防音対策の失敗事例!よくある音の悩みとその解決方法をご紹介します!

近年では、マンションなどの集合住宅で生活する方が増えている、戸建て住宅でも家と家の距離が近くなっているなどと言った理由から、日常生活の中でどうしても生じさせてしまうような生活音に関するトラブルが増えていると言われています。さらに、新型コロナウイルス問題以降は、テレワークが一般化したこともあり、昼間でも在宅している方が増えていて、音に関する悩みを抱える方が増えているようです。

そのため、ホームセンターやインターネット通販サイトには、一般の方でも簡単に防音対策が施せるアイテムが販売されるようになっており、非常に人気を博していると言われています。ただ、防音に関する知識を持たない方が、自分で防音材を購入し対策を施す場合、それなりの費用をかけたにもかかわらず、考えていたような効果が得られなかった…という声も少なくありません。実際に、我々のような防音工事業者には、自分で防音対策を施してみたものの、防音に失敗してしまった…という方からのお問い合わせが増えています。

そこでこの記事では、お客様から良くいただく音の悩みと音の問題を解消するためにどうすれば良いのかについて解説します。

日常生活の中に潜む音の問題

まずは、日常生活の中で、誰でも被害を受けてしまう可能性がある音の問題からです。人々の生活空間が近くなった現在では、本当にちょっとした生活音で近隣住民と騒音トラブルを抱えてしまう可能性があると考えなければいけません。実際に、我々のような防音工事の専門業者にも、足音や人の話し声、外部騒音などと言った音の悩みに関する相談が増えています。防音工事業者と言えば、楽器用の防音室など、一部の人しか関わり合いが無い業者というイメージが長らく続いていましたが、現在では、誰もが悩んでしまう可能性がある生活音に関する相談が急増しているのです。

ここでは、生活音に関する防音の相談の中でも、代表的な音の悩みをいくつかご紹介します。

寝室でよくある音の問題

音の悩み①
猛暑化が進む現在では、夏は夜中でもエアコンが無いと眠れない…という方が増えていると思います。しかし、実際にエアコンをつけたまま眠ろうとすると、屋外に設置されている室外機の音が気になってしまうという声は少なくありません。また戸建て住宅では、エアコンと同じような室外機が付いているエコキュートという給湯器が騒音問題を引き起こすことがあります。エコキュートは、安い深夜電力を活用する機器で、主に深夜帯に稼働することから、室外機の音で眠れない…と言った問題が発生するわけです。こういった寝室での音の問題はどのような対象方法があるのでしょうか?

エアコンやエコキュートの室外機の音に関する相談は意外に多いです。マンションなどであれば、本来は防音に関する仕様はかなり高くなっていますので、単純に機器が生じさせる稼働音が問題になるようなことは少ないです。しかし、防音の仕様が高いということは、室内が非常に静かであるということですので、逆に静かすぎて機器の振動音が目立ってしまうことがあります。

こういった外部に設置されている機器の音に関しては、遮音性の高い防音カーテンを設置することで音の侵入を防ぐ、振動音に関しては、室外機そのものに振動抑制のためのゴムを設置するなど、振動対策を施すのがおすすめです。
ちなみに、室内で生じる機器の音に関しては、解決が難しい場合もあります。というのも、今どきの家電製品は、稼働時に気になるような音を出さないよう、静音対策がしっかりと施されているため、機器から生じる音そのものを小さくするのが難しいのです。なお、電化製品の音は、主に高周波帯となるので、どうしても気になるという場合は、枕元に衝立タイプの吸音ボードなどを設置するという方法が考えられます。

こういった対策を施しても、外からの音が気になる場合は、窓を二重窓にするなど、部分的な防音工事を行うのがおすすめです。

足音に関する問題

音の悩み②
マンションなどの集合住宅では、上下階の住人同士が足音でトラブルになるケースが増えていると言われています。例えば、小さなお子様が上の階に住んでいた時には、室内を走り回る時の足音が階下に響いてしまい、クレームが出る…という話をよく耳にすると思います。さらに、戸建て住宅でも、間取りの問題から足音が気になってしまうという悩みが増えています。例えば、リビングなど家族がリラックスしたい部屋の真上に子供部屋などを配置してしまうと、集合住宅同様に足音が気になってしまう訳です。こういった足音の問題はどのような対処方法があるのでしょうか?

