日常生活で抱える音の悩み!防音工事で騒音問題を解決するためにおさえておくべきポイント

私たちに日常生活を振り返ってみると、朝起きてから夜寝るまで、さまざまな行動を行い、その際には必ず何らかの『音』が発生しています。例えば、家族と話したり、家事をしたり、テレビを見ながらくつろいだり、子供と遊んだり…、こういった誰もが生活の中で行う行動が他人に迷惑をかけてしまうこともあるのです。ちなみに、人の日常生活の中で生じる音は『生活音』とひとくくりにされることが多いのですが、それぞれの音の大きさがどの程度なのか皆さんご存知でしょうか?以下に、簡単にですが代表的な生活音の音量をご紹介してみます。

  • ・お風呂やトイレの排水音・・・約60db
  • ・お風呂(シャワーの使用音)・・・約80db
  • ・固定電話の呼び出し音・・・約60db
  • ・目覚まし時計のベル・・・約80db
  • ・布団をたたく音・・・約70db
  • ・車のアイドリング音・・・約80db
  • ・子どもが室内を走る音・・・約70db
  • ・日常の話し声・・・約60db
  • ・子供を叱る時などの大声・・・約100db

日常生活の中には、上記のようなさまざまな音が存在します。ただ、これらの音が人にとってどのように感じるのかいまいち分からないという方も多いかもしれません。実は、日本国内の騒音の基準については、環境省がある程度の目安を示していて、環境省が規定している環境基準では、住宅地で誰もが快適に過ごせる音環境として「昼間で55dB、夜間で45dB」としています。つまり、上述したような、日常生活の中で誰もが生じさせてしまう音でも、『騒音』とみなされてもおかしくないという訳です。こういったこともあり、近年では快適な住空間を作るための防音工事が人気になっているのですが、実際にお金をかけて工事したものの、その結果を「失敗した…」と後悔してしまっているような方も意外に少なくないと言われています。
そこでこの記事では、防音工事により快適な住空間を手に入れたいと考えている方のため、防音工事を依頼する前に押さえておきたい心構えのようなものをご紹介していきます。

防音工事に失敗しないためのポイント

それでは、防音工事を専門業者に依頼して行う前に、皆さんがおさえておくべき心構えについて、いくつかのポイントをご紹介していきましょう。防音工事は、最近でこそ一般住宅のリフォームの中でもそれなりに人気が高い工事になってきていますが、ほとんどの方は『初めての経験』として防音工事の依頼をすることになると思います。もともと防音工事と言うものは、楽器の演奏を生業にする方など、特殊な要望がある方のみが行うもので、一般の人には関わり合いのない工事と言うイメージが強いです。

それが、人々の生活空間が近くなってきた、ライフスタイルが多様化してきたということを要因に、音の悩みを抱えてしまう方が増えたことから、近年急激に需要が高くなっているのです。しかし、他のリフォームとは異なり、目に見えない音の問題を解消する目的で行うものですので、工事後に「こんなはずじゃなかった…」となってしまう方が意外に多いと言われています。ここでは、防音工事に失敗しないため、実際に工事を依頼する前に押さえておくべきポイントをいくつかご紹介しておきます。

目的を明確にする

まず一つ目のポイントとしては、防音工事を行う『目的』を明確にするというものです。一口に防音工事と言っても、それを必要とするシーンは人それぞれです。

例えば、近所から聞こえてくる音を防いで静かに暮らしたいという目的から、自分が出す生活音で近隣とトラブルを抱えないようにしたい、音楽や映画鑑賞をするときに余計な音を防いで、音質を損なわないようにしたいなど、さまざまな目的が存在します。他にも、オフィスなどでは、会議の音が外に漏れて情報流出しないようになど、セキュリティを目的として防音工事を検討するような場合もあるのです。

なぜ防音工事をする前にその目的を明確にしなければならないのかと言うと、防ぎたい音の種類によって必要な対策が変わってしまうからです。例えば、楽器の防音を考えた場合でも、トランペットなどの管楽器の防音とドラムなどの打楽器では、必要な対策が全く違います。どちらの楽器も空気中に音が放出されるのですが、打楽器は振動音まで床に伝わりますよね。つまり、打楽器の場合は、そういった振動音まで抑えなければならないことから工事も大掛かりになるわけです。他にも、「ご近所さんに迷惑をかけなければ家の中なら音漏れしても良い」と言う場合と「家族にも迷惑をかけたくない」では、防音のレベルが全く変わります。

