家族の生活音がストレスに!?身の回りにある音の大きさと防音対策について

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音に関する問題と聞くと、外から入ってくる騒音をストレスに感じる…という状況をイメージする人が多いと思います。例えば、隣に住む人の話し声が聞こえてくる、上階に住む人の足音が聞こえる、家の前を通る車の走行音に悩むなど、屋外から部屋の中に音が侵入してきて、それを騒音に感じてしまう…というパターンですね。実際に、我々のような防音工事業者への相談については、外部騒音を軽減するための対策を施したいという依頼が非常に多いのは確かです。
しかし、音の問題に関しては、外部から侵入する音だけが原因になるのではなく、同じ建物内で過ごす家族が発生させる音を騒音に感じ、ストレスを抱えてしまう…なんてケースも少なくないとされています。どのようなご家庭でも同じですが、普段何気なく生活をしているだけで、さまざまな音を発生させています。そして、そのような音の中には、人が不快に感じる音も含まれていて、家族が生じさせる生活音によるストレスに悩む人もたくさんいるとされているのです。
そこでこの記事では、日常生活の中で身の回りにある生活音の大きさや、家族の音をストレスに感じてしまった時の軽減策について解説します。
身近にある騒音になり得る生活音とその大きさについて
日常生活の中では、家族が生じさせる音に対して「うるさいな」と騒音に感じてしまう…なんてケースは少なくないと思います。どのようなご家庭でも、家族の話し声や足音、ドアの開閉音やTVの音声など、さまざまな音が身近に存在しています。さらに、昨今では、昼間も自宅で仕事をするテレワークといった新たな働き方が一般的になっていて、掃除機や洗濯機など、家事に係わる音が問題になってしまうことも多くなっているのです。
これらの音は、生活音とひとまとめにされているのですが、それぞれの音の大きさをしっかりと確認してみると、十分に騒音に感じてしまう大きさが生じる物も多いです。そこでここでは、身近に存在する生活音について、音の種類とその大きさをご紹介します。
騒音になり得る生活音と音の大きさ
ここでは、東京都環境局のwebサイト内で紹介されている、身近にある音の種類とその大きさを引用してご紹介します。
- ・エアコン:約41~59デシベル
- ・温風ヒーター:約44~56デシベル
- ・換気扇:約42~58デシベル
- ・風呂又は給排水音:約57~75デシベル
- ・家庭用ヒートポンプ給湯機(エコキュート):約38~46デシベル
- ・家庭用燃料電池コージェネレーションシステム(エネファーム):約37デシベル
- ・洗濯機:約64~72デシベル
- ・掃除機:約60~76デシベル
- ・目覚まし時計:約64~75デシベル
- ・電話のベル音:約64~70デシベル
- ・テレビ:約57~72デシベル
- ・犬の鳴き声:約90~100デシベル
- ・子供のかけ足:約50~66デシベル
- ・ふとんをたたく音:約65~70デシベル
- ・車のアイドリング:約63~75デシベル
- ・人の話し声(日常):約50~61デシベル
- ・人の話し声(大声):約88~99デシベル
参照:東京都環境局より
音の大きさは「dB(デシベル)」という単位で表されています。一般的に、騒音を気にせず過ごせるのは40dB以下の環境であり、60dB以上の音量になると「うるさい」と感じる人が多くなるとされています。また、80dB以上の音になると、日常生活に支障が出るレベルとされています。
上述した音は、外部から侵入してくるのではなく、同じ建物の中で発生する音のため、窓などの障害物によって軽減される量も少なくなります。つまり、身近に存在する生活音の多くは、人が「うるさい」と感じる騒音になり、特にテレワークなどで仕事に集中したい時にこれらの音が聞こえてくると、大きなストレス源となってしまう訳です。
生活音による騒音問題を軽減する対策について
前項でご紹介したように、普段何気なく日常生活を送っている中には、人にストレスを与えてしまうような騒音が身近に潜んでいるのです。特に昨今では、テレワークやリモート学習が一般的になっており、自宅で仕事や勉強に集中したいという方が増えています。そのため、一昔前までは気にもならなかった家族が生じさせる音を騒音に感じてしまう…なんて方が増えているのです。
それでは、家の中で家族が発生させる騒音は、どのようにして軽減すれば良いのでしょうか?ここでは、生活音に対する効果的な防音対策をいくつかご紹介します。
吸音性や遮音性のあるシート・ボードを壁に設置する
近年では、ホームセンターなどに簡易的な防音対策グッズが販売されています。その中には、壁に設置するだけで吸音や遮音効果をもたらせてくれる防音ボードなどと呼ばれる製品が存在します。
仕事中に家族が生じさせる音に悩みたくない、web会議などの話し声で家族に迷惑をかけないようにしたいと考える場合、仕事用の部屋の壁に防音シートやボードを張り付けると効果が期待出来ます。もちろん、専門業者が作る本格的な防音室よりは限定的な効果しかありませんが、生活音を軽減する程度の効果は期待できます。パーテーションは、視界を遮ってくれるという効果ももたらせてくれるため、仕事中に家族が近くにいても視界に入らなくなることで、集中力を乱しにくいという効果も期待できます。
