ピアノの防音室が欲しい!防音工事の相見積もりってどこを比較したらいいの?

今回は、業者に防音工事を依頼したいとお考えの方が、おさえておきたい見積書の比較ポイントをご紹介していきたいと思います。

自宅にピアノ用の防音室が欲しい、カラオケを自宅でも楽しめるように防音工事を考えているという場合、皆さんはどういった行動に出るでしょうか?ほとんどの方は「ピアノ 防音工事」などと言ったキーワードを使ってインターネット検索を行い、良さそうと感じたいくつかの業者に現地調査と見積りをお願いするという行動に出るでしょう。なお、たまにこの段階で1社に絞って見積書の提出をお願いする方がいるのですが、防音工事のような比較的高額な住宅リフォームの場合、最低でも3社程度から相見積もりを提示してもらうのがオススメです。というのも、防音工事は、目に見えない音を防ぐための対策ですし、特殊な技術が必要であることから、一般の方は防音工事の費用相場が全く分からないはずです。そのため、1社からしか見積りをとらなかった場合、その業者が無茶苦茶な提案や見積りを提示していたとしても、それがおかしいことに気付けず、工事後に後悔する結果になる可能性が高いのです。

複数の業者から見積もりを貰えば、最低限、どのような工事が必要で、いくらぐらいかかる工事なのか予想がつきますので、面倒に思うかもしれませんが、必ず複数の業者に相談しましょう。もちろん、複数の業者から見積もりを取った場合、何に注目して比較検討すれば良いのか分からないという方が多いと思いますので、この記事では、防音工事の見積書を比較する時のポイントをご紹介します。

防音工事の見積書は何を見れば良い?

防音工事を検討した場合、防音工事業者に連絡すれば、現地調査を行ったうえで、どういった防音工事が必要なのか、また防音工事にいくらぐらいかかるのかと言った、提案書と見積書を提出してもらうことができます。ただ、防音工事は、その他の住宅リフォームと比較すると、専門性が高いため、提出された見積書について、何を確認すれば良いのか分からない…と言った声も多いです。

そのため、お客様の中には、「見積書の中身まで素人の自分が確認しても意味ない」などと考えて、見積り金額の総額だけをチェックして最も安価な業者に防音工事を依頼するといった選び方をする方までいるそうです。はっきり言っておきますが、こういった防音工事業者の選び方は、失敗の原因となりますので絶対にやめましょう。見積書の総額だけを見ても、あなたが本当に必要な防音工事の内容になっているのか分かったものではありません。

そこでここでは、防音工事業者が提示してきた見積書に関して、お客様側が最低限確認すべきポイントをご紹介します。

「一式」という表現に注意

これは、防音工事に限らず、住宅リフォーム全般の見積書に言えることです。見積書を作成する時には、『一式』で表記される項目が必ずあるので、一式表記を利用している業者全てが悪徳業者ではありません。しかし、この『一式』表記が多用されていて、どのような材料が使用されるのか、詳細な作業内容がわからないといった見積書になっている場合は注意が必要です。

一般的に、見積書には概算見積書と正式な見積書があります。概算見積書については、お客様に工事にかかる費用をイメージしてもらうためのものですので、一式表記が使われることが多いです。しかし、正式な見積書になってくると、一式表記をそこまで多用することはありません。一式表記する場合でも、別紙などを使って、詳細な内容は明記しておくといった対応がなされるのが一般的です。
しかし、業者によっては正式見積りの際にも、一式表記を多用する場合があり、この表記は、以下のような目的が考えられます。

  • ・見積書作成の手間を省くのが目的
  • ・あいまいにしておきたい項目、詳細を突っ込まれたくない場合

要は、業者側が手抜きをしたい、無理矢理利益を作りたいなどと言った考えで一式表記が多用される場合が多いので、そういった業者は注意しなければいけません。もし、あなたが相談した業者から一式表記が多用された見積書が提示された場合は、「一式の内訳を教えていただけますか?」などと、業者に説明を求めるようにしましょう。基本的に、ここできちんと答えられない業者は少ないのですが、曖昧でよく理解できない説明をしてくるようであれば、候補から外すのが無難です。

防音性能の保証はあるか?

