DIYの防音対策に失敗する要因!よくあるミスと改善策について

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防音対策の需要の高まりに比例して、一般の方でも手軽に防音環境を構築するためのアイテムが市販されるようになっていて、DIYで自宅の防音対策を実施してみようと考える方が増えています。最近では、ホームセンターやネット通販などを利用すれば、専門業者が防音工事に使用する本格的な防音建材が手に入るようになっていますし、それよりも取り扱いが簡単な防音グッズと呼ばれる製品が比較的安価に販売されています。

そのため、特に賃貸住宅など、専門業者による防音工事の実施が難しいケースでは、住人さん自らが必要な防音グッズを購入し、室内に設置していくという対策が実施されるケースが多くなっているのです。ただ、実際に自分で防音対策を実施してみた方の中には、「吸音材を壁に貼っているのに、音の問題が解消できない…」「床に防音マットを敷いているのに、階下から足音に対する苦情が出た…」など、防音対策に失敗してしまうケースと言うのも少なくないのです。

ネットで販売されている防音グッズの商品説明などを見ると、「置くだけで静かな環境が得られる!」など、その性能を誇大に表現している場合も多く、防音の知識を持っていない方が勘違いしてしまいそうな商品説明を見かける機会が多いです。防音対策は「やったかやっていないか?」の2択で望んでいるような効果が得られるというほど簡単な物ではありません。市販されている防音グッズでも、正しい理解と組み合わせによって対策を施さなければ、思うような効果が発揮できないものなのです。そこでこの記事では、DIYによる防音対策で、よくある失敗パターンと改善策をご紹介します。

防音の基本を押さえておかないと対策は失敗する

DIYによる防音対策が失敗に終わってしまう主な要因は、「防音」がどのような物なのかという本質を理解せず、防音グッズの商品説明をそのままうのみにして、対策を実施しているからと言う場合が多いです。例えば、「市販の吸音材を壁に貼れば良い」「防音マットを敷けば足音が階下に伝わらない」などと、単純な考えで防音対策を実施しているというケースをよく見かけます。そして、「防音対策をしているのに、音の問題が解消できない…」と悩んでしまう訳です。

そもそも、防音と言うものは、これ一つが何らかの対策を意味しているわけではありません。防音は、「吸音」や「遮音」「制振」と言ったさまざまな対策を組み合わせることで最終的に得られた効果のことを指しているため、自分で防音対策を実施するためには、この基礎的な知識を持っておかないと正しい対策を施すことができないわけです。いくら吸音性能が高いと呼ばれる製品を購入したとしても、これ単体を使った対策では、音漏れや音の侵入を防止することができないですし、悩んでいる音の種類によっては何の効果も得られないという結果に陥ってしまうことがあるのです。

そこでまず、DIYによる防音対策の実施を検討しているという方については、「防音とは何をすることなのか?」を理解するためにも、以下の要点をおさえておくようにしましょう。

  • 吸音とは
    音を吸収して、音の反射を防ぐことを意味します。室内の反響音を吸収して弱めることで、人の耳に届く音を減退します。一方、音が通り抜けることを防ぐことは意味しません。
  • 遮音とは
    音を遮ることで、音が通り抜けることを防ぐことを意味します。音を反射させることで通り抜けを防ぐという対策になります。ただ、室内の反響音が大きくなります。
  • 「吸音+遮音」=防音
    吸音によって反響音を吸収し音の総量が弱まります。そして遮音によって音を反射させることで室外への音漏れを防ぎます。この二つを組み合わせた結果が防音となります。

防音は、上記の通り、吸音や遮音と言った対策を組み合わせた取組み全般を指しています。吸音だけでは、反響音を弱めることはできるものの、室外への音漏れを防げない、また遮音だけでは、音漏れが防げても反響音が大きくなって耳が疲れるなど、どちらか一方の対策では不十分な訳です。

DIYによる防音対策では、それぞれどちらかの対策に注目して、以下のような手段が採用されているケースが多いです。

  • 遮音対策
    遮音シートや遮音パネルを設置して外に音が漏れないようにする。一般的に、遮音材は密度が高く重い素材ほど効果を発揮します。
  • 吸音対策
    やわらかい多孔質素材の吸音材を壁に設置し、反響音を減らす。音が吸音材を通過する際、熱エネルギーに変換されることで減音される仕組みです。