このように、防音工事を行う時は「どの音をどのようにして、そのレベルまで抑えたいのか?」を明確にすることがスタートラインだと考えておきましょう。

業者選びの注意点

防音工事は、一般のリフォーム工事以上に慎重に業者選びをしなければいけないと考えてください。本格的な防音室を作る場合でも、部分的な防音工事の場合でも、仕上がりの美しさはどのリフォーム業者に頼んでもそこまで大きな格差は出ないと考えても良いです。しかし、防音工事は見た目が重要な工事ではなく、「目的の音を防げているのか?」が勝負になるのです。そして、防音の知識を持つ業者とそうでない業者であれば、目に見えない部分の技術が大幅に異なり、防音性能が全く違うものになるのです。

特に近年では、防音工事の需要が年々高くなっていることから、もともとただの内装リフォーム業者が防音工事も請け負うようになっています。これは、防音材のメーカーなどの仕様書通りに施工すれば「ある程度の性能は発揮するだろう」という考えの元、実際に工事直後はそれなりに音が小さくなることから、お客様とトラブルにまではならないケースが多いからですね。

ただ、防音の知識が無い業者が行った工事は、その性能を長期間維持できない、もしくは本来はもっと高性能になっていたはずなのにそこまでの能力を発揮できないという問題があるので注意しましょう。営業に来た防音工事業者が知識や技術力を持っているのか話しただけではなかなか見極められないのですが、過去の実績や防音の体験ルームなどを用意しているかでチェックしてみると良いでしょう。

防音工事は、他のリフォーム工事と比較すれば、高額になってしまいがちですので「できるだけ安く」と考えてしまう方も多いです。しかし、多くの場合「安かろう悪かろう」と言う結果になり、かけたコストを全て無駄にしてしまう結果を招きます。

工事完了後のことをしっかり想定しておく

防音工事は、目に見える問題を解消するものではないので、工事前に想定していた結果とは違うことに不満を感じてしまい、工事したことを後悔してしまう方が一定数います。

そもそも防音工事と言うものは「完全に無音にするものではない」という想定をしている方が少ないですし、音の感じ方は人によってかなり違うということを理解していない人も多いのです。例えば、業者との打ち合わせで「外から聞こえる音は小さくなりますか?」と業者に質問すれば「防音工事をすれば小さくなりますよ!」と答えるはずです。

しかしこういった抽象的な質問と答えでは、あなたと業者とのイメージに誤差があり、工事後に「小さくなるといったのになっていないじゃないか!」とトラブルになってしまう可能性があるのです。このような場合でも、機械を使って測定すれば「数値が下がっている=音は小さくなっている」と判断されてしまいます。
こういった事を防ぐためには、防音工事業者との打ち合わせでは、価格などにばかり注目するのではなく、工事内容や工事を行うことで得られる結果について納得いくまで説明してもらうようにしましょう。そもそも防音工事のイメージがあまりわかない…と言う方であれば、業者が用意しているモデルルームなどで、防音室の効果を体験してみるのも手だと思いますよ。

まとめ

今回は、防音工事を依頼する前に押さえておきたいお客様の心構えについてご紹介してきました。防音工事は、もともと楽器の演奏を自宅でも行いたいなど、少し特殊な用途を必要とする方のみが行うものでしたが、各家庭の距離が近づいてきた現在、生活音などによる音の問題を解消するために行うという側面が出てきています。

ただ注意しておきたいのは、いくら快適で静かな住環境を実現したいからと言っても、防音工事を行えば全ての音の問題が解消できるわけではないという点を理解しておかなければいけません。特に、マンションなどで発生する足音の問題などに関しては、住宅全体に工事を行うわけにはいかないことから、完全に音が気にならなくなるような環境にはならないのです。

まずは、「なぜ防音工事が必要なのか?」「工事を行ったらどうのようなメリットが得られるのか?」をしっかりと明確にしておくことからスタートしなければいけないと考えてください。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

[trustindex no-registration=google]

古民家再生ショールーム防音工事の匠はショールームがあります

ピアノ防音室

実際に防音工事の匠が施工した防音室で防音性能を体験することで、当社の防音室の機能・音響などを体感していただけます。
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の建物にショールームがある会社さんが多い中、特に施工後にショールームと性能や音の反響がちがうといったトラブルが戸建てのお客様に多い業界ですが、町家再生事業として難易度の高い防音室を防音性能が最も出にくいとされる木造町家のショールームをご用意いたしました。

このページの先頭へ