防音工事は目的ごとに費用感が違う!お悩み別の防音工事費用相場をご紹介!

新型コロナウイルスを経験した現在、自宅の防音工事を検討する方の幅が広がっています。コロナ問題以前、自宅の防音工事を行うのは「楽器の演奏やホームシアターなど、特に大きな音を生じさせる人」が特別に行う特殊な工事と言ったイメージをもつ方が多く、実際に、楽器防音室などのご相談が多かったように思えます。

それが、コロナ禍を経験し、在宅時間が長くなった現在では、日常生活上に存在する一般的な生活音を防止するための防音工事の依頼が増えてきています。もちろん、コロナ問題以前からも、こういった生活音に対する部分的な防音のご依頼は存在していましたが、コロナ禍を経験した現在では、驚くほどの相談件数になっているのです。

そこでこの記事では、今後皆さんが自宅の防音工事を検討した際に気になる、防音工事の費用感について簡単にご紹介しておきます。というのも、防音工事は、専門業者に依頼すると、数百万円以上のコストになるなど、非常に高価なリフォーム工事と考えている方が多いからです。もちろん、楽器防音室などの本格的な防音工事になると、高額な費用がかかってしまいますが、実は部分的な防音工事の場合、皆さんが考えているような費用は掛かりません。この記事では、いくつかのお悩みに分類して防音工事の費用感をご紹介します。

6畳の部屋に防音工事を施す場合の費用は?

それではまず、6畳程度の部屋に防音工事を施す場合の費用感について、簡単にご紹介しておきます。「6畳程度の部屋に防音工事を行う」場合の見積り金額に関しては、業者ごとに多少の誤差はあるものの、ある程度は似通った金額の見積りが提出されるものだと考えているのではないでしょうか?

しかし実は、防音工事というものは、現在どのような音の悩みを抱えているのかによって、必要になる対策が全く異なりますので、「6畳の部屋に防音工事を施す」場合でも、費用感に非常に大きな幅が生じると考えておきましょう。大雑把に6畳の部屋に防音工事を行う場合の見積り金額をご紹介すると、「10万円~350万円ほど」となってしまいます。さらに、目的によっては500万円以上のコストがかかる場合もあるなど、一般的なリフォーム工事では考えられないほどの価格差が生じます。

それでは、同じ広さの部屋に施す工事なのに、これほどまでの価格差が生じるのはなぜだと思いますか?これは、お客様の目的ごとに対策となる防音工事の種類が全く異なるからなのです。例えば、「24時間、いつでもピアノが弾けるようにしたい!」という要望であれば、高性能な防音室を作り上げなければいけません。しかし、「目の前の公園から聞こえる声を小さくしたい」程度であれば、防音室など必要なく、窓部分の防音リフォームで十分にお客様の目的を達成可能です。このように、同じ部屋に対する防音工事でも、工事の種類が大きく異なることから、防音工事にかかる費用感に幅が生じるのです。

なお、防音工事の種類別の費用は以下のような感じです。

  • ・防音仕様の換気口に交換する・・・2万円~5万円
  • ・窓を二重窓にする・・・5万円~12万円
  • ・窓ガラスを防音ガラスに交換する・・・5万円~15万円
  • ・遮音フローリングに張り替えする・・・5万円~25万円
  • ・床材の下に防音材を設置する・・・30万円~80万円
  • ・壁内に防音材を設置する・・・20万円~25万円
  • ・ユニット型防音室を設置する・・・50万円~250万円
  • ・防音室に作り替える・・・200万円~400万円

※6畳程度の部屋に防音工事を行った場合の、概算見積り金額です。実際には、現場の状況などによって金額が変わる可能性が高いです。

それでは以下で、お悩み別にどのような工事を選べば良いのかを見ていきましょう。

外からの音が気になる時の防音工事

近年増えている防音工事のご依頼は、外から侵入する騒音が気になるので対策したいというものです。これは、コロナ禍でテレワークが導入され、昼間でも家で仕事をする方が増えてきており、コロナ問題になってから初めて自宅周辺の騒音に気付いたというパターンです。

