部屋を防音室にしたい!防音室を導入するための値段とは?
皆さんは、自宅の部屋を防音室にしたいと考えた時、どのようなことが気になるでしょうか?普通に考えれば、「どのような性能の防音室にすれば良いのか?」「自分の希望をかなえられる防音室は作れるのか?」など、防音室の性能そのものが真っ先に気になるものと思いますが、実はほとんどの方は「防音室の値段」が気になっているようです。実際に、ネット上の検索キーワードでは「防音室値段」というワードが使用されるケースが多いようですし、弊社にお問い合わせいただくお客様について、真っ先に「いくらぐらいかかりますか?」と言った値段に関する質問を受けることが多いです。
防音室工事は、何らかの音の問題を抱えている人が検討する工事ですし、音の悩みを解決できるかどうかが最も重要になるはずです。しかし、そうはいっても「予算を無限に使える!」なんて方は非常に稀ですし、「必要な防音性能を最も安価に実現するには?」と考えてしまうのは当たり前の事だと思います。
そこでこの記事では、防音室を作るための値段が気になっている方のため、手法別に防音室工事にかかる費用相場を解説します。
防音室にも種類がある!
防音室工事と聞くと、我々のような防音工事会社に依頼して、部屋を防音室にするリフォーム工事というイメージが強いと思います。しかし実は、これ以外にも防音室を作る方法がありますので、ここでは防音室の実現方法について解説します。
防音室を自作する
ネット検索でも「防音室 自作」「防音室 DIY」と言ったキーワードが使われるようになっている現在では、自分で部屋に防音工事を施し、防音室を作ろうとする方が増えています。
近年では、ホームセンターやネット通販などで、本格的な防音建材が手に入るようになっており、DIYを趣味にしているという方であれば「防音室は自作でも作れるのではないか?」と考えてしまうのだと思います。実際に、「できるか、できないか?」で言えば、内装リフォームレベルのDIYを経験したことがある人であれば、不可能ではないというのが答えになると思います。最近では、YOUTUBEなどの動画配信サイトにて、防音工事の手順を動画として配信している人もいますし、こういった動画を見ながらであれば、防音室を作れないこともないと思います。本格的な防音ドアなども、お金を出せば普通に購入できますし、楽器用の防音室などに挑戦するような強者もいるようです。
ただ、防音工事の専門家から言わせると「防音は単なるリフォーム工事とは難易度が違うため、知識が無い方がDIYで挑戦するのはオススメできない」というのが正直なところです。これは、DIYで防音工事をする方が増えると「業者の仕事が減るからでしょ?」と思われてしまいますが、実際のところそういった考えはありません。
防音の専門業者が、防音工事のDIYをおすすめしないのは、出来上がる防音室がどうしても低品質になってしまう場合が多いからです。防音室というのは、室内で生じる音が外に漏れなければ良い…という単純なものではなく、防音室内で活動する人の快適性のことまで考える必要があるのです。例えば、音漏れを防ぐために、無条件に遮音性能ばかり高めると、室内で音が反響しすぎてしまい、とても楽器の演奏などに耐えられる環境になりません。また、高気密、高断熱状態になる防音室は、空調システムのことも考えておかないと、部屋の快適性が損なわれてしまうのです。
素人の方がDIYで作る防音室は、こういった音響環境や快適性が無視されているケースが多いため、結局プロである我々に依頼して防音室を作る結果になる場合がほとんどです。つまり、自分で集めた防音材や工具にかける費用が無駄になりますし、プロに防音工事を依頼する際に、余計な廃材が生じるため、防音工事にかかる費用も高くなるなど、コスト的なデメリットが非常に大きいのです。自作防音室を実現することは難しくない時代ですが、基本的にはオススメできないのが答えです。
組み立て式の防音室を設置する
「部屋を防音室にする」とは少し異なりますが、短工期・低コストで高性能な防音室が実現できる方法として、これを選択する方も多いです。ヤマハやカワイなどの楽器メーカーでは、自宅で時間帯を気にせずに楽器の練習ができるようにと、楽器だけでなく防音室の販売を行っています。
ユニット型防音室などとも呼ばれていますが、簡単に言うと、高い防音性能を保持したプレハブ小屋のような物を、部屋の隅に設置して防音室として利用する方法です。この方法であれば、建物自体に手を加える必要がありませんし、大掛かりな工事が不要な分、防音室が出来上がるまでの時間が短縮でき、コストを抑えられるのがメリットになります。また、建物を傷つけないので、リフォーム工事が認められていない賃貸物件や分譲マンションなどでも、高性能な防音室を用意できるのがメリットになります。
ユニット型防音室は、広さや防音性能の高さによって価格が異なり、小さなものであれば1畳以下のものも存在します。フルートなど、立って演奏ができる楽器や声楽用の防音室であれば、そこまで広いスペースを必要としないため、コストを抑える目的で小さなユニット型防音室を導入する方も多いです。ピアノ用の防音室などになると、最低でも2.5畳程度は必要です。
ユニット型防音室のデメリットは、既製品の防音室を購入し設置する方法ですので、自分の好みの音響環境に調整することが難しい点です。特に、小さなユニット型防音室の場合、空調や音響環境がかなり悪く、楽器の練習をしたくても短時間しか滞在できなくて、購入したのを後悔した…なんて声を聞く機会も多いです。小さな防音室の場合、部屋の中で反響音が回り耳がキンキンするようになりますし、空調が取り付けられないものであれば、室温が上がってしまいとても楽器の練習には適さない環境になるでしょう。さらに、小さな防音室は、その気密性の高さから、酸欠リスクまであると言われています。