DIYによる対策では、上記のどちらか一方の対策を実施するというケースが多いのですが、上述したように、片方の対策だけを実施したのでは、皆さんが考えているような防音効果が得られません。そして、この防音の仕組みを理解していないということが「防音対策をしたのに効果がない!」と言う失敗の最大の要因となっています。ちなみに、本格的な防音対策を施す際には、「振動」による音を軽減するための防振や制振も検討する必要があるのですが、話がややこしくなるので、ここでは省きます。

防音については、吸音や遮音、異なる対策をうまく組み合わせることが重要と言う認識をまず持っておきましょう。

DIYによる防音対策でよくある失敗と改善方法

それではここからは、DIYで防音対策を実施した時、「防音対策をしたのに音の問題が改善できない…」など、よくある防音対策の失敗事例についてご紹介します。ここでは、それぞれの失敗パターンについて、どこを改善すればより良い防音対策になるのかについても考えてみます。

失敗① 吸音材だけで対策を施した

DIYによる防音対策の失敗では、このパターンが非常に多いです。一般住宅の防音需要が高くなった昨今では、ネット通販などで安価な防音グッズがたくさん販売されるようになっています。そして、そのような商品の中には、「置くだけで防音効果が得られる」「壁に貼り付けるだけで誰でも簡単に防音対策ができる」など、商品説明がかなり不親切な製品も多いのです。そして、上述したような防音に関する基礎知識を持っていない方が、「自分で対策ができるのだ!」とその商品説明を信じて対策を実施するというケースが多いのです。

確かに、吸音材と呼ばれる製品は、室内の反響音(エコー)を少なくするという効果が期待できます。しかし、この製品は、素材的な特性もあって、音そのものを「通り抜けないようにする」と言った効果は弱いため、騒音苦情に対する防音対策としては不十分なのです。

防音対策の目的が、「室外への音漏れを少なくしたい」その逆に「隣室から聞こえてくる音を少なくしたい」と言うものなら、音を反射させるための「遮音材」も併用しなくてはいけません。先程紹介した通り、防音対策の基本は「遮音+吸音」と言う対策の組み合わせなので、どちらか一方の対策だけで満足しないようにしましょう。

失敗② 遮音シートを部分的に貼った、単体で対策を施した

二つ目は、音漏れを防止するため、壁などに遮音シートを貼り付けるという対策についてです。この場合、壁全面にシートを貼り付けるのではなく、コストを削減する目的などで、部分的に対策を施しているというケースをよく見かけます。しかし、このような対策方法では、十分な効果を得られない可能性が高いです。遮音シートは、素材や重さなどによって音を跳ね返すというアイテムなのですが、これを使って音を軽減する場合、隙間なくシートを貼り付けなければいけません。部分的に貼りつけている、材料が足らなくて隅々まで貼り付けることができなかった…と言う状況になると、遮音材のない部分から音が抜けてしまうので、「思ったよりも効果が得られない…」となってしまうのです。

また、吸音材の時にも解説しましたが、防音効果は、吸音と遮音をうまく組み合わせることで高い効果を期待する対策です。遮音材単体で対策を実施してしまうと、室内で発生した音は、そのまま跳ね返ってきてしまい、反響音として余計にうるさく感じてしまうことがあるのです。

したがって、遮音シートなどを使って対策を施す場合、隙間が可能な限りなくなるように施工するようにしましょう。なお、薄手の遮音シートは、そこまで高い効果が期待できないので、2重にするなど重ねて施工するのもおすすめです。そして、反響音を抑えるためには、同時に吸音材も設置するなど、音環境のバランスも重視しましょう。

失敗③ 部分的に防音対策を施している

この失敗は、住宅リフォーム業者に作業を依頼したケースでも見かけます。防音需要が高くなっている昨今では、もともと防音工事を専門としていたわけでもない住宅リフォーム業者が、防音工事業界に進出してきており、防音に関する知識が不足していることで、対策に失敗してしまう…というケースも少なくないのです。

例えば、外部騒音の侵入対策として、壁や窓、換気口などについて、総合的に対策を施さなければならないのに、「壁だけ」や「窓だけ」などと部分的に防音対策を施して終了してしまうというケースをよく見かけます。住宅に侵入する音や室内から漏れていく音は、特定の1カ所から漏れているわけではありません。壁を抜けていく音もあれば、窓や換気口から漏れてしまう音もあるわけです。それなのに、窓の防音対策だけを実施して、換気口などの他の開口部の対策を無視していた場合、窓からの音漏れが防止できても、換気口から音が出入りするため、対策の効果が感じられなくなるのです。

