マンションで犬を飼いたい!騒音トラブルを抱えないため、おさえておきたい「吠えない犬種」とは?
近年では、マンション暮らしの方が多くなっていることから、室内でペットを飼っているという方が多くなっています。一昔前までであれば、大きな声で鳴く犬に関しては、外につないで番犬として飼っているという場合が多かったのですが、現在では大型犬であっても室内で一緒に暮らしているというご家庭が増えています。
これは、都市部などでは戸建住宅でも「庭付き」の物件が減っていることや、マンションなどの集合住宅で生活する方がかなり多くなっているため。住む場所的に「室内で飼うしかない」というのが大きな理由になっているのだと思います。
しかし、マンションなどの集合住宅でペットを飼う場合、鳴き声などが原因となる騒音トラブルのリスクは見逃してはいけません。実は、犬の鳴き声に関しては、大型犬であれば90dB以上の音量になると言われており、小型犬でも80dB程度の音は出ますので、きちんとしつけがなされていない場合には、近隣住民に多大な迷惑をかけてしまうことになるのです。
そこでこの記事では、マンションなどの集合住宅において、ペットとして犬を迎えたい…とお考えの方が知っておきたい、比較的『吠えない犬種』をご紹介していきます。ここでは、飼っている犬が吠えにくくなる対策も一緒にご紹介しておきますので、これから犬を飼おうかと迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
吠えにくい犬の特徴とは?
犬の鳴き声などに関しては『無駄吠え』などと表現されることもありますが、基本的に犬が何の意味もなく吠えることはありません。犬にとって吠えるという行為は、「痛い」「嫌だ」「怖い」などという感情を飼い主さんに伝える手段でもあるのです。したがって、どのような犬であっても「全く吠えない!」ということはないと考えておかなければいけません。ただし、吠える頻度に関しては、育て方や犬ごとの性格によってかなり変わってきますので、基本的に「吠えない犬」を選べば、それだけ鳴き声による騒音トラブルのリスクが低くなります。
以下で、一般的に「あまり吠えない」と言われる犬種の特徴をいくつかご紹介しておきます。
人懐こく警戒心が強くない犬種
まずは「人懐こく警戒心が強くない」性格の犬です。このタイプは、誰にでも好意的に接するため、比較的吠えにくい犬と言えます。一昔前のように、番犬として飼う…ということには不向きですが、室内で家族としてペットを飼うというご家庭が多い現在の住宅事情においては、非常に大切な資質と言えます。
大らかでマイペース
大らかでマイペースな性格の犬種も吠えにくい子が多いです。ただし、このタイプの犬種は、頑固な側面も持ち合わせている場合が多く、「嫌だ!」と一度感じると、その考えをなかなか曲げてくれない場合が多いです。
愛玩犬として生まれた犬
もともと愛玩犬として生まれた犬は、吠えにくい犬種が多いです。牧羊犬や狩猟犬は、獲物を追い立てる時や人とコミュニケーションをとるために吠えるという特徴があるため、室内では飼いにくいのですが、愛玩犬として親しまれてきた犬種は吠えない子が多いです。ただし、警戒心が強い性格の子は、見知らぬ人に吠えてしまう…なんて場合があります。
短頭種
鼻先から口が開く部分全体をマズルと呼ぶのですが、このマズルの長さが短い短頭種の犬種は、あまり吠えない犬種が多いです。また、吠えた場合も、牧羊犬などのように良く通る大きな声ではなく、落ち着いた低い声の場合が多いため室内で飼いやすいと言われています。
比較的吠えないと言われる犬種をご紹介!
それでは、マンションなどの集合住宅でも「あまり吠えない」ことから非常に飼いやすいと言われる犬種をご紹介していきます。なお、同じ犬種でも育て方や性格によって吠える頻度は変わりますので、その辺りは注意してください。
ゴールデンレトリバー
日本国内でも非常になじみ深い犬種のゴールデンレトリバーは、おっとりとした性格の子が多く、社交的で人懐こい犬種のため、比較的吠えにくいと言われています。注意が必要なのは、子犬のころはパワーを持て余す子が多く、いたずらでものを壊したりしてしまう場合も少なく無いと言われます。ただし、成犬になると、落ち着きが出て優しい性格で飼いやすいと言われます。
キャバリア
キャバリアは、明るい性格の子が多く、社交的な犬種ですので、知らない人が来てもあまり吠える事がないと言われています。ただし、なかなか要求が通らなかったり、周囲の物音に驚いたときには吠えてしまう傾向にあると言われます。散歩などで適度にストレスを発散させてあげることが、大切だと考えましょう!
