防音工事に失敗しないため!業者選びで押さえておきたいポイント
今回は、自宅に防音室を設けたいなどとお考えの方が、工事を依頼する防音工事選びに失敗しないようにするため、知っておきたいポイントについてご紹介しておきます。
最初に言っておきますが、防音工の成否は「どの業者に依頼するのか?」で決まると思っておいて間違いありません。一昔前までであれば、防音工事自体がマイナーな業界だったこともあり、飛行場周辺の住宅で補助金を利用する防音工事の場合以外は、訪問販売すらないような業界でした。つまり、この頃であれば、防音工事を手掛けている業者は、そのほとんどがきちんと防音工事の知識を持っていたので、工事をしたのに「音漏れが…」と言ったトラブルなどが発生するようなことはほとんどありませんでした。
しかし近年では、マンション暮らしの方が増えてきたことや戸建ての距離が近づいたことで、生活音による騒音トラブルが増えており、防音工事の需要が非常に高くなってきています。そのため、現在では、防音工事の知識など何も持っていない一般のリフォーム業者が防音工事を請け負うようになっていて、そういった業者に工事を相談して「高い金をかけたのに、問題を解消できていない…」なんてことになる方が続出しているのです。
そこでこの記事では、皆さんがそのような失敗をしないようにするため、業者探しの前に押さえておきたいポイントをご紹介します。
こんな業者に工事を依頼してはいけない!
それでは、防音工事を依頼すべきではないと考えられる業者の特徴をいくつかご紹介していきましょう。
防音工事業界では飛び込み営業はNG
近年では、生活騒音による音の問題が取りざたされていることから、防音工事の飛び込み営業を行うような業者が登場しているようです。一昔前までは、自衛隊基地や米軍基地、飛行場の周辺は防音に関する補助金があったことから、特定のエリアでは飛び込み営業をされてしまう可能性もありました。
しかし、防音工事というものは「何らかの音の問題を抱えていなければならない」という条件があり、それが外からでは判断のしようがない事から飛び込み営業の価値がないとされていたのです。しかし、マンションや戸建てが密集した地域では、何らかの音の問題を抱えていそうと考えて、防音工事の飛び込み営業を行うような業者が登場しています。
リフォーム業界は、そもそも飛び込み営業を行う業者が非常に多い業界として有名ですが、それは塗装や給湯器の工事など、外から工事の必要性が判断できるから効果的なのです。しかし、防音に関しては、それを必要としているのか全く分からないことから、効率が非常に悪いので、まともな業者なら選択する手法ではありません。それでも、何らかの理由をつけて飛び込み営業をかけてくるような業者が登場しているそうですが、そういった業者は危険だと判断したほうが良いでしょう。
意味不明な大幅な値下げは危険
工事の見積りが提示され、「予算オーバーなので今回は諦めます…」と言ったところ、「それなら○○万円値引きするのでどうですか?」と、意味不明に大幅な値引きを提示してくる業者がありますが、このような業者は信用しない方が良いです。
防音工事は、「音の問題」を解消するための工事で、出来上がった防音室の見た目はいかようにでもできるものです。例えば、壁の中に詰め込む吸音材のグレードを下げる、量を減らすということで、原価を調整することはいくらでもできるのです。
したがって、「200万円は予算オーバーです」と話を断ろうとしたときに、何の条件もなく「それなら150万円にします!」と言って契約を迫ってくるのです。お客様からすれば、「自分に歩み寄ってくれた優良な業者」のように見えるかもしれませんが、最初に200万円かかると提示した見積りが何だったのかという点を疑問に思うべきです。こういった業者は、同じ施工を値引きしても行うというのですが、実際には上述したような材料のグレードを下げたり、量を減らして自社の利益を残すはずです。そして、一般の方は、仕上がりしか見えませんので、コロッと騙されてしまう訳です。
これが良心的なまともな業者であれば、あなたの予算を再度聞いて、その予算内で可能なプランを再提示してくれるはずです。そして、予算内で希望する防音性能が出せないのであれば、正直に「無理です」と言ってくるはずなのです。防音工事は、費用を下げようと思えば簡単にできるのですが、その分防音室の性能も落ちてしまいます。したがって、安易に値引きで契約を迫ってくるような業者と契約してしまうと、結果的にできあがる防音室の性能が足りなくて、使い物にならない…なんて結果になりかねません。
住宅メーカーを挟むと高くなる
防音工事については、直接関わったことがあるという方が非常に少ないと思います。そもそも、防音工事を必要とするのは、何らかの音の悩みを抱えている方や、自分が音を出してしまうので、近隣に迷惑をかけたくないと考えている方だけで、全ての人が必要とする工事ではないのです。
そのため、防音工事が必要になった時に、家を建ててくれた住宅メーカーなどに「防音工事業者を紹介してほしい」と依頼するケースも少なくありません。特に、新築時に防音室を備えておくという場合、住宅メーカーが防音工事業者を見繕っておくとなるケースがほとんどです。
この方法であれば、ある程度の技術力を持った業者を必ず紹介してもらうことが出来ますので、あながち間違った方法ではないと言えます。住宅メーカーに紹介された業者に工事を依頼すれば、それなりの性能を持った防音室は必ずできると思いますよ。しかし、こういった手法の大きな弱点は「住宅メーカーのマージンが入る」ことから、自分で選んだ防音工事業者に依頼することと比較すれば、工事にかかる費用が結構高くなってしまうのです。もちろん、「コストをかける」ことで、悪徳業者につかまる心配がなくなるということを考えると、これはこれで良い方法とも考えられるでしょう。
しかし、金額が大きくなりがちな防音工事は、住宅メーカーに支払われる中間マージンもかなりの金額になります。このお金は、当然あなたが支払う工事代からでますので、本来はもっとグレードの高い工事ができていたのに、その分が紹介料になってしまうことから、オススメできない方法と言えます。
防音工事は、ネットで検索すればたくさんの業者のHPが出てきますので、何社かから相見積もりをとり、自分で選ぶのが最も安価に費用を抑えることができます。
まとめ
今回は、防音工事をお考えの方に向け、工事を相談する業者選びに失敗しないためのポイントを簡単にご紹介してきました。防音工事は、必要とする人と必要としない人に完全に分かれてしまう工事だということから、どこに相談すれば良いのかいまいち判断基準が分からないと悩む方が多いです。
というのも、防音性能に関しては、目で見て判断することができませんし、最終的な決断ポイントが工事にかかる費用の安さとなって失敗してしまう方が多いのです。これは、防音工事は、外見上はどの業者が施工したとしても、綺麗な仕上がりになるということから、一般の人ではその工事が成功なのか失敗なのか判断のしようがないという点も大きな理由です。
なお、防音工事業者の中には、自社が施工した防音室の性能を確認してもらうために、モデルルームを用意している会社が増えています。したがって、防音工事業者を選ぶときには、まず業者のモデルルームなどを確認してみるのもオススメですよ。