特に施工後にショールームと性能や音の反響がちがうといったトラブルが戸建てのお客様に多い業界ですが、町家再生事業として難易度の高い防音室を防音性能が最も出にくいとされる木造町家のショールームをご用意いたしました。

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