防音室を自宅に作る時の選択肢について!安心できる防音工事業者を選ぶためのポイントもご紹介!
自宅に防音室を作りたいと考える方が増えている昨今では、防音室を作るための手段についても複数の方法が思い浮かぶようになっています。一昔前までであれば、自宅で楽器の演奏やホームシアターを実現したいと考えた場合、防音工事の専門業者に工事を依頼しなくてはならないのが一般的で、その専門性の高さから多額のコストがかかってしまう…というのがネックでした。
しかし、人々の生活空間が近くなってきた昨今、より快適な居住空間を作るため、防音対策の需要が右肩上がりで高くなっています。そして、人々のそういった需要にこたえるため、さまざまな方法で防音性を確保する手段が考案されるようになっているのです。例えば、防音工事の専門業者に依頼する前に、ホームセンターなどで防音材を購入し、DIYで防音室を作ろうと考える方が増えていると言われています。
そこでこの記事では、「部屋を防音室にしたい!」と考えている方に向け、防音室を実現するための選択肢とはどのような物があるのか、また専門業者に工事を依頼する場合に、安心して工事を依頼できる業者を選ぶためのポイントを解説します。
防音室を作る手段について
それでは、自宅に防音室が欲しいと考えた時、それを実現するためにどのような手段が存在するのかを解説していきます。防音室を自宅に用意する方法は、主に以下の4つの手段が考えられます。
- ・簡易防音室を購入し設置する
- ・防音材を購入し、DIYで対策を施す
- ・ユニット型防音室を購入し設置する
- ・専門業者に防音工事を依頼する
それぞれの方法についてもう少し詳しく解説していきます。
手段① 簡易防音室を購入し設置する
一つ目の方法は、簡易防音室を購入し、部屋の片隅に設置するという方法です。コロナ禍で在宅時間が長くなった現在では、ユニット型防音室よりも安価で手軽に設置できる簡易防音室なるものが販売されるようになっています。ユニット型防音室は、部屋の中にプレハブ小屋を組み立てる形なので、設置に関しては専門業者に行ってもらう必要があります。しかし、簡易防音室の場合、ダンボールやテント素材などで構成された非常に単純な製品なので、購入者自身が簡単に組み立てることができるのです。ネット通販などで購入し、自宅に届けば、その日から防音室が使える手軽さが大きなメリットです。また、コストに関しても、安価の物であれば5万円前後で販売されているなど、その他の手段と比較すると、圧倒的に安く収まります。
ただ注意しておきたいのは、簡易防音室の防音性能は決して高くありません。先ほどご紹介したように、簡易防音室は、ダンボールやテント素材で作られているだけなので、そもそも素材が持つ防音性が高くないのです。自宅でテレワークをするときに、家族が生じさせる音が気になる、家族の姿が目に入るのが気になるといった場合に、視界を遮って生活音を多少軽減できる程度の効果しかないと考えておいた方が良いです。
自宅で楽器の演奏や動画配信を目的に防音室が必要という方の場合、この方法では少し心もとないでしょう。
手段② DIYで防音対策をする
二つ目の手段は、ホームセンターやネット通販などで防音材を購入し、自分で防音対策を施すという方法です。防音室の需要が年々高まっている中、お客様自身で防音対策を施せるようにと考案された防音グッズがたくさん登場しています。例えば、隣人の生活音が気になるという場合に、境界壁に簡単に取り付けられる防音パネルや、窓からの音の侵入を防止するための防音カーテンなど、それなりの効果を持った防音グッズが販売されています。また、ホームセンターなどには、グラスウールなど、専門業者が防音工事に使用する建材も普通に販売されているので、技術と知識がある人であれば、自分で防音工事を施すのも不可能ではありません。費用面で考えると、簡易的な防音グッズであれば、数百円~数万円で販売されていますので、部分的な対策であれば10万円以下で可能だと思います。本格的な防音工事になると、さすがに数十万円以上のコストがかかりますが、業者の施工費分は安く抑える事ができると思います。
注意が必要なのは、DIYによる防音対策は、多くの場合、満足のいく結果にならないという点です。特に、DIYによる本格的な防音工事になると、既存の部屋の解体から始めなくてはならないですし、防音工事は単に音漏れ・侵入を防ぐだけでなく、部屋の音響環境まで調整する必要があるのです。したがって、DIYによる対策は、コストはおさえられるものの、問題となっている音の問題が解消できず、結局、専門業者にやり直してもらう必要が生じてさらなる費用がかかる…という残念な結果になる場合が多いです。DIYで防音工事を行う場合、内装リフォームの知識はもちろん、防音や音響に関する知識を持っている方以外はオススメできません。
