子供やペットの防音対策!ジョイントマットやコルクマットは本当に有効なの?

マンションやアパートなどの集合住宅で暮らす場合、足音を原因とした騒音トラブルが気になる…という方は非常に多いです。最近の分譲マンションなどであれば、かなりしっかりした構造になっていることから、足音などに悩まされる事なんかないのでは…と考えてしまう方もいますが、正直な話、かなり甘い考えですよ。

特に、小さなお子様がいるご家庭や、犬や猫などのペットを飼っているご家庭であれば、子供やペットの足音で自分たちが騒音源になってしまう…なんてことも考えられます。特に、小さな子供となると、きちんと言って聞かせても室内を走り回ったり、おもちゃを床にたたきつけたりすることがありますので、階下の人とトラブルになってしまう…なんてことも意外に多いと言われています。

そして、このような集合住宅で発生する足音に関しては、ジョイントマットやコルクマットなどを使用すれば、床の防音対策が可能だという話をネット上でよく見かけるようになっています。それでは、ネットで言われているように、ジョイントマットやコルクマットというものは、本当に床の防音対策アイテムとして有効なのでしょうか?
この記事では、低コストで足音の対策が可能だと言われているジョイントマットとコルクマットの効果について解説していきたいと思います。

コルクマット・ジョイントマットの防音効果とは?

それでは、コルクマットやジョイントマットにどれほどの防音効果があるのか考えてみましょう。ただ、ジョイントマットに関しては、誰でも身近なアイテムと言えるのですが、「コルクマットって何?」という方は意外に多いかもしれませんね。そこで、コルクマットがどういったものなのかも簡単にご紹介しておきましょう。

防音目的で使用されるコルクマットに関しては、ジョイントマットと同じく、必要な面積分を購入して、防音したい箇所に設置していくという感じです。使い方としては、ジョイントマットと同じなのですが、コルクマットの場合、素材が少し異なります。というのも、コルクマットは、クッション材の層で基本的に構成されているのですが、その表面にコルクシートが貼り付けられて2層状態のマットになっているのです。厚みなどはいくつかの種類が存在するのですが、防音用として使用されるのは10mmがクッション材、表面の1mmがコルク材となっているようなものが多いです。

このコルクマットは、表面のコルクは触り心地に関係し、クッション材は衝撃を吸収し音の伝わりを防いでくれるといった役割を期待されています。ちなみにクッション材に関しては、EVAと呼ばれる素材で、分かりやすく言うとビーチサンダルやお風呂のマットなど、クッション性がある素材をイメージしていただければ良いと思います。

防音効果について

それでは、ジョイントマットやコルクマットの防音効果についてです。なお、一口に防音と言っても、階下に伝わる騒音にも種類が存在しており、スプーンやおもちゃを落とした時のコツンと言った軽量衝撃音や、子供が飛び跳ねた時のドスンと言った重量衝撃音、その他にも人の話し声などが存在しますね。ここでは、それぞれの音に対して、ジョイントマットやコルクマットがどの程度の防音効果を発揮してくれるのかについてご紹介しておきます。

まず、スプーンやおもちゃなどを床に落として、床と硬いものが衝突した際に出る「ガチャガチャ」や「コツン」といった軽量衝撃音にについてです。これについては、ジョイントマットやコルクマットを敷くことで、かなり軽減することが可能です。ネット上に「ジョイントマットは防音効果がある!」と紹介されているのは、ほとんどこの部分の防音効果を指していると考えて良いです。

軽量衝撃音には高い防音効果を発揮する一方、子供が高い場所から飛び降りた、室内を走り回る時の「ドスン」と言った音についてはどうでしょうか。こういった音は重量衝撃音と呼ばれ、床全体に響いてしまいます。つまり、重量衝撃音に関しては、ジョイントマット・コルクマットに関わらず、どんなマットを敷いても望むような防音効果を得ることは無理だと考えておきましょう。例えば、ベッドに使用するようなスプリングの入ったマットレスなら防音できますが、そのようなものを敷くわけにはいかないですよね、要は、マットなどで重量衝撃音を響かないようにするというのは難しいということです。もちろん、ないよりはあったほうがマシですので、一切の効果はないと言いませんが、室内を走る、ソファーから飛び降りるなんて時の音は防げないです。

