内窓・二重窓のメリットは防音だけではない!二重窓を導入するメリットをご紹介します

近年の住宅業界を見渡してみると、高気密・高断熱と言う言葉がキーワードのようになっています。簡単に言うと、高気密・高断熱と言う性能を持った家の方が、夏も冬も外気温の影響を受けにくくなることから、エアコンなどの空調効率が非常に良くなり、省エネを実現する事ができるとされているのです。つまり、高気密・高断熱の家は、そこに住む人の快適性が上がるだけでなく、地球環境保全にも一役買えるという点から、多くの住宅メーカーが家づくりの際にこの機能に着目するわけです。

そして、住宅の気密性や断熱性を向上させたいと考えた時には、『窓』の性能が非常に重要になります。このサイト内でも窓に関する情報を良く紹介していますが、窓と言うものは住宅にとってさまざまな面で弱点になり得るものなのです。よくよく考えてみればわかると思うのですが、窓は壁にわざわざ穴をあけて取り付けるものですよね。断熱性や防音性、気密性などを考えた時には、壁に穴をあけるなどもっての外なのですが、人が健康に生活するためには日光が必要ですので、採光のために窓を設置しなければいけないのです。そこで、窓に関してさまざまな性能を向上させるための対策が進んでいるのです。

窓の性能を向上させる方法としては、内窓や二重窓と呼ばれる方法や、複層ガラスを採用する方法が有名ですが、これらを導入した場合、具体的にどういったメリットがあるのかいまいち分からない…と言う方も多い事でしょう。そこでこの記事では、コロナ禍で急増している「窓を二重窓にするリフォーム」によって得られるメリットをご紹介します。

二重窓によくある勘違い

近年では、窓部分の防音性能向上を目的に、二重窓を導入すると言ったリフォームが増加しています。ただ、内窓や二重窓と呼ばれる窓のリフォームに関して、「複層ガラス」や「ペアガラス」と混同してしまっている方も意外に多いです。

ここでは、防音工事業界でも依頼が急増している内窓・二重窓について、「複層ガラス」「ペアガラス」との違いを簡単に解説しておきます。

内窓・二重窓とは?

まずは、防音工事業界でもお客様からの依頼が急増している『内窓』や『二重窓』と呼ばれる手法についてです。

言葉からある程度予想できる方も多いと思うのですが、二重窓や内窓と呼ばれる場合、既存の窓の内側(室内側)に新たに窓を設置する手段の事を指しています。窓の内側に、もう一枚窓を設置する手法であることから、「内窓」や「二重窓」「二重サッシ」「インナーサッシ」などと呼ばれます。

二重窓は、ガラス戸を二列に配置することになることから、窓と窓の間に空気層ができることになり、通常の1枚窓と比較すると、防音性や断熱性の向上、結露防止効果などが得られると言われています。窓のリフォームとして二重窓にする工事が人気なのは、分譲マンションなどでは既存窓は共用部とみなされてしまうケースが多く、住人が勝手に窓を交換することができないようになっているからです。二重窓は、共用部である既存窓は触らずに、室内側に窓を設置する方法ですので、住人の考えで自由に施工ができる点が大きいのだと思います。

複層ガラス・ペアガラスとは?

それでは次に、複層ガラスやペアガラスと呼ばれる窓がどういったものなのかについて解説しておきましょう。複層ガラス・ペアガラスについては、しばしば上述した二重窓と混同されてしまうのですが、全くの別物と考えてください。

複層ガラスは、簡単に言うと、一つの『窓』と言う製品を作る際、2枚以上のガラスを使用している物を指しています。ちなみに、ガラスとガラスの間に乾燥空気や質量が重いガスなどを封入しており、ガラスの種類と封入する物質によって窓の性能が変わります。

「ペアガラス」については、板ガラスの大手メーカーであるAGCの商標登録であり、これも複層ガラスの一種になります。つまり、複数のガラスを採用した窓の総称が複層ガラスとなるのですが、ペアガラスと言う製品が非常に多く流通したことから、現在では一般名詞として「複層ガラス=ペアガラス」といった意味合いで使われるようになっています。
なお、「複層ガラス=2枚のガラスを組み合わせた窓」と言うイメージが強いと思うのですが、近年では、3枚のガラスを組み合わせた製品が登場していることから、「2枚以上」のガラスを採用したものが複層ガラスと定義されています。

二重窓のメリット

それではここから、窓を二重窓にすることで得られるメリットをご紹介していきましょう。

メリット1 防音効果が得られる

画像引用:リクシル「インプラス(内窓)」より

二重窓にすることで得られるメリットとしては、非常に高い防音効果が得られるというのが大きいです。一般的に、人は50dBの音量を超えると騒音に感じるようになると言われていますが、50dBと言うのは住宅の周りにいくらでも存在しています。例えば、幹線道路沿いの住宅などになると、その交通騒音は80dB程度の大きさになると言われていますので、何の防音対策もなされていない状態だと、家の中で騒音を感じてしまうことになります。

これが、二重窓にすることにより、40dB程度の音量を防いでくれると言われていますので、前述のような大きな騒音が家の前で生じていたとしても、家の中ではほとんどその騒音を感じなくて済むようになるのです。なお、窓の防音性能を高めておけば、家の中で生じた騒音が外に漏れにくくなるという点も大きなメリットです。そのため、家と家の距離が近くなってきた近年では、生活音による騒音トラブルが増えていますので、日常的な生活音で近隣に迷惑を掛けないよう、窓を二重窓にする方が増えています。

