ご近所トラブルは『騒音』が1位!引っ越し先を決める前に知っておきたい騒音対策について
お部屋探しをする際には、皆さん何を重視しているでしょうか?多くの場合、「駅からの距離は?」「日常生活に必要な買い物できる店が近くにあるか?」「部屋の間取りは?」などといった点を重要事項として物件を絞っていくという方が多いと思います。もちろん、実際に住み始めたわけではないので、「できるだけ便利にすごせるように」と言った視点で物件探しをするのが当たり前のことだと思います。
しかし、マンションなどの集合住宅に住むことを考えた場合、自分のライフスタイルを考慮した過ごしやすさだけに注目するのは少し危険だと言えるでしょう。というのも、マンションやアパートなどの集合住宅は、全く異なるライフスタイルを持つ方が同じ建物内に住むことになるため、ちょっとしたことが原因でご近所トラブルに発展してしまう…なんて危険があるのです。
特に、『騒音』に関する問題に関しては、物件の内見時に確認することが難しく、住み始めてから音の問題に悩まされてしまう…という方が非常に多いと言われています。そこでこの記事では、これから新生活をスタートするための物件探しをしている方に向け、『騒音』に悩まされないためにおさえておきたい物件探しの基礎知識をご紹介します。
『騒音』が原因のトラブルが増えている
引用:国土交通省「マンション総合調査 平成30年度版」
上の画像は、国土交通省が定期的に行っている集合住宅でのトラブル原因をグラフにしたものです。平成15年では、マンションなどで発生するトラブルについては、違法駐車や違法駐輪によるものが多かったのですが、平成30年に行われた調査では『生活音』による近隣トラブルが最も多くなっています。
「生活音って何?」という方もいるかもしれませんが、これは以下のように、日常生活上で致し方なく生じてしまう音も非常に多いのです。
- 子供が室内を走り回る足音
- 子供騒ぐ声、親が叱る声
- テレビやオーディオの音
- 掃除機や洗濯機の音
- ペットの鳴き声や足音 etc
このように、日常生活上で特に意識せずに出してしまっている音が、ご近所トラブルに発展してしまう…なんてことが増えていると言われています。こういった生活音に関しては、誰もが無音で生活をすることはできませんし「お互い様」という部分も本来はあるはずです。
しかし、自分が選択した物件の隣、または上階の方が、自分とは全く異なるライフスタイルを持っているという場合、生活時間の違いから騒音に悩まされてしまう…なんて可能性があるのです。したがって、こういった事を防ぐためには、物件選びの時から『騒音』に注意してさまざまな点を確認しなければいけないと考えておきましょう。
物件選ぶの時にチェックしておきたいポイント
それでは、実際に物件選びをするとき「騒音問題を避ける」ために確認しておきたいポイントについてご紹介しておきましょう。正直な話、入居前の物件が「騒音問題を避けることができる物件なのか?」ということを完全に見極めるというのは難しいと思います。
しかし、何も考えずに物件を決めてしまうと、とても耐えられない騒音があり、すぐに引っ越ししなければならなくなる…なんて状況も考えられます。ここでは、音に敏感だ…という方であれば、最低限チェックしておきたい、いくつかのポイントをご紹介しておきます。
建物の構造
まずは、建物の構造です。騒音の原因となるのは、「人の大声、足音、生活音、ペットの鳴き声、楽器の音」など他の部屋から聞こえてくる音と、自動車や電車などの外部から聞こえてくる音があります。そこで、こういった音が響きやすい建物なのかどうかの目安として、構造が重要になるのです。
建物の構造にも、『木造・軽量鉄骨造・重量鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造』など、さまざまな種類がありますので、まずは気に入った物件の建物がどういった構造になっているのかを確認してください。建物の構造に関しては、物件概要書と呼ばる建物の間取りなどを記した書類に記載されています。基本的には、『木造・軽量鉄骨造・重量鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造』では、後者の構造になるほど頑丈で、音が響きにくいと考えられます。
内見で音の響きをチェック
書類で建物構造をチェックしたら、実際の内見でチェックしてみましょう。内見では、内装の綺麗さや導入されている設備ばかり注目する方がいるのですが、他の部屋から聞こえてくる生活音や窓を開けたときの音の響き、階段や廊下を誰かに歩いてもらった時の音の響きなどをチェックしておきましょう。また、近隣の店舗状況や人通り、交通量などもチェックしておいた方が良いです。
ちなみに、場所によっては、昼間と夜間、平日と休日では、周辺状況がかなり異なる…という場合があります。したがって、自分のライフスタイルを考慮して、最も部屋で過ごすことが多い時間帯に物件周辺を確認しに行くのもオススメです。
音が気になるなら角部屋や最上階を選ぶ
「自分は音に敏感で心配…」という方がいれば、角部屋や最上階の部屋を選択するのがオススメです。角部屋や最上階になると、物理的に接する住戸が少なくなりますので、音の問題が生じる可能性も低くなります。
注意が必要なのは、最上階の場合、夏は暑く冬寒い、風が強い、地震時に揺れが大きくなる。角部屋の場合は、盗難に遭いやすい…などのデメリットが生じます。
共用部分の管理体制をチェック
玄関や集合ポストはもちろん、駐輪場、階段、エレベーター、廊下、ゴミ置き場など、他の住民と共用する部分の清掃や整理が行き届いているのかも意外に重要です。これらの状態が悪いということは、建物の管理体制が整っていない…ということですので、何か問題が生じた場合でも、対応をとってくれない…という心配があります。また、騒音以外の問題が生じてしまう恐れがあるでしょう。
騒音の可能性があるかをチェック
その物件が「ペット飼育OK」「楽器OK」などと言った場合、騒音の可能性が高いと考えておいた方が良いでしょう。その物件が気に入った時には、「ペット(or楽器)OKとなっていますが、物件の防音対策はどうなっているのですか?」と質問しておいた方が良いですよ。
中には、防音工事をしっかりと施していることから「楽器OK」となっているような物件もありますので、そういった場合は安心しても良いと思います。そうではなく、「住人の常識の範囲で対応することになっています」などと言った場合、「ペット(or楽器)OKの物件なのだから、多少の騒音は我慢してください。」などと、何かあっても対応してくれない可能性が高いです。
気になるポイントは率直に質問する
最後は、自分が気になっている『騒音』に関することがあれば、しっかりと確認しておくということです。例えば「過去に騒音トラブルがあったか?」「上下左右の部屋に子供がいる家庭はあるか?」「騒音問題が生じたらどんな対処をしてくれるのか?」など、疑問に思うことがあればしっかりと確認しておくのがオススメです。
もちろん、仲介のみを行う不動産会社の場合、すぐに返答することはできず家主や管理会社に確認の上、返答するということになると思います。こういった対応は、真摯に対応してくれているということですので、返答を待てばよいと思います。
まとめ
今回は、物件探しの際に注意しておきたい『騒音問題』を避けるためのポイントをご紹介してきました。近年では、集合住宅で生活する方が増加してきたことから、生活音による騒音問題が非常に増加していると言われています。しかし、このような状況だというのに、物件探しをするときには、立地や内装、間取りばかりに注目して、住んだ後の騒音に関しては何も考えていない…という方が非常に多いように思えます。
もちろん、短時間の内見だけで、その物件にどの程度の騒音の危険があるのかはなかなか分からないものですが、何も考えずに物件を決めるよりは、確実に騒音問題が生じる可能性を低くできるはずです。この記事では、一般の方でも簡単にできる『騒音』を避けるための確認ポイントをご紹介しましたので、あなたが物件探しをするときには、ぜひチェックしておきましょう。