騒音トラブルに巻き込まれた時のため、皆さんが知っておきたい基礎知識

毎日普通に生活していたとしても、思わぬところで直面してしまう可能性があるのが騒音トラブルです。特に近年では、人々の生活空間が近くなっていることや、コロナ禍で在宅時間がどんどん長くなっていることから、人が生活するうえでどうしても生じてしまうような生活音が原因となる騒音トラブルが増えていると言われています。

それでは、実際に自分の身に騒音トラブルが発生してしまった時には、どのような対処をすれば良いのでしょうか?テレビなどのニュースなどを見てみると、騒音トラブルを起因とした傷害事件なども発生していますし、対応を間違ってしまうと信じられないような大きな事件に発展してしまう恐れもあります。

そこでこの記事では、万一騒音トラブルに巻き込まれたら…ということを考えて、皆さんが知っておきたい基礎知識をご紹介していきます。

騒音トラブルを引き起こす騒音原因とは

それではまず、騒音トラブルの原因について簡単にご紹介していきましょう。なお、現在騒音に悩んでいる方の中で、「近くの工事の音」や「線路沿いで電車の音が」など、業務で発生する騒音に悩んでいるという場合、苦情を言う相手は明確です。こういった「業務で発生する騒音」は、きちんと騒音規制法という法律まで作られていますし、出してはいけない音の範囲も分かりやすいです。

ただ、騒音の中でも、日常生活の中で生じてしまうような生活音が原因となる場合、なかなか解決が難しい問題になるのです。それでは、生活音による騒音はどのような音の問題があるのでしょうか?

車やバイクなどのエンジン音

一般の方による騒音問題では、自動車やバイクなどのエンジン音が考えられます。自動車もバイクも、エンジンを掛ければ大きな音が生じますが、特に改造してより大きな音が出る仕様になっているケースもあります。
そして、そういった自動車やバイクなどが、深夜に自宅周辺でエンジンをふかすなどとなれば、近隣の方とトラブルになってしまいます。

親が子どもを叱る時の声

意外に感じる方も多いかもしれませんが、人の声による騒音トラブルでは、子供の泣き声や騒ぐ声よりも、それをりつける大人の声によるトラブルが多いのです。
子供が騒がしいのは当たり前という印象がありますし、ある程度の音であれば、近隣の方も理解してくれる場合が多いです。ただし、そういった子供を叱りつける親の怒鳴り声は、非常に響き渡るので、不愉快に感じられるケースが多いです。

大人数で集まり騒ぐ声

人の話し声は意外と離れていても聞こえるという印象を持っている方は多いのではないでしょうか?そして、騒音トラブルまでを引き起こす人の声では、大人数が集まって騒いでいる時の声が問題になるケースが多いです。
例えば、深夜に若者がコンビニなどにたむろして大声を上げる、自宅でバーベキューを大人数でするなどといった行為によりご近所さんとトラブルになるケースがあるようです。

子供の足音や騒ぐ音

マンションなどの集合住宅であれば、子供が家の中を走り回る、兄弟げんかをするなどといった理由で、階下にドタバタといった音が響き、苦情になってしまうというケースが多いです。
集合住宅は、構造物で各ご家庭がつながっていることもあり、足音などの振動音がどうしても伝わってしまうのです。過去には、子供の足音を原因として裁判沙汰にまで発展した事例なども存在します。

ペットが生じさせる音

コロナ禍になってから、ペットを飼い始める方が増えており、それに合わせてペットが生じさせる音による騒音トラブルが増加しています。例えば、ペットの鳴き声や足音などですね。
特に最近は、ペットを家族として迎えるというケースが増えていることから、マンションなどでも大型犬を飼育するケースが多くなっています。当然、大型犬の方が大きな鳴き声を出しますし、足音なども大きいので、近隣へは大きな影響を出してしまいます。

その他

上記以外にも、掃除機や洗濯機など、日常生活の中で使用する家電製品の音による騒音トラブルが考えられます。

騒音を防止する法律ってあるの?