防音工事は、比較的高額な工事になってしまうため、見積書の総額の「安さ」を最も重視する方が多いです。しかし、いくら安い業者だとしても、あなたが求める防音性能が出ないのであれば、お金をかけて工事をする意味がないと考えなければいけません。防音工事は、多くの方が「隣家に音で迷惑を掛けないようにする」のが目的ですので、それを実現できる中で最も安い見積りと言った感じに「防音性能>工事費の安さ」と言った優先順位を忘れないでください。

こういったことから、防音工事の見積書を提示してもらう際には、「工事による防音性能を数値化して保証してくれるのか?」という点を契約する前にしっかりと確認してください。業者の中には、見積書と一緒に「遮音等級D-60(数値が大きいほど遮音性が高いです)」や「隣の部屋の騒音レベルが40dB以下(数値が小さいほど音が小さいです)」などと、工事の防音性能を数値化して保証してくれる業者があります。

こういった防音性能の保証に関しては、必ずしも全ての防音業者が行うわけではありません。なぜかと言うと、防音性能を保証するということは、その分、工事前後に詳細な調査が必要になるということで、防音工事業者からすれば手間が増えることになり、どうしてもコスト高につながってしまう可能性があるのです。
しかし、どうせ防音工事を行うのであれば、きちんと求める性能の防音室を作ってもらうため、価格の安さではなく『防音室の性能』に注目するのが良いと思います。

見積り内容の明確な説明を貰う

最後は、業者が提示した提案書と見積書に対して、あなたがきちんと理解できるように、その内容を明確に説明してもらうということです。当たり前の事のように思えますが、防音工事は非常に専門性が高いこともあり、素人の自分が口を出しても意味がないと考え、業者の言いなりになってしまうケースが非常に多いです。

しかし、防音工事は、あなたの要望を叶えられなければ、いくら工事費が安くても意味がないわけですので、あなたの悩みを解消できるような内容になっているのかは、きちんと詳細な説明を求めなければいけません。きちんと説明を受けておけば、業者の提案が自分の希望に沿ったものになっているのかも確認できますし、後から「こんなはずじゃなかった…」なんて事態を防ぐことができます。住宅リフォームのトラブルは、こういった前打ち合わせを行っておらず、業者と顧客の認識にズレがあることで発生するケースが非常に多いので、この点は注意してください。

なお、見積書や提案書の内容について説明を求めたのに、「自分は営業担当だから工事の詳細は分からない…」など、しっかりとした説明が貰えない、曖昧な返答でごまかすといった対応をとるような業者であれば、考え直す必要があります。
上でもご紹介したように、防音工事は専門性が高いうえ、定価が無く相場が曖昧な業界です。そのため、業界の曖昧さを良しとして知識の少ない人やお金を取れそうな人から「できるだけお金を取る」なんて考えをする業者が存在します。もちろん、大半の業者は誠実に仕事を行っているのですが、あなたの家に来た業者が悪徳業者の可能性もあるのです。したがって、必要以上のお金を請求されないようにするため、不安や疑問があった時には、契約前に質問し、きちんと不安を解消してから話を進めるようにしましょう。

防音工事は性能に注目するのが大切

防音工事の失敗事例としてよくあるのが、「できるだけ安くしたい」などと考えて、予算を渋るあまり中途半端な工事になってしまうというものです。もちろん、お金をたくさん出せば良いというわけではないのですが、無理に予算を削り「安かろう悪かろう」になってしまうと、お金をかけたのに求める性能がでなかった…なんて目も当てられない結果になる可能性があります。防音工事を依頼するときには、最終的に「どんな防音空間を目指しているのか?」ということをしっかりとイメージして、業者と打ち合わせするのが大切です。あと10万円かけていたら満足のいく工事になったのに…なんてことが珍しくないのが防音業界です。
こんなことを防ぐためには。自分がどんなイメージを持っていて、どんな性能が欲しいのかをきちんと業者さんに伝えるのが大切と覚えておきましょう。

まとめ

今回は、これから自宅に防音室を作ろうと考えている方に向け、防音工事業者から提出される見積書の比較ポイントをご紹介しました。

防音工事を検討した時には、ネットで業者を検索し、自宅の近くにある業者や施工実績を多く持っている複数の業者に見積もりを依頼することになります。ただ、複数の業者で相見積もりを行う際には、「最も安い価格の業者」ということを重視するあまり、防音工事の内容をおざなりにする方が意外に多いです。記事内でご紹介しているように、防音工事を成功に導くには、工事価格の安さではなく、あなたが求める防音性能や音響環境が予算の範囲で作れるかという点です。

したがって、この記事でご紹介したポイントをきちんと押さえたうえで、業者との打ち合わせに挑むようにしましょう。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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