賃貸物件でのリモートワークについて!仕事に集中するための防音対策をご紹介

新型コロナウイルスの影響により、日本国内でもリモートワークが急速に普及しています。リモートワークであれば、公共交通機関を使用しませんし、感染症予防の面では非常に効果的だと考えられていますよね。さらに、今まで通勤に使っていた時間を自分の趣味に使用できるほか、小さなお子様がいるご家庭であれば、子育てと仕事の両立が容易になるなど、さまざまな面でメリットがあると言われています。

ただその一方では、リモートワークになることで仕事の効率が落ちてしまう…という懸念があると言われています。というのも、日本では、古くから対面での仕事が重視されていたこともあり、国が推進したとしても在宅ワークなどの新たな働き方はなかなか普及しなかったという実情があります。そのため、日本国内にある多くの住居は、「家で仕事をする」ということが想定されておらず、リモートワークを命じられたけど、自宅に集中して仕事ができる場所が無い…という声が意外に多いのです。
特に、まだ若い世代の人であれば、賃貸物件で生活しているケースが多いですし、そもそもの防音性能の低さから今まで以上に『騒音』が問題視されるようになっているのです。実際に、コロナ禍以降、物件の遮音性の低さで引っ越しを決めた人が増えていると言われていますし、逆に新たに借りる部屋に求めるポイントとして「テレワークがしやすいような広い空間(複数の部屋)」や「遮音性の高さ」を上げる方が急増していると言われているのです。

そこでこの記事では、賃貸物件でテレワークに困らないよう、防音対策のポイントなどをご紹介します。

賃貸物件の防音性は構造によって異なる!

賃貸物件を借りる際、テレワーク中に騒音に悩まされたくないのであれば、構造による防音性能の違いについて知っておくべきでしょう。

ここでは、大まかに『木造の賃貸物件』と『鉄筋コンクリート造の賃貸物件』の2つに分けて、それぞれの防音性能を解説します。

木造の賃貸物件について

まずは、木造の賃貸物件についてです。基本的に、木造建築の防音性は、鉄筋コンクリート造よりも低い傾向にあると考えておきましょう。要は、鉄筋コンクリート造のマンションなどと比較した場合、周囲の音が室内に侵入しやすいということです。

特に、木造のアパートなどは、空気を介して伝わる音の空気音が伝わりやすいと言われており、人の話し声やテレビの音、楽器の音などによる騒音トラブルが多い傾向にあります。ただし、近年では、木造でも『高気密・高断熱』の建築技法が広がってきており、築浅の賃貸物件であれば、木造でも防音性能はかなり向上しています。
とはいえ、賃貸物件での集客を考えた場合、目につきやすい設備面を大家さんが重視するケースもあり、「家賃の割に設備が整っている!」と一見良さそうに見える物件では、建物そのものの質が一段落ちてしまうことから、騒音に悩まされてしまう恐れがあります。
つまり、「築浅物件=防音性が高い」とは一概には言えないので、木造の物件を借りる時には注意が必要です。

鉄筋コンクリート造の賃貸物件について

鉄筋コンクリート造は、木造の建物よりも防音性能が高い傾向にあります。これは、コンクリートは密度が非常に高いため、遮音性に非常に優れていることから、空気音などが伝わりにくくなるからです。

ただし、鉄筋コンクリート造の建物でも、壁が薄い物件や密度が低いコンクリートを使用している物件、隣室との境界壁に石膏ボードとグラスウールなどの吸音材を使用してつくる物件などは存在します。これらの物件は、通常の鉄筋コンクリート造のマンションよりも防音性能が低くなってしまいます。

なお、一般的に防音性能が高いと言われる鉄筋コンクリート造の建物でも、固体の振動により伝わる音の固体音はどうしても伝わってしまいます。例えば、上の階の人の足音や家具を引きずる音、トイレやお風呂などの排水音が固体を振動させて伝わり、その振動が空気を震わせ音として認識されるという問題があるのです。
固体音は、距離が離れていても伝わりやすいという特徴を持っており、騒音源の特定が難しいという問題もあります。とはいえ、木造の賃貸物件よりは、基本的に防音性能が高いと考えられますので、静かな環境を求めている方にはオススメの構造です。

賃貸物件で問題となる騒音とは?

それでは、賃貸物件で問題視される騒音とは、どのような音なのかについてもご紹介していきましょう。コロナ禍の現在では、テレワークが普及したこと以外にも、外食習慣がなくなった人が多くなって人々の在宅時間が長くなっていると言われています。そして、賃貸物件の防音性の低さから、ちょっとした音が騒音トラブルを引き起こすようになっていると言われているのです。

ここでは、代表的な騒音源をいくつかご紹介しておきます。

人の声

賃貸物件での騒音トラブルでは、隣家の話し声や近隣施設の話し声が室内に侵入し悩まされてしまう…ことがあります。

例えば、同居人同士で大きな声で話している声、目の前が公園で子供が騒ぐ声が聞こえる、繁華街が近く深夜に騒ぐ声が聞こえるなどといったケースが考えられます。
「人の声ぐらい我慢すれば良いのでは?」と考えてしまう人もいますが、実は、人の大声というのは70dB以上にも達しますし、立派な騒音源となり得るのです。これと同等なのは、セミの鳴き声や高速走行中の自動車の車内などであり、家でくつろいでいる時、テレワーク中にこういった大きな音が聞こえてくると、誰でも迷惑に感じますよね。

