防音工事はどこに依頼すれば良い?業者選びに失敗してトラブルになるのを防ぐためのポイント
「自宅で思いっきり楽器の演奏を楽しみたい!」「映画館のようなホームシアターを作るのが夢!」などと言った場合、簡易的な防音対策ではなく、専門業者による防音室を作ってもらう必要があるでしょう。そうはいっても、仕事を依頼する防音工事業者選びは「どのようにすればいいのだろう…?」と迷ってしまう方が多いと言われています。
本格的な防音工事を思い立った際には、ほとんどの方がまずインターネットで調べてみるという行動に出ることでしょう。例えば『防音工事 大阪』などと言ったキーワードで検索してみれば、多くの防音工事業者のHPが表示されます。しかし、近年では防音工事を手掛ける業者が増加しており、「どの業者に依頼すれば希望する性能の部屋ができるのだろう?」という部分についてなかなか判断がつかないという意見が多いです。
特に防音工事に関しては、その他のリフォーム工事とは異なり、目に見えない『音』への対策となってしまうため、優良業者と悪徳業者の見分けが本当に難しいものなのです。実際に、防音工事業界では、工事後に「聞いていた性能が出ていない…」などのトラブルも多いと言われており、消費者生活センターなどへの相談も年々増加していると言われているのです。
皆さんに覚えておいてほしいのは、「満足のいく防音工事は、業者選びが重要!」ということです。そこでこの記事では、防音工事後に後悔しなくて良いよう、悪徳業者に騙されないようにするためにおさえておきたいポイントをご紹介します。
こんな業者は注意が必要!
それでは、防音工事業者を選ぶときに注意しておきたい、危険な防音工事業者の特徴をいくつかご紹介していきましょう。本格的な防音工事になると、やはりそれなりのコストがかかってしまうものですので、誰もができるだけコストを抑えて工事を進めたい…と考えるものです。
この考え自体は当たり前のことなのですが、あまりコストばかりに注目すると、「安いだけで全く性能が足らない防音室ができてしまう…」なんてことになりかねないのです。防音工事は、目に見えない音を防ぐための対策ですので、かなり専門性が高い工事になります。以下に上げるような業者は、少し疑ってかかった方が良いと思います。
極端に値引きをする防音工事業者は注意
上述したように、本格的な防音工事となると、それなりのコストがかかってしまうことになりますので、誰もができるだけコストを抑えたい…と考えてしまうものです。例えば、同じ性能を持つ防音工事の見積りで、片方の業者が300万円、もう一方が150万円だとすると、誰でも後者を選択してしまうことでしょう。もちろん、これはあくまでも例として紹介しただけで、同じ性能を持つものであれば、ここまで極端な価格差のある防音工事の見積りが出てくることは少ないです。
しかし、防音工事業者の中には、お客様が「この価格だと予算オーバーです…」などと断りを入れた際に、突然「それなら半額にしますよ」といったように、極端な値下げで契約を迫ってくるような場合があるのです。防音工事は、使用する材料などによってコストがある程度調整できるのは事実ですが、本来必要な性能を持たない材料を使用されてしまうと、結局困ってしまうのはあなたなのです。
値下げ交渉の際に、どの程度まで性能が落ちてしまうのかまで説明してくれる業者であれば、問題ないのでしょうが、お客様側に知識が無いのを良いことに、極端な値下げで契約を迫るような業者は、見えない位置の防音材の品質ランクを下げてしまっているかもしれません。また、工期を短縮するために必要な施工を省いてしまう…なんて場合もありますし、施工直後の検査では問題なくても、すぐに劣化が始まってしまった…などと言った恐れがあるのです。
優良な防音工事業者であれば、あなたが希望する予算の範囲で、きちんと提案内容を作り直してくれるはずです。もちろん、予算の中で希望する性能が難しい場合は、それもきちんと伝えてくれるでしょう。極端な値下げで対応しようとする業者は防音工事の品質を疑うべきです。防音工事の費用が高くなるのにはそれ相応の理由がありますので、「コスト」ばかりに注目するのではなく、本質である防音室の性能に目を向けてください。