最後に、テレビや話し声についてですが、ジョイントマットもコルクマットも、これらの音に対し、高い防音効果などは持っていません。もちろん、床の上にマットを敷いていますので、その分厚くなりますし、多少の防音効果はあるものの、基本的には声などを防げるような対策ではないと考えておきましょう。

マットは「ぶつかる」音以外にはあまり効果的でない

上述したように、コルクマットやジョイントマットは、子供がおもちゃを床に落とした…なんて場合に、床材と衝突して生じる軽量衝撃音の防音対策として非常に有効です。しかし、その他の防音対策を目的としている場合には、少し心もとない対策だと考えておかなければいけないでしょう。

なお、マットの厚みを分厚くすれば、防音効果もその厚み分、高くなっていくと考えられますが、そうすると「段差で転倒の恐れがある…」「マット自体の価格が高くなる…」など、別の問題が生じてしまうことになります。まずはどのような音を防ぎたいのかをよく考て、コルクマットやジョイントマットが有効かどうかを検討しましょう。以下のような目的であれば、マットによる簡易的な防音は有効でしょう。

  • ・赤ちゃんがおもちゃを投げたりするときの防音
  • ・猫や小型犬など、軽量な動物の爪音対策

足音の対策は、防音材を重ねる!

足音などの重量衝撃音をしっかりと防音したいと考えるのあれば、本来は本格的な防音工事を行うのがオススメです。しかし、床の防音工事となると、それなりに高額な費用がかかってしまいますので、なかなか難しい…と考えてしまう方も多いですよね。

そういった方にオススメなのが、単純にコルクマットやジョイントマット単体で防音効果を期待するのではなく、その他の防音アイテムを併用することで、さらなる防音効果を目指すという方法です。例えば、子供を遊ばせる場所として、コルクマットやジョイントマットを敷くだけでなく、さらにその上に防音カーペットを設置するという方法が非常に有効です。どちらもそれなりに防音効果を持っているうえ、クッション性がありますので、2枚を重ねることで足音などの重量感のある音も防いでくれるようになるのです。

さらに最近では、コルクマットやジョイントマットの下に設置するための『足音マット』なるものも登場しています。足音マットは、遮音シートを吸音材で挟むような構造をしており、非常に高い防音効果を得られます。さらに、2枚重ねの状態になりますので、クッション性が高くなり、階下に響く足音を防いでくれます。

まとめ

今回は、集合住宅での床の防音対策によく利用されるコルクマットやジョイントマットについて、本当に防音効果が得られるのかについて解説してきました。ネット上の情報を見てみると、こういったマットを敷いておけば、階下の住民と騒音トラブルになることを防げるといった感じで紹介されています。しかしはっきり言っておきますが、ジョイントマットやコルクマットは、スプーンやおもちゃを落とした…と言った時に生じる軽量衝撃音には有効ですが、その他の音については大した防音効果は持っていません。

そのため、足音に対してクレームが来たから…なんて場合に、ジョイントマットなどで対策を施しても、下の方からすれば「何度いっても対処してくれない!」と感じてしまう訳です。足音などの重量衝撃音まで対処しようと思えば、ジョイントマットなどにプラスして防音カーペットを敷くとか、足音専用のマットなどを購入してジョイントマットの下に敷くなど、二重状態の防音対策が必要と考えてください。

なお、分譲マンションなどであれば、そこに長く住むわけですので、近隣の方との関係性を考えて床の防音工事をしっかりと行うことがオススメですよ!

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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