部分的な防音対策費用について!壁や床の防音リフォーム費用をご紹介!
今回は、防音室を作るなど、大掛かりな防音工事ではなく、床や壁のみの部分的な防音リフォームにかかる費用相場についてご紹介していきたいと思います。
皆さんは、日常生活を進めるうえで「外のクラクションの音がうるさいな…」「隣の人のTVの音が気になる…」なんてことで困ったことはありませんか?また、あなたの家から出ている音漏れで、下の階やご近所さんにクレームを入れられてしまった…なんて経験はあるでしょうか?
近年、こういった音の問題に関する近隣トラブルが非常に増えていると言われています。ちなみに、こういった音の問題は、楽器演奏など大きな音が出るような事象がないにもかかわらず、一般的な生活音が原因で騒音トラブルになってしまうということが多いのです。これは、都市部などでは土地が高騰していることもあり、マンション暮らしの方が増えているということや、戸建て住宅でも家ごとの距離が非常に近くなっていることが原因だと考えられます。
それでは、実際にご自身がこういった音の問題を抱えた場合にはどのような対応をとればよいのでしょうか?ここでは、生活音が原因となる騒音トラブルを防ぐための部分的な防音リフォームの費用相場をご紹介します。
目的別!防音リフォームの一般的な費用について
一口に『防音工事』と言っても、一室丸ごと防音対策を進める場合と、壁や床、窓だけに防音対策を施すのでは、大幅にかかるコストが変わってしまいます。また、どのような音を防ぎたいのかによっても、必要になる工事が異なりますし、対策すべき箇所も違ってくるわけです。
ここではまず、それぞれの防音工事箇所にわけて、一般的な費用相場を大まかにご紹介しておきます。
- 床の防音対策①(防音効果の高い床材に変更)・・・25~30万円
- 床の防音対策②(床に遮音マットを敷く)・・・30~60万円
- 床の防音対策③(床に吸音材を敷き詰める)・・・35~80万円
- 床の防音対策④(遮音カーペットを敷く)・・・1~5万円
- 壁の防音対策①(壁に吸音材・遮音シートをいれる)・・・18~25万円
- 壁の防音対策②(防音仕様の換気口にかえる)・・・・2~5万円
- 窓の防音対策①(防音効果の高いガラスにかえる)・・・5~15万円
- 窓の防音対策②(二重窓にする)・・・・7~15万円
- 一室丸ごと防音室にリフォームする・・・150~700万円
- ユニット型防音室を設置する・・・70~250万円
上記のように、防音工事は、「どの部分にどのような工事をするのか?」によって大幅にコストが変わってしまうものなのです。以下で、壁と床にに関する部分的な防音工事をもう少し詳しくご紹介しておきます。
床の防音リフォームについて
それでは、床の防音リフォームの詳細をご紹介していきましょう。上述のように、床に対する防音工事も、いくつかの手法が存在します。ちなみに、以下で紹介する費用に関しては、6畳程度の部屋を想定しています。
防音効果の高い床材に張り替え
まずは、既存の床材を、防音機能の高い床材に張替えするリフォームです。現在では、ほとんどの住宅でフローリングが採用されますが、クッション性などがないことから、畳やカーペット素材などに比べると、音が響きやすくなってしまいます。そのため、マンションなどの集合住宅では、子供が室内を走り回る足音や、椅子を引き摺る音などが原因となり、騒音トラブルに発展することがあるのです。
こういった床材には、防音機能が高いものも存在しており、既存の床材と交換することで、床の防音性を高めることができます。なお、床の防音工事に関しては、外から侵入する音の対策というよりは、自分たちが騒音の原因にならないために行うものと考えてください。
こういった床材の交換工事の費用相場は20~30万円程度が一般的で、採用する床材のグレードや部屋の広さによってコストが変わります。
床材の下に遮音マットを敷く