なお、賃貸住宅に住んでいるという方の場合、本格的な防音工事が認めてもらえないので、防音グッズを購入して対策を施すのはオススメです。
手段③ ユニット型防音室を設置する
ここからは、コストが急に上がるものの、本格的な防音環境を作ることができる方法です。ユニット型防音室や定型防音室などと呼ばれる防音室を購入し、部屋の中に設置する方法があります。ヤマハさんやカワイさんなど、国内の楽器メーカーが自宅に楽器の練習スペースを確保するために開発した防音室となりますので、非常に高い防音性能を保持しています。防音室を求めている理由が、テレワークなどではなく、ピアノやトランペットなどの楽器演奏の場合、近隣住人に配慮するため高い防音環境を作らなければいけません。ユニット型防音室は、利用用途に合わせて大きさや性能を選ぶことができ、本格的な防音工事よりも短期間で施工が完了するというメリットがあります。また、1畳程度の狭い防音室で構わない場合は、低コストで高性能な防音環境が作れるという点もメリットでしょう。
ただ、ユニット型防音室は、工場で製造された既製品となりますので、お客様の希望に合わせて音響環境などを調整することができません。また、小さな防音室になると、空調設備の設置ができないため、長時間防音室内で練習するといった使い方ができないなど、使い勝手の面で不満が生じる場合もあります。
ユニット型防音室は、ヤマハさんやカワイさんのショールームに足を運べば、体験することも可能ですので、購入を検討した時には事前にどのような性能を持っているのかチェックすると良いでしょう。
手段④ 専門業者に防音工事を依頼する
最後の手段は、専門業者に依頼して既存の部屋に防音工事を施すという手段です。上で紹介した他の方法と比較した場合、最もコストがかかるものの、自分の希望通りの防音室を作ることができる点が最大のメリットです。
なお、ユニット型防音室は、専門業者による防音工事よりもコストを抑えられると紹介される場合が多いです。実際に、0.8~2.5畳程度のユニット型防音室であれば、設置工事までを含めても100万円前後で防音室が実現するため、コストがおさえられます。しかし、ピアノが設置できるレベルの3畳以上の防音室となると、150万円以上のコストがかかるため、防音工事を行うのとさほど変わらないと思います。ただ、防音工事の場合であれば、音響環境や部屋の内装などについて、お客様の希望に沿って一から作り上げることができるため、最終的に出来上がる防音室のレベルは、専門業者に依頼したものの方が高いと言えるでしょう。
防音工事業者を選ぶときのポイント
ここまでの解説で、自宅に防音室を用意するにしてもいくつか手段が存在することが分かっていただけたと思います。ただ、自宅で楽器の練習がしたい、カラオケを楽しみたいなど、高性能な防音室を用意しなければならない場合、音響環境のことも考えると、専門業者に工事を依頼するという選択が最もオススメです。
注意が必要なのは、防音工事の需要の高まりに比例して、防音工事業界に新規参入するリフォーム会社が増加している点です。中には、防音に関する知識が全くない業者も存在していて、そういった業者に工事を依頼して、消費者トラブルを抱えてしまう方が増えていると言われているのです。実際に、防音工事の匠にも、他社が行った防音工事の手直しの依頼が急増しています。
ここでは、専門業者に防音工事を依頼する時、どのような視点で業者を選べば良いのかについて、いくつかのポイントをご紹介します。
過去の施工実績を確認する
防音工事は、その他の住宅リフォームと比較すると、非常に専門性が高く、さまざまな面の知識と経験が必要になります。したがって、業者の技術力を確認するための目安として、過去にその業者が行った防音工事に実績を確認するのが大切です。
今の時代、どのような業界でもHPを公開していますし、その中に過去に行った防音工事実績を掲載していると思います。なお、HP上の実績については、テキストだけで実績を紹介しているwebサイトは注意が必要です。HPへのテキストの挿入は誰でも簡単にできますので、画像と一緒に掲載されていない場合、それが本当に行った実績なのか確認のしようがありません。したがって、業者のHPを確認する際には、過去にどのような工事を行ったのかが理解できるような掲載方法が採用されているのかにも着目しましょう。
なお、悪徳業者の中には、他社の実績を盗用しているケースもあるようですので、打ち合わせ時にHP上ではなく、実際の施工写真などを確認させてもらうとより安心です。
見積りの比較
