静かで快適な住空間を求めるなら。窓の防音対策が意外と重要!

今回は、静かで快適な住空間を実現するため、皆さんがおさえておきたい窓の防音対策についてご紹介していきたいと思います。

鉄道沿いや交通量の多い幹線道路沿い、近くに学校などがあるご家庭であれば、外からの騒音が気になって家にいてもなかなかリラックスできない…なんて悩みを抱えてしまうことが多いのではないでしょうか。実は、こういった外から入ってくる騒音というものは、その大半が窓から入ってきていると言われており、窓の防音対策をしっかりと行うことで、快適な住空間を目指す事ができると言われているのです。また、外からの騒音とは逆に、自宅でピアノやギターなどの楽器を演奏する方や、ペットを飼っていてペットの鳴き声が隣家に迷惑をかけていないか心配…など、自宅からの音漏れが騒音の原因になっていないか気になっている方に関しても、窓の防音対策を行うことで、騒音の原因になる可能性が低くなるのです。

そこで今回は、快適な住空間を目指すための窓の防音対策についてご紹介していきたいと思います。

外の騒音は窓から侵入しやすい

冒頭でご紹介したように、静かで快適な住空間を目指すためには、窓の防音性能が意外に重要なのです。私たちの日常生活の中には、工事現場の音や車のクラクション、子供が騒ぐ音など、さまざまな騒音が存在します。そして、こういった外部からの騒音は窓から侵入してくる割合が最も多いと言われているのです。
ちなみに、窓から侵入する騒音についても、窓ガラスが原因のものとサッシの隙間が原因になるものがありますので、以下で住宅の防音性能を考えた場合の窓の弱点をご紹介しておきます。

窓ガラス

窓をしっかりと閉めていれば、外からの音は防げると考えている方が多いことでしょう。実際に窓を開けている時と比較すれば、閉めている時の方が確実に音は小さくなります。しかし、住宅の壁などと比較すれば、窓の防音効果はそこまで高くないのです。

例えば、窓よりも分厚い壁であれば、同じ騒音でも壁が音を吸収してくれるため、騒音の侵入を防いでくれます。また壁の中に吸音材などが入っていれば、より高い防音性能が期待できるのです。しかし、一般的な窓をイメージしていただければわかりやすいのですが、窓ガラスは壁と比較すると非常に薄い物質で音を遮ることになります。しかも、窓ガラス自体が、そもそも吸音性に優れている素材ではありませんので、一般住宅に採用されているような単板ガラスであれば、どうしても騒音の侵入を許してしまうことになるのです。

つまり、窓ガラスは、素材的な特徴やその薄さが原因で、大きな防音性能を発揮することができず、音の侵入を許すのです。

窓サッシ

次は窓サッシです。現在、多くの住宅に採用されているサッシが『アルミサッシ』と呼ばれるものです。アルミサッシは、安価であることや耐久性が高いうえに、軽い力で窓の開け閉めができるというメリットがあります。しかしその一方で、アルミサッシは『機密性』が低くくなるという弱点があるのです。この弱点があることから、北日本など、冬場の寒さが厳しい地域ではアルミサッシが使われることが少ないのです。

気密性が低いということは、簡単に言うと隙間が多くあるということです。音というものは、空気の振動で伝わるものですので、こういったサッシの隙間を縫うようにして騒音が侵入するのです。つまり、静かで快適な住空間を目指すためには、こういったサッシの隙間をできるだけなくすようにしなければいけないのです。
例えば、窓ガラスを防音効果が高いものに交換したとしても、サッシの隙間が多い窓であれば、窓の防音対策は十分とは言えないのです。

MEMO
外部からの騒音は、上記のような窓の弱点から侵入してきます。したがって、どちらか一方の対策をするのではなく、根本的に窓部分の防音性能を高める対策が必要になるのです。ちなみに、窓の防音性能を上げておけば、室内からの音漏れを防ぐこともできるようになりますので、一石二鳥の防音対策になります。

窓の防音リフォームはどんな方法がある?