次は、床の仕上げ材を一度剥がして、遮音マットを敷いてから仕上げ材を施工するというリフォームになります。床材の下に遮音マットを敷くことで、スプーンなどを落とした時に生じる衝撃音を緩和することができるようになります。床材の下に施工する遮音マットにもさまざまな種類が存在しており、採用するものによって防音効果が変わってきます。
リフォームの流れとしては「既存床材の撤去⇒遮音シートの施工⇒仕上げ材の施工」と言った感じになります。こういった工事は、30~60万円程度が相場ですが、遮音シートや仕上げ材のグレードによってかかるコストが大幅に変わります。
床材の下に吸音材を敷き詰める
床材の下に、遮音マットなどではなく、吸音材を敷き詰めるというリフォーム手法もあります。吸音材は、断熱材として良く使用されるグラスウールなどが採用されることが多く、防音効果と共に居室の断熱性を高めることができるという副次効果が考えられます。
こういったリフォームは、35~80万円程度が相場ですが、吸音材にもさまざまな種類がありますし、遮音マットも同時に施工するなどとなれば、コストは高くなります。
防音カーペットを敷く
上記のような、本格的なリフォーム工事まではちょっと…と考える場合は、ホームセンターなどで防音効果の高いカーペットを購入し、それを敷くという方法も効果的です。最近では、ネット通販などでも防音仕様のカーペットが販売されていますし、簡易的な防音対策ならご自身で進めることも可能です。
まずは、こういった自分で出来る防音対策から始めてみるのも良いかもしれませんね。
壁の防音リフォームについて
次は壁の防音リフォームについてもご紹介しておきましょう。壁の防音対策は、主にお隣からの音に悩まされている…なんて場合や、自宅の音がお隣に漏れ出ていかないために行うものです。なお、隣家との境界壁にタンスや本棚などの大型家具を設置するなどと言った方法でもある程度の防音効果を得ることが可能です。
部屋の大きさや景観上、そのような対策が取れない場合、専門業者による防音工事がオススメです。
壁に吸音材と遮音シートを入れる
まずは、壁の中に吸音材と遮音シートを設置するという方法です。既存の壁を一度撤去し、吸音材と遮音シートを充填したうえで、再度仕上げていくというリフォームになります。なお、壁部分の石膏ボードを二重にすることで、さらに防音効果を高めることも可能です。
採用する吸音材や遮音シートのグレードにもよりますが、6畳程度の壁で18万~25万円程度が相場と考えておきましょう。
換気口を防音仕様にする
音は小さな隙間でも漏れ出てしまうものですので、換気口は防音の視点で見ると明確な弱点になってしまいます。したがって、高い防音性を望むのであれば、換気口部分の防音対策も必要不可欠だと考えておきましょう。なお、換気口の防音対策でも、屋外のキャップだけを交換するケースと、屋内の換気口も一緒に取り換えるケースがあります。また、ダクト内に防音パイプと呼ばれる吸音材を設置する方法もあります。
費用に関しては、どのようなタイプの防音換気口にするのかによって変わりますが、基本的に2~5万円程度と、そこまで高額なリフォーム工事にはなりません。
まとめ
今回は、床や壁など、部分的な防音工事を行う場合の費用についてご紹介してきました。一昔前までの防音工事は、プロの演奏家や自宅でホームシアターを楽しみたいなど、特別に大きな音が生じてしまうことから、近隣に迷惑をかけないように多額のコストをかけて行うものというイメージがありました。実際に、防音工事と聞くと、数百万円単位のお金がかかるもので、非常に高額な物というイメージを持っている方も多いと思います。
しかし近年では、ご家庭ごとの住空間が近くなってきたことから、日常生活を進めるうえでどうしても生じてしまう生活音が原因となる騒音トラブルが増えているのです。こういった生活音にお悩みであれば、どのような音の問題なのかによって、床や壁、窓などの部分的な防音対策を行うことで、その悩みを解消することができるかもしれません。
まずは、あなたの音の悩みの原因を明確にして、その対策にはどのようなことが必要なのかから考えてみると良いでしょう。