電子ピアノにおすすめとかあるの?電子ピアノのメリットと購入するピアノ選びのポイント

アップライトピアノやグランドピアノなど、アコースティックピアノと比較すると、気軽に購入でき、マンションなどでも設置がしやすいと人気なのが電子ピアノです。電子ピアノは、デジタル機器ならではのメリットがたくさん存在していて、ご家庭ごとの距離が近くなっている現在では、騒音問題に配慮しながらピアノの演奏ができる楽器として注目されています。特に、分譲マンションなど、集合住宅で生活する方が、大人になってからピアノを始めるといった場合、コスト面を考えても電子ピアノがピッタリだと言われています。

そこでこの記事では、そもそも電子ピアノとはどういった楽器なのか、また電子ピアノにすることで得られるメリット、実際に電子ピアノを購入しようと考えた時、自分に合った製品を選ぶためのポイントなどを解説します。

電子ピアノとは

それではまず、電子ピアノがどういった楽器なのかなど、電子ピアノの基礎知識を解説します。

電子ピアノの仕組み

アコースティックピアノと呼ばれるグランドピアノやアップライトピアノは、鍵盤を押すことでハンマーが弦を叩く「ハンマーアクション」と呼ばれる仕組みで音が出ます。ハンマーでたたかれた弦の振動は、他の弦やピアノのフレームに共鳴するため、弾き方の違いによってピアノから鳴る音に微妙な変化を加えることができます。

一方、電子ピアノは、鍵盤を押すとデジタル回路が反応して、内蔵されたスピーカーから音が出る仕組みになっています。電子ピアノは、音源もいくつかの種類が用意されています。例えば、グランドピアノの音を録音しそれを再生する「サンプリング音源」と、鍵盤が叩かれたときにリアルタイムで計算を行い、アコースティックピアノに近い音を鳴らすという「モデリング音源」に大きく分けることができます。

電子ピアノを利用するメリット

電子ピアノは、アップライトピアノやグランドピアノなど、アコースティックピアノと比較すると、コンパクトで置き場所に困りにくいのがメリットです。さらに、ピアノから生じる音量を調節することができますし、ヘッドホンを利用すれば一切の音を外に出すことなくピアノの練習ができるという点が非常に大きなメリットになります。ピアノの演奏音を出さずに練習できる点は、集合住宅や夜間でも、近隣に騒音で迷惑をかける心配がありません。家と家の距離が近くなっている近年では、このメリットから電子ピアノを選ぶ方が増えているようです。

この他にも、電子ピアノの中には、ピアノ以外にもさまざまな楽器の音を出せるという魅力が存在しています。デジタル機器ですので、録音機能や音楽自動再生機能などが搭載されているものもあり、作曲やバンド演奏などにも役立てることが可能です。

電子ピアノの価格帯

電子ピアノは、選択する機種によって価格が大きく異なります。安い物であれば5万円程度出せば購入できますが、中には30万円を超えるようなハイスペックな電子ピアノも存在します。なお、価格帯によって、電子ピアノに搭載されている機能などがかなり違ってきますので、電子ピアノの利用用途に合わせて、慎重に選ばなければいけません。例えば、ピアノ初心者の方で、弾き心地や機能などに特にこだわりが無いというのであれば、導入モデルの5~10万円程度のもので良いと思います。ただ、音質やアコースティックピアノの弾き心地に近い物を求めているという場合は、最低でも20万円以上のハイスペックモデルを選びましょう。

なお、電子ピアノの導入費をできるだけ抑えたい…と考えるのであれば、中古品や卓上で使用できるキーボードを選ぶと良いでしょう。

電子ピアノの選び方について

それでは次に、実際に電子ピアノを購入しようと考えた時、機種選びの際に確認しておくべきいくつかのポイントを解説します。電子ピアノを購入する方の中でも、アコースティックピアノの練習が目的という場合は、以下に紹介するポイントはしっかりとチェックしておきましょう。

鍵盤の「タッチ」をチェック

電子ピアノは、樹脂鍵盤や木製鍵盤、ハイブリッド鍵盤など、さまざまな種類の鍵盤の素材が用意されていて、購入するものによって「タッチ」がかなり変わります。例えば、自宅練習用として電子ピアノの導入を検討しているという方は、出来るだけアコースティックピアノに近い感覚で演奏できる機種を選ぶべきです。

