防音工事を依頼する前に!今さら聞けない防音の基礎知識をご紹介!
防音工事と言えば、「自宅で楽器の演奏を考えている」「ホームシアターを設置したい!」など、特別大きな音が生じるようなご家庭で、隣家に配慮するために行われるものと考えている方が多いでしょう。実際に、一般的な住宅リフォームなどと比較すれば、防音工事にかかる費用は高額になりがちで、特別に必要でなければ検討すらしない…というのが一昔前では普通だったと思います。
しかし最近では、特別な音が生じるわけではないご家庭でも、防音を目的としたリフォーム工事の依頼が増加しているのです。これは、マンション暮らしの方が増加していることや、戸建て住宅の距離が近づいていることで、日常生活で発生する生活音が気になってしまう…という方が増えてからだと言われています。さらに昨年からは、新型コロナウイルスの影響で、テレワークが導入される企業が増加しており、皆さんの在宅時間が増えてきたことも要因になっています。
それでは、皆さんが防音工事を検討した場合には、どのようなことに注意しておけば良いのでしょうか?こう聞かれると、「そもそも防音工事がどういったものか分からないし、注意すべきポイントがわからない…」と悩んでしまう方が多いのではないでしょうか?そこでこの記事では、一般的な住宅リフォーム工事になってきた防音工事について、皆さんがおさえておきたい防音対策の基礎知識をご紹介しておきます。
今さら聞けない防音の基礎知識
近年では、ホームセンターやインターネット通販などでも、防音対策グッズがたくさん販売されるようになっています。しかし、防音工事が一般的になってきたのがまだここ最近だということもあり、「そもそも防音って何?」「普通と何が違うの?」と言った基礎的な部分から疑問に思ってしまう方も多いと思います。
ここでは、専門業者に防音工事を依頼する前に、皆さんがおさえておきたい防音工事の基礎知識をいくつかご紹介していきたいと思います。
そもそも『防音』ってなんだ?
それではまず、「防音って何?」という最も基礎的な部分をご紹介していきましょう。『防音』というのは、読んで字のごとく「音を防ぐ」ということを指しています。しかし、どういった音を防ぐのかによって、大きく2つの目的に分かれています。
- ①自分が出している音を、周囲に聞こえないようにする防音対策
- ②周囲が出している音が自分に聞こえないようにする防音対策
冒頭でご紹介しているように、防音工事というものは、「自宅で楽器の演奏をする」などと言った方が、その音で周辺住民に迷惑をかけないようにするために行うという物でした。しかし近年では、戸建て住宅ごとの距離が近い…などと言った理由で、お隣の家から聞こえてくる生活音が気になるため、防音工事で聞こえにくくするといった工事が増えているのです。
防音の仕組みについて
上述したように、防音とは「音を防ぐ」ということを指しています。それでは、どういった仕組みで音を防いでいるのかが気になってしまいますよね。実は、音の防ぎ方にもいくつかの種類が存在しており、それぞれの仕組みごとに特徴が異なるのです。
ここでは、防音を考えるうえで、最も重要になる『吸音』と『遮音』について簡単に説明しておきます。
- 吸音について
吸音は、発生した音を吸収して、音の反射を防ぐ仕組みのことです。吸音材は、音を吸収して室内で聞こえる音は小さくなるのですが、外に抜ける音はそれなりにあります。 - 遮音について
遮音は、発生した音を遮断して、外に通さないようにする仕組みのことです。ただし、室内の遮音性を高めすぎると、音は抜けにくくなるのですが、部屋の中で音が反射しすぎて反響してしまいます。
防音は、上記のような吸音と遮音のバランスを考えて行われるものです。
音の種類について
防音対策を考える場合には、『音の種類』についてもある程度の知識が必要になります。日常生活上で、音の種類など考えるようなことはありませんが、「どんな音の防音なのか?」によって必要な対策などが変わってきてしまうのです。ここでは、一般の方もおさえておきたい音の種類として「高い音と低い音」「大きな音と小さい音」についてご紹介しておきます。
●高い音と低い音
まずは「高い音と低い音」についてです。歌を歌う時などには良く使われる表現ですね。一口に『音』と言っても、工事現場から聞こえてくるような低い音から赤ちゃんの泣き声のように高い音まで、さまざまな種類が存在します。それでは、低い音と高い音は、何によって決まっているのでしょうか?実は、この音の違いは、周波数(単位:Hz)と呼ばれるものによって決まっています。
- 周波数が高い
振動数が多い音で、こちらが高い音になります。 - 周波数が低い
振動数が少ない音で、低い音です。
音は、空気や個体を通じて、振動となって伝わっていくものです。そして、この振動の繰り返しの回数が『周波数(単位:Hz)』と呼ばれます。周波数は、1秒間に何回振動するのかで決まっており、1秒間で1000回振動すれば1000Hzと表されます。
●大きな音と小さい音
次は、大きな音と小さい音に関して簡単に説明しておきましょう。分かりやすく言えば、大きな音がうるさく感じる物で、小さな音は特に気にならない程度と思っておけば良いです。この音の大きさに関しては『dB(デシベル)』という単位で表されており、住環境に対する騒音レベルは、この『dB』を目安に作られています。
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音の種類によって防ぎやすさがあるのか?
それでは、音の種類が違うことによって、防音のしやすさに違いが生じるのでしょうか?実は、防音のしやすさ、しにくさというものも存在していますので、大まかにでもつかんでおくのがオススメです。
一般的にですが、高い音の方が軽減しやすいと考えて良いです。例えば、人の話し声や小型犬の鳴き声などであれば、比較的簡単に防音対策を施すことが可能です。一方、低い音というものは、とても軽減しづらいと考えておきましょう。こちらは、工事現場からの音や室外機の音、自動車の騒音などです。ちなみに、楽器防音でも、防音のしやすさ、しづらさが存在しますので、どの楽器の対する防音なのかによって工事費用が大きく変わってしまいます。
まとめ
今回は、自宅で何らかの音に悩まされている、隣家に配慮するための防音対策を行う前に、皆さんがおさえておきたい防音の基礎知識についてご紹介してきました。専門業者に防音工事を依頼するのであれば、こういった知識がなくても大丈夫と考えてしまうことでしょう。しかし、防音工事をどの業者に依頼するのかを決定するためには、業者選定のために相手が言っている内容が正しいのかを判断しなければならないため、最低限の基礎知識程度はおさえておかなければならないのです。そうしなければ、本来不必要な工事まで含められてしまう…、求めていた性能が発揮できていない…など、防音工事を行った事に後悔してしまう危険もあるためです。
さらに近年では、ホームセンターなどで材料を購入し、DIYで防音対策を進める方も増えています。こういった場合には、自分の悩みに対してどの防音対策が必要なのかを自分で判断しなければいけませんし、この記事でご紹介した程度の知識は絶対に必要です。
防音工事は、皆さんが考えている以上に専門性が高いものですので、「遮音シートを貼れば良い!」「吸音材を設置すれば大丈夫!」などと、安易に考えない方が良いですよ!