騒音とは?日常生活の中で人が不快に感じる騒音レベルを知っておこう!

今回は、日常生活を普通に過ごしているだけでも、誰もが抱えてしまう可能性がある騒音トラブルについて、そもそも人にとっての『騒音』とはどのような物なのかについて解説します。

音の問題の難しさは、同じ音でも聞く人によって感じ方が異なり、多くの人は全く気にならないような音でも、「夜も眠れない!」と深刻な騒音と捉える人がいるという点です。もちろん、音に敏感な方というのが一定数いるのですが、音を聞いている時の状況や、その音を誰が出しているのかによっても、感じ方が異なることが、騒音問題の解決が難しいところです。

人は、普通に生活を進めるだけで、何らかの音を必ず生じさせてしまいますので、騒音問題については、誰でも被害者にも加害者にもなり得ると考えなければいけません。ただ、どの程度の大きさの音になれは、一般的に「非常識だ!」と判断されるのかがいまいち分からないという方が多いのではないでしょうか。例えば、「掃除機の音がうるさいから掃除機を使うな!」と言われても、さすがにそれに従う訳にはいきませんよね。
そこでこの記事では、そもそも騒音に定義のような物があるのか、また身近にある音の騒音レベルがどの程度のものなのかについて解説します。

騒音の定義について

それではまず、そもそも「騒音」とはどのような音を指しているのかについて解説します。

騒音は、人が聞いて「騒々しい」「不快だ」と感じる音のことを指していて、いわゆる「望ましくない音」全般が騒音と定義されます。特定の音を指して騒音としているのではなく、人が邪魔だと感じる音は総じて騒音になる可能性があるため、どのような音でも騒音と捉えられることがある点に注意しなければならないでしょう。

例えば、屋外のコンサートなどになると、そこに音楽を楽しみに足を運んでいる方にとっては「楽しい音楽」として捉えられていると思います。しかし、その周辺にただ住んでいるだけの人からすれば、その音楽が「望ましくない邪魔な音」と思われる可能性があり、そういった方にとってはどれだけ美しい演奏でも騒音となるのです。
なお騒音が人に与える影響については、「うるさい、やかましい」といった印象面の物だけでなく、「会話が聞き取りにくい、睡眠を妨害する、聴力低下」など実害を生じさせることもあります。

近年では、「子供の声は騒音か」といった議論が展開される場合もあるのですが、これは国や自治体などが、騒音に関する明確な基準を設けていないのが原因だと考えられます。ちなみに、騒音の大きさを客観的な数値で表したものが騒音レベルで、騒音レベルはdB(以下デシベル)という単位で表され、騒音計を使用して計測します。この数値が大きくなればなるほど、人がうるさいと感じる音と言えます。

騒音は基準が設けられている

前項でご紹介したように、騒音というのは、人が聞いていて「騒々しい」「不快だ」と感じてしまう音のことを指しています。しかし、音の感じ方は人それぞれですし、同じ音を聞いたとしても「うるさい!」と感じる方もいれば、何も思わないという方もいるという点が難しい問題です。したがって、音の問題に関してはどの程度の音を聞けば一般的に「うるさい」と感じられるのかという基準が設けられています。これがないと、際限なく音を出してしまう人が出てこないとも限らないので、環境省などが騒音レベルなる物を公表しているのです。

ここでは、皆さんがおさえておきたい騒音レベルとその音を人がどう感じるのかについて解説しておきます。

【20~30dB】人にはほとんど聞こえない程度

「20~30dB」の音に関しては、無音とはいかないまでも、人の耳には「ほとんど音が聞こえない」と言われるレベルとなります。

例えば、深夜の郊外の静けさや木の葉が触れ合う音、人のささやき声がこのレベルの音量と言われています。集合住宅で、この程度の音が問題になるようなことはないと考えても構いません。

【40~50dB】日常生活の中に良くある音の大きさ

「40~50dB」の音量は、皆さんが日常生活を進めていく中で、非常に多くあるレベルの音量と考えてください。基本的に、このレベルの音量までが、人が音によるストレスを感じないとされています。

