ご近所トラブルを防止するために行う防音工事!実は防音工事が原因で近隣トラブルが発生することがある!
防音工事は、自宅でピアノなどの楽器演奏を検討している方や、カラオケ・ホームシアターを楽しみたいなど、自分たちが生じさせる音で近隣の方に迷惑をかけないようにしなければ…という心理で行う方が多いです。要は、近隣住民に配慮することで、未然に騒音トラブルを防ごうと考えて防音工事を行う訳です。
ただ、注意しておきたいのは、ご近所さんに配慮するために行う防音工事ですが、油断しているとその工事が原因となってご近所トラブルが発生するケースがあるのです。そこでこの記事では、意外と見落とされがちなリフォーム工事の落とし穴として、リフォーム工事が原因となって発生するご近所トラブルと、その対策について解説します。
リフォーム工事が原因となるトラブル事例について
それでは、住宅周りのリフォームを行う際、皆さんも知っておきたい、工事が原因となるトラブル事例についてご紹介します。防音工事は、近隣の方に配慮する目的で行うものなのに、その工事が要因で近隣の方との関係が悪くなるのは本末転倒です。
ここでは、防音工事に限らず、住宅リフォーム全般で発生し得るトラブル事例を挙げていきますので、覚えておきましょう。
リフォーム工事による騒音でトラブルに
リフォーム工事が原因となるトラブルで、最も多い近隣からのクレームが、工事中の騒音がうるさい…という内容です。
防音工事は、基本的に室内に施す工事ですが、既存の壁を解体する時の音や電動工具による騒音などが発生します。さらに、その他の建物外のリフォームになると、足場の組立てや重機の駆動音など、あらゆる場面で騒音の発生を避ける事が難しいです。
そして、近所に子育て中のご家族などが住んでいる場合、リフォーム工事の騒音が原因で、施主に対して苦情やクレームが入るわけです。住宅リフォームによる騒音は、お互い様の問題なのですが、過去に損害賠償請求にまで発展した事例もあるようです。
■工事騒音トラブルへの対策は?
リフォーム工事を行う際は、一切の騒音を出さずに作業するということなど不可能です。しかし、いくら騒音が生じるものだとは言え、近隣への配慮は必要不可欠と考えてください。
例えば、リフォーム工事の着工前に、音で影響を与える可能性があるお宅については、きちんと挨拶に出向き、工事の期間や騒音の発生について丁寧に説明するという対応が必要です。これをきちんとしておくことで、「突然工事が始まってうるさく感じる…」と言った事態を防ぐことが可能です。リフォーム工事による騒音問題は、『突然』という部分を回避するだけでも、近隣の方からの騒音に対する印象と理解が大きく変わります。というのも、どのような建物でも徐々に劣化が進行しますので、ご近所さんもいずれリフォーム工事が必要になり、騒音を出す側に回る時が来るのです。それなのに、きちんと挨拶までしてくれた方には、苦情言うと、自分がリフォームする時もトラブルになってしまうのでは…と考えるはずです。
なお、ご近所さんに挨拶に行くときには、騒音が出そうな日程がわかればそれを伝えておく、早朝や夜間、休日に騒音が出るような作業はしないと説明すると良いと思います。
工事車両の出入りや違法駐車でトラブルに
リフォーム工事の際には、施工業者の車両に関する苦情やクレームも少なくありません。
防音工事などは、足場の組立てなどが不要ですが、材料の搬入、廃材の搬出などで、大型車両の出入りは必須です。そして、住宅密集地の場合、こういった大型車が邪魔になり、ご近所さんの通行が不便になったり、小さなお子様を危険にさらしたりする可能性があるのです。
特に、質の悪いリフォーム業者の中には、駐車禁止区域に車両を停める、幅員の狭い道路に、長時間にわたって工事車両を停めるといった行いをして、ご近所さんからの苦情を招いてしまう恐れがあります。
■工事車両に関するトラブルへの対策は?
