後から実施する防音対策の費用相場をご紹介します
サンテレビ「アサスマ! 」で防音工事の匠が紹介されました!
新築注文住宅を建築する際には、建物の外観デザインや日常生活を便利にしてくれる住宅設備、また日々の光熱費削減に寄与する断熱性や気密性などの住宅性能に注目する方が多いです。そのため、住宅づくりの際には、どうしても防音対策が後手に回り、完成したマイホームに住み始めてから音の問題に頭を悩まされるというケースが多くなるのです。
マイホームの防音対策は、可能であれば設計段階で手を打っておくのがおすすめです。特に、高性能な防音室を設置したいと考えている方の場合、後付けするよりも新築時に防音室を設けておく方が、防音工事にかかる費用を大幅に削減することができます。しかし、先ほど紹介した通り、新築注文住宅を建築する際には、どうしてもその他の要素を優先してしまうあまり、家の防音対策が不十分な状態で計画が進んでしまうことがあるのです。
住まいをめぐる騒音問題は、そこに住む人に多大な悪影響を与えます。実際に、騒音問題を起因として心身の健康を乱してしまったり、近隣住民との関係に亀裂が入り、暮らしづらさを感じてしまう結果になることも少なくないのです。そこでこの記事では、住み始めてから音の問題に気付いた…と言う方に向け、後からでもできる家の防音対策について、具体的な方法と工事にかかる費用の相場をご紹介していきます。
ご近所トラブルの原因は「騒音」が第一位
人々の生活空間が近くなった近年では、生活音を原因として隣人同士がトラブルになるケースが増えていると言われています。そのため、静かで快適な住空間を構築するため、我々のような防音工事の専門業者に家の防音対策を依頼するという方が急増しているのです。一昔前までの防音工事は、楽器の演奏を生業にする方や大きな音を生じさせる可能性がある商業施設などが、大金をかけて特別に実施する工事と言う扱いだったのですが、近年では、「一般的な住宅リフォームの一種」と言う立ち位置になっています。
それでは、専門業者による防音工事が、ここまで一般化した理由とはどのようなことが考えられるのでしょう?実は、費用をかけてまで専門業者に防音対策を依頼する方が増えている背景には、日常生活上で音にまつわるトラブルを抱えてしまう方が増えているということが要因になっているとされています。実際に、フリエ住まい総研が実施したご近所トラブルに関する調査結果を見ても、音の問題で近隣の方とトラブルに発展しているというケースが非常に多くなっているということがよくわかります。この調査では、「過去にご近所トラブルの経験があるか?」を質問し、「ある」と答えた方に何が原因だったのかを調査したデータとなります。ご近所トラブルの原因となった事象とその割合については、以下の通りです。
- ・騒音のトラブル 65.9%
- ・ゴミ出しのトラブル 22.1%
- ・駐車場/駐輪場のトラブル 17.0%
- ・異臭のトラブル 15.5%
- ・ペットのトラブル 14.2%
- ・住民の境界線トラブル 12.0%
- ・庭/植木のトラブル 11.4%
- ・プライバシーへの干渉 9.5%
上記の通り、ご近所トラブルの原因については、「騒音」を原因としたものと回答している人の割合が約66%と、圧倒的な得票率なのです。これからも、新築住宅を購入して、快適な住環境を求めるのであれば、家の防音対策が非常に重要であるということが分かるはずです。
データ参照:フリエ住まい総研の調査より
後からできる防音対策とその費用相場
前項でご紹介した通り、人々の生活空間が近くなっている昨今では、騒音を原因として近隣住民同士がトラブルに発展するというケースが多くなっています。しかし、このような状況の中でも、新築住宅を建てる際には、設計の段階で防音対策に関する視点が抜け落ちてしまっているケースが少なくないのです。
それでは、憧れのマイホームを建てたのに、そこに住み始めてから騒音問題に悩まされた場合、どのような対策を実施すれば良いのでしょうか?ここでは、騒音に悩まされてからでも間に合う「後からできる防音対策」の内容と防音工事にかかる費用の相場についてご紹介します。