例えば、街中や閑静な住宅街の昼間、図書館などで感じる音が40dB程度の音量と言われており、この程度であれば静かに過ごせていると考えるでしょう。50dBとなると、人が普通の会話をする、家庭用クーラーの駆動音、換気扇が発する音などで、このレベルであれば、特に気にしないという方がほとんどだと思います。
ただし、これらの音を耳にした人の状況も関係するということを忘れてはいけません。音の感じ方は、「どこにいるのか?」「何をしているのか?」と言ったそれぞれの環境によって適正レベルが変わると言われています。一般的には、室内にいる人が騒音と感じるのが50dB程度からと言われており、リビングや寝室でゆっくり過ごしている、テレワークで仕事をしているというのであれば、40dB程度が望ましいかもしれませんね。

【60~70dB】 人がうるさいと感じる音量

「60~70dB」程度の音になると、ほとんどの人が「うるさい!」と感じてしまうようになります。つまり、このレベルの音を出していれば、近隣との騒音トラブルになる可能性があると考えてください。

日常生活上にある音で言えば、洗濯機やテレビ、トイレを流す際の音などがおおよそ60dB程度で、掃除機の音などが70dB程度と言われています。70dBとなると、人が極端に多い街中の音レベルと言われますので、このレベルになると、会話のために声を張り上げなければならない…と言った感じなので、高確率で騒音トラブルになるでしょう。
集合住宅では、深夜に洗濯機を回す、掃除機をかけるなんて行為がマナー違反だと言われるのは、これが原因です。

【80~90dB】集合住宅では出してはいけないレベルの音

「80~90dB」程度となると、ほぼ間違いなく騒音トラブルになりますので、「出してはいけない!」と考えなければいけない音量です。正直な話、集合住宅でこのレベルの音を出していれば、「悪意がある」と捉えられても致し方ないと思います。

このレベルの音量の例をあげると、誰もが「うるさい」と感じるパチンコ店の店内や地下鉄の車内などで80dB程度と言われています。つまり、自宅でリラックスしようとしているのに、パチンコ屋にいるような音が常に聞こえてくる…なんて状態です。誰でも苦情の一つは言いたくなるのが当たり前ですよね。
ちなみに、ピアノなどの楽器音は、これと同等かさらに大きな音となります。自宅での楽器の演奏がNGだと言われるのは、騒音レベルのことを知れば当たり前と考えられるようになりますよね。最近では、大型犬などを室内で飼育する方も増えていますが、犬の鳴き声は90dBを超えるような場合もありますので、ペット飼育が集合住宅でのトラブル原因上位に来るのも頷けます。

こういった事から、集合住宅で楽器の演奏を考えている、ペットの飼育を考えているというのであれば、隣家に迷惑をかけないよう、自宅の防音工事を進めなければいけないと考えてください。

> 騒音レベルの参考資料

まとめ

今回は、近隣トラブルの代表である『騒音』について、そもそも騒音とはどのように定義されているのか、またどの程度の音量になると騒音と判断されるのかについて解説しました。

記事内でご紹介したように、騒音とは人が不快に感じる音、騒々しいと感じる音の総称となります。つまり、騒音の定義については「〇dB以上の音が騒音」と言ったような数値で決められているのではなく、音を聞いた人が「不快だ」「うるさい」と感じるかどうかがラインとなり、その境界線が非常にあいまいなのです。実際に、同じ音の大きさだとしても、普段仲良くしている人のお宅から聞こえてきた場合、特に気にならないのに、知らない人の家から聞こえてくると「非常識な奴だな!」と不快に感じてしまうなど、扱いが変わってしまうような問題なのです。

隣人との騒音トラブルを防ぐためには、「日常生活で全く音を出さない!」なんて対策は不可能なので、ご近所さんと良好な関係を築くことも大切です。もちろん、仲良くなれば際限なく大きな音を出せるというわけではなく、記事内でご紹介したような「人が気にならない音のレベル」を押さえておくのがおすすめです。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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