日常生活の中にある足音に関する悩みについては、いくつかの解決方法が考えられます。コストかけずに足音問題を解決したい場合、騒音源側に対策を施してもらうのが良いでしょう。例えば、上の階に住んでいる方と、話ができる関係性なのであれば、あなたが足音で悩んでいる事実を伝え、音が出にくいスリッパなどを着用してもらうという対策が考えられます。足音の原因が、お子様の場合、室内をなるべく走らないよう注意してもらうなどの対策も有効です。

ただ、上の階に住む方と関係性が薄いという場合は、苦情を言うことで余計なトラブルに発展する可能性があります。したがって、マンションなどの足音対策は、音に悩んでいる側が天井の防音工事などを施し、足音を軽減するという対策を取る場合が多いです。戸建住宅の場合、同居する家族ですから、基本的に足音をなるべく出さないようにさせるのが良いでしょう。それでも改善せず、睡眠障害などの問題に発展している場合は、防音工事による対策を検討すると良いでしょう。

なお、足音以外にも、近隣住人同士の音の悩みについて、お風呂やトイレの排水音問題もあります。排水音に関しては、深夜にお風呂に入らないようにするなど、生活習慣の改善で解決できるケースもあるのですが、基本的は、配管の防音対策を行うのが有効です。

ペットに関する問題

音の悩み③
室内でペットを飼育する方が増えている現在、ペットの鳴き声で近隣住民から苦情が出るといった話を耳にする機会が増えています。また、お部屋の作りによっては、ペットの鳴き声が室内で響いてしまい、LDKのどこにいても鳴き声がキンキンと響くことに悩んでいるというご相談を受けることが増えています。それでは、こういったペット騒音への対策はどのような方法があるのでしょうか?

ペットを飼う方が増えている一方で、ペット騒音に悩まされるという方も急増しています。近年では、ペットの飼育が認められている集合住宅も増えていますが、こういった住宅に住む方の中には「ペット騒音は我慢してもらえる」と勘違いしている方も多いようです。実際に、我々のような防音工事業者には、ペット騒音に関する相談が、騒音主側、騒音被害者側の両方から入ってくるようになっています。

なお、ペットの鳴き声などが外に漏れないようにする、室内に侵入しないようにしたいと考える場合は、壁や窓の防音対策が有効です。ペットの鳴き声のような空気音は、窓が防音上の弱点になっている場合が多いからです。窓は、壁よりも圧倒的に薄い、隙間が生じる構造になっているなどと言った理由から、音漏れや音の侵入原因となってしまうのです。したがって、二重窓や防音ガラスの導入などにより、音漏れ・侵入を防ぐと良いでしょう。

この他、室内でペットの鳴き声が響いてしまう…という問題については、お部屋を構成する建材が原因となっている場合が多いです。例えば、最近のマンションなどでは、床が大理石仕上げと言ったオシャレな物件が増えているのですが、こういった作りの場合、音が反響しやすくなるのです。したがって、部屋の雰囲気を壊さないように、ラグを敷く、壁に吸音ボードを設置するといった対策を取ると良いでしょう。

防音室を作ったのに音の悩みが…

近年では、費用をかけて防音室を作ったのに、防音性能に不満が残るといった相談も増えています。これは、DIYを趣味とする方が自分で防音室を作ったという場合や、業者に依頼したものの、防音工事の専門業者ではない会社に安く依頼したというパターンの場合が多いです。

防音室を作る際には、最初から技術力の高い防音の専門業者に依頼するのがおすすめです。そうしなければ、費用をかけて作った防音室に、さらに費用をかけて手直しをしなければならず、最悪の場合、同じ防音室を作るのに倍近くの費用がかかるケースもあるのです。