①騒音の侵入は「窓」が原因のケースが多い
後から実施できる家の防音対策の中でも、最も主流と言える対策が窓部分の防音対策です。一般住宅の窓は、最近でこそペアガラスと呼ばれる2枚のガラスを採用した製品が増えていますが、それでもまだまだ1枚のガラスで構成されたフロート板ガラスが採用された窓も多いです。窓は、壁と比較すると、非常に薄い素材となるため、そもそも音を遮る能力が低いです。また、スムーズに開閉できるようにするということが重視されているため、サッシ部分に僅かな隙間が生じやすく、その部分から音が出入りできてしまうなど、防音上の弱点になってしまうことが多いのです。
新築時に、この部分の防音性能に注目できれば、窓の位置や大きさ、遮音性の高い窓ガラスを選ぶなど、さまざまな対策を実施することができます。しかし、騒音問題が増えている現在でも、新築時にこの部分に注目して対策を施しているという住宅が少ないのが実情なのです。そして、実際に生活を始めてみると、前面道路を通る車の走行音や通行人の話し声、隣人の声などをうるさく感じてしまうという結果になることが多いのです。
このような場合、窓の防音対策として、インナーサッシを増設するという防音対策が非常に効果的です。インナーサッシを設置し二重窓の状態になれば、窓と窓の間に生まれる中間空気層が防音効果を生み、外からの騒音や室内で発生した音が漏れるといったことを防げるようになるのです。インナーサッシによる対策は、窓部分の防音性について40dB前後の減音効果があると言われているため、生活音の問題なら気にならないレベルまで防音することができるでしょう。さらに、インナーサッシの設置は、窓部分の断熱、耐熱効果も高めてくれるという効果が期待できるので、施工後は光熱費を削減できるなど、費用対効果が非常に高い工事と言えるのです。
内窓として設置する窓について、高性能な窓ガラスを選ぶことで「結露対策」や「防音対策」「光熱費の削減」など、そこに住む人にとってさまざまなメリットを与えてくれる可能性があります。施工も、1箇所当たり1時間前後で実施することができますし、後付けの防音対策としては非常におすすめです。インナーサッシの追加は、新たに採用する窓ガラスの種類や窓の大きさによって費用が変わるものの、以下のような費用が相場となります。
- ・標準サイズの窓:1箇所当たり8~15万円
- ・小さなサイズの窓:1箇所当たり4~6万円
なお、サッシごと交換する場合やトリプルガラスなど、非常に性能が高い窓ガラスを採用する場合、1箇所当たり30万円前後の費用がかかるケースもあります。
②壁の防音対策も後からできる
次は壁の防音対策についてです。ただ、壁の防音対策については、最近、新築されている住宅では、その必要性はそこまで高くないと言えます。
壁の防音性能を高める方法としては、一度壁を解体したうえ、内部に吸音材や遮音材を新たに追加することで実現します。吸音材としてグラスウールやロックウールなどを設置し、遮音材は遮音シートの設置や石膏ボードを二重にするといった対策となります。なお、吸音材として採用されるグラスウールやロックウールは、防音材としてだけでなく、住宅の断熱材として当たり前に採用されている製品となります。つまり、最近新築されている住宅については、吸音性を高めてくれるグラスウールなどが最初から充填されている可能性が高いのです。
現在の新築業界では、最低限確保しなければならない断熱性能などが定められているため、壁に断熱材が一切設置されていない住宅は考えづらいです。築年数が経過した住宅であればあり得るのですが、築年数が浅い物件は、きちんと断熱材としてグラスウールなどが設置されていると思います。ただ、設置されている断熱材が薄い、隙間が生じるような設置方法となっているという場合、壁の防音性能が不十分になる可能性があるのです。
住み始めてから、隣家の生活音が聞こえてきてうるさく感じる、リビングなどにいると隣室の話し声が伝わるなどといった状況に悩んでいる場合、壁の防音が不十分な可能性があるので、専門業者に相談してみると良いでしょう。
