飲食店の騒音トラブルを防止するには?店舗の騒音問題は営業停止のリスクがある!

飲食店の店内は、多くのお客様の声やBGMなどの影響でワイワイガヤガヤしているのが一般的です。当然、店内で飲食を楽しんでいる方たちは、多少大きな声でしゃべっている人がいても、それを騒音と感じるような事はないでしょう。しかし、それはお店の中だけの話であり、店内の騒ぐ声やBGMが外にまで漏れて行ってしまうと、近隣の他のお店や住人さんとトラブルに発展してしまう可能性があります。お店の売り上げのことを考えると、お客様に「静かに飲食して!」と注意しずらいのも分かりますが、飲食店が原因となる騒音問題は、最悪の場合、お店の営業停止処分といった非常に厳しい罰則につながる恐れがあります。

日本には、騒音規制法と呼ばれる法律が制定されていて、生活音などではなく営業目的で運営されている飲食店などが生じさせる騒音に関しては、騒音の基準なども作られているのです。居酒屋さんなど、夜遅くまで営業するお店の場合、近隣住民と騒音の問題を抱えてしまいやすいとされているので、この記事では、飲食店で発生しやすい騒音の種類やトラブルに発展させないための対策などについて解説します。

飲食店の騒音トラブルの原因とは?

それではまず、飲食店で発生する騒音問題について、どのような音が問題となるのかを見ていきましょう。飲食店での騒音トラブルと聞くと、お客の話し声や騒ぐ声と言った感じに、その全てがお客様が原因と考えてしまいがちです。

しかし実は、お店そのものが原因となっているケースも少なくないのです。ここでは、飲食店で騒音問題を引き起こしやすい代表的な音の問題をご紹介します。

客の話し声や笑い声

飲食店は、社交の場として利用される機会も多いですし、お客様同士の話し声や笑い声がつい大きくなってしまい、それが元に騒音トラブルに発展する…なんてケースが少なくありません。特に、アルコールを提供するお店の場合、ついお客様の声が大きくなってしまいがちなので、音漏れに注意しなければいけません。

お店によっては、入口にしっかりとしたドアを設置しているわけではなく、ビニールで仕切りを作っているだけと言った場合も多いです。このタイプのお店は、隙間から音が漏れやすいので特に注意が必要です。

店内BGM

お店によっては、店内に何らかの音楽をBGMとして流し続けているという場合も多いですね。飲食店の店内BGMは、お店の雰囲気づくり以外にも、お客様の会話が離れた位置の別グループのお客に聞こえにくくするというサウンドマスキングの意味もあります。しかし実は、この店内BGMは騒音トラブルの原因となってしまう場合があるのです。

例えば、店内BGMの音量が大きすぎれば、外にまで音がもれて近隣の方がうるさいと感じてしまうのです。さらに、重低音が響くような楽曲をBGMに使用していた場合、振動として外部に伝わりやすいです。

厨房の音

飲食店ならではの騒音と言えば、厨房で発生するさまざまな大きな音があげられます。例えば、フライパンや鍋を使って調理する際、調理器具同士がぶつかって甲高い音が生じる、スタッフに指示するためにおおきな声を出すといった場面が珍しくないのですが、これは騒音トラブルの原因となってしまうことがあるのです。

厨房が騒音源になるのは、店舗の間取りが問題となっている場合が多いです。例えば、厨房のすぐ隣に別の店舗が入っている、オープンキッチンになっていて、厨房の音が店外に響きやすいなどと言った状況が考えられます。

店舗で使用する設備

飲食店での騒音トラブルでは、お店で使用する設備が原因となり、近隣住民との問題に発展するケースも考えられます。特に、深夜まで営業する飲食店の場合は注意が必要です。

飲食店は、調理中の臭いを排出するため換気扇を回します。また、店内を快適な状態に調整するため空調機器も使用します。実は、これらの設備の稼働音が夜遅くまで生じることで、近隣の方からの苦情につながる恐れがあるのです。

店外でのお客様の声

近年では、店内での喫煙を禁止して、お店の外に喫煙所を用意している店舗が増えています。しかし、このような形状のお店の場合、喫煙スペースなどでお客様が会話する時の声がうるさいとご近所から苦情が出る場合もあります。

店外でのことなので、お客様がどのような行動をしているのか店員が気付きにくく、トラブルに発展してから初めて問題を知る…なんてことが多いので注意しましょう。

飲食店の騒音トラブルを防ぐには?

上記のように、飲食店には近隣との騒音トラブルに発展する可能性がある音の問題がたくさんあります。それでは、そういった音によりトラブルに発展しないようにするにはどうすれば良いのでしょうか?