楽器防音室で、音漏れはないけれど室内の反響に不満が

音の悩み④
安価なリフォーム業者に見積り価格の安さだけで楽器用防音室を依頼した場合に起きやすい問題です。例えば、ピアノ室を作ってもらい、屋外への音漏れに関しては特に問題は生じていないものの、ピアノを弾いていると、音がとれない時がある…という相談が過去にありました。これは、防音対策はしっかりと行っていたものの、防音室内の音響環境に関する知識が全くなく、ピアノを弾いていると、だんだんと室内で反響音が増えてしまい、耳障りな環境になってしまっていたという事例です。防音室工事は、単に音漏れを防げれば良いのではなく、防音室内も最適な音響環境を作らなければいけません。音響づくりは、熟練の技術が必要になるので、防音工事の経験が少ない業者に依頼すると、手直しが必要になる可能性が高いです。

ピアノなど、楽器用防音室は反響(残響音)を少なくしすぎるのも良くありません。適度な残響を残しつつ、良い音響環境を作ることが楽器の上達にもつながるはずです。

費用をかけて防音室を作ったものの、反響音が強すぎて、耳障りな環境になってしまった…という場合、最もオススメなのは、防音工事の専門業者に連絡し、音響部分のみを手直ししてもらうことでしょう。ただ、当然専門業者に依頼する場合、さらなるコストがかかります。コストをあまりかけられない場合であれば、移動式の吸音パーテンションを購入し、自分の耳に心地いい位置を探しながら配置するという方法もあります。完璧な音響環境を作り出すことは難しいですが、低コストで音響環境の改善が可能です。

オーディオルームに問題が

音の悩み⑤
オーディオルームも音響環境の失敗がありがちです。過去には、音楽を楽しむために、専用のオーディオルームを作り、リスニングを楽しんでいたという方が、反響音に関する相談を弊社にしてきたという事例があります。このお客様は、オーディオルームのために防音工事を行ったうえで部屋作りを行ったとのことです。しかし、リスニングの際、ある一定のボリュームを超えると、室内での反響音が高まり、リスニングができない状況に陥ってしまうという相談でした。ヘッドホンをすれば問題なくリスニングができるそうですが、それであればせっかくのリスニングルームが意味を成しません。そこで反響音が何とかならないかと弊社に相談してきたという流れです。

オーディオルームやホームシアターなどでは、こもり音が問題という相談をいただく機会が多いです。

一般的には、こういったこもり音の問題は、音の吸収を増やして、残響を少なくすることで解決できる場合が多いです。例えば、スピーカーの真後ろに吸音率の高いボード(パネル)を配置するなどと言った対策を行えば、無駄な反響音を抑制することができます。他にも、壁や床に音を吸収するファブリック製品を配置するといった対策も有効でしょう。

ただ、こういった簡易的な反響音対策を自分で行っただけでは、耳障りな環境を解消することはできても、自分の理想のリスニング環境を作るのは難しいです。音響の調整は、熟練の防音工事業者でも難しいもので、お客様の立会いのもと微調整していくものです。どうしても、自分の理想の音響環境にこだわりたいと思う方は、防音工事の段階から業者選びを慎重に行いましょう。

まとめ

今回は、日常生活の中に潜む、さまざまな音の悩みと、その解決方法についてご紹介しました。この記事でご紹介したように、人々の生活空間が近くなった現在では、ちょっとした生活音に悩む方が増えています。

音の問題は、自分で材料を集め、対策を施すことができるような時代になっているものの、防音対策というのは皆さんが考えているほど簡単なものではありません。実際に、高いコストをかけて防音室を作ったのに、防音室の仕上がりに不満を感じてしまうケースもあるようです。最近では、防音工事に需要の高まりから、防音に関する知識を持たないリフォーム業者が、防音工事を請け負い、顧客の要望に応えられない防音室を作りトラブルになるケースが多くなっています。

防音工事の成否は、最初の防音工事業者選びが非常に重要な時代になっていますので、皆さんが防音工事を検討した時には注意しましょう。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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