壁の防音対策にかかる費用については、部屋の大きさなどによって変わるものの、既存壁の解体、防音材の充填、クロスの張り替えと言った作業、すべて含めて、6畳程度の部屋で20~40万円程度が相場となります。ただ、壁の防音対策については、換気口などの開口部への対策も必要で、併せて換気口の防音対策も実施する場合、3~5万円程度の費用が別途かかります。
③床や天井の防音対策
一戸建て住宅の場合、床や天井の防音対策はそこまで必要性が高いとは言えません。ただ、マンションなどの集合住宅では、上下階の住人同士が足音などでトラブルになるケースが非常に多いとされており、後付けの防音対策のご依頼の中でも非常に相談件数が多い工事となります。
なお、床の防音対策については、騒音源となる方が階下の住人に音で迷惑をかけないようにするため、配慮を目的に実施します。その逆に、天井の防音対策は、上階から響く足音などの問題を軽減するために実施されます。どちらも、防音対策として考え方は一緒で、壁と同じく断熱材などの防音材を追加するという工事が主流となります。なお、本格的に振動音を軽減したいと思えば、床や天井を2重状態にする「浮き床構造」などと呼ばれる対策が実施されます。
床や天井の防音対策にかかる費用相場は以下の通りです。
- ・防音性の高い床材に張り替えする:15~30万円
- ・二重床工事:30万〜90万円
- ・天井防音パネルの設置:20万〜40万円
- ・二重天井工事:30万〜60万円
床や天井の防音対策にかかる費用は、採用する材料や工法によって大きな差が生じます。まずは専門業者に相談して、見積りを提出してもらいましょう。
④家族間の音の問題ならドアの防音対策
住空間における音の問題については、外部から侵入する騒音に悩まされる以外にも、家族が生じさせる音を騒音に感じるというケースがあります。例えば、テレワークなど、自宅で仕事をするという働き方が一般化した現在では、昼間に自宅で仕事をしている際、お子様が騒いでいる時の声や家事の音などに集中力を乱され、仕事がはかどらない…と悩む人がいるのです。また、お子様が高校生ぐらいになると、親世代との生活時間がズレてきてしまい、話し声やTVの音声などが寝室まで届いて眠れない…と言う悩みを抱えてしまう人がいるようです。
このような家族間の騒音問題については、室内ドアの構造に問題がある場合が多いです。昨今の住宅は、気密性が非常に高くなっているため、24時間換気システムが設置され、常に空気の入れ替えがなされるようになっています。そして、その換気がきちんとなされるようにするため、室内ドアは閉じていても隙間が生じるような構造になっているのです。隙間があるということは、空気の行き来が存在することを意味していて、そこから空気音が漏れてしまいます。したがって、子供部屋と親の寝室の距離によっては、話し声などの空気音が届いてしまい、就寝の邪魔になるわけです。
こういった家族間の音の問題については、室内ドアを防音ドアに交換するという対策が有効です。楽器用防音室に設置するような高性能な防音ドアまでは必要ありませんが、ドア枠にパッキンなどが設置されていて、ドアを閉じると隙間が生じにくくなるという簡易的な製品でも、十分な効果が期待できます。室内ドアを、簡易的な防音ドアに交換する時の費用は、10~20万円程度が相場となります。防音室レベルのドアを設置する場合はもう少し費用がかかります。
室内ドアを防音ドアに交換するという対策は、それだけで家の中への音漏れを半減させることができたというデータもあるので、家族間の音の問題を解消するには非常におすすめです。
⑤排水管の防音対策
隣人間の騒音トラブルでは、排水管を流れる水の音が落とし穴になるケースがあります。戸建てでも、家と家の距離が非常に近くなった昨今では、戸外に設置する排水管が隣家の寝室と近くにある場合、生活時間の違いから騒音トラブルに発展するケースがあるのです。例えば、大学生ぐらいのお子様がいて、深夜帯にお風呂に入るなどといった生活習慣になると、その際の排水音が、お隣の住人の就寝を邪魔してしまう可能性があります。