防音工事は、決して安価な工事ではありません。例えば、窓の防音対策や壁の防音対策など、部分的な防音工事を依頼する場合でも、数十万円単位のリフォーム費用になるのが一般的です。さらに、ピアノやドラムなどの楽器防音室やホームシアターやカラオケルームなど、高性能な防音室を用意する場合には、数百万円単位の費用がかかります。当然、誰でも同じ性能の防音室が出来上がるのであれば、可能な限り安く抑えたいと考えるはずです。
したがって、防音工事の業者選びを進める際には、最低でも3社程度から見積もりを取り、比較検討をしなければならないと考えてください。これは、防音工事は、専門性が高く案件ごとに必要な性能が変わることから、定価のような物がないためです。したがって、自分が望んでいる防音室の費用相場を知るためにも、いくつかの業者の見積りを比較することが大切なのです。
なお、相見積もりは「一番安価な価格提示をした業者を選ぶ」という方が多いのですが、他の業者よりも安くなる理由をしっかりと確認しなければ、安さだけに着目するのは危険です。例えば、防音室の性能保証がない、グレードの低い材料が採用されている、アフターフォローがないなどと言った理由で安さを実現している場合、将来的に困ってしまうのはあなたかもしれません。業者から見積もりを提示してもらった時には、なぜその工事が必要でなぜその価格になるのか、納得のいくまで説明をしてもらうようにしましょう。見積書の詳細な説明ができないような業者は信用しない方が良いです。
※防音工事に相見積もりでは、他の業者が提出した提案書や設計図を流用することで「うちなら50万円値引き出来ます」などと、他社のアイデアを盗用する業者も少なくないようです。このような業者は、自分たちの仕事にプライドすら持っていない証拠ですので、絶対に工事を依頼しないようにしましょう。
業者の対応と口コミを確認
防音工事の見積りは、現地調査を行って、部屋の間取りや周辺環境などをきちんと調査する必要があります。つまり、防音工事の契約をする前に、業者の対応を確認することができるのです。これは非常に大きなメリットです。
例えば、防音工事の相談をしたくて電話で問い合わせをしたときや、初めて現地調査に訪問していただいたときの対応を注意深く確認しましょう。そこで、ぶっきらぼうな対応やテキトーな返答をするような業者は、施工もテキトーに行う恐れがあるためオススメできません。また、打ち合わせの時間に遅れる、催促しなければ資料を提示してくれないといったいい加減な対応をする業者も、後々トラブルが発生する可能性が高いと言えるでしょう。
なお、打ち合わせの際などには、親切な業者を装っている可能性もありますので、念のため業者の会社名などでネット検索を行い、口コミの確認も行っておきましょう。
性能保証の有無および性能評価の方法について
防音工事を専門業者に依頼する場合、工事による性能保証の有無が大きなポイントになります。しっかりとした知識と経験を持つ本物の防音工事会社であれば、防音工事によりどの程度の音が軽減されるのか、数値を示して保証してくれます。簡単に言うと、工事後に完了測定を行い、約束した数値を達していなければ、無償で手直しをしてもらえるという意味です。
音の感じ方は、人それぞれ全く異なるもので、同じ音を聞いてもうるさいと感じる人と気にならない人に分かれてしまいます。そのため、防音室の性能評価は感覚的に行うのではなく、数値による保証が必要なのです。もしこの数値による保証がない業者に工事を依頼した場合、あなたが完成した防音室の性能に不満を感じたとしても「契約した工事は行った!」とあしらわれてしまうことでしょう。このようなことが無いように、防音工事による性能を保証してくれる業者と契約するようにしましょう。
なお、性能保証については、性能評価の方法にも注意してください。防音室の性能評価は、『JIS A 1419』に基づいた方法で行わなければ意味がありません。この辺りの内容については、以下のページで詳しく解説しているので、そちらをご確認ください。
> 防音工事の匠は『JIS A 1419』に基づいた性能保証を行っています!
まとめ
今回は、年々その需要が高まっている防音工事について、自宅に防音室を実現する手段と、専門業者に防音工事を依頼する際の注意点を解説しました。
「部屋を防音室にしたい」と考えている方でも、防音室の利用用途はそれぞれ異なるはずです。そして防音室に必要な性能は、室内でどのような音を生じさせるのかによって変わってくるのです。例えば、仕事に集中できるように、生活音が気にならなくなる程度でよいという場合と、夜間もピアノの練習ができるようにしたいという要望であれば、防音室に必要な性能は全く変わります。
まずは、あなたの防音室の利用用途が何かを明確にし、どの程度の性能が必要なのか考えることから始めましょう。そして、本格的な性能を持つ防音室が必要であれば、お気軽に弊社にご相談ください。