ユニット型防音室は、分譲マンションで大掛かりなリフォームを禁止されている、賃貸住宅に住んでいるなど、防音工事ができない人であればおすすめですが、そうでない場合はあまりオススメではないかもしれませんね。空調が取り付けできる大きなユニット型防音室の場合、防音工事を行うのと変わらないぐらいの費用がかかります。
防音工事業者に防音室を作ってもらう
最後は、防音工事の匠のような専門業者に依頼して、一から防音室を作るという方法です。この方法は、既存の部屋を一度解体し、高い防音性能を持たせるための対策を各所に施すというリフォーム工事です。
業者による防音工事のメリットは、お客様の要望に合わせた防音室を作ることができる点でしょう。というのも、防音室というものは、画一的な仕様のような物がなく、お客様ごとに必要とされる性能がかなり変わってしまう特殊な工事になります。例えば、フルートなどの管楽器用の防音室と、ピアノの防音室であれば、必要な対策や音響環境がかなり違ってしまいます。したがって、防音工事の専門業者は、防音の知識は当然として、それ以外にも楽器の知識まで保有しているのです。防音工事を行う時には、お客様が防音室を必要とする理由やどういった環境にしたいのか、内装デザインはどうしたいかなど、細かな部分まで詳細に打ち合わせを行います。そして、防音性能だけでなく、音響環境や室内の快適性まで、全ての面で満足のできるような防音室を作り上げるのです。
専門業者による防音工事は、上述した方法と比較すると、コストがかかる点がデメリットと考えられがちですが、防音室の仕上がりを考えると、正直他の方法よりも高いとは思わないでいただきたいです。ユニット型防音室などは、2畳以上の本格的なものになると、150万円以上のコストがかかります。防音工事の匠であれば、6畳程度の本格的なピアノ室を200万円以下でご提供していることを考えると、圧倒的に高いとは言えないと思いますよ。
防音室の値段について
それでは、自宅に防音室を作ろうと考えた時、どれぐらいの費用がかかるのかについて解説します。自作で防音室を作る場合であれば、ホームセンターなどで販売されている防音建材の購入費だけで済むので、数万円~数十万円を想定しておけば良いと思います。
ただ、ユニット型防音室と専門業者による防音工事の場合は100万円以上のコストになるケースもあります。ここでは、ユニット型防音室と防音工事によって防音室を用意する場合の値段について大まかにご紹介します。
ユニット型防音室
ユニット型防音室にもさまざまな種類が存在しています。例えば、ヤマハやカワイなど、楽器メーカーが販売する本格的な物から、「ダンボッチ」と呼ばれる簡易的なものまで、防音の目的に合わせて選ぶ必要があります。ここでは、実際にネット上で販売されているユニット型防音室について、いくつかの商品をピックアップしてみます。
- ・だんぼっちグランデ・・・127,500円
- ・YAMAHA「AMDB12H1L(1.2畳)」中古品・・・601,700円
- ・YAMAHA「AMDC20C(2畳)」・・・1,594,800円
- ・YAMAHA 「AMDC25H(2.5畳)」・・・1,568,000円
- ・YAMAHA 「AMDB25C(2.5畳)」・・・1,915,280円
- ・KAWAI 「MHCX18-26(3畳)」・・・1,493,000円
ユニット型防音室は、上記以外にもさまざまな種類があります。ただ、皆さんもお気づきだと思いますが、楽器メーカーが販売する高品質なユニット型防音室の場合、2.5畳程度のものでも150万円を超えるような価格帯になっています。ちなみに、この価格はあくまでも防音室の価格で、ここに輸送代や組立て費が別途かかると考えておいた方が良いです。
ユニット型防音室は、ダンボッチなど、簡易的なもの以外は決して安い買い物ではないので、必ず見学してから購入するかどうかを決めましょう。
専門業者に防音工事を依頼する場合
それでは、専門業者に防音工事を依頼して、防音室を作る場合の費用についてもご紹介します。ただ、防音工事にかかる費用については、もともとの建物構造や部屋の広さ、防音室の利用目的などによって変わります。詳細な防音室の値段が知りたい方がいれば、お気軽に防音工事の匠までお問い合わせください。
ここでは、いくつかの用途について、防音工事を依頼する場合の費用相場をご紹介します。
- ・オーディオルーム/ホームシアター:150〜300万円
- ・ピアノの練習用:150~400万円
- ・ドラム、バンドの練習用:200〜550万円
上記の価格は、6畳程度の防音室を作る場合にかかるコストです。部屋が広くなれば、工事にかかる費用も高くなっていきます。詳細な値段については、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
今回は、自宅の部屋を防音室にしたいと考えている方に向け、防音室を作るための方法と、方法別にかかるコストについて解説しました。
近年では、防音工事に使用するための防音材や防音建材が、ホームセンターやネット通販で手に入るようになっていることから、自作で防音室を作ろうと考える方が増えているようです。壁や床、天井などの防音の手順についても、動画サイトなどで確認することができ、工具を持っていて手先が器用な方であれば、見かけ上の防音室を作ることは不可能ではない時代になっています。ただ、専門業者が作るレベルの防音室に仕上がるかというと、ほぼ確実に性能不足の防音室になってしまうと考えておいた方が良いです。防音工事は、音を遮るための対策だけでも、それなりのコツがありますし、音響調整になると、素人さんでは正直できないレベルの難易度になっています。そのため、工具や工事の材料を集めるためのコストが無駄になる他、きちんと対策が完了するまで騒音トラブルの危険があるという非常に恐ろしい状況になってしまいます。
楽器演奏やホームシアター、カラオケレベルの本格的な防音室は、非常に難易度が高い住宅リフォームですので、失敗しないためには専門業者に任せるのがおすすめです。