防音工事の種類と工事にかかる費用を抑えるためのポイントについて

2020年以降、新型コロナウイルス問題の影響で、人々の在宅時間が長くなっています。多くの企業でテレワークが導入され始めたり、感染拡大防止対策のために外出自粛令が頻発されたことで外食習慣がなくなったという方も多く、昼間も夜間も自宅で過ごす時間が長くなっているそうです。そして、人々の在宅時間が長くなるにつれ、音の問題を抱えてしまう方が急増しています。

実際に、弊社のような防音工事業者には、防音室を作るといった本格的な防音工事以外にも、窓やドア、床などの部分的な防音リフォームの相談がかなり多くなっています。これは、在宅時間が長くなったことで、初めて自宅に存在する音の問題に気付いたというのが大きな要因で、防音工事をすることでその問題を解消しようと考える方が多くなっているのでしょう。

ただ、一般の方からすれば、住宅リフォームの中でも『防音工事』はかなり特殊な工種となるようで、自分が抱えている問題をどうやってい解消するのか、またいくらぐらいのコストがかかるのかが全く想像できないという声が非常に多いです。そこでこの記事では、防音工事の種類を分かりやすく分類して解説していきます。記事の最後には、工事にかかる費用を抑えるためのポイントもご紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください。

防音工事の種類について

防音工事と聞くと、楽器の演奏やホームシアターなど、自宅で大きな音を出す人が周りに迷惑を掛けないように専用の防音室を作る工事をイメージする方が多いと思います。実際に、一昔前の防音工事は、お客様の要望に応えて『特別に』行う工事と言ったイメージで、防音工事を必要とする方はあまり多くなかったと思います。しかし近年では、各家庭の生活空間が近くなったことや、コロナ禍で在宅時間が長くなったといった理由から、防音室までは必要ないとしても、音の悩みを解消したいと考え、部分的な防音工事を希望する方が急増しています。そして、防音工事の存在が広く知られるようになっており、住宅リフォームの工種としても一般的になっているような気がします。

ただし、それなりに知名度が高くなっている防音工事ですが、自分が抱えている悩みを解消できる防音工事がどういった対策なのかが分からないという方が非常に多いです。一般的な防音工事は、「外から侵入する騒音を防ぐ」、「自宅内で生じる音を外に漏らさない」ために行うものとなります。最近では、マンションなどの集合住宅で生活する方が増えており、階下の人に振動音で迷惑を掛けないようにするための防音工事を希望する方も多くなっています。
ここでは、防音工事をいくつかの種類に分けてご紹介します。

外から侵入する騒音を防ぐ

私たちの生活環境周辺にはさまざまな騒音が存在しています。例えば、幹線道路沿いや線路沿いの住宅であれば、自動車や電車の走行音が昼夜構わず騒音として侵入することに悩む方が多いです。また、目の前に公園があるという立地の場合、子供が遊ぶ声でテレワークに集中できない…と言った話もよく耳にするようになっています。

防音工事は、こういった外から侵入する騒音を防ぐために行われることが増えています。例えば、壁や窓、換気口などに防音対策を施すことで、走行音や人の声程度であれば、ほとんど家の中では聞こえなくすることができます。具体的な防音工事の内容は以下のようなものです。

MEMO

  • ・窓を防音ガラスに交換する
  • ・内窓を設置して二重窓にする
  • ・壁内に防音材を充填する
  • ・防音仕様の換気口に交換する

自宅内で生じる音を外に漏らさない

防音工事を行う方の二つ目の目的は、自分たちが生じさせる音が近隣の人に迷惑を掛けないようにするというものです。一昔前までは、自宅で楽器の演奏を行う方が、大きな音を生じさせてしまうことから、騒音トラブルを防止する目的で防音室を作っていたのですが、これも音を漏らさないようにするためです。