特にテレワーク中は、静かな環境になっていることから、小さなささやき声が目立ってしまい、余計に気になる…なんてケースもあると言われています。人の声は大きさに関わらず騒音になり得ると考えておきましょう。

生活音

騒音によるご近所トラブルの代表的な原因が『生活音』です。例えば、洗濯機を回している時の音は64~72dB、掃除機は60~76dB、布団たたきは65~70dBなど、かなり大きな音が生じるのです。

これらの音が、リモートワーク中に聞こえてきた場合、壁越しでも気になってしまうことが多いでしょう。こういった生活音は、毎日発生しますので、どんどんストレスが溜まってしまい、必要以上にうるさく感じてしまうケースもあるようです。

ペットが生じさせる音

コロナ禍になってから急増しているのが、ペットが生じさせる音に関するトラブルです。近年では、賃貸住宅でもペットの飼育が許可されている物件が増加しています。そして、これに伴い、ペットの鳴き声や足音に関する騒音トラブルが増加していると言われているのです。ちなみに、犬の鳴き声は、なんと90~100dBもの音量になるので、他人のペットであれば、立派な騒音に感じてしまいます。

在宅時間が長くなったことから、ペットを新たに迎える人も多くなっていますが、ペットを飼育するのであれば、きちんとしつけをして騒音問題を引き起こさないようにしましょう。なお、最初からペット可を想定した賃貸物件は、通常よりも防音性能が高くなっているケースが多いのですが、大家さんが空室対策などを考えて、後からペット可になった物件では、ペットの鳴き声などを想定した対策がとられていません。つまり、ペット可物件でも、騒音トラブルの可能性が高くなるので、物件選びの際に注意しましょう。

リモートワークのためにどんな対策が必要?

それでは最後に、賃貸物件でリモートワークをする際、仕事に集中できるようにするための効果的な防音対策についても解説しておきましょう。賃貸物件の場合、音に悩まされたからといって、自分の判断で防音工事を行うことができません。さらに、大家さんに相談したとしても、本格的な防音工事は認めてもらえないケースがほとんどですので、建物そのものに影響を与えないような対策を検討する必要があります。

ここでは、賃貸物件でも効果的な防音対策をいくつかご紹介しておきます。

サウンドマスキングで不快な音を目立たなくさせる

一つ目は、サウンドマスキングにより、騒音を目立たなくさせるという方法です。分かりやすい例を挙げると、飲食店などが店内BGMをかけていると思うのですが、これはお店の雰囲気に合わせたBGMをかけるだけが目的ではなく、客同士が声で不快に感じないようにするという側面もあるのです。

最近では、ヘッドホンやイヤホンに内蔵されたマイクが集めた音と逆位相の音を出すことでノイズを聞こえにくくするノイズキャンセリングイヤホンなども登場していますので、そういったアイテムを利用するのも良いでしょう。
どちらにせよ、自分の好きな音楽をBGMとして流しておけば、騒音があまり気にならなくなります。

さまざまな場面で効果的な防音対策となる『サウンドマスキング』とは?

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防音カーテンでワークスペースを作る

二つ目の手法は、何らかのアイテムでワークスペースを作るという方法です。例えば、ホームセンターなどに行けば、防音カーテンなるものが販売されているので、テレワーク用のスペースを決めて、その周囲を防音カーテンで囲うという方法があります。これであれば、同居人がいても、視線に入らなくなることから、音や人の動きで集中を乱されることが少なくなります。

ただ、防音カーテンは、どうしても小さな隙間が生じますので、騒音を完全に防ぐことはできないと考えておきましょう。また、天井などにカーテンレールを取り付けなければならないので、退去時の原状復旧費が高くなる可能性があります。
最近では、小型の防音ブースのようなものが販売されていますので、そういったアイテムを購入するのも良いかもしれませんね。

防音パーテーションでワークスペースを作る

防音カーテンではなく、防音パーテーションを購入し、ワークスペースを作るという方法もあります。これであれば、部屋を傷つけることがありませんので、退去費などの負担もなくなります。

ただ、パーテーションは皆さんが考えている以上に高額ですし、場所をとるアイテムになるので、日常生活のことを考えると、邪魔になってしまう可能性があります。また、パーテーションも完全に騒音を防ぐことはできません。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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古民家再生ショールーム防音工事の匠はショールームがあります

ピアノ防音室

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鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の建物にショールームがある会社さんが多い中、特に施工後にショールームと性能や音の反響がちがうといったトラブルが戸建てのお客様に多い業界ですが、町家再生事業として難易度の高い防音室を防音性能が最も出にくいとされる木造町家のショールームをご用意いたしました。

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