鍵盤の材質による違いは、以下のような感じですので、購入する際には、実際に触れて確認してみましょう。

  • 樹脂製鍵盤
    樹脂製鍵盤は、プラスチックらしい軽いタッチが特徴です。実際に演奏してみると、鍵盤に爪が当たる際のカチカチという音が気になるという声が多く、アコースティックピアノとは弾き心地がかなり違うので注意しましょう。
  • 木製鍵盤
    木製鍵盤は、ほどよい重さを感じ、アコースティックピアノに近い弾き心地と言われています。実際に、ピアノのレッスン用に使用されることも多いです。
  • ハイブリッド
    ハイブリットは、木製鍵盤に加えて、アコースティックピアノの鍵盤アクション構造も搭載しています。つまり、より本物に近い感覚で練習したいと考えている方は、これがおすすめです。

電子ピアノの導入目的が、アコースティックピアノの自宅練習用の場合、いくら安価でも樹脂製鍵盤を採用している電子ピアノはオススメできません。弾き心地がかなり違うので、ピアノの上達に邪魔になる可能性すらあるでしょう。

電子ピアノの「ペダル」をチェック

電子ピアノは、ペダル付きのモデルや後付けでペダルを接続できる物など、いくつかの種類が存在します。ピアノのペダルは、音色を変えたり、音に強弱をつけたりするために使用するもので、より表現の幅を広げることが可能です。アコースティックピアノの練習用として電子ピアノを購入する場合は、ペダルの使い方をきちんと学べるようなものを選ぶようにしましょう。

電子ピアノのペダルは、モデルによって踏み心地が異なるので、鍵盤のタッチ感と同様、アコースティックピアノに近い物を探しましょう。

音色とスピーカーをチェック

電子ピアノは、グランドピアノの音を分析し録音する「サンプリング」をすることで、本物に近いリアルな発音が可能です。音のもととなるピアノ音源は、メーカーや機種によって異なり、高価格なハイスペックモデルほど多くの音色を搭載しているので、より多彩な表現が可能になります。
さらに、電子ピアノに搭載されているスピーカーの数や質によって、演奏時の臨場感などが変わります。よりアコースティックピアノに近い音響で演奏したいと考えている方は、4機以上のスピーカーを備えたモデルを選びましょう。

同時発音数をチェック

自然で滑らかな演奏を希望するのであれば、同時発音数が64音以上のものがおすすめです。

同時発音数とは、「鍵盤を叩いたときに同時に鳴らせる音、もしくはその余韻の数」を意味しています。この数が多ければ多いほど、演奏時に不自然に切れる音が少なくなるため、ペダルを使って音を延ばすような演奏をした時でも、美しい響きを再現することができます。

便利機能をチェック

電子ピアノは、機種によって搭載されている便利機能がかなり異なります。代表的な便利機能を以下でご紹介しますので、必要な機能が搭載されているものを選ぶと良いでしょう。

  • 音色の切り替え機能
    電子ピアノの中には、ピアノ以外の音を出せるモデルがあります。このタイプは、演奏の幅を広げられる他、お子様が遊び感覚でピアノに触れられる点がメリットです。この他にも、ドラムやベースの音色を聞くことができるため、曲作りの際にピアノ以外のパート演奏をイメージしやすい点がメリットと言われています。
  • 録音機能
    録音機能は、自分の演奏を録音し、後からうまく演奏できているのかを振り返ることができます。自宅練習を行う時、一人で練習する場合でも、客観的に自分の演奏をチェックすることができるようになるため、苦手な箇所や癖の改善に役立てることができるでしょう。他にも、ふと思い浮かんだフレーズをメモ代わりに録音しておくといった使い方ができるので、曲作りの際にも役立つ機能です。
  • 音楽自動再生機能
    この機能は、一般的に良く知られているピアノ楽曲が収録されていて、ピアノ初心者のお子様などが、耳で曲を覚える際に役立てることができます。ピアノの練習に特化したような電子ピアノの中には、曲に合わせて鍵盤が光るものもあり、目と耳で演奏のイメージを作ることができるようになります。最近では、スマホなどとBluetooth機能でつないで、保存している音楽ファイルを再生できるような電子ピアノも登場しています。

ヘッドホン機能や付属品をチェック

マンションなどで電子ピアノが選ばれるのは、ヘッドホン端子が備えつけられていて、ヘッドホンを繋いで演奏すれば、音が外に漏れる心配がなくなるという機能が大きいです。ヘッドホン機能があることから、隣家との距離が近くても、時間帯を気にせずにピアノの練習が可能です。そして、電子ピアノの中には、ヘッドホンそのものが付属品としてついてくるモデルがあるので、電子ピアノを選ぶときには、そういった点も確認しておきましょう。

当然、多くの付属品が付いてくるものほど価格が高くなるのですが、後から別々に集めるよりは安価に収まりますし、手間もありません。したがって、電子ピアノを購入する時には、ピアノ本体以外に何が付属されているのかをしっかりと確認してください。