ただ近年では、家ごとの距離が近づいてきたことから、生活音が原因となる騒音トラブルが増えています。例えば、小さなお子様がいるご家庭であれば、お子様が大声をあげる、家の中を走り回るといった時に生じる音でお隣さんに苦情を言われてしまうなんてことが増えているようです。この他にも、ペットの鳴き声やトイレ・お風呂などの排水音、テレビなどの音声で騒音トラブルに発展することが増えているそうです。

こういった生活音によるトラブルを防止するために有効なのが、防音工事で、配慮したい方向の窓や壁に防音対策を施すことで、自宅で生じる音が外に漏れにくくなるわけです。代表的な防音工事の方法は以下のようなものです。

MEMO

  • ・楽器演奏、ホームシアター用の防音室を作る
  • ・壁内に防音材を充填する
  • ・防音ガラス、内窓の設置など、窓の防音対策を施す
  • ・換気口を防音仕様のものにする
  • ・室内ドアを防音ドアに交換する(家庭内騒音の防止)

集合住宅での防音対策

マンション暮らしの方が増えるのに比例して、集合住宅での騒音トラブルが増加の一途をたどっています。マンションなどの集合住宅は、壁一枚、床一枚で他のご家庭との生活空間とつながっているわけですので、ちょっとした生活音が隣家に迷惑を掛けてしまっているなんてことも意外に多いです。実際に、足音を巡って裁判沙汰にまで発展するケースもあり、騒音主側に損害賠償が命じられた判例も存在します。

集合住宅は、各家庭の生活空間が非常に近いことから、普段から音に対する配慮を行っている方が多いのですが、物件の作りによっては気配りしていても騒音の苦情を入れられてしまうなんてことが考えられます。そのため、ここ数年、集合住宅に暮らす方からの防音対策に関する相談が急増しています。
マンションなどの集合住宅の騒音対策としては、以下のような防音工事が有効です。

MEMO

  • ・内窓を設置して二重窓にする(防音ガラスの導入は基本的にNG)
  • ・防音カーペットなどを設置する
  • ・床材を防音仕様のものに交換する
  • ・床材の下に防音材を設置する
  • ・室内ドアを防音ドアに交換する(家庭内騒音の防止)

防音工事のコストを抑えるには?

防音工事は、上記のようにさまざまな種類の対策が存在します。もちろん、問題となっている音に対して、的確な対策を施さなければ、防音工事を行う意味がありません。簡単に言うと、防音工事にかけるコストが無駄になってしまうということです。

なお、防音工事にかかるコストについては、誰もが「安ければ安い方が良い!」と考えてしまいことでしょう。そのため、防音工事の相見積もりをとった時には、業者の提案書の詳細ではなく、工事にいくらかかるのかで選択する方が非常に多いです。防音工事は、どのような対策を行うのかによってかかるコストが大きく変わるという特徴があります。例えば、窓1枚だけ二重窓にする場合であれば10万円程度で工事が可能です。しかし、防音室を作るまでの工事になると、200万円以上のコストがかかってしまうことも多いなど、工事の種類によって費用が全く異なるということを覚えておきましょう。

更に、同じ個所の工事でも、使用する材料や防音方法によって価格差が生じます。例えば床の防音対策として、防音カーペットを設置する対策と、床材の下に防音材を設置して遮音フローリングにするといった方法では、工事にかかるコストが10倍も違ってきてしまいます。当然、費用が高くなるほど高い防音効果が望めるのですが、必要以上の防音性能にコストをかけてはお客様の損になってしまいます。防音工事で重要になるのは、「どんな音に悩んでいて、どの程度まで防音できれば良いのか」ということになり、オーバースペックにならないように設計することが大切です。

つまり、防音工事にかかるコストを下げるためのポイントは、「問題となっている音は何か?」「その音をどこまで小さくすれば良いのか?」という部分を明確にすることだと考えてください。この点を防音工事業者に的確に伝えることができれば、あなたに最適な防音工事を提案してもらうことができ、無駄なコストをかけずに静かな環境を実現することができるはずです。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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