テレワークが導入されたけど、自宅では集中できない…!それって音の問題が関わっているのかも?

2020年は、新型コロナウイルスに振り回される年になってしまいました。今年の1月頃より突然話題に上るようになった新型コロナウイルスですが、既に1年近くが経過した現在でも、新型コロナウイル問題の収束は出口すら見えない…という状況になっています。

世界中で大混乱を巻き起こしているコロナ問題ですが、日本国内でも一時『緊急事態宣言』が発令されるなど、私たちの生活を一変させたと言っても過言ではありません。特に影響が大きいのは、社会生活に大きな変化が生じてきており、日本国内ではなかなか浸透することが無かった『テレワーク』や『在宅勤務』といった働き方が急速に導入されるようになっているのです。
テレワークは、自宅で通常の仕事をする働き方になるため、通勤にかかる時間が無くなることや、外出による感染リスクがなくなるなど、新型コロナウイルス対策としては非常に有効な方法とされています。しかし、短期間のテレワークであれば、何とか我慢で来ていたものが、今後テレワークという働き方が当たり前になると予想されている中、さまざまな問題点が指摘されるようになっているのです。

例えば、現在の日本の住宅は「自宅で仕事をする」ということが想定されておらず、家族がいる中で仕事したいと思っても、さまざまな物音が気になり、なかなか集中することができない…という意見が多くなっているのです。他にも、WEB会議中にお子様の声が入る…、ペットの鳴き声がうるさくて相手の声が聞き取れない…など、テレワークに適した環境にないということが、今後の大きな課題となっています。
そこでこの記事では、自宅でも集中して仕事ができる環境を作るための対策についてご紹介していきます。

テレワークの現状

テレワークという働き方に関しては、新型コロナウイルス問題が登場してから、致し方なく考案されたものと考えている方も多いかもしれん。しかしテレワークは、2016年頃より、政府による働き方改革の中でも非常に重要視されており、子育て中の女性でも問題なく働ける働き方などとして、普及推進に力が入れられていたのです。ただし、対面での仕事を重視する傾向にある日本社会では、なかなかテレワークを本格的に導入する企業は少なかったのが実情です。

それが新型コロナ問題により、感染予防対策として一気に普及が始まったという経緯があります。しかし、冒頭でご紹介したように、日本の住宅がテレワークに適した環境にないということから、現在ではさまざまな問題点が指摘されるようになっています。以下に、リクルート住まいカンパニーが行ったテレワークに関するアンケート調査のデータをご紹介しておきます。

テレワークに際する不満

引用:新型コロナ禍を受けたテレワーク×住まいの意識・実態調査

テレワークが積極的に導入されるようになって約半年が経過していますが、実際にテレワークを経験した方からは上記のような不満が生じるようになっています。上のグラフから分かるように、「そもそも自宅が仕事に適した環境にない…」という問題点が浮き彫りになっています。
特に、ご家族で住んでいる方であれば、家に他の人がいることからなかなか仕事に集中することができない…という点も問題となっているようです。

それでは、こういった方は、自宅のどういった場所でテレワークを行っているのでしょうか?こちらも同調査ないでアンケートがとられていますので、そのデータを引用しておきます。

引用:新型コロナ禍を受けたテレワーク×住まいの意識・実態調査

今回のコロナ問題では、外出自粛のお願いがあったことから、近くのカフェやサテライトオフィスなどで仕事をすることもなかなか難しかったです。そのため、自宅に仕事専用のスペースがない事から、家族が集まるリビングダイニングで仕事をすると答えた方が半数以上もいるのです。他には、驚きの答えとして『ベランダ』や『トイレ』など、とても仕事環境には適していない…といえるような場所で、無理やり仕事をするという方もいるほどです。
もちろん、リビングダイニングでも、ご家族が出す物音が聞こえますし、お子様に声をかけられて仕事に集中できない…なんて環境になってしまいます。こう見ると、必要に駆られて導入され始めたテレワークですが、とても効率的に仕事ができるような状態ではない…と考えられますね。

テレワークの代表的な問題

それでは、新型コロナウイルスの影響で、急速に認められるようになってきたテレワークについて、「自宅で仕事する場合にはどのようなことが問題になっているのか?」という点についてもご紹介していきましょう。テレワークの不満に関しては、個人差もあると思うのですが、主に以下のような問題で仕事に集中できない…なんて声が多いです。