日常生活の中には、上述のような騒音トラブルのもとがたくさん存在します。騒音は、当然、周囲の人に迷惑を掛けてしまう問題ですし、何らかの法律で制限がかけられていると考えてしまいますよね。実際に、以下のような騒音を防止する決まりが設けられています。

自治体の条例

一つ目は、各自治体が何らかの条例を定めて、騒音トラブルを防止するという方法です。例えば、大阪であれば、大阪府生活環境の保全等に関する条例第102条で「日常生活に伴って発生する騒音により周辺の生活環境を損なうことのないよう配慮しなければならない。」という定めが存在します。

他の都道府県に関しても、これと同じような条例が定められていて、騒音によるトラブルを防止する努力がなされています。ただ、自治体が定める騒音に関する条例については、ほとんどの場合、罰則規定が設けられていないことから、条例自体の実効性はそこまで高くありません。

例えば、あなたが近隣から聞こえてくる騒音に悩んだ場合、前述のような自治体の条例を元に公的機関に訴えたとしても、良くて「騒音の発生源に注意喚起を行う」程度の対応になると考えておきましょう。

軽犯罪法

上述のように、各自治体が定めている条例などについては、騒音に関する記述はあるものの、罰則が規定されていないことから、ほとんど実効性が無いと考えられます。こうなると、生活騒音は出したもの勝ちなのか…と感じてしまう方が多いのですがそういうわけではありません。

騒音に悩んだ場合、警察に相談すると良いという情報を見かけることがあると思いますが、実は、度を越した騒音の場合、軽犯罪法によって罰することができる可能性があるのです。軽犯罪法第1条14号では「公務員の制止をきかずに、人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者」については、拘留または科料に処すと定められています。

要は、警察などに相談して、警察が静止しているにもかかわらず、問題の行為をやめようとしない場合には、軽犯罪法が適用されるわけです。したがって、近隣に住む方の声や楽器演奏音などに悩んでいる場合、ひとまず警察に相談してみると良いでしょう。

騒音に悩んだ時の対処法について

それでは、騒音に悩んだ場合に、どのような対処をしていけば良いのかについても解説していきましょう。上述のように、度を過ぎた騒音の場合、軽犯罪法を適用してもらえる場合もありますが、いきなり警察に通報するという行為はあまりおすすめではありません。というのも、音の問題は、そもそも人によって感じ方が異なる問題ですので、騒音源となっている方の中には、自分が他人に迷惑を掛けているなんて思ってもいない…という方が多いのです。それなのに、何の相談もせず、いきなり警察に訪問されたときには、余計に話がこじれてしまうなんてことも考えられます。

ご近所さんとの関係も維持したいのであれば、きちんと手順を踏んで騒音に対処していくのがオススメです。

STEP1 まずは周囲と相談

騒音問題は、まず周囲に住む方と相談してみることが大切です。相談相手は、もちろん騒音源となっている方ではなく、同じ騒音に悩んでいると考えられる近隣の方です。なお、集合住宅に住んでいる方で、「真上の階の足音に悩んでいる」など、音の問題を抱えているのが自分だけという場合は、管理会社などに相談してみましょう。

上述したように、音の問題は、人によって感じ方が異なる点が難しいもので、例えばあなたが騒音と感じていたとしても、周囲に住む近隣の方が気にならないというのであれば、騒音と呼べるほどの問題ではなく、あなたが神経質すぎるのかもしれません。まずは、ご近所の方などに相談してみて、あなたが不快に感じている騒音が、一般的に害悪になる問題なのかを明確にしましょう。

STEP2 当事者同士で話し合い

STEP1の結果、明らかに問題のある騒音と判断できた場合、騒音加害者の方と話し合いの場を持つと良いでしょう。

騒音源となっている方の中には、音に無頓着で、自分がご近所さんに迷惑を掛けている印象が全くない人もいます。そのような時には、きちんと誠意をもって相談することで、騒音問題を改善してくれるケースも多いです。

ただ注意しておきたいのは、騒音加害者が明確な悪意を持って騒音を発していると判断できる場合、直接接触すること自体がより大きなトラブルの引き金になってしまうケースがあります。したがって、そのような自分の身の危険を感じるようなときには、騒音加害者との話し合いを省いて、警察や自治体に相談すると良いでしょう。

