お金がなくてもできる防音対策をご紹介!初めての一人暮らしのポイント

サンテレビ「アサスマ! 」で防音工事の匠が紹介されました!
今回は、この4月から一人暮らしを始めたなんて方が知っておきたい、誰でも簡単にできる防音対策について解説します。
防音対策と聞くと、楽器演奏のためやホームシアターを実現するため、自宅に防音室を作る工事を行う。そうでない場合でも、外部からの騒音に悩んでいる方が、窓や壁の防音性を高めるため、リフォーム工事を行うといったことをイメージする方が多いと思います。これらの方法については、確かにその時点で抱えている音の悩みを解消するためには、非常に有効な方法になると言えます。しかしその一方で、防音性の高い環境を得るためには、それなりのコストがかかる点が悩みとなります。例えば、本格的な防音室を作る場合、最低でも200万円前後の費用がかかりますし、窓や壁など、部分的なリフォーム工事でも数十万円単位の費用がかかってしまいます。
そのため、賃貸住宅で独り暮らしを始めたばかり…なんて方の場合、音の悩みを抱えたとしても、専門業者に依頼して対策を施すことが難しいのです。そもそも、賃貸住宅の場合、専門業者による防音リフォームが家主さんに認めてもらえない可能性が高く、費用以前の問題で対策ができない…なんてことも多いです。
それでは、一人暮らしを始めて、音の問題を抱えた時には、どうすれば良いのでしょうか?アパートやマンションなどの集合住宅は、それぞれの人の生活空間が非常に近いこともあり、皆さんが考えている以上に音の問題を抱えてしまいやすいです。そこでこの記事では、「防音したいけど業者に依頼できない!」という方に向け、お金がなくてもできる防音対策の代表的手法をご紹介します。
お金がなくてもできる防音対策
防音対策は「コストがかかりすぎる!」というイメージがあると思います。実際に、自宅で楽器の演奏が可能になるというレベルの本格的な防音室を作る場合は、かなりのコストをかけなければ満足のいく防音室を作ることができません。
しかし、集合住宅における生活音を防ぐための対策程度であれば、費用をあまりかけなくても効果を期待することができる方法はいくつかあるのです。ここでは、お金をかけなくても効果が期待できる防音対策をいくつかご紹介します。
①スリッパを履く
集合住宅で起きる騒音トラブルでは、上下階に住む住人同士が足音を原因に…というケースが多いです。特に、木造のアパートなどの場合、室内を普通に歩いているだけで足音が階下に伝わり、階下の住人から「うるさい!」と苦情を言われてしまうケースがあるのです。
専門業者による防音工事であれば、床材を張り替える、床材の下に吸音材や遮音材を設置するといった対策が可能ですが、賃貸住宅の場合はそのような工事ができません。
この場合、お金をかけずにできる防音対策としては、室内を移動する際はスリッパを履くという方法が有効です。特に、分厚い素材のスリッパを利用すれば、スリッパが足音を吸収してくれるので、音が響きにくくなります。
②イスなどはフェルト生地で保護する
階下の人と騒音トラブルになりやすい問題では、イスや机、ベッドなど、床と接している家具が生じさせる音が階下に響くというケースがあります。
イスに座る場合、少し後ろに引くという行動を行いますが、その際に、イスの脚が床に接したままになると、ギィーっといった音が階下に響いてしまうことになります。瞬間的な音なので、これがトラブルに発展するというイメージを持っていない人が多いと思います。しかし、イスなどを引きずった時の音は、上下階の住人同士で騒音トラブルに発展することがあるのです。
この問題を防止するための対策としては、イスやテーブルなど、動かす可能性がある家具については、足の裏にフェルト生地を張り付けるという方法が有効です。最近では、ハサミで切って両面テープで簡単に張り付けられるタイプのアイテムがホームセンターなどで販売されているので、安価に対策を施すことが可能です。ベッドなど、重量のある家具については、厚みのあるタイプを張り付けておけば、音を防ぐだけでなく床材も守ることができます。
③テレビやオーディオの設置位置に注意する
テレビやオーディオなどの音声も、集合住宅での騒音トラブルの原因になりやすいです。テレビなどの音量は、最適と感じる設定が人それぞれ異なるため、自分にとっては問題ない音量でもお隣まで音が届いてしまい、不快感を与えてしまう…なんてケースがあります。
特に、一人暮らし用の部屋の場合、面積の問題でテレビやオーディオを壁にピッタリとくっつけて設置しているケースをよく見かけます。しかし、このテレビの設置方法が、音漏れの原因となるケースが意外に多いのです。
テレビやオーディオなど、音が発生する電化製品を部屋に設置する場合、壁にピッタリとくっつけるのではなく、少し距離をあけて(50cm以上はあけたい)設置するようにしましょう。壁にピッタリとくっつけた場合、音がダイレクトに伝わってしまいますし、低音の振動なども壁に伝わりやすいので、音が漏れやすくなってしまうのです。したがって、テレビなどは、壁から少し離した位置に設置しましょう。
なお、オーディオ機器は床に直置きするケースがあると思うのですが、その場合は、下に柔らかめの布を敷いて、その上に設置しましょう。タオルなどでも構いませんが、これを挟むだけで、階下への振動の伝わりを防いでくれます。
④家具の配置を工夫する
この方法は、両側に人が住んでいるという場合はあまり有効ではありません。しかし、角部屋に住んでいるなど、お隣さんが片方側にしかいないケースでは有効な対策となります。
