防音工事の費用相場が知りたい!用途別に大まかな防音リフォームの相場をご紹介!
近年では、マンション、戸建て住宅など、建物の構造に関わらず、専門業者による防音工事の需要が非常に高くなっています。例えば、仕事の関係などで、自宅でも楽器の練習をしたいなどと考えている場合、何の対策もないまま演奏してしまうと、高確率で近隣住民との騒音トラブルを抱えてしまうことになるでしょう。
特に、東京や大阪などの都会になると、マンションで生活している方が増えており、一昔前と比較すれば、他の家族との生活空間が非常に近くなっているのです。さらに、戸建て住宅に関しても、土地の問題や予算の関係があり、昔のように広々とお庭を作るなんてことは難しくなっています。都会などになると、狭い土地をできるだけ有効活用するため、3階建ての家が主流になっており、隣の家との距離は数十センチしか開いていない…なんてことも珍しくないのです。
こういった状況もあり、楽器演奏どころか、子供の泣き声やテレビの音声など、日常的な生活音ですらトラブルが発生することも珍しくありません。したがって、「ピアノやドラムなど楽器の練習をしたい」、「好きな音楽や映画を大迫力で楽しみたい」などと言った要望を持っている方であれば、専門業者による防音工事が必要不可欠なのです。
それでは、専門業者による防音工事とはいくらぐらいかかるものなのでしょうか?ここでは、用途別に分けて専門業者に防音工事を依頼した場合にかかる費用相場を簡単にご紹介していきたいと思います。
用途別防音室の費用相場について
それでは、専門業者に依頼して自宅の一室を防音室にリフォームする場合の費用相場からご紹介していきましょう。ただし、一口に防音室と言っても、「自宅で映画館のような大迫力で映画を楽しみたい!」といった場合や「朝やでもピアノの練習がしたい!」「ドラムの練習がしたいけど音漏れが気になる…」など、個人の要望はそれぞれです。
したがって、それぞれの要望に合わせた防音室が必要になり、「どの音を防ぎたいのか?」によってかかるコストが全く違ってくるのです。以下で、いくつかの用途に分けて、一般的な防音室の費用相場をご紹介します。
ピアノ演奏の対策として防音工事をする場合
まずは、防音工事の中でも特に需要の高いピアノ演奏をメインとして使用するための防音室です。ピアノ用の防音室に関しては、部屋の広さはもちろん、演奏するピアノの種類によっても費用が変わってしまいます。
当たり前のことですが、部屋が広ければ広いほど、材料なども多く必要になるため、防音工事の費用は高額になります。また、使用するピアノに関しては、より音が響くグランドピアノを使用する場合の方が、一般的なピアノ防音室よりも高額になります。
ピアノ演奏用の防音室を作る場合、その費用相場はかなり幅があり「約100~400万円程度」と想定しておきましょう。ちなみに、防音工事を施す建物が鉄筋コンクリート造の住宅であれば、6畳程度のお部屋で230~350万円程度です。しかし、木造住宅の場合は、280~400万円程度と、少し割高になってしまいます。
ドラム演奏の対策として防音工事をする場合
ドラム演奏を目的とした防音室を作りたい場合、上述したピアノ演奏用の防音室よりもさらにコストがかかると覚悟しておきましょう。ドラムは、演奏の際に大きな音が出るだけでなく、ドラムが振動してしまうことになるため、音と振動両方をしっかりとシャットアウトできる対策が必要になるのです。
一般的にですが、ドラム演奏用の防音室を作る際の費用相場は、鉄筋コンクリート造の住宅で280~500万円程度です。なお、こちらも木造の場合は330~550万円程度が相場と、構造によって費用が変わります。
ホームシアターのための防音工事
ホームシアターに関しては、新築時に望まれる方が多いため、家を建てる際に防音工事を一緒に行うという方が多いです。当然、後からリフォームで防音室を作るよりは新築時に対策を行う方が安くつきます。
それでは、後付けでホームシアターを導入したいと考えた場合、どの程度の費用をかけて防音工事を行うものなのでしょうか?ホームシアター用の防音室の場合、音漏れや外部からのノイズをできるだけカットできるようにし、高音質で視聴できるような部屋が作られます。
こういったホームシアター視聴用の防音室を作る際の費用相場は、鉄筋コンクリート造の住宅で150~280万円程度(6畳)で、木造の場合は200~350万円程度と考えておきましょう。
部分的な防音工事の費用相場について
次は、床や壁、窓など部分的な防音工事を依頼する場合の費用相場をご紹介していきましょう。マンションなどに生活している方であれば、スペース的な問題もありますし、どこかの部屋を丸々防音室にするのは難しい…という場合もあるでしょう。また、楽器演奏まではしないものの、小さなお子様の泣き声や足音が、生活空間の近さから騒音になるのでは…と心配する方も多く、こういった場合には部分的な防音対策で対応する方が多いのです。
