テレワークで対処すべき音の種類と効果的な防音対策について!

新型コロナウイルスの影響で、日本国内でも一気にテレワークや在宅勤務と呼ばれる働き方が普及しています。新型コロナウイルス感染症は、人との接触を減らすということが重要とされていることから、公共交通機関を利用して出勤する従業員の安全を守るなど言う目的で、出勤せずに家で仕事をすることを認めるという対策ですね。

このテレワークという働き方は、日本の文化的に懐疑的に見られていたのですが、実際に導入してみると「自分の時間が増える」「満員電車の負担がなくなる」「家族と過ごせる時間が増える」などと言ったメリットが注目され、テレワークを体験した労働者の多くは、この働き方が続いてほしいと考えている方も多くなっていると言われています。そして、2021年に入り、コロナ問題が長引いている中、企業側も十分なテレワークの準備が整ってきたことから、コロナ問題収束後もテレワークを続けると発表する企業が多くなっています。企業からすれば、従業員が出勤しなくなるのであれば、事務所の規模などを縮小することができ、大幅な経費削減を期待できるという点も大きいのだと思います。

しかし、ここにきてテレワークの弱点部分を懸念する声が急速に高まってきています。というのも、日本の住宅は「家で仕事をする」ということを想定してつくられていないこともあり、上述のようなメリットがあるのは確かだが、音の問題などで仕事に集中することができず、どうしても効率が悪くなってしまっている…という方も少なくないのです。これが、コロナ禍だけで一時的なテレワークならまだしも、一生その状態が続くとなれば、「テレワークが当たり前になるのは反対だ…」という声が出てくるのも理解できますよね。

そこでこの記事では、一気に普及し始めたテレワークについて、これを邪魔する音とはどのようなものなのか、また効率を落とさずに仕事をするにはどうすれば良いのかについて簡単に解説していきます。

テレワークの邪魔をする音の問題とは?

上述したように、日本の住宅は「そもそもテレワークを想定していない」という問題があり、テレワークがスタートした当初から、音の問題はよく指摘されています。そのため、昨年の11月頃よりは、大手ハウスメーカーが販売する戸建て住宅などには、テレワーク専用部屋が備え付けられており、それが大きな売りとなっています。

ただし、既存住宅でテレワークが始まった人であれば、さまざまな音の問題に現在でも悩まされているのではないでしょうか。テレワークで問題となる代表的な音の問題は以下のようなものです。

  • 生活音
    家族と一緒に住んでいる方であれば、自分以外が生じさせる生活音で集中力を乱される…という場合が多いです。例えば、テレワーク専用のスペースがない方であれば、リビングなどで仕事をすることになるのですが、あなたが仕事をしている間は、奥さんも家事をしているわけです。掃除や洗濯など、日常生活の中にはさまざまな音が存在しますし、今まで事務所で仕事する時にはなかった音が聞こえることで、気になってしまう…という方は多いようです。
  • 屋外から聞こえる騒音
    今まで普通に会社で仕事をしていたという方であれば、昼間の自宅周辺で生じている騒音に気付けなかった…という場合も多いです。例えば、近くに大きな公園や学校があるなんて場合、一日中子供の声が聞こえますし、定期的にチャイムなどが聞こえてきますので、意外とうるさいものです。また、夜間は自動車の通行量が少ない場合でも、昼間は一気に通行量が増えてしまい、自動車の音や振動で集中できない…なんてことも多いようです。テレワークが始まったことで、自宅周りの騒音問題に初めて気づいた…という方はかなり多いみたいですね。
  • web会議や通話音
    これはどちらかというと、あなたが生じさせる音が家族に迷惑をかけるといったパターンです。テレワークでは、会社の人間とのやり取りのため、定期的にweb会議ツールを使って連絡を取り合うことが考えられます。また、取引先との打ち合わせなども、こういったツールを使って話をしますね。そして、こういったツールは、自分の話し声の大きさになかなか気付くことが難しく、つい大きな声になってしまうなんて方が多いのです。そのため、家でゆっくり過ごしている家族からすれば、良い迷惑…と思われてしまう場合があります。また、夫婦ともにテレワークという場合、相手のweb会議の音で喧嘩になってしまう…なんてこともあるようですよ。

このように、出勤する必要がなくなり、自分の自由な時間が増えるなどと一部では好評のテレワークですが、自宅がテレワークに適していない…と言った理由から、「早く元の働き方に戻ってほしい…」と考えてしまう方も少なくないと言われているのです。
そして、テレワークになったことで仕事の効率が落ちた…と感じる方の中には、「テレワークがしやすいように」と住み替えまで行うような方もいます。そうはいっても、持ち家の場合は、なかなか気軽に住み替えまではできませんし、その他の対策を検討するしかありませんね。こういった理由から、昨年終わりごろよりテレワークに対応するための防音工事の相談が急増しているのです。

テレワークのための効果的な防音対策とは?