騒音問題と聞くと、周囲に大きな音を発生させる人がいて、それに迷惑を掛けられるというイメージをする人が多いのですが、人は生きているだけでさまざまな騒音を発生させます。例えば、子供を遊ばせれば声や足音などで迷惑を掛ける可能性がありますし、そうでなくても、エアコンや給湯器の室外機の音でトラブルになるなど、そこら中に騒音トラブルの要因が存在していると考えておきましょう。こういった外からの騒音の侵入に関しては、以下のような対策がオススメです。

防音ガラスを導入する

外からの音の侵入に関しては、窓の防音性能の低さが原因となっているケースが多いです。というのも、窓ガラスは外壁などと比較しても非常に薄い素材ですので、きちんと閉めていても音をそれなりに通してしまいます。しかも、築年数が経過していれば、窓サッシ部分に隙間が多く生じてしまい、その隙間から音が侵入してしまうことになります。

したがって、窓部分の防音性を高めるため、窓ガラスを防音性の高い防音ガラスに交換するという方法があります。この場合の防音工事費は、ガラスのグレードによって異なり、安い物であれば5万円程度(1箇所)で施工が可能です。高い物でも15万円程度ですので、防音室を作るのと比較すると、圧倒的に低コストです。なお、築年数が経過した住宅の場合、サッシが防音ガラスに対応できない場合がありますので、その場合はサッシごと交換しなければいけません。

二重窓にする

これも窓部分の防音対策になります。簡単に言うと、既存窓の内側にもう一枚窓を設置して、二重窓の状態にするという対策です。窓が二枚になるので、物理的に音を遮る障害物が倍になります。さらに、二重窓は、窓と窓の間に空気層ができ、この部分で非常に高い防音性を発揮してくれます。二重窓に関しても、新たに設置する窓ガラスなどの種類によって費用が変わりますが、1箇所5~12万円程度と考えておきましょう。

上述した、防音ガラスに交換するという方法は、マンションなどの集合住宅では採用することができません。というのも、住人が購入している分譲マンションでも、窓は消防の関係などから、共用部とみなされていて、住人が勝手に手を加える事が出来ないからです。二重窓であれば、室内に窓を設置するだけですので、住人の判断で可能です。

壁内に防音材を設置する

この対策は、少し大掛かりになります。築年数がまだそこまで経過していない住宅であれば、壁にはふんだんに断熱材が充填されているので、もともとの防音性能は非常に高いです。しかし、築年数がそれなりに経過している住宅であれば、壁内の断熱材が少ない、設置されていたけれど劣化しているなどと言った理由で、防音性が低下している可能性が高いのです。

このような住宅であれば、一度壁を解体し、壁内に吸音材(断熱材です)と遮音シートを設置するのがオススメです。施工費に関しては、部屋の大きさや施工箇所によって異なりますが、6畳程度の部屋で1面の壁を施工するとして20万円前後が相場です。

換気口の防音対策

住宅の高気密化が進んでいる近年では、24時間換気設備を導入することが法律で義務付けられています。どのような住宅でも、適度な換気が行われるよう、換気口が設置されているのですが、実は外からの音の侵入口になってしまっているケースが多いです。換気口は、新鮮な外気を取り入れるためのものですので、当然外とつながっています。音は小さな隙間でも伝わってしまいますので、騒音が存在する方向に換気口があれば、そこから騒音が室内に侵入してしまうのです。24時間換気が義務付けられていることで、うるさくても換気口を塞ぐことはできません。

こういった騒音問題を抱えているのであれば、換気口を防音仕様のものに交換すると良いでしょう。費用としても、安いもので2万円程度、高くても5万円程度で可能です。

家族間の音が気になる時の防音工事

人々の在宅時間が長くなった現在では、ご家族間で騒音問題を抱えることが増えていると言われています。例えば、テレワークが導入され、自宅で仕事をしなければならない時、家事の音やお子様が生じさせる音で仕事に集中できない、逆にテレワーク中のWEB会議の音で家族に迷惑を掛けてしまう…などと言った問題を抱えるケースが増えていると言われています。

