注文住宅で防音室を作りたい!防音工事の発注前に、失敗例から学んでおきましょう!

近年では、人々の生活空間が近くなっていることもあり、自宅に防音室を用意したいと考える方が増えています。実際に、新築業界では、一部の建売住宅に防音室が備え付けられるようになっており、防音室が他の住宅にはない付加価値としてみなされるようになっています。

そして、注文住宅に関しても、顧客の要望で新築時に防音室を作りたいという要望が急増していると言われています。防音室は、既存の部屋に手を加えて防音効果を持たせるといった感じに、リフォームで実現するものというイメージを持つ方が多いのですが、ここ数年は、新築時に防音室を用意しておくというのがトレンドのようになっているようです。というのも、新築時に防音室を作るというスケジュールを組むと、リフォームで防音工事を行う場合とは異なるメリットもたくさん存在するからでしょう。

ただ、初めて自宅に防音室を作るという方の場合、防音室のイメージができていないことから、実際に暮らし始めてから後悔してしまうケースも珍しくないようです。そこでこの記事では、防音室を新築時に用意する場合のメリットや、実際に新築住宅に防音室を作った方の失敗事例などをご紹介します。

新築時に防音室を作っておくメリットとは?

それではまず、リフォームではなく新築時に防音室を作る場合のメリットについて解説していきます。防音室を作る目的は、「音漏れや音の侵入を防ぐ」というもので、これは新築でもリフォームでも同じ結果が得られます。こう聞くと「新築時に作っておく必要はないのでは?」と感じる方も少なくないかもしれません。

しかし実は、防音工事を行うタイミングが違うだけで、意外に多くメリットが得られるのも確かなのです。ここでは、新築時に防音室を用意する場合の代表的なメリットをいくつかご紹介します。

メリット1 防音工事の自由度が高い

新築時に防音室を作るメリットとしては、リフォームよりも防音工事の自由度が高いというポイントがあげられます。リフォームによる防音工事は、既存の部屋に防音対策を施すことになるため、部屋の広さや天井高、使い勝手などにどうしても限界が生じます。

しかし、新築時に防音工事を行う場合には、お客様の要望をお聞きした上で、一から防音室の設計を行うことが可能です。そのため、防音室の利用用途から、必要になる広さや天井高、設備の配置などを自由に決めることが可能になります。さらに、防音室の位置を工夫することで、同居家族に対しても、音で迷惑をかけないようにすることができるなど、自分好みの防音室を実現することができます。

リフォームでは、既存の部屋という制限がどうしてもありますので、この点は明確なメリットと言えるでしょう。

メリット2 無駄が少なく、余計なコストがかからない

リフォームで防音室を作る場合、防音性能の面を重視すると、本来は「余計」と思われるような対策を施さなければならないことがあります。例えば、築年数が経過した古い住宅の場合、遮音性が低いアルミサッシが採用されているケースが多いことから、せっかく窓が取り付けられているのに、窓を塞ぐように壁を作って防音性能を高めるなどと言ったことを行います。リフォーム工事だけで考えれば、特に無駄な行動には思えませんが、新築時に防音室を作っておけば、はめ殺しの窓を設置することもでき、窓を残したまま防音性能を維持することが可能になるわけです。この他にも、防音室の面積を確保するため、押入の解体をするなど、リフォームの場合はどうしても無駄に思える作業にコストをかけなければいけません。

新築時に防音室を作れば、無駄な作業がなくなる分、コストを抑えられます。

メリット3 住宅ローンを利用できる

新築時に防音室を作る場合、住宅ローンに防音工事の費用も含められる点は大きなメリットになります。後付けで防音工事を行う場合でも、リフォームローンを組むことはできますが、金利条件などは住宅ローンの方が良いので、新築で防音工事を行うメリットになります。注意が必要なのは、新築時でも、ユニット型防音室の設置に関しては、金融機関の判断で住宅ローンを使えないケースが多いようです。

新築時に防音室を作った方の失敗談

新築時に防音室を作るという選択は、上記のようにさまざまなメリットが考えられます。しかし、実際に新築住宅に防音室を作った方の中には、住み始めてみて「失敗した…」と感じてしまう方もいるそうです。