メリット2 結露防止

二つ目は結露防止効果です。日本は、高温多湿な気候ですし、空調機器が進化した現在では、外気温と室内の温度の格差が大きくなり、結露が生じやすくなっています。実際に、従来の窓を採用している場合、窓周辺に結露が生じてしまい、カビの発生や木材の腐食などに頭を悩ませてしまう…と言う方が多かったと思います。

二重窓を導入すると、窓部分に空気層ができ、外気に触れる窓と室内側の窓との間で温度の層が生じます。その為、室内の暖かい空気が、直接外気で冷やされた窓に触れなくなるので結露が生じにくくなるのです。

メリット3 高断熱を実現

二重窓を導入した場合、窓部分に空気層が出来ますので、窓からの熱の移動を抑えることができるようになります。要は、窓部分の断熱性が高まるということで、これにより夏場の冷房代や冬場の暖房代を節約することができるようになります。ちなみに、窓を二重窓にするリフォームは、住宅の断熱対策として広く知られていることから、手厚い補助金制度も設けられています。

二重窓の断熱効果については、住宅建材大手のLIXILさんが行った実験によると、窓を二重窓にすることで、1年で約1.6万円ほど光熱費の削減ができたとされています。10年間で考えると、16万円以上の光熱費削減効果ですので、非常に大きなメリットになるのではないでしょうか。

参考:LIXILさん特設ページより

メリット4 ガラスによっては防犯効果を高めることができる

二重窓は、窓ガラスが二枚になるということですので、空き巣などの侵入犯からすると、侵入する時に発見リスクや手間が増えてしまいます。そのため、従来の1枚物の窓よりは防犯効果が高くなるのは間違いないでしょう。ただし、2枚のガラスについて、どちらも防犯効果のない窓ガラスであれば、防犯効果が極端に高くなることは期待しない方が良いですよ。

二重窓で防犯効果が高くなると指摘されているのは、あくまでも新たな窓ガラスとして防犯ガラスを導入するケースです。空き巣などを防止するために作られている防犯ガラスについては、金属質の棒などで思い切り叩いても割れないほどの強度を持っていますので、侵入に時間がかかってしまうことになることから、犯罪者が諦めるとされています。
したがって、二重窓にするときに、防犯性も高めたいのであれば、新たに導入するガラスを防犯ガラスにしましょう。

二重窓のデメリット

最後に、住宅の窓を二重窓にした場合のデメリット面についても簡単にご紹介しておきます。

  • コスト的な問題
    二重窓の最もわかりやすいデメリットは、コストがかかってしまう点でしょう。これは、新築でもリフォームでも同じです。「新築なら同じでは?」と思うかもしれせんが、単純に窓ガラスが2枚になるわけですので、ガラス代が高くなりますよね。リフォームの場合、当然新たに取り付ける窓ガラスの費用と工事代がかかってしまいます。つまり、さまざまなメリットが得られる一方、それを実現するためにはそれなりのコストがかかってしまう点がデメリットです。
  • 使い勝手の問題
    窓は、単なる飾りではなく、採光や換気などの目的のために取り付けられています。採光のことだけを考えれば、二重窓を導入しても同じことなのですが、換気することを考えると、窓の開け閉めが面倒になります。これは明確なデメリットですね。
  • 掃除の問題
    窓が二枚になるということは、掃除しなければならないガラスが増えるということですので、単純に手間が増えます。さらに、二重窓にすることで、今まで掃除を行う時には、難なく手が届いていた場所に手が届かなくなり、掃除がしにくくなるなんて声も意外に多いです。つまり、窓の掃除に今まで以上の手間がかかってしまう点がデメリットです。

まとめ

今回は、リフォーム業界で人気になっている二重窓について解説してきました。二重窓は、既存窓の内側にもう一枚窓を設置するというリフォーム手法になるのですが、二重窓にすることで高い防音性や断熱性を得られると非常に人気の手段となっています。なお、二重窓にすると防音性が高くなることについては、物理的に音を遮断できる板が増えるからと考える方が多いです。もちろん、ガラスが二枚になることも大きなメリットをもたらせてくれることに間違いはないのですが、防音性能や断熱性に大きな効果をもたらせるのは、ガラスとガラスの間に空気層ができるからです。この空気層の効果についてはまた別の機会に解説しようと思います。

なお、既存住宅の窓を二重窓にするリフォームに関しては、さまざまな補助金制度が活用できますので、実際に工事を行う前に、業者さんに補助金のことも質問してみるのがオススメですよ。住宅の省エネ性を高めるための補助金ですので、全ての窓を二重窓にしなければならないなど、いくつかの条件が付くものの、補助金額は非常に大きいので、活用できるのなら活用したほうが良いと思います。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

古民家再生ショールーム防音工事の匠はショールームがあります

ピアノ防音室

実際に防音工事の匠が施工した防音室で防音性能を体験することで、当社の防音室の機能・音響などを体感していただけます。
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の建物にショールームがある会社さんが多い中、特に施工後にショールームと性能や音の反響がちがうといったトラブルが戸建てのお客様に多い業界ですが、町家再生事業として難易度の高い防音室を防音性能が最も出にくいとされる木造町家のショールームをご用意いたしました。

このページの先頭へ