こういった、ご家族間の音の問題を解消するため、我々のような防音工事業者に相談してくる方が増えています。

床材の張替え

家の中で発生する騒音問題については、人やペットの足音が問題になるケースが多いです。特に、大型犬なども室内で飼育する人が増えている現在では、ペットが動き回る時に、フローリングに爪が当たってカチャカチャと言った音が生じることに悩む人が多くなっています。上述したように、テレワークで仕事に集中できなくなるといった問題の他にも、受験生がいるご家庭などは、足音対策の相談をしてくる方が多いです。

床の防音対策にもいくつかの種類があるのですが、最も手っ取り早いのが、既存のフローリングを、音が生じにくくなる防音フローリングやカーペット素材のものに張り替えるという工事です。床材の張替えについては、新たに導入する床材を何にするのかによって、防音効果やかかる費用が大きく異なります。最も安価に抑えたい場合、既存フローリングの上に防音カーペットを設置する方法で、これであれば、6畳程度の部屋で数万円単位の費用になります。防音仕様のフローリングに張り替える場合は、もう少しコストがかかり、25万円程度になる場合があります。

床材の下に防音材を設置

これはどちらかというと、マンションなどの集合住宅で採用される床の防音工事です。ただ、戸建て住宅でも、間取りによっては上の階の足音が下の階に響いてしまい、家庭内騒音問題を引き起こすケースがあります。

このような場合には、床材の下に遮音材や吸音材などの防音材を設置するのがオススメです。既存の床材を一度取り払いますので、合わせて防音フローリングなどに交換することで、より高い防音効果が望めます。ただ、床材の張替えよりも大掛かりな工事になるので、費用は高くなります。建物構造や使用する材料によって費用は異なるのですが、6畳程度の部屋で35~80万円程度かかってしまうと考えておきましょう。

楽器の演奏を考えているなら防音室が必要

自宅で楽器の演奏を考えているなど、大きな音を生じさせることになることから、近隣に迷惑を掛けないよう防音対策を考えているという場合、防音室を作るしかありません。ただ、防音室を用意するにも、いくつかの手段があるので、以下で主な方法をご紹介します。

ユニット型防音室を設置

自宅で楽器の演奏ができる防音室が欲しいけど、出来るだけ低コストに抑えたいと考えているのであれば、ユニット型防音室の設置がオススメです。防音室の性能やサイズによって価格が異なりますが、安い物であれば50万円程度から販売されています。高いものになると250万円ぐらいしますので、これなら下で紹介する防音室を作る方がオススメです。

ユニット型防音室は、発注から防音室が利用できるようになるまでが早い事や、低コストである、引っ越しにも対応できるという点がメリットとされています。ただし、低コストではあるものの、使い勝手はあまり良くない、実際に引っ越し先に持ち運ぶ人はかなり少ないなど、メリット面があまりメリットにならないとも言われています。また、ユニット型防音室は、規格が決まった製品なので、自分の好みの音響環境にしたい、広さをカスタマイズしたいなどと言った自由度は皆無です。

リフォームで防音室を作る

高性能で、自分の好みに合わせた防音室を作りたい場合、専門業者に依頼して、一から設計してもらうのがオススメです。これが皆さんがイメージする防音工事だと思いますが、多くの人にとっての当たり前になっているのは、それだけメリットが多いからです。

この方法の場合、6畳程度の部屋を楽器防音室にするとなると、最低でも200万円程度はかかると考えておいた方が良いです。つまり、他の方法よりもかなりコストがかかってしまう点がデメリットです。ただし、防音性能や音響環境、部屋の使い勝手などについては、お客様の好みに合わせることができますので、コストをかけるだけの価値があるはずです。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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