新居での家具の配置は、空間デザインのことも気になるものですが、音の問題を防ぐというのは、安全で快適な生活のためには必須の条件となります。したがって、可能であれば、音の問題を防げるような家具の配置を検討すると良いです。
例えば、お隣さんが住んでいる側の壁面に、本棚やタンスなど、大型の家具を設置すると良いです。最近では、小規模な木造アパートの場合、隣同士の騒音トラブルを防止するため、境界壁に大きなクローゼットを設置する物件が増えています。これは、クローゼットの中に衣服や布団などをしまうことで、それらが天然の吸音材として働き、音漏れを防いでくれるという効果を狙ってのことです。
境界壁に本棚やタンスを設置するという行為は、これと同じ効果が期待できるようになるため、お金をかけない防音対策として有効です。
⑤洗濯機の下に防振ゴムを設置する
大型家電の中で、騒音トラブルの要因になりやすいのが洗濯機です。洗濯機は、脱水時に機器本体が大きく振動するタイプがあり、その時に大きな音が生じてしまうのです。
洗濯機による騒音問題については、基本的に早朝や深夜に稼働させないという、使い方への配慮が第一と考えましょう。洗濯は、誰でも行う家事なので、これにより生じる音は「お互い様」の問題でもあるのです。しかし、他の部屋の人が寝ているような早朝や深夜に洗濯機を回すという行為は、お互い様とは言えず、騒音苦情の原因となります。洗濯機を回すのは、朝10時頃から夜は9時ごろまでなど、常識的な時間にしましょう。
ただ、近年では、テレワークなどが導入されていて、昼間でも静かな環境を求めている方も増えています。したがって、昼間でも可能な限り大きな音が生じないようにするという工夫は必要です。洗濯機は、機器本体が振動することで音を発するので、その振動が床面に伝わらないようにすると良いです。そのためには、設置時に防振ゴムを下に挟み込むという方法が有効です。なお、エアコンが備え付けでない物件の場合、自分でエアコンを購入して設置するのですが、その際には室外機の下にも防振ゴムを設置するのがおすすめです。
⑥窓やドアの隙間を埋める
一般住宅において、音漏れや音の侵入原因となりやすい場所は窓です。窓は、壁と比較すると、非常に薄い素材で構成されているため、そもそも遮音性能がそこまで高くありません。さらに、窓は換気のために設置されているという側面もあるため、開け閉めが容易にできなければいけません。そのため、窓は閉めていても小さな隙間が生じてしまうという問題があるのです。
特に、築年数が経過した物件の場合、建物やサッシに歪みが生じてしまい、通常よりも隙間が広がってしまっている…なんてケースも考えられます。そして、この隙間は空気の出入り口となるため、音も出入りできるようになるのです。
一般住宅での窓の防音に関しては、窓そのものの防音性を高めるため、防音性能が高いガラスに交換する、窓の内側にもう一枚窓を設置して二重窓にするといった対策が施されます。しかし、賃貸物件の場合は、こういった窓そのものに対策を施すことは難しいです。したがって、よく採用される窓の防音対策として、隙間テープを設置するという方法があります。これを窓やドアに設置すれば、閉めた時に生じる隙間が限りなく少なくなるため、音の出入り口も少なくなるのです。そのため、音漏れや音の侵入など、騒音トラブルを防止することが可能になります。
⑦壁にダンボールや卵パックをはる
これは、あなたが何らかの音を出していて、他の部屋の住人からクレームが出ているという場合の対策です。基本的に、問題となっている音を出さないようにするという方法が望ましいですが、何らかの理由で音そのものを解消できないというケースは、壁に吸音効果のある物を設置して、音漏れの軽減を目指すと良いです。
壁に貼り付けるタイプの防音材は、ホームセンターなどでも販売されるようになっています。防音パネルなどといった呼び名で販売されていて、壁に隙間なく設置していくことで音漏れを軽減するというアイテムとなります。ただ、防音パネルは、簡易的な防音材の中では高額な部類になり、壁一面に設置する量を購入しようと思えば、数万円単位のコストがかかってしまいます。
そこでコストをかけずに、防音対策を施したいと考える場合、ダンボールや卵の緩衝材を壁に貼るという方法を検討しましょう。ダンボールは、表面の紙を取り除けば、凹凸がたくさんある骨組み部分が表に出てきます。この穴が吸音効果を期待できるので、壁一面に設置するという訳です。このほかにも、スーパーなどで、ダンボールで卵を輸送する際の緩衝材を貰い、それを壁に貼り付けるという方法もあります。防音目的で作られた防音パネルよりは効果が低いですが、多少の吸音効果は期待できるので、検討してみましょう。ただ、部屋の見栄えは著しく悪くなるので、その点は注意が必要です。どうしても、音を生じさせてしまう…なんて方は、防音物件などへの引っ越しを検討するのがおすすめです。
まとめ
今回は、賃貸住宅など、本格的な防音工事が難しい方に向け、お金をかけなくてもそれなりの効果が見込める防音対策をいくつかご紹介しました。
コロナ禍以降、テレワークといった新たな働き方が普及して、昼間でも静かな環境を求める方が増えています。それに伴い、生活空間が近くなる集合住宅ではちょっとした生活音を原因とした騒音トラブルが増えているのです。
記事内では、お金をかけずにできる防音対策をご紹介していますが、あくまでもこれらの方法が簡易的な対策となります。そのため、楽器の演奏やホームシアター、カラオケなど、非常に大きな音が生じる場合には効果的な対策にはなり得ないと考えてください。上記の方法で対策を施しても、音の悩みが解消できない…という場合は、防音対策画施された物件への引っ越しなども検討すべきです。