それでは、上述のような音の問題があったとしても、効率的に仕事を進めていくための防音対策とはどのようなことが考えられるのでしょうか?当たり前のことですが、「家で仕事をしなければならない」とはいえ、際限なくコストをかけて対策を行う…なんて誰にでもできるような事ではありません。ここでは、低コストでも可能な対策から、ある程度費用をかけて最適な場所を作るための手法まで、いくつかのレベルに分けてご紹介していきます。

耳栓やイヤホンで対処する

まずは最も低コストの対策からです。音が気になる…とはいえ、「うるさすぎて仕事にならない…」などと言った騒音でなければ、コストをかけてまで防音工事を行うのはちょっと気が引ける…と考えてしまう方も多いことでしょう。
特に、新築戸建てを購入したばかり…という場合であれば、家そのものの機能はそれなりに高い防音性を持っているはずです。というのも、近年の家は、高気密・高断熱というのが一つのキーワードになっており、断熱性が高いということは、防音性もそれなりに高いと予想できるのです。したがって、窓などをきちんと閉めていれば、外部からの音に悩まされる…なんて心配は少ないことでしょう。

こういった場合、主に問題となるのは、家族が生じさせる生活音となり、特別な防音工事までしなくても対処が可能な場合が多いです。例えば、耳栓やイヤホンなどをして、自分だけ音を遮るとしておけば、それなりに仕事に集中できると思いますよ。なお、耳栓などは異物感がどうしてもあることから、逆に集中できなくなる…なんて方もいますので、そういった方は他の対策を検討しましょう。

パーテーションで区切る

家の中で仕事をする場合に「集中力が乱される…」というのは、音の問題もありますが、家族の姿が目に入る…という点も大きいようです。専用のワークスペースがない場合、リビングなどで仕事をすることになるのですが、奥様が家事をするために動き回る姿や、子供が帰宅した姿が目に入ると、集中力が乱されてしまう…などという声も多いです。そのため、最近では、テレワーク用の室内テントのような物も販売されるようになっています。

これと似た感じの効果を得られるのが、パーテーションでリビングなどの一部を区切って、簡易的な個室空間を作るという方法です。パーテーションの中には、吸音効果のある素材が用いられているようなものもあり、そのタイプで個室空間を作れば以外に快適なワークスペースになると言われています。こうすれば、音だけでなく視界に何も入らなくなるので、仕事に集中しやすくなります。

web会議用の対策

職種によっては、一日に何度もweb会議を行う必要があり、話し声で家族や近隣に迷惑をかけてしまわないか心配…という声も存在します。上述したように、web会議は自分の声の大きさに気付きにくく、つい大声になってしまう…なんて方が多いのです。実際に、テレワークが始まったことで、ご近所さんに嫌味を言われてしまった…なんて方も少なくないと言われています。

こういった、自分の音漏れの対処をしたい場合、後付けできる吸音パネルを壁に取り付けるといった方法や、防音効果の高いカーテンなどを購入し、外に音漏れするのを防ぐというのがオススメです。そちらもネット通販やホームセンターなどで手に入りますので、安価に対策が可能です。

防音工事を行う

最後は、防音工事を行うという対策ですね。なお、防音工事に関してもさまざまな種類が存在しています。例えば、家族の姿が視界に入るのは構わないけど、外からの騒音に悩まされている…という場合であれば、窓の防音対策のみで、低コストで済ませるという方法も考えられます。

ただし近年戸建て住宅で増えているのでは、使っていない空き部屋をテレワーク専用部屋に改造するという方法です。例えば、ウォークインクローゼットがあるけれど、実はあまり活用していない…というご家庭は多く、そういった場合、その部屋に防音工事を施しテレワーク用の個室にするのです。これであれば、家族が出す生活音も気になりませんし、自分が生じさせる音で家族に迷惑をかけなくて良いという両方が一気に解決します。そして、家族の姿が目に入らなくなるので、仕事中に集中力を乱される…なんて心配もありません。
テレワークをする側は、家族の姿や音に敏感になってしまうものですが、逆に家族側も「仕事をしているから静かにしなくちゃ…」と気を使ってしまうものです。つまり、テレワーク専用の部屋を設けず、リビングなど目立つ位置で仕事をしていると、知らないうちに家族の行動を制限してしまい、ストレスを与える原因になってしまう恐れがあるのです。マイホームは、家族がゆったりと過ごすための場所ですから、そういった点にも注目して、防音工事を行うかどうかを検討すべきでしょう。

まとめ

今回は、急速に普及し始めたテレワークについて、テレワークが始まった人たちが抱える音の問題がどのようなもので、どういった対策を行えば良いのかについて解説してきました。

この記事でご紹介したように、テレワークは感染症対策や自分の時間や家族との時間を長くとれるようになるなど、さまざまなメリットがある一方、仕事の効率が音の問題で落ちてしまう…なんて指摘も多いです。これは、もともとテレワークなどと言った働き方がなかなか普及してこなかった日本では、「家で仕事をする」ということが全く想定されずに建てられているというのが大きいと言われています。特に近年では、家族のコミュニケーションがとりやすいようにと、開放感のある間取りが人気だったこともあり、テレワークがスタートしたものの「家のどこで仕事をすれば良いのか…」と困ってしまう方も多いと言われています。

なお、コロナ後もテレワークがそのまま続くという企業も多くなっていますし、効果的な対策に迷っているという方はお気軽に弊社までおといあわせください。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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