新築時に防音室を作っておく場合のメリットを考えてみよう!

皆さんは、防音室を作る防音工事については、どういったイメージを持っているでしょうか?『防音リフォーム』という言葉があるように、一般の方からすれば、何らかの理由で音漏れを防ぎたい、外からの音をシャットアウトしたいなどと考えて、後付けで行う工事と言ったイメージを持っている方も多い事でしょう。

ただ、防音工事に関しては、何も既存の部屋をリフォームして防音室にしなければならないのではなく、新築時にあらかじめ防音室を設けておくという方法もあるのです。特に、2020年以降長引くコロナ禍では、在宅で仕事をする方が増えていますし、夜も家飲みをする方が多くなっているなど、人々の在宅時間が長くなってきたことで、マイホームを手に入れる段階で住宅の防音性能に着目する方が増加していると言われています。実際に、大手ハウスメーカーの中には、建売住宅に防音室を標準装備するプランなどを構築している所も増えていますし、今後は「新築時に防音室を設けておく」と言うのがスタンダードになってくるかもしれません。

そこでこの記事では、既存住宅にリフォームで防音室を作るのではなく、新築時に防音室を設けておくことのメリットをご紹介しておきます。

メリット① 用途に合わせた広さの防音室を作れる

楽器の演奏やホームシアターの設置などを目的に防音リフォームする場合、空いている部屋に防音工事を施すことになります。そしてこの時に注意しておきたいのは、防音リフォームを行う場合、既存の壁の中に遮音や吸音のための建材を施工することになるので、もともとの壁よりも厚みが増してしまうのです。つまり、工事前の部屋の広さから狭くなってしまう訳です。また、防音室の利用用途によっては床や天井も対策が必要になることから、部屋の高さも低くなってしまいます。部屋が低くなると、かなり狭いイメージを受けるようになるので、この点は注意しておきましょう。

新築時に防音室を設けておく場合とリフォームする場合の違いは以下のような感じです。

  • リフォームで防音室を作る
    リフォームで防音室を作る場合、元の壁よりも合計で25cm以上分厚くなります。そのため、工事後の部屋は元の部屋の広さから1~1.5畳程度狭くなると考えてください。さらに天井高に関しても、元の部屋よりも30cm程度低くなり、全体的に狭く感じてしまう恐れがあります。
  • 新築時に防音室を作る
    設計の段階からハウスメーカーと連携して防音室を作ります。そのため、お客様の利用用途に最適な広さ、高さの防音室に仕上げることが可能です。

これからも分かるように、新築時に防音室を作っておけば、リフォームとは異なり、満足できる広い防音空間を得られるという点が大きなメリットになります。

メリット② リフォームの場合、出入り口に問題が生じるケースがある

防音室は、通常の部屋と比較した場合、最低でも約10cm、高性能な防音室なら20~30cm程度も壁が分厚くなります。そのため、防音室に出入りするための出入り口の可動域に問題が生じるケースがあるのです。

新築とリフォームでの違いは以下のような感じです。

  • リフォームで防音室を作る
    防音室の施工で壁が狭まる分、元の出入り口が部屋の角などにある場合、扉の可動域が狭い出入り口にせざるを得ない場合や、元の扉を壊して別に設ける必要が生じ、余計な費用が発生してしまうケースが考えられます。なお、工事を行う住宅の状況によって、この問題が生じないケースもあります。
  • 新築時に防音室を作る
    新築時に防音室を設ける場合、設計から考えますので、出入り口の可動域に制限が生じるようなことはありません。また、ドアの場所を動かす…ためなど、余計な費用が発生することもないです。

これからも分かるように、新築時の防音室を設けておけば、出入りもしやすい利便性の高い防音室に仕上がります。また、リフォーム時に考えられるような余計な費用の発生もないという点がメリットになります。

メリット③ ネットワーク環境について

防音室の意外な盲点となってしまうのが、Wi-Fiとの相性の悪さです。今の時代、戸建て住宅でのインターネット利用は、Wi-Fiを飛ばして受信するという方法が一般的です。しかし、防音室は、重たい素材で部屋を構成していることから、携帯の電波やWi-Fiが入りにくくなってしまうという弱点があるのです。そのため、防音室内でインターネットを使いたいという場合、有線LANでつなぐことをオススメされると思います。

新築時に防音室を設ける場合とリフォームでのネットワーク環境の違いは以下のようなポイントになります。

  • リフォームで防音室を作る
    音楽スタジオとして利用するなど、防音室内にもネット環境が欲しい場合、LANケーブルを引き回す施工が必要になります。ただ、条件によってはLANケーブルの引き込みが難しいケースもあり、この場合はWi-Fiで対応することになります。防音室でのWi-Fi利用は、電波が途切れやすくなる、速度低下が起きるなど、電波環境に難が生じてしまうことも考えられます。
  • 新築時に防音室を作る
    新築時に防音室を設ける場合、有線LANを引き込むことができます。そのため、ネットワーク環境などで問題が生じることはありません。

このように、新築時に防音室を作っておけば、後々インターネットがつながりにくい…などと言う問題が生じることもなく、快適に防音室を利用できるようになります。

メリット④ 費用面の問題

最後は、費用的な問題です。防音室単体で考えれば、同じ性能であれば防音室にかかる工事費が大きく変わってくるようなことはありません。しかし、新築時に防音室を設けるという場合は、住宅ローンの中に防音工事の費用を含めることができるという点が非常に大きなメリットになるのです。リフォームで防音工事を行う場合、現金かリフォームローンを利用するのですが、リフォームローンと住宅ローンでは、金利に大きな格差があるのです。つまり、金利分を考えると、新築時に防音室を作る方が安くつきます。

まとめ

今回は、防音室を作るにしても、新築とリフォームならどっちが良いのかという疑問に関して、新築時に防音室を作っておきメリットについてご紹介してきました。この記事でご紹介したように、新築時に防音室を作っておけば、部屋の広さや使い勝手について、ユーザーの意向を全て叶えることが可能だという点が最大のメリットになるでしょう。

もちろん、リフォームでも可能な限りお客様の意向を叶えられるように設計を行いますが、既存の部屋の広さや間取りなどによっては、どうしても不可能なことは生じてしまう訳です。なお、防音室は、誰にとっても必要な部屋かと言うとそうではありませんので、新築時に必ず防音室を作っておかなければならないという話ではありませんよ。ただ、将来的に子供に楽器を習わせると心に決めているなどと言う場合は、最初から防音室を作っておいて損はないと思います。

防音工事の匠では、リフォームだけでなく、ハウスメーカー様と連携して新築時に防音室を作ることも可能です。これから憧れのマイホームを建築しようとお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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