管楽器の防音室について。楽器別に防音室の注意点をご紹介!

今回は、自宅で管楽器の練習をしたいという方のため、演奏する楽器別に防音室を作る時の注意点についてご紹介していきたいと思います。

管楽器にもさまざまな種類が存在しており、トランペットやサックス、フルートなどと言われた方がイメージしやすいという方も多いと思います。これらの管楽器に関しては、同じような楽器で口で吹くことで音が出る楽器になりますので、防音対策は似たようなことを行っておけば良いと考えている方が多いのではないでしょうか?

しかし実は、楽器によって音の特徴がかなり異なる事から、防音室に求めるべき特徴が意外に違ってきてしまうのです。そこでこの記事では、管楽器について、各楽器ごとの防音室の注意点をご紹介していきます。

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楽器別、防音室の注意点について

それでは、演奏する楽器別に防音室の注意点をご紹介していきましょう。楽器の演奏を生業にしている方であれば、同じ管楽器でも種類によって音の特徴が異なるというのは理解していると思います。そして、防音室というものは、音の大きさだけが関係するのではなく、音の質によって防ぎ方が変わってきてしまいます。
つまり、使用する楽器によって、必要な対策が変わってしまう場合があるので、きちんと押さえておきましょう。

トランペット

まずは管楽器の代表とも言えるトランペットからです。トランペットは、非常に大きな音が生じる楽器ですが、音域は中高音であるため、音は壁に反射して外には出にくいという性質を持ち、比較的防音が容易な楽器となります。トランペットの場合は、そこまで遮音性が高くない防音室でも、外部への音漏れは少ない傾向にあります。

また、トランペットやトロンボーンなど、ベル(音の出口)の大きい楽器については、吹く向きによって音の大きさがかなり異なるという特徴があります。例えば、トランペットは、ベルの正面で音を聞くのと比較すれば、横に移動するだけで約10dB近くも音が小さくなると言われているのです。
したがって、防音室内でトランペットを演奏する場合、音を配慮したい方向とは逆の方向にベルが向くように演奏すると、より高い防音効果が期待できます。

トロンボーン

次はトロンボーンです。トロンボーンについては、防音性能の前に、演奏するためには長さが2m以上のスペースが必要という点も注意です。トロンボーンは『D』の音でスライドをいっぱいまで伸ばすため、その分のスペースが必要になるのです。このことを考えると、防音室内で対角線上にスライドを出すとしても、2畳以上の部屋の広さが必要になります。

なお、管楽器全てに言えることなのですが、息を吹くことで音をならせる楽器という特性上、初心者と上級者では、音の大きさの絶対値がかなり違います。楽器の上達に伴って、どんどんボリュームのある音を出せるようになっていきますので、まだ管楽器を始めたばかり…という方であれば、その時点で必要な防音性能に注目するのではなく、将来的に出せるであろうワンランク上の防音性能を持たせるのがオススメです。

フルート

次は、管楽器の中でも人気の高いフルートです。フルートは、管楽器の中でも、音域が高い楽器ですので、比較的防音がしやすいタイプと言えます。トランペットと同様に、音が壁に反射しやすいという特徴があることから、低音が出る楽器と比較すれば、外に音漏れがしにくいからです。実際に、フルートなどであれば、防音室単体の遮音性能が「Dr-30~35」程度のものでも、夜遅くに練習しても何の問題も生じないなんてケースも多いです。

さらにフルートの良いところは、演奏のためにそこまで広いスペースが必要とされないという点です。フルートの演奏だけを考えると、0.8畳程度の広さでも十分に可能です。ただし、譜面台を置いて演奏すると考えた場合、手狭に感じますので、1.2畳以上は確保できるようにするのがオススメです。
フルートのみの防音室という場合は、ユニット型防音室でも事足りると思います。ピアノなど、他の楽器と演奏するという場合は、6畳程度のスペースを確保するのがオススメです。

クラリネット

童謡に登場するクラリネットは、サックスなどよりも音量が小さく、音域はほぼ中音域ですので、管楽器の中でも比較的防音がしやすい楽器と言えます。さらに、演奏自体も省スペースで出来ますので、ユニット型防音室でも十分に夜間の練習は可能だと思います。

ただし、意外に多い失敗談として、クラリネットは小さなスペースでも演奏できると考え、0.5畳程度の小さなユニット型防音室を導入してしまうパターンです。この場合、演奏自体は問題なくできるのですが、自分の体温などで室内の気温がすぐに上昇し、息苦しくなってしまう…なんて方が多いです。1畳以下のボックス型防音室になると、エアコンなどは取り付けできませんし、長時間楽器の練習に集中する…なんて使い方は難しいと考えておいた方が良いですよ。

楽器の上達は、防音性能に注目するだけでなく、快適に演奏ができるのか?という点にも注目しましょう。

サックス

最後はサックスです。サックスの注意点は、同じサックスの中にも、中音・高音が生じるアルトサックスやソプラノサックスと、中音・低音が特長のテナーサックスやバリトンサックスでは、必要な防音性能が異なるという点です。

テナーサックスやバリトンサックスは低音域の音が出るうえ、音の大きさも非常に大きいので、壁をすり抜けて音漏れしてしまうということも多いです。アルトサックスやソプラノサックスも、音自体は大きいのですが、中高音の音域となるので、音が壁に反射する傾向が大きくなり、外にはあまり漏れ出ていかないのです。

こういった特徴がある事から、テナーサックスやバリトンサックスように防音室を作る場合は、非常に遮音性が高い防音室が必要と考えてください。アルトサックスやソプラノサックスであれば、標準的な遮音性能を持っていれば十分対処できると言われています。
なお、サックスの防音を考えた場合、ベルと防音壁の距離も十分に注意してください。あまり近すぎると、防音壁の遮音性能が十分に発揮できないことから、想定した以上の音漏れが生じてしまう…なんてことが考えられます。したがって、防音性能をしっかりと発揮させるためにも、十分な広さを確保するようにしてください。

まとめ

今回は、管楽器の種類別に防音室を作る際の注意点について解説してきました。管楽器に関しては、ベルから音が出ますので、ベルの向きもしっかりと考えて練習しないといけません。逆に言えば、片方は音漏れを気にする必要がないという環境であれば、配慮すべき部屋に背を向けて演奏するようにすれば、防音室の性能以上の防音効果が期待できるのが管楽器なのです。

なお、管楽器の中には、サックスのように、中高音の音が出るものと、低音が出るもの、種類が存在する場合があります。そしてそのどちらを使用するのかによって必要な防音性能が変わってしまうということは頭に入れておきましょう。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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