ここでは、新築で防音室を作った方が失敗したと感じた失敗談をいくつかご紹介します。

家族から音漏れに関して苦情が出る

一つ目は、同居する家族に防音室から漏れる音で苦情を言われた…という失敗談です。これは、自宅でドラムの練習ができるように防音室を作った方の事例で、防音室内でドラムの練習をしていると、隣の部屋に振動音が伝わってしまい、「うるさい」と言われたといった事例になります。

この失敗については、原因がいくつか考えられます。例えば、近隣住民に配慮するため、建物外への音漏れについては、しっかりと対策を施したものの、家族に対しては「多少の音漏れは許してくれるだろう」と軽く考えてしまったというのが一つです。簡単に言うと、コストを抑える目的で、屋内側の防音対策に手を抜いたことで想像以上の音漏れになるといった感じです。

他にも、防音工事に関する知識が少ない業者に工事を依頼したことで必要な性能が備わっていなかった…という理由も考えられます。一般の方であれば、『防音』と聞くと、耳に聞こえる空気音の対策を行うものと考えるのですが、実は音にも種類があり、空気音以外に家の構造体などの振動によって伝わる音があるのです。そして、ドラム演奏のための防音室なのに、振動対策が中途半端だった場合、他の部屋まで振動音が伝わってしまう訳です。

防音室を作る場合に大切なのは、「防音室を何のために作るのか?」という点です。人によって、楽器を演奏するため、ホームシアターのため、カラオケのため、テレワークのためなど、防音室を作る目的は異なり、それに合わせて防音室が備えておかなければならない性能が変わるのです。音は、低音から高音までさまざまな音域があり、防音室内でどのような音を生じさせるのかで、防音工事の内容が変わるため、その辺りを明確にしたうえで工事をしてもらいましょう。

熱や湿気がこもり防音室に長時間滞在できない…

音は、空気の振動で伝わっていきます。つまり、音漏れを防ぐには、小さな隙間もきちんと埋めてあげる必要があります。

そのため、楽器の演奏に耐えられるレベルの防音室となると、非常に高い気密性を持っていて、湿気や熱がこもりやすくなってしまいます。また、防音室の壁には吸音材としてグラスウールなどが施工されるのですが、この素材は断熱材として利用される建材です。つまり、高い防音性能をもつ防音室は、その分、気密性と断熱性が非常に高くなるわけです。

この防音室の特徴から、防音室内に長時間滞在すると、人の体温で防音室内の温度が高くなってしまいます。さらに、電子機器などを使用している場合には、機械の熱で室温が上がってしまい、「夏場は防音室内に長時間滞在できない…」などと失敗に感じてしまう人がいるのです。

こういった失敗を防ぐためには、きちんと防音室にエアコンなどの空調設備を設置するようにしましょう。エアコンを設置する場合、壁に穴を開けなければならないため「音漏れが心配…」と感じる方もいますが、きちんと技術を持った防音工事業者にエアコンの設置を依頼すれば、その辺りも音漏れしないように施工してくれます。

防音室を作ったけど使わない…

新築で防音室を作る場合の失敗としては、せっかく高いお金を出して防音室を作ったのに、住んでみると使わない…と言った信じられないような事例もあります。そして、この失敗談は意外に多いです。

例えば、新築を建てる時に「子供がもう少し大きくなったらピアノを習わせよう」と考えていて防音室を作ったのに、お子様が楽器に興味を示さなかった…なんてケースが考えられるでしょう。新居に住む方の中に、音楽関係の仕事をしている方がいたり、動画配信を行っている人がいるなんて場合は、日常的に防音室を利用しますので、防音室を作って良かったと感じるでしょう。しかし、新居で生活をし始める時点では「防音室を利用するかどうかわからない…」なんて方も少なくないのではないでしょうか?

こういった方の場合、「本当に防音室を作る必要があるのか?」は慎重に検討したほうが良いでしょう。防音室は、楽器の演奏だけでなく、テレワーク用の部屋などとして利用できるため、あって損はしないかもしれませんが、楽器用防音室とテレワーク用防音室では、かかるコストが全く異なります。つまり、想定していた使い方をしなければ、金銭的な損は必ず生じてしまう訳です。

一般的に、防音室にかかるコストは、1坪あたり100万円前後が相場と言われています。つまり、6畳程度の防音室を作る場合には、300万円程度のコストをかけることになるわけですので、それを利用しないとなると、確実に失敗と感じてしまうことでしょう。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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