電子ピアノのサイズについて

最後は、電子ピアノのサイズについてです。当然ですが、電子ピアノを購入する際には、設置予定場所に合わせたサイズのものを選ぶ必要があります。電子ピアノは、アップライトピアノやグランドピアノと比較すれば、かなりコンパクトになっていますが、それでも、88鍵盤の電子ピアノで横幅は約1.4mほどになります。さらに、奥行きに関しては、モデルによって格差が生じ、コンパクトなモデルでも30cmほど、スタンダードなキャビネットタイプで45cmほどになります。電子ピアノを購入する際には、演奏を予定している場所の寸法をきちんと計測してから購入する機種を選びましょう。

なお、設置場所の確保が難しいという場合は、卓上タイプの購入も検討しましょう。卓上タイプであれば、気軽にもって移動させることができるので、少ないスペースでも電子ピアノを使うことができます。

電子ピアノの防音対策について

電子ピアノは、音量の調節が可能、ヘッドホンを繋ぐことで、外に演奏音が出なくなるのが特徴で、この機能から、電子ピアノは防音対策を行わなくても、自由に演奏ができると考えている方が多いです。確かに、アコースティックピアノと比較すると騒音トラブルの可能性がグッと低くなりますので、マンションなどの集合住宅で、自宅練習用にピアノを設置したいと考える場合、電子ピアノが有力な選択肢になっています。

ただ、「電子ピアノであれば絶対に騒音の心配はない!」と考えているのであれば、大きな間違いと言わざるを得ません。実は、電子ピアノは、演奏音ではないちょっとした音で近所の方とトラブルになるケースもあるのです。ここでは、騒音トラブルを防止するため、電子ピアノの騒音問題に関する注意点をご紹介します。

ペダルを踏む音が騒音に

これはアコースティックピアノでも問題になることがあるのですが、ピアノの演奏時に、ペダルを踏む際、その音が階下に伝わり騒音トラブルになるケースがあります。多くの方は、「ヘッドホン越しにピアノの音を聞いているから騒音の心配はない」と考えてしまいますが、ヘッドホンを装着していても、ペダルの音は消すことができません。
電子ピアノのペダル音は、そこまで大きな音ではないのですが、振動と共に階下に伝わる、一定のリズムで長時間聞こえるといったことから、騒音問題に発展するケースが多いようです。電子ピアノのペダル音は、防音仕様のマットなどを下に敷くなどして、きちんと対策を施した方が良いでしょう。

鍵盤を弾く音

ピアノの騒音問題では、鍵盤をはじく音、打鍵音でトラブルに発展するケースがあるようです。

電子ピアノの演奏ともなれば数百数千回もの打鍵音が響くことになります。そこまで大きな音ではないのですが、長時間何回も同じような音が続くことから、隣家の方はかなり迷惑に感じてしまう可能性があります。打鍵音についても、ヘッドホンをしているからと言って防ぐことはできません。それどころか、ヘッドホンをしていることで、どの程度の打鍵音になっているのかが認識できず、つい打鍵音が強くなってしまうことまであるようですので、注意してください。

電子ピアノは、音を外に漏らさずに演奏できることに油断し、夜中でも平気で演奏する方がいます。しかし、周囲が寝静まった深夜であれば、打鍵音やペダル音はかなり目立ちますので、高確率で騒音トラブルに発展すると考えましょう。

ちなみに、木造のアパートなど、壁が薄い賃貸住宅の場合、鍵盤を叩くときの振動が隣家に伝わりトラブルになったなんて事例もあるようです。鉄筋コンクリート造の頑丈なマンションの場合、鍵盤を叩くときに振動まで拡散することはないと思いますが、建物構造によっては注意が必要なので、振動をカットしてくれるマットなどを電子ピアノの下に敷くと良いでしょう。

まとめ

今回は、音量の調節が可能、ヘッドホンを装着することで外に演奏音を出さないなどと言った特徴から、マンションなどの集合住宅でピアノの演奏を検討している方に人気の電子ピアノの特徴をご紹介しました。

電子ピアノは、直接的な演奏音を外に出さずにピアノの練習ができることから、時間帯を気にすることなく、自由にピアノを演奏できると考えている方が多いです。もちろん、アコースティックピアノを演奏するのと比較すると、騒音問題に発展する可能性をかなり低くすることができるのも確かだと思います。しかし、記事内でご紹介したように、電子ピアノだからと言って絶対に騒音問題を防げるわけではありません。実際に、過去には、電子ピアノの打鍵音やペダル音を原因として近隣の方から苦情を言われたという事例も存在しています。

電子ピアノの防音対策は、本格的なピアノ防音室と比較すると、低コストで実現することも可能です。ただ、本格的にピアノの練習をさせたいと考える場合、防音室とアコースティックピアノを用意してあげるのが最もオススメなのは間違いありません。この辺りは、コストの問題も関係しますので、慎重に検討すると良いでしょう。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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