トイプードル
現在、室内犬の中でもトップクラスの人気誇るトイプードルもあまり吠えない犬種と言われています。トイプードルは、基本的に賢く社交的な性格をしているため、あまり吠えない犬種と言われています。しかし、その賢さから、「吠えることで要求が通る」と覚えてしまうと、要求吠えが習慣化してしまうので注意しましょう。
また、子犬のころの社会化が上手くいっていない場合、警戒心から吠える子になってしまう子が多いと言われるので、社会化期(生後3週齢~14週齢)に多くの経験をさせてあげましょう。
ボストンテリア
ボストンテリアは、愛情が深く社交的な性格で、吠えにくい子が多い犬種と言われています。非常に穏やかな性格をしていますし、ツートーンの独特の模様から「タキシードを着た紳士」などとも言われるように、とても飼いやすい性格の子が多いです。ただし、甘えん坊な性格の子が多いため、構ってほしい時や要求を通したいときに吠えてしまう子もいるようです。
パグ
もともと王室などで飼われていた犬種のパグは、比較的吠えない犬種で飼いやすいと言われています。ただし、育て方によっては、警戒吠えや要求吠えが見についてしまう場合があるようです。
パグは、吠えてもあまり声量が大きくないことから、集合住宅で飼うには非常に適していると考えられます。
吠えるのを減らす『育て方』とは?
ここまでは、犬種によって異なる「吠えにくさ」をご紹介してきました。しかし、犬にも個体差がありますので、いくら吠えにくい犬種と言っても、習慣やしつけなどの育て方で吠える犬になってしまう場合がるのです。ここでは、吠えない性格の犬にするため、育て方の注意点を簡単にご紹介しておきます。
吠えている理由を探る
上述したように犬が吠えることを「無駄吠え」などと呼ぶのですが、犬にとって吠えることは、きちんと意味があるのです。それなのに、頭ごなしに「うるさい!」「静かにしろ!」と叱っても、一時的に静かになることはあってもすぐに吠えてしまうことでしょう。
室内で犬が吠える時には、何らかの理由がありますので、その理由が何なのかを見極められるようにしましょう。そしてその理由によって対処法を考えなければいけません。
「危険ではない」ことを教える
室内で犬が吠える理由には、インターホンや外を走る救急車のサイレンに驚いている…というケースが考えられます。
こういった、音に驚いて吠えている…という場合には、その音が「危険なものではない」ということを伝えると良いでしょう。例えば、音が聞こえた時に、オスワリやハウスなど、別の指示を出してあげるなどが意外に有効と言われています。
要求吠えに応じない
これは重要なポイントです。例えば、食事の時間になると吠える、散歩の時間になると吠える、という場合は、要求吠えが習慣づいていると考えられます。犬は、「吠えたら自分の要求が通る」と覚えてしまっているため、吠えているわけですね。
こういった要求吠えを無くすためには、いくら吠えても吠えなくなるまで放置する、吠えても目を合わせないなどをして「吠えても要求は通らないのだ…」ということを教えることが大切です。
ストレスを発散させる
ストレスが溜まってしまうと、本来は吠えにくいと言われる犬種でも、吠えやすくなってしまいます。したがって、散歩の時間はしっかりと取ってあげる、ボール遊びやタオルなどを使った引っ張り合いなどできちんとスキンシップをとるなど、適度にストレスを発散させてあげるように心がけましょう。
まとめ
今回は、マンションやアパートなどの集合住宅で犬を飼いたいと考えている方のため、騒音トラブルを抱えないために吠えにくいと言われている犬種についてご紹介してきました。この記事でご紹介したように、同じ犬でも、吠えにくい犬種と良く吠える犬種というものがあり、牧羊犬や狩猟犬などとなると、吠えてコミュニケーションをとる犬という特性があるため、室内ではなかなか飼いにくい存在になってしまうのです。犬の鳴き声は、飼い主にとってもうるさいと感じてしまうことがあるように、かなり大きな音量になってしまいます。そのため、何のしつけもせずに、朝から晩まで吠えている…なんて犬になってしまうと、確実に騒音トラブルを抱えてしまうことになると思います。
最近では、ペットを原因とした騒音トラブルを防止するため、自宅の防音工事に踏み切るという方も多くなっているのですが、家の中を動き回るペットとなると、楽器防音のように一室だけ工事をするなんてことでは追いつきません。そのため、そもそも「飼っている犬が騒音を出さないようにする」ということからスタートして、それでも生じてしまう騒音を防音工事で対応するという考えをしておかなければいけないのです。
まずは、どの犬種を選ぶのか、また吠えないようにキチンとしつけをするということからスタートして、それだけではおさえられない音を専門業者に相談するようにしましょう。