防音対策を施す

飲食店における騒音トラブルを防止するための対策としては、やはり防音対策を施すという方法が最も効果的です。飲食店ですから、お客様の会話を禁止するわけにはいきませんし、BGMを一切流さないことも難しいです。先ほどご紹介したように、飲食店でのBGMは、別々のグループのお客様に会話の中身が聞こえにくくするというサウンドマスキングの意味もあるのです。つまり、騒音トラブルの原因を出さないようにするという対策は非常に難しいと言えるわけです。

そのため、店舗での騒音トラブルの対策としては、生じた音が外に聞こえなくするという方向で考えなければいけないのです。例えば、足音が階下に響かないようにするために床の防音対策を行う、声が外や隣のテナントに聞こえないようにするため、壁や窓、ドアの防音対策をするといった対策です。

なお、店舗の防音対策については、ホームセンターなどで防音パネルや隙間テープを購入し、自分たちで行うことも可能です。しかし、お酒を提供するため大きな声を出す客が多い、夜遅くまで営業しているという場合は、専門業者に高度な対策を施してもらうのがおすすめです。

BGMの選曲に注意する

BGMは、サウンドマスキングの効果を期待して使用しているお店が多いと思います。ただ、お店の雰囲気に合うような曲を選曲するのが一般的です。ワイワイガヤガヤ楽しむお店で、クラシック楽曲を流すなんてことは少ないですよね。

お店で使用する楽曲については、「お店の雰囲気に合うかどうか?」を重視すると思うのですが、もう一つ気にしてほしいのが「低い周波数の音が少ない音楽」という点です。実は、低い音は固体を振動させて伝わっていくため、外部に騒音が広がりやすいのです。したがって、外部騒音の減少を考えた時には、低い周波数の音が少ない楽曲を選ぶと効果的です。なお、音量については、当然外に漏れていないかを時々確認すべきです。

厨房の位置に注意する

これは、騒音の苦情があってから対策することは難しいので、お店の出店を決め、内装工事をする際に注意しなければならないポイントと考えてください。先ほどご紹介したように、飲食店での騒音トラブルは、お客様の声などが原因となるケース以外にも、厨房で調理する、スタッフに指示をする際の声など、お店そのものが原因となるケースもあるのです。

飲食店では、金属製の調理器具がぶつかり合う場面も多いですし、鍋振りの際には鍋と五徳がぶつかってガタガタと言った音が生じることも珍しくありません。また、スタッフへの指示は、店内が賑やかのこともあり、大きな声を出すことが多いことでしょう。こういったことが要因で、外部に厨房の音が漏れ、苦情につながってしまう訳です。

厨房の音が要因となる騒音トラブルを防止するには、他のテナントと隣接していない場所に厨房を作る、音の影響がなるべく小さくなるような店の奥や隅に厨房を作るといった感じに、店舗設計の段階から対策を施すことが大切です。どうしても、近隣住宅に影響を与えそうな場所にしか作れない…と言う場合は、音で迷惑をかけたくない方向の境界壁を防音壁にする、厨房の換気扇に防音対策を施すなど、音漏れ防止をしましょう。

設備の防音対策について

飲食店で発生する騒音に関しては、エアコンや換気扇などの設備が原因となるケースも少なくありません。例えば、エアコンの経年劣化が進んだ際には、稼働時に室外機から振動音が発生するようになり、屋外に設置する設備であることから、それが近隣に影響を与えるケースがあるのです。このほかにも、換気扇についても、稼働時に音を伴うケースがあり、騒音源となってしまうことがあります。

したがって、こういった設備が原因となる騒音トラブルを防止するためには、室外機を設置する際に防振ゴムの設置する、静音タイプの換気扇を設置するなど、音が生じにくくするという対策を検討しましょう。

このほか、屋外に喫煙スペースを用意する店舗の場合、お客様がそのスペースで会話すると騒音問題が発生する危険があります。したがって、可能なら屋内に喫煙所を用意する、それが難しい場合は、喫煙スペースでの会話を禁止するといった対策を施しましょう。

近隣とのコミュニケーション

騒音トラブルを防止するための対策としては、近隣の方とのコミュニケーションを蜜にするという方法が非常に有効です。一般住宅での騒音問題についても、仲の良い知り合いが出す音と、全く知らない人が出す音では感じ取り方がかなり違ってきますよね。

飲食店の騒音問題もこれと同じで、隣接するテナントや、お店の近くに住んでいる人とのコミュニケーションがしっかりととれている場合、多少の音であれば我慢してもらうことができるのです。さらに、近隣の人も、我慢できないような大きな音を感じた時は、深刻なトラブルに発展する前に相談することができるようになります。

近隣の方とのコミュニケーションは、周囲に住む人の声をフィードバックしてもらえるという面でも非常に効果的な方法なのです。

まとめ

今回は、飲食店での騒音トラブルについて、何が原因でトラブルに発展するのか、また騒音トラブルを防ぐためにはどのような対策が必要なのかについて解説しました。

飲食店での騒音と聞くと、お店で楽しんでいるお客様が大きな声で騒ぐことをイメージする方が多いです。しかし、飲食店の騒音源はそれだけでなく、厨房での調理やエアコンの室外機や換気扇などの設備が生じさせる音などもあるのです。
お酒を提供する居酒屋などになると、周囲が寝静まる深夜まで営業している場合も多いですし「こんな音に苦情が出るの!?」と驚いてしまう場合もある事でしょう。中には、お店側で対応することが難しい音もあると思うのですが、きちんと対処を行わなければ警察や行政に通報され、最悪の場合は営業停止処分などの厳しい罰則が科される可能性もあります。

音の問題は、出す側で鳴く、聞く側がどう感じるか重要なので、近隣の方からフィードバックが貰えるよう、普段からコミュニケーションを密にしておくことも大切だと思いますよ。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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