STEP3 話し合いで解決しない場合、証拠集め

騒音加害者の方ときちんと話し合いを行ったにもかかわらず、騒音源の方が態度を改めることなく、騒音問題が改善しないケースも少なくありません。この場合には、「受忍限度を超えるような騒音がある」のだという証拠をきちんと集めておくと良いでしょう。

後々、裁判などに訴える場合には、民間の騒音測定業者などに依頼して、公的なデータとして証拠を残すのがオススメです。

STEP4 公的機関に訴え出る

騒音の証拠などが集まったのであれば、自治体や警察などに相談すると良いでしょう。なお、あなた以外の近隣住民も騒音に悩んでいると思いますので、公的機関への訴えは、共同で行うのがオススメです。

生活音以外の騒音について

ここまでは、日常生活の中に潜む、生活音が原因となる騒音の対処についてご紹介してきました。基本的に、生活音を明確に制限するような法律はないので、何らかの音を不快に感じたとしても、その問題をすぐに解消するようなことは難しいと考えてください。

ただ、悩んでいる音が、工場や電車の走行音など、事業に伴う騒音の場合、法律によって明確な基準が設けられています。

騒音規制法

上述したように、日本では工場、事業場、建設工事、自動車の騒音などを規制する目的で、騒音規制法なるものが制定されています。したがって、近くではじまった工事の音に悩まされている…という場合、その音が騒音規制法の範囲内の音なのか、またきちんと法に定められた届出などがなされているのかを確認すると良いでしょう。
騒音規制法には、罰則規定などが設けられていますので、騒音問題を解消するための強制力もそれなりにあると考えられます。ちなみに、騒音規制法の範囲は以下のような感じです。

  • 工場
    工場など、大きな音が生じる可能性が高い施設は、時間帯などによって出しても良い音の上限が定められています。万一、規制以上の音を出した場合には、改善勧告が出され、それに違反すると罰金などが課されます。
  • 事業場
    事業場も工場と同様に、環境大臣が決めた騒音レベルが設けられています。
  • 建設工事現場
    建設工事においては、大きな騒音が生じる可能性がある場合、都道府県の条例によって事前に申請が必要と定められています。騒音の上限値は、時間帯、曜日などの規定もあります。
  • 自動車
    自動車は、タイヤ、排気音、加速騒音、走行騒音など、個別の規制が設けられています。基本的に、メーカーが販売する純正の自動車であれば、基準値を超えるようなことはありません。しかし、利用者自らが改造した場合、基準を超える騒音を出すケースもあります。この場合、車両の利用停止処分や罰金などが用意されています。

環境基本法

環境基本法は、航空機や新幹線などによる騒音を規制しています。この法律に関わる問題については、自治体に相談することになります。

まとめ

今回は、万一騒音トラブルに巻き込まれてしまった時のため、皆さんが押さえておきたい騒音周りの基礎知識についてご紹介してきました。この記事でご紹介したように、人々の生活空間が近くなってきたことや、在宅時間が長くなったことにより、些細な生活音を原因とする騒音トラブルが急増していると言われています。

ただ、音の問題に関しては、人によって感じ方が異なりますし、誰が出している音なのかによっても印象が大きく変わります。例えば、普段から仲良くしている隣人宅のお子様の泣き声であれば「可愛げがある」「子供は泣くのが仕事だ」などと、特に気にならない人がほとんどだと思います。しかしこれが、引っ越してきたばかりの愛想の悪い隣人と感じている家から聞こえたらどうでしょうか?同じ子供の声だったとしても、「しつけがなっていない!」などと不愉快に感じてしまうものなのではないでしょうか?

このように、音の問題は、その時の感情などによっても印象が変わってしまうような非常に繊細なものです。ただ、相手が騒音と感じてしまった時には、やはり騒音源となっている方の責任と捉えられてしまう側面があるので、注意しなければならないでしょう。ちなみに、あなたが騒音問題に悩まされたときには、この記事内で紹介したように、段階を追って対処していくのがオススメですよ。いきなり警察に連絡してしまうと、相手が意地になってしまう可能性もあるので、普段から会話ができるような関係性を作っておくのが良いのではないでしょうか?

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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