マンションなどの集合住宅では、夜遅くにお風呂に入るという行為が「非常識だ!」とされているのですが、これは排水音によって他の住人に迷惑をかけてしまう可能性があるからです。戸建ての場合、一昔前までは、家と家の距離が離れていたこともあり、このような問題が生じることは少なかったです。しかし現在では、家と家の距離が数十cmしか離れていない…と言う環境になっているケースも多く、騒音問題のことを考えると盲点となってしまっているのです。
この排水管の防音対策については、戸外に設置されている排水管に防音材を巻き付けるという対策で音の問題を軽減することが可能です。なお、家族間で排水音の問題を抱えているという場合は、宅内側の排水管にも防音材を巻き付ける必要があるでしょう。この対策にかかる費用については、DIYで実施するか専門業者に依頼するかで大きく金額が変わります。
- ・DIYで対策を施す:5,000円~2万円程度
市販の防音・遮音シートやデービーカバーを戸外の排水管に巻き付けるだけです。見た目などにこだわらないのであれば、住人さんが自分で実施することも可能です。その場合、費用は材料費のみで済みます。 - ・対策を専門業者に依頼する:8万円〜40万円
隣家との隙間が狭く、自分では施工できない場合や、宅内部分の排水管の防音対策は専門業者に依頼する必要があります。対策を施す配管の距離によって費用が変わります。
排水管の防音対策は、対策箇所や施工方法によって費用がまちまちなので、まずは見積りをとってみましょう。
⑥外装工事によって家の防音性を高める
外部騒音の問題を解決する方法としては、室内側の壁に対策を施すのではなく、外壁部分に対策を施すことで防音性能を高めるという方法もあります。実は、採用する外壁材によって、以下の通り、得られる防音性能が変わるのです。
- ・外壁コンクリート:遮音性能が非常に高く、音を反射しやすい
- ・窯業系サイディング:素材的には遮音性が比較的高めです。施工時に、通気工法や防水透湿シートを採用するなど、工法を工夫することでさらに防音効果を高めることができます。
- ・金属系サイディング:音を吸収する効果があります。多くの場合、断熱材が一体となっています。
築年数がある程度経過しているのであれば、外壁材そのものの工事によって外部騒音の侵入を防ぐという方法があります。ただ、上で紹介した防音対策と比較すると、工事がかなり大掛かりになるため、費用もかかります。既存壁の上にそのまま新たな壁を設置していくカバー工法の場合、一般的な大きさである30坪程度の住宅で110~220万円(外壁材によって変わる)、既存外壁材を撤去して新しい物に張り替えする方法で150~270万円程度が相場となります。
なお、外壁や屋根の防音性を高める方法としては、他にも特殊な塗料を採用して再塗装を施すという方法があります。住宅の塗装工事に使用される塗料の中には、遮音性を高めてくれる遮音塗料と言うものがあり、これを利用して外壁や屋根の塗装を実施することで、遮音性を高めることができるとされているのです。遮音塗料を使うことで得られる効果については、遮音塗料として有名な「GAINA(ガイナ)」の実証実験データを確認してみると良いです。
塗装工事による対策については、一般的な大きさの住宅で塗装工事を実施するとして、約100万円前後が相場となります。なお、一般的なウレタン塗料を採用する場合と比較すると、工事にかかる費用は1.5倍程度になります。
ちなみに、外壁材の交換や塗装工事による防音対策は、防音工事業者に相談するのではなく、住宅リフォーム工事の範囲になります。
まとめ
今回は、住宅の防音対策について、後から実施できる生活騒音を軽減するための防音対策と、その対策にかかる費用相場について解説しました。
記事内でご紹介した通り、人々の生活習慣が近くなった近年では、隣人間で発生するトラブルでは「騒音」が原因になっているケースが多いというデータが出ています。実際に、過去に近隣トラブルを経験したという方の約7割弱が騒音を原因にトラブルになったと回答しているのです。
こういった音に関わる問題を解消するためには、自宅の防音性能を高めるための対策を実施すると良いです。なお、どのような対策を実施すれば良いのかについては、悩んでいる音の種類によって変わるため、まずは専門業者に依頼して現地調査を行ってもらうと良いでしょう。