ここでは、部屋の一部に防音対策を検討した場合の費用相場をご紹介しておきます。
床の防音対策
マンションなどで、階下の方との騒音トラブルを防ぐために有効なのが床の防音対策です。マンションで生活したことがある人ならわかると思うのですが、足音や椅子を引きずる音などは、意外に階下に響くものなのです。こういった生活音を防止するためには、防音機能の高い床材に張替えする、床材の下に遮音材を敷くなどの手段があります。
費用相場としては、防音効果の高い床材に張替えする場合、6畳程度のお部屋で既存床材の撤去を含めて25~30万円程度というのが相場です。また、床材の下に遮音マットを敷く工事の場合、付帯工事を含めて30~60万円程度(6畳)が相場です。なお、費用の格差は、使用する材料のグレードによって変わるためです。
他にも、床材の下に吸音性のある吸音シートを敷き詰める対策があるのですが、こちらは6畳のお部屋で35~80万円程度が費用相場となります。こちらも使用する材料のグレードなどでコストが変わります。
床への防音対策に関しては、ネット通販などで販売されている防音性のあるカーペットを購入し、自分で敷くという方法もあります。この場合は、非常に簡易的な防音対策になるのですが、1~5万円程度のコストで対策が可能です。構造がしっかりしたマンションなどであれば、こういった簡易的な手法でも十分な場合が多いです。
壁の防音対策
お隣の住居への対策としては、壁の防音対策が有効です。壁の防音対策としては、壁に吸音材と遮音シートを入れる方法や、換気口など開口部への対策があります。
壁の防音対策としては、壁の中に吸音材と遮音シートを入れ、石膏ボードを取り付けて、表面仕上げ材で仕上げるという方法が主流です。なお、石膏ボードを2重に設置するなどで、より高い防音効果を望むことができます。こういった壁の防音リフォームは、1.1~1.6万円(㎡当たり)程度が相場です。
住宅の音漏れポイントとして意外と見落とされがちなのが換気口などの開口部です。これをそのままにしてしまうと、音が素通りしてしまうことになるので、騒音トラブルに発展してしまうことがあるのです。こういった開口部は、防音対策が施された製品に変更すると良いでしょう。どのような防音換気口にするかによって費用は変わりますが、数万円程度で可能な工事です。
壁の防音対策については、家具の配置を検討するだけでもかなり違ってきます。例えば、隣の住居と接する壁の前に大きな本棚やタンスなどを配置するだけで、家具が緩衝材となり防音性能を高めてくれるのです。マンションなどの集合住宅で生活する場合、自分の好みだけで家具の配置を決めるのではなく、隣家にも配慮して家具の配置を決めてもいいかもですね。
窓の防音対策
最後は窓の防音対策についてです。窓を閉めていれば音漏れを防げると考えている方もいるかと思いますが、通常の窓であれば、普通に音漏れしてしまいます。特に築年数が経過していれば、各所に隙間ができてしまいますので、想像以上に音漏れしていると考えた方が良いでしょう。
窓の防音対策としては、防音機能を持った窓ガラスに取り換えるという方法と、内窓をつけて二重窓にするという手法があります。こういった対策を行う場合の費用は、170×180cmの掃き出し窓のガラスを防音機能のある物に交換する場合、5~15万円程度が相場です。内窓を取り付けて二重窓にするという方法の場合は8~15万円程度が相場です。
どちらの工事の場合でも、基本的に1日で工事が終わりますので、比較的取り入れやすい防音対策となります。
まとめ
今回は、騒音トラブルを防ぐため、防音対策を行う場合にかかる費用相場をご紹介してきました。
この記事で紹介しているように、防音工事というものは、どんな音に対する対策なのかによって必要な工事が変わってくるため、工事にかかる費用が大幅に違うものなのです。さらに、同じ楽器の対策だとしても、建物の構造や使用する材料のグレードなどによって、100万円以上の格差が生じてしまうなど、一般の人であれば、なかなか適正な費用相場がつかめない業界なのです。
したがって、実際にご自宅の防音工事を検討した場合には、複数の業者に現地調査してもらい、防音方法の提案や見積もりの提出をしてもらう必要があるでしょう。1社だけの提案では、本当に適切な工事内容になっているのか、妥当な金額なのかを判断することが難しいと思います。
なお、相見積もりを取った際には「安さ」だけに注目するのもあまりオススメできません。この記事からも分かるように、防音工事は使用材料によって費用が調節できるのですが、無理にグレードの低い材料を選び、安価に工事を進めてしまうと、希望していた性能を出すことができなくて、防音工事をしたのに騒音トラブルになってしまった…なんて残念な結果が待っているかもしれません。
防音工事は、比較的高額な住宅リフォームになるのですが、高いのにはきちんと理由がありますので、見積り内容にきちんと納得できるまで業者さんと話し合うのがオススメです!