パーテーションで区切る
周囲に音が伝わりにくくする、または周囲からの音を低減する工夫として、パーテーションを使う方法があるのですが、これはオフィスなどでも良く採用されている手法です。
例えば、テレワークのために専用の部屋を用意できずリビングの一角で仕事をしているなんてケースの場合、仕事用のスペースをパーテーションで区切ると良いです。ある程度の高さがあるパーテーションであれば、多少の遮音効果が期待出来、お互いの音の伝わりを軽減することが可能です。また、パーテーションの中には、吸音効果を持ったものもあるので、そういった高性能な製品を選べば、より高い効果を期待できます。
家具の位置を変える、振動する家電には防振対策を施す
隣室のテレビの音が気になる、エアコンの室外機や冷蔵庫、洗濯機の稼働音が気になる…なんて場合、家具の配置や音を軽減するための工夫を行うと良いです。
例えば、テレビの音声については、壁から少し離して設置することで、音が隣室に伝わりにくくなります。エアコンの室外機や洗濯機など、振動による騒音が生じる家電については、防振ゴムを設置して振動の伝わりを防ぐといった対策が有効です。
音に関するルールを作る
家族間の音の問題ならではの対策として、音に関するルールをしっかりと作るという方法があります。外部から侵入する音に関しては、なかなか話し合いで解決するなんてことは難しいのですが、家族間の音であれば、きちんとルールを設けることで騒音問題を解決することも不可能ではないのです。
例えば、仕事や勉強などに集中している家族がいる時には、なるべくその場所から離れる、大きな音が出ないようにするといったルール作りは簡単にできますよね。掃除機をかける、洗濯機を回すなどの家事についても、テレワークで働く家族がいる場合、その人が休憩中に行うなど、いくらでも協力することができるはずです。コストをかけない対策としては非常に有効な方法なので、検討してみましょう。
高気密・高断熱の家にする
これは、家づくりの際に行っておくべき対策です。昨今では、光熱費削減効果が高く、快適な住空間が作れると、高気密・高断熱な住宅が人気になっています。実は、住宅に気密性や断熱性は、防音性能にも関係するのです。
私たちの耳に聞こえる音は、空気や物の振動によって伝わっていきます。つまり、高気密な家の場合、部屋間の空気のやりとりが少なくなるので、その分、音が伝わる量も少なくなるのです。また、家の断熱性を高めるための断熱材については、防音工事の吸音材として活躍するグラスウールなどが採用されているため、しっかりと断熱対策が施された家は、高い防音効果が得られるのです。
間取りの工夫をする
これもどちらかというと、家づくりの段階で行っておく対策となります。簡単にいうと、音の影響をうけたくない部屋と音が発生しやすい部屋を離すといった感じです。例えば、寝室やリビングからトイレや浴室を離した位置に配置するといった工夫を行うだけで、就寝中やリビングでくつろいでいる際に排水音などに悩まされる可能性が少なくなります。
この他、仕事や勉強のための部屋について、キッチンや洗濯機がある部屋から離しておくことで、家事の音が気になる…なんてことも少なくなるでしょう。家の間取りは、生活動線を考慮して配置を決める場合が多いのですが、音によるストレスを抱えたくないという方は、音の発生源と静かな環境が求められる部屋を離すということも考慮しましょう。
防音室を作る
最後は、専用の防音室を作るという対策です。例えば、ホームシアターで映画や音楽を楽しみたい、自宅でカラオケを楽しみたい、楽器の練習をしたいなどという希望がある場合、その音で家族がストレスを抱えないようにするためにも、専用の防音室を設ける必要があるでしょう。防音室は、近隣の方へ音に関する配慮をすることが目的と考えられがちですが、同居する家族にも音で影響を与えるのは間違いないわけですので、しっかりと配慮しなければならないのです。
なお、昨今の防音室は、家族が生じさせる音を聞こえなくするということを目的に作る方も増えています。例えば、テレワーク用の防音室を作り、家事や家族の話し声で集中力が乱されないようにするといった用途です。防音室は、音漏れを防げるだけでなく、音の侵入も防ぐことができるので、静かで集中できる環境を作るには最適な方法といえます。
まとめ
今回は、家族間で発生する騒音トラブルについて、どのような音が問題となるのか、また音を軽減するためにはどのような対策を施せば良いのかについて解説しました。
記事内でご紹介したように、私たちの日常生活の中にはさまざまな音が存在しています。そして、多くの音は人が騒音に感じるレベルの音量となっていて、時に、家族がその音をストレスに感じてしまう…なんてことが考えられるのです。特に昨今では。テレワークなど、自宅で仕事をするという働き方が当たり前になっていることから、テレワーク専用の書斎などを用意していないお宅の場合、家事の音が問題となってしまうこともあるとされているのです。
記事内では、家族間の音の問題を解消するための対策なども解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。