それでは、実際に窓の防音リフォームをしたいと思った時にはどうすれば良いのでしょうか?窓の防音リフォームは、大きく分けて2つの方法がありますので、以下でご紹介しておきましょう。

防音性能の高いガラスに交換する

窓の防音性能を上げる方法の一つとして、ガラスそのものを遮音性の高いタイプに交換するという方法があります。上述したように、一般住宅に良く採用されている『単板ガラス』は、そもそも音に弱い素材なので、この部分を交換するという非常に単純な考えです。

住宅の窓に採用されるガラスには、さまざまなものが存在しており、その中には静かで快適な住空間を目的とした『防音ガラス』というものもあるのです。防音ガラスは、2枚のガラスを重ね合わせて、2枚の合わせガラスの間に、防音性の高い特殊な中間膜が挟まれているタイプがあります。他にも、単板タイプですが遮音性・断熱性を高めるため、真空ガラスになっている防音ガラスも存在します。
したがって、一般的な単板ガラスを使っている住宅であれば、既存ガラスを上記のような防音性の高いタイプに変更することで、高い防音効果を期待することができるのです。注意が必要なのは、最近は窓ガラスも非常に多くの種類が登場しており、合わせガラスになっているものの、そこまで防音性能が高くない商品も多く存在するということです。例えば、断熱性能や結露防止を目的として開発された窓ガラスであれば、そこまでの防音効果を求めることができません。

したがって、防音目的で窓のリフォームをする場合には、業者さんに「防音ガラス」を求めているときちんと伝えるようにしましょう。

インナーサッシ(内窓)を導入する

窓の防音対策を考えた場合、最もオススメなのが「内窓をつけること」です。これは、従来の窓の内側に、5mm厚以上の窓ガラスを追加で設置するリフォームになり、窓の対策としては最も防音効果を期待することができます。

上述しているように、窓ガラスを防音ガラスに変えたとしても、サッシ部分に隙間があれば騒音は侵入してきます。したがって、隙間から侵入してくる音を防ぐためにも、もう一枚窓を作って騒音を遮るという考え方になります。一般的に、10dB程度の音が下がると、元の音から半分程度に聞こえると言われているのですが、5mm厚以上の内窓を設置すると、約15dB程度の減音効果があると言われています。つまり、リフォーム前と比較すれば、体感する騒音レベルが半分以下にまで軽減することが期待できるのです。

窓をサッシごと交換しようと思えば、外壁の工事も必要になり、コストが高くなってしまいます。したがって、窓ガラスだけではそこまで防音効果を期待できない…という場合には、内窓の設置がオススメなのです。

内窓が効果的な理由
内窓をつけるだけで、なぜ防音効果が高まるのか?と、疑問に思う方も多いでしょう。実は、内窓を設置すると、外窓と内窓の間に空気層ができ、その部分が音の通り道のクッションのような役割を果たすのです。
内窓を設置した場合、外部から侵入した音は、2つの窓の間で反射することになります。そして、音が窓と窓の間で反復して緩和され、その音が家の中に入るため騒音の体感レベルが低くなるのです。他にも、窓が二重になることで、気密性が高くなります。したがって、音が侵入する経路の多くが遮断されるため、騒音の侵入が少なくなるのです。

まとめ

今回は、静かで快適な住空間を求める方がおさえておきたい窓の防音対策についてご紹介してきました。この記事でもご紹介しましたが、一般住宅に必ずついている『窓』というものは、外部からの音の侵入ポイントとなってしまうのです。

窓は、そもそもガラスの防音性能が低いということや、どうしても隙間ができてしまうと言った事が弱点になり、外からの騒音が侵入してしまいます。もちろん、外から入ってくるということは、家の中の騒音が外にも伝わってしまうということですので、あなたの家からの音漏れが騒音トラブルの原因になってしまう可能性があるということです。

現在、家の中にいても、外からの音が入ってきてゆっくりできない…なんて方がいれば、まずは窓の防音対策から検討してみてはいかがでしょうか?内窓を設置するだけでも、体感する騒音レベルがかなり低下することも期待できますよ!

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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