  • 小さなお子様の生活音が気になる
    小さなお子様がいるご家庭では、通常の生活音に加えて、お子様の泣き声なども加わり、音の問題で仕事に集中できない…という声が多いです。また、お子様が室内を走り回る際の足音などは、大き目のテレビの音に匹敵しますので、集中を乱されてしまう…という方が多いです。
  • 仕事中に話しかけられる
    自宅で仕事をしている場合、ご家族から話しかけられて集中が乱れてしまう…という場合も多いようです。もちろん、仕事の邪魔をしようと話しかけてくるわけではないのですが、近くにいることから、つい話しかけてしまう…なんてことは多いようです。リビングダイニングなど、ご家族が集まる場所で仕事をする場合、なかなか避けられない問題です。
  • web会議中に生活音が入ってしまう
    テレワーク中は、オンラインミーティングサービスを使って会議を行うのが当たり前です。この場合、マイクで音を拾い会話が成立することになるのですが、近くに家族がいる環境では、家族の声が入ったり、生活音が入ったりする…という問題が生じます。自宅で仕事する場合は、自分以外にも人がいますので、ある程度は致し方ないのですが、「上司に怒られるのでは…」などと、過度に気にしてしまう方もいるようです。
  • 家族の行動が目に入って集中できない
    自宅にテレワーク専用のスペースがない場合、お子様が目の前を走り回る、家事をしている奥様が目に入るなど、ご家族の行動で集中が乱されてしまう…という声が多いです。他にも、ペットを飼っている方であれば、ペットが近寄ってきて仕事の邪魔をされる…なんてこともあるようです。

このように、感染予防対策として非常に有効と判断され導入が広がっているテレワークですが、住宅自体がテレワークを考えた作りになっていないことから、どうしても仕事の効率が悪くなってしまう…という問題が生じているのです。テレワークが始まったからと言って、大規模リフォームで専用部屋を作るなどなかなかできることではありませんし、この問題は当分続くものと考えられています。

テレワークの問題点を解決するためには?

それでは、上述したようなテレワークにある問題点を解決するためにはどうすれば良いのでしょうか?何度もご紹介しているように、もともと日本国内ではなかなかテレワークが認められなかった…という事情があるため、現在の住宅の間取りがテレワークに適した状態になっていない…という場合が非常に多いのです。そのため、静かに集中して仕事をしたいと思っても、ご家族が出す生活音が問題となってしまうのです。

ここまで問題点が理解できれば、どのような対策を取ればよいのかも自ずと分かってくるのではないでしょうか?テレワークを効率的に行うためには『音の問題』を解消することが最も近道になると考えられるのです。以下で、テレワークに適した状況を作るためのいくつかの対策をご紹介しておきます。

  • 吸音材などで仕事用スペースを囲む
    最もお手軽でコストがかからない方法としては、ホームセンターやネット通販などで、吸音ボードなどを購入し、自分の仕事スペースを囲んでしまうという手法です。オフィスなどでも、一人一人が集中できるよう、個人スペースをパーテンションで区切っているという手法はよく見かけます。最近では、防音性能が高い材料も普通に手に入りますので、リビングの一部をそういったもので囲み、仕事スペースとして利用するのもオススメです。
  • ユニット型の防音キットを購入する
    最近では、テレワーク用のユニット型防音室などが販売されるようになっています。楽器演奏用に使用されているユニット型防音室と似たようなものです。段ボールを素材とした安価なタイプなども登場していますので、こういった防音キットを購入し、設置するのも良いかもしれません。
  • 防音室を作る
    ある程度予算がかかっても構わないというのであれば、テレワーク専用部屋を作るのが最もオススメです。音の問題は個人差がありますので、自分が集中できる環境を作るためには、オーダーメイドで作った方が確実です。防音工事業者に相談し、自宅で可能な防音工事を提案してもらうと良いでしょう。

テレワークにおける問題点は、そのほとんどが『音の問題』です。したがって、集中して仕事ができるようにするためには、最低限仕事ができるだけの防音対策を進めるのがオススメです。なお、どの程度まで防音対策をするのかによって必要なコストが大幅に変わりますので、「いつまでテレワークが続くのか?」といった事も考えて、仕事に集中できるよう対策を取りましょう。

まとめ

今回は、新型コロナウイルスの影響で、日本国内でも急速に導入が進んでいるテレワークについてご紹介してきました。『三密の防止』や『人との接触を減らす』ということが有効な感染予防対策とみられているなど、私たちの社会生活は一気に変化してきています。その最たる例がテレワークの導入で、現在では大手企業だけではなく中小企業でも積極的にテレワークを導入するという事例が増えているのです。

しかし、このような状況の中、なかなか追いついていかないのが『住宅自体がテレワークに適していない…』という問題です。一人暮らしの方であれば特に問題はないと思うのですが、ご家族と生活している場合、仕事中に子供や奥様の生活音で仕事に集中できない…なんて不満が多くなっていると言われているのです。こういったテレワークに存在する音の問題も、防音工事によって解消することができます。楽器演奏や騒音トラブルの対策として考えられている防音工事ですが、実はこういった対策にも非常に有効だということを覚えておきましょう。

なお最近では、テレワーク専用の部屋を設けた新築住宅の販売を始めるハウスメーカーなども登場しています。これから、新築戸建ての購入を検討している方は、自宅でも仕事が可能になるよう、防音効果の高い専用ワークスペースを1部屋作っておくのも良いかもしれませんね。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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