部屋の防音対策を実施する際には、「どこが音漏れや音の侵入の弱点になっているのか?」をしっかりと特定する必要があります。そして、高い効果を期待するのであれば、弱点部分については、同時に全ての箇所に対策を施す必要があります。一般的に、空気音の出入については、「窓や換気口>ドア>壁」と言う順に音漏れがしやすいとされているので、原因となっている音を軽減するため、どこに対策を施すべきかは慎重に確認してください。

失敗④ 安価で薄い防音カーペットで対策を施す

足音などに対して苦情が出た場合には、床の防音対策が必要になります。この場合、市販の防音カーペットなどを設置することで対策を施すという人が多いのですが、「防音カーペットを敷けば安心!」と考えているのであれば大きな間違いです。

防音カーペットと呼ばれる製品にも種類が存在していて、薄い素材のカーペットやマットは、ドスドスと言った人の足音や洗濯機やピアノのの振動音などを1枚で遮る事は難しいです。多くの製品は、金属製の小物を落としたとしても、階下に音が伝わらないなど、軽量衝撃音を軽減できる程度の効果しかないと考えた方が良いです。足音の対策など、重量衝撃音の対策は、防音マットを敷いてその上に防音カーペットを敷く、防音カーペットを敷いたうえで室内の移動は音が出にくいスリッパを使用するなど、二重の対策が必要と考えましょう。

この他、洗濯機やエアコンの室外機など、振動音が隣家に迷惑をかけてしまう製品については、制振マットや防振ゴムなど、振動を抑えられるような対策も実施しなくてはいけません。

失敗⑤ 音のレベルと対策がかみ合っていない

最後は、対策を考えている音の大きさと、実際に実施した防音対策のレベルがかみ合っていないというものです。

例えば、自宅でピアノなどの楽器の演奏を考えているという方が、部分的に床や窓の対策だけを行っているといったパターンです。先程紹介した通り、音は、特定の場所から漏れて行っているわけではなく、部屋のさまざまな場所から隣家や屋外に伝わっていくものなのです。そのため、DIYなどで部分的に対策を実施したとしても、対策が追いついていない部分から音漏れが生じてしまい、騒音苦情に繋がってしまうのです。

音のレベルに対して、どの程度の防音対策が必要なのかは、一般の方ではなかなか判断が難しいものです。そのため、楽器防音やホームシアターの防音など、大きな音の軽減を目的とした防音対策は、専門業者に相談するのがおすすめです。DIYで対策を施す場合でも、材料費などで少なくない費用がかかるはずです。意味のない防音対策になってしまうと、そこにかけた費用が全て無駄になってしまう訳なので、最初から正しい対策を行ってもらえる業者に相談するのが、結果的に最も安価に収まる可能性があるのです。

まとめ

今回は、DIYによる防音対策でよくある失敗ケースと改善点について解説しました。近年では、ホームセンターやネット通販を利用することで、誰でも簡単に防音対策を実施できるアイテムが手に入るようになっています。また、市販の防音グッズについては、商品説明を確認してみると、かなりその性能を誇大に表現しているというケースも多く、安易に自分で対策に走ってしまうという要因にもなっています。

もちろん、市販の防音グッズの性能がよろしくないと言っているわけではないのですが、商品説明でよく見られる「置けば防音できる!」と言った文言は信用しない方が良いと思います。記事内でご紹介した通り、防音と言う効果については、吸音や遮音、どちらか一方の対策を施したとしても、期待しているような効果が得られません。人が快適に感じられるような音環境は、単に音を小さくするだけでなく、音響環境のことなどもきちんと考慮したうえで対策を実施する必要があるのです。また、音は、どこか一箇所から漏れ出ているわけではなく、部屋のさまざまな場所を伝って伝わっていきます。そのため、しっかりと防音効果を得ようと思えば、音の出入の弱点となっている場所全てに対策を施さなければいけないのです。

防音に関する知識を何も持っていないという方の場合、多くのケースで、防音材の購入費を無駄にしてしまう結果になることが多いです。専門業者による防音工事は、「コストが高い…」という点を気にする方が多いのですが、中途半端な防音対策を自分で行うのであれば、最初から専門業者に依頼したほうが、費用の面でもお得になる可能性があるので、本当に自分で実施できるような対策なのかは慎重に検討するようにしましょう。

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スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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