生活騒音を規制する法律はある!騒音に悩まされた場合の対処法とは?

日常生活を進めるうえで、何の音も出さずに生活することなど誰にもできることではありません。そのため、時には、近隣から聞こえてくる度を越した生活音が気になってしまい、騒音トラブルに発展してしまうケースもあるのです。

常識の範囲内の静かさで生活している人にとっては、周囲から聞こえてくる『騒音』が本当に煩わしく感じてしまうものです。しかし、騒音を出している人を処罰してほしいと思ったとしても、『騒音罪』などと言うものは聞いたことがないし、どこに相談すれば良いのかイマイチ分からない…という方の方が多いのではないでしょうか。
もちろん、騒音を出している方に苦情を入れて解決すれば良いのですが、結構な確率でトラブルに発展してしまう可能性がありますし、事件に巻き込まれるのも嫌だから「我慢している…」という方も多いかもしれませんね。

そこでこの記事では、「そもそも生活騒音を規制するような法律はあるのか?」ということや、実際に騒音問題に悩まされた際、どういった手順で対処していけばよいのかについてご紹介していきます。

生活騒音を規制する法律について

冒頭でご紹介したように、騒音トラブルが増えている…といわれる現代でも、『騒音罪』なるもので逮捕されたなんて話は聞いたことがありませんよね。そうなると、日常生活で生じる音に関しては「出てしまうものだから許容しなければならない…」ということなのでしょうか?

もちろんそのようなことはなく、度を越した生活騒音を出して他人に迷惑をかけてはいけない…という条例や法律はきちんと作られているのです。まずは、生活騒音の規制を目的とした法律関係についてご紹介しておきましょう。

各自治体が制定している条例

生活騒音に関しては、各自自体が定める条例によってきちんと規制されています。例えば、大阪府などでは、大阪府生活環境の保全等に関する条例により以下のように定めています。

大阪府生活環境の保全等に関する条例
第百二条 府民は、日常生活に伴って発生する騒音により周辺の生活環境を損なうことのないよう配慮しなければならない。
引用:大阪府生活環境の保全等に関する条例より

上記に様に、近隣に迷惑をかけるような騒音は出してはいけないと明記されているのです。もちろん、大阪府以外の都道府県でも、条文の違いはあるものの、似たよう条例を制定している地域がほとんどです。

しかし、注意が必要なのは、条例で定められているものの、これを破ったからと言って罰則などが課せられることはないということです。したがって、条例自体の実効性が低くなってしまっているのが現状だと思います。もちろん、生活騒音に悩まされている場合、こういった条例を制定している自治体に相談すれば、音の発生源に何らかの注意喚起をしてもらうことは可能だと思います。

軽犯罪法

身の危険を感じるほどの騒音トラブルであれば、軽犯罪法が適用される場合もあります。軽犯罪法第一条14号では「公務員の制止をきかずに、人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者」は、『拘留又は科料に処する』と定められています。

この法律では、”公務員の制止をきかずに”ということが要件になっていますので、まずは警察に相談し、警察官などから制止してもらう必要があります。テレビのワイドショーなどで見たことがある人も多いと思いますが、過去に隣家に向かって大声で威嚇する行為やラジオなどの音を異常に大きくして周辺環境の静穏を害した人の事例もあります。こういった被害に遭遇した場合、まずは警察に相談し、対処してもらうのがオススメです。

騒音問題への対処は順を追って行う必要がある

それでは、実際に近隣からの騒音に悩まされてしまった場合の対処法についてもご紹介していきましょう。上述したように、度を越した生活騒音を規制する法律などは用意されているのですが、「うるさい」と感じたらすぐに自治体や警察に相談すれば良いものではないのです。というのも、音の問題ついては、個人によって感じ方が変わってしまうものですので、誰か一人の訴えだけではなかなか対処してもらうことが難しいというのが実情だからです。

かといって、騒音の発生源に直接クレームを言いに行った場合、余計なトラブルに発展してしまうリスクがありますので、上手に解決できるように段階を追って対処していくのがオススメです。以下に、騒音を感じた時の対処法を簡単にご紹介しておきます。

STEP1 近隣と相談

騒音問題は、一人で訴えるのではなく、複数の人間が迷惑を被っているということを証明することが大切です。したがって、あなたと同じように騒音問題に悩まされていると考えられる近隣の方に相談してみると良いでしょう。なお、集合住宅などで、上階の音に悩まされている…などと言った場合は、被害者が自分だけですので、この場合は管理会社などに相談しましょう。

騒音問題は、特定の個人だけが不快に思っているのではなく、近隣の多くの住人が不快に思っているという状況が大切です。これは、騒音が一般的な害悪になっている状況だということを明確にするためです。

STEP2 加害者と話し合いをする

次は、騒音の発生源になっている加害者と話し合ってみましょう。音の感じ方は、個人差が意外に大きいものですので、加害者側は近隣住民が耐えがたい騒音被害だと感じていることに気付けていない場合も少なくありません。そのため、きちんと話し合いの場を設けることで、すんなりと騒音問題が解決することもあるのです。加害者側に何の話もせず、いきなり警察に訴えて、警察からの指摘で知った…などとなると、逆に話がこじれてしまい、近隣トラブルに発展してしまう危険もあると考えておきましょう。

話し合いの結果、加害者側が改善する気が無い、もともと悪意を持って騒音を発しているということがわかった場合には、それ以上自分で加害者に接触するのは危険ですので、自治体や警察に相談するのがオススメです。なお、話し合い以前に、明確な悪意があると感じた場合も、加害者との接触は危険ですので、第三者に相談しましょう。

STEP3 騒音の証拠を集める

話し合いをしても騒音が改善されない…などと言った場合には、許容範囲を超えた騒音だということがわかるような証拠を集めていきましょう。

例えば、民間の騒音測定会社などに依頼すれば、あなたが被っている騒音を数値化することができますので、証拠として非常に有力です。騒音問題を訴え出る時には、「耐えがたい騒音だ…」という証拠が多ければ多いほど良いです。

STEP4 自治体or警察に訴え出る

STEP3で十分な証拠が集まったら、自治体や警察などに相談してみましょう。相談の際には、収集した証拠類を持っていき、実際に受けている被害をわかりやすく説明すると良いでしょう。

あなたの訴えが認められた場合、自治体や警察から注意喚起がなされると思います。それでも解決しなければ、民事訴訟などのステップに続きます。

まとめ

今回は、生活騒音を規制する法律や、実際に騒音問題に直面した時、どのような対処をすれば良いのかについてご紹介してきました。この記事でご紹介したように、騒音を出したからと言って、直接『騒音罪』などと言うような罪で逮捕されるようなことはありません。しかし、それは、騒音を出しても良いということではなく、きちんと周辺環境を考えるようにという規制は存在するのです。

こういった騒音問題というものは、誰でも自分の身に起きてもおかしくないと言えると思います。その逆に、自分自身が近隣に迷惑をかけてしまう騒音の発生源になってしまう可能性もあるでしょう。近年では、戸建て住宅の距離が近づき、マンションのような集合住宅で暮らす方が多くなってきたことにより、本当にちょっとした音が近隣トラブルのもとになってしまう可能性があります。
こういったことを忘れないようにして、近隣に十分な配慮をして生活をしていく必要があると考えておきましょう。なお、自宅でも楽器の演奏や大音量で映像を楽しみたいなどと言う希望がある方は、その音が騒音問題を引き起こさないよう、しっかりと防音対策をしておくのがマナーだと考えてください。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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