施工業者の車両に関するトラブルについては、苦情が来てから移動してもらうといった対応では遅いです。上で紹介したような車両の扱いをして、ご近所さんから苦情が出れば、施主がきちんと管理できていないからだと、ご近所からの印象が悪くなるでしょう。
したがって、こういった問題が起こらないようにするためにも、幅員が狭い道路には停車しないように業者にお願いする、自宅に駐車場があるのであれば、一時的に自分の車を移動させ、駐車場を利用してもらう、ない場合は近くのコインパーキングを使用してもらうようにお願いしましょう。
なお、材料の搬入などで、どうしても家の前に車両を停車させる必要がある場合、事前に近隣の方にスケジュールなどを説明しておきましょう。
工事に伴う臭いやホコリでクレーム
リフォーム工事で、周辺環境に影響を与えるのは騒音だけではありません。例えば、外壁や屋根の塗装工事を行う場合、塗料の臭いが広範囲にまで届きますし、工事内容によってはホコリが舞って近隣の方の洗濯物などを汚してしまう恐れがあります。
実際に、リフォーム工事の際には、臭いやホコリなどの影響から「洗濯物が干せない」「換気ができない」と言ったクレームに発展するケースがあります。
■臭いやホコリに関するトラブルへの対策は?
リフォーム工事に伴う臭いやホコリ問題については、騒音と同じく工事着工前に影響がありそうなお宅にきちんと挨拶に行くという対策が一般的です。
もちろん、「臭いが出ます!」と伝えに行くだけでなく、臭いやホコリで影響が出そうな日程を事前に知らせておき、近隣の方が外に洗濯物などを干さないような対応ができるようにしましょう。防音工事なども、騒音が出そうな工程、ホコリが舞いそうな工程などは事前に分かっていますので、その辺りのスケジュールをきちんと伝えておくことで、臭いやホコリの悪影響を軽減することができます。
リフォーム工事による近隣トラブルを防止するための対策
それでは最後に、防音工事などの住宅リフォームを行う際、近隣住民とのトラブルを避けるため、工事着工前後に行っておくべき対策をご紹介します。
①工事着工の前に挨拶に伺う
リフォーム工事を行う前は、必ず近隣の家に挨拶に出向きましょう。
住宅リフォームを行う時には、臭いやホコリ、騒音が伴うのは避けようがないのですが、事前の挨拶の際に、丁寧に説明し、ご近所さんが何らかの対策を施せる余地を与えることで、苦情やクレームの発生確率を大幅に下げることが可能です。上でも紹介しましたが、臭いや騒音、ホコリが出るような作業の日時や、大型車両が出入りする日時を事前に共有すれば、近隣の方も対応がしやすく、心象が良くなると思います。
なお、挨拶に伺う際は、ちょっとした粗品を持っていくと、より効果的です。
②工事完了後もお礼の挨拶に行く
これは意外にやっている方が少ないのですが、近隣へのご挨拶は、工事前だけでなく、工事完了後も忘れずに行くのがオススメです。
工事前に挨拶したとはいえ、騒音やホコリなどで迷惑をかけたことに間違いありませんし、対応してくれたことに対するお礼は言うべきでしょう。また、近隣住人も、工事が完了したことを認識できますので、安心して普段通りの生活に戻ることができるはずです。
まとめ
今回は、防音工事などの住宅リフォーム工事について、工事によってゴン近所さんとトラブルになるようなことを防ぐための基礎知識をご紹介しました。どのような建物でも、長く住んでいればいずれリフォーム工事をしなければならない時がやってきます。もちろん、防音工事については、何らかの音の悩みを抱えている方や、大きな音を生じさせる可能性がある方のみが行うものですが、工事を行う時には他のリフォーム工事と同じく、騒音などにより近隣に迷惑をかけてしまう可能性があります。
防音工事については、多くの場合、近隣への配慮のためにコストをかけて工事を行う訳ですので、その工事でご近所トラブルが発生すると、本末転倒です。したがって、この記事で御紹介した内容をきちんと頭に入れ、トラブルにならないような対応を心がけましょう。