防音室の工事は意外に失敗談も多い!よくある失敗事例の原因をご紹介します。

ここ数年、防音工事の立場がかなり変わってきており、部分的な防音工事を行いたいと考える方が増えています。これは、マンションで生活する方が増えてきて、各家庭の住空間の距離が非常に近くなっていることや、戸建て住宅ごとの距離もかなり狭くなっていることが原因でしょう。実際に、かつては音の問題に悩むことが少ないと言われていた戸建て住宅などでも、防音室までは必要としないけれど、窓や壁の防音工事をしたいという方が急増していると言われています。

こういった事もあり、今までは防音工事など全く手掛けていなかった一般の住宅リフォーム業者が防音工事業界に進出することも増えており、何も考えずに「安価だから」と言った理由で業者選びをしてしまった結果、「防音工事をしたのに、階下の家からクレームが…」なんてことが増加しているのです。実際に、弊社にも、300万円をかけて防音室を作ったのに、ピアノの振動が階下に伝わり苦情が来るため、改めて弊社で防音工事をやり直す…と言った事例が多くなっています。このようなことになると、ピアノ室を作るためのコストが倍かかってしまうことになるなど、防音室を最終的に手に入れることができるものの、大幅に損をしてしまうなんてことになるのです。

そこでこの記事では、防音工事に失敗してしまう方について、よくある失敗談をご紹介しておきます。

防音工事に失敗してしまう代表的な原因

冒頭でご紹介したように、近年では、防音に関する知識が全くない業者が防音工事を受け付けるようになっていることから、高いお金をかけたのに「聞いていたほどの性能が出ない…」なんてことが増えています。これは、防音建材を仕入れて、仕様通りに施工すれば高い防音効果が得られると、知識のない業者が考えてしまっていることが原因です。そのため、こういった業者に依頼してしまうと、要望したような防音性能が全く得られていないにもかかわらず「防音室はこんなものですよ」などと言いくるめられてしまうのです。

弊社にご相談いただいたお客様の中には、防音室の仕上げとしてクロスを貼っている時に、その音が隣にいて聞こえてきたことから「これはおかしい…」と弊社に連絡してきた…と言ったケースまであるのです。防音工事は、遮音性能を持った建材を施工すれば良いというような単純な工事ではなく、綿密な計算のもと施工しなければいけない非常に専門性が高い工事です。したがって、防音室の依頼をする際には、以下のような失敗をしないように注意してください。

①工事の保証値が無いまたは施工後の遮音測定をしない

防音室の遮音性能は、用途や環境などによって全く変わります。防音工事を行う時には、お客様の用途や要望をしっかりとお伺いして、それを実現できるための設計を行い、事前に遮音保証値を提示する業者に依頼しなければいけません。口約束で「防音室を作れば騒音トラブルの心配はありませんよ」などと言われても、どの程度の遮音性能を発揮できる防音室になるのか分からなければ、実際に使用してみると、近所迷惑になるレベルの音漏れがある…なんて仕上がりになることも珍しくありません。

したがって、防音工事を行った後に、オクターブ測定をする事でJIS規格に基づいた遮音性能をきちんと測ってくれるのかを契約前に確認するようにしましょう。施工前に遮音性能の保証をしない、工事後の測定もしないなどという対応は、業者の自信のなさの表れですので、防音室の仕上がりに期待することはできません。

そして、防音工事後に「失敗した…」というケースでは、相見積もりの際に安さだけで選んでしまうなど、遮音性能の保証などに全く注目していない場合が多いです。

②工事内容を理解せずに契約してしまう

防音工事を契約する際には、「専門的すぎてよくわからないし、総額だけ比較して安い業者を選ぶ!」なんてことをして失敗してしまう方が多いです。

防音工事業者の中にも、工事内容や使用する材料が明確にわからないような「一式」見積りを提出してくるような場合も多いです。これは、防音工事が専門性が高いため、防音性の高い建材をカタログ通りに施工すれば良いと考えている業者に多いです。しかし、冒頭でご紹介したように、そのような施工では、まともな防音室など出来上がらないと考えておきましょう。

防音工事というものは、それを施工する家の構造や周辺環境、何の用途でどの程度の性能が欲しいのかによって、施工内容も全く違ってきます。つまり、一式の見積りを出されても、他の業者の見積りと比較のしようがないわけです。高額なリフォーム工事は、契約を急かされることも多いのですが、防音室は一生ものの買い物ですし、即決を煽ってくるような場合は信用しない方が良いかもしれません。また、見積り内容や工事内容が不明確なまま契約するのも危険ですので、しっかりと防音工事の内容や、なぜそれが必要なのかを把握してから契約するようにしましょう。

③意味不明な値引きに注意

リフォーム工事では、契約を促すために大幅な値引きを提示するなんてことも多いです。防音工事でも、意味不明なキャンペーンを謳って数十万円以上の値引きを提示して、「この場で決めてくれないとこのキャンペーンは適用できない」と迫るわけです。基本的に、こういった業者は信用しない方が良いですよ。

例えば、「防音ドアのグレードを下げれば、〇万円値引き出来ます。ただし性能はちょっと落ちます」と言った、誰でも納得のできる内容の値引きなら良いのですが、工事に直接関係のない内容で大幅な値引きをするというのは、最初の見積り金額が不適正なだけで、営業ツールとして値引きを使っているわけなのです。誰でも、「お得感を感じる」営業トークを使われると、今契約しないと損なのでは…と考えてしまいますが、ほとんどの場合、悪質な営業手段です。

防音工事では、特殊な防音仕様のサッシを使用するからと高額な見積り金額になっているのに、実際には普通のサッシだった…なんてことも珍しくありません。適正なコストで防音工事を行うためには、自分でも建材の定価などを調べてみることがオススメです。

まとめ

今回は、防音工事を依頼して、「失敗した…」と後悔してしまう方に多い原因についてご紹介してきました。防音室を作るといった、本格的な防音工事になると、一般リフォーム工事とは比較にならないほど高額な費用がかかってしまいます。また、防音室は、単にデザイン性が気に入る部屋を作るというのではなく、目に見えない音の問題を防ぐために行うもののため、完成して実際に使用してみないと、その工事が成功しているのかどうかが分からないという点も騙されてしまう方が多い要因だと思います。

実際に、大手メーカーに防音工事を依頼したのに、そこで楽器を演奏すると近隣からクレームが来てしまった…と弊社に相談してきたというお客様もいるのです。そして、大手メーカーに問い合わせた時には「防音室はそんなものです」と言われたそうです。
もちろん、防音室はどんな音も完全に無音にすることができるといったものではありませんし、多少の音漏れは許容できるといった環境の場合もあることはあります。しかし、防音工事はお客様の要望をうかがったうえで、それが実現できるように施工を進めなければいけないものですので、防音工事を行ったのに苦情が来た…なんて状況はもっての外です。

この記事でご紹介したように、防音室を作るような防音工事は、年々業者とのトラブルが増えていますので、慎重に業者選びを進めるようにしてください。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

[trustindex no-registration=google]

古民家再生ショールーム防音工事の匠はショールームがあります

ピアノ防音室

実際に防音工事の匠が施工した防音室で防音性能を体験することで、当社の防音室の機能・音響などを体感していただけます。
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の建物にショールームがある会社さんが多い中、特に施工後にショールームと性能や音の反響がちがうといったトラブルが戸建てのお客様に多い業界ですが、町家再生事業として難易度の高い防音室を防音性能が最も出にくいとされる木造町家のショールームをご用意いたしました。

このページの先頭へ