他社の設計で工事しようとする業者
防音工事の業者選びを進める場合には、複数の業者から提案を受ける相見積もりを取るのが一般的です。何度も業者と打ち合わせをするのが面倒に思う方もいますが、1社だけの話では、提出された見積り内容が正しいのか、不当に高額になっていないかなどがわからないので、最低でも3社程度の話は聞いた方が良いです。
相見積もりを行う際には、先に来た業者の提案を別の業者にみせ「他の業者の設計はこうなのですが、こんなイメージでしてもらいたいのですが」「これと同じような防音工事をお願いしたらどの程度の費用になりますか?」などと聞いてしまう人も多いのです。
もちろん、説明する手間が省けますし、価格交渉もできますのでこういった行動を否定するわけではありません。しかし、後から来た業者が「この設計のままなら、この会社よりも30%は安くできますよ!」などと言って、他社の設計案をそのまま利用しようとする業者がいるのです。
はっきり言って、こういった業者はかなり悪質な業者だと考えても良いです。そもそも「同業者の設計で工事を行います」ということ自体が、モラルの問題もありますし、良心的な工事業者であればプライドもありますので、普通にあり得ないことなのです。また、他社の設計のまま大幅な値引きと言う点も注意が必要です。上述したように、防音工事の価格は、その費用になるだけの理由がきちんとあるのです。それなのに、他社の設計のまま大幅な値引きがあるとすれば、目に見えない部分で手抜きや品質の悪い材料を使用されている…などと言った危険があります。最悪の場合、性能が足らなくても、「あなたが希望した設計通りに工事をしたのだからうちには責任が無い!」などと、高いお金だけを取られてしまう…なんてことになりかねないです。
業者選びのポイント
それでは、防音工事を思い立った際の業者選びでは、どういった点を確認すれば良いのでしょうか?ここでは、最低限確認しておきたいチェックポイントをいくつかご紹介しておきます。
防音専門の工事業者に依頼する
冒頭でもご紹介しましたが、年々防音工事の需要が高まっていることもあり、近年では一般のリフォームや建築業者が防音工事業界に参入するようになっています。
しかし、あなたが本格的な防音室を求めているのであれば、一般の建築業者に仕事を依頼するのはやめておいた方が良いでしょう。目に見えない『音』の対策をしなければならない防音工事は、専門知識と高度な技術が必要になるのです。したがって、単に防音材を詰めておけば防音性能が上がるだろうし、安価な業者に依頼すれば良いという考えは捨てた方が良いです。
防音専門の業者を探す場合には、その業者がどのような施工実績を持っているのかなどから確認しましょう。本格的なレコーディングスタジオの施工実績などがある業者ほど安心できると思います。
しっかりとヒアリングをしてくれる業者
当たり前のことですが、現地調査の際などにしっかりとあなたの要望をヒアリングしてくれる業者に依頼しましょう。防音工事は、お客様によって「防ぎたい音」が異なりますので、要望がきちんと伝わらない限り思い通りの防音室を作る事ができないのです。
したがって、「相談しやすい」「話しやすい」という部分は意外と重要な要素となるのです。また、防音工事を施したい建物の構造や家の周りの騒音など、住宅周りの環境をしっかりと調査してくれる業者ほど安心です。
防ぎたい音を抑えるためには、どのような防音室にすれば良いのかは、お客様のケースごとに全く異なります。したがって、事前調査や事前測定をしっかりと行わない業者は防音の知識があまりないと考えておいた方が良いです。
アフターフォローが売りの業者は注意が必要
通常のリフォームであれば、アフターフォローが充実している業者ほど信頼できると言われています。そのため、防音工事でもこの部分を重視する方が多いのです。
しかし、防音工事に関しては、アフターフォローではなく最初の施工が最も重要なのです。そのため、アフターフォローの充実を売りにしている業者の場合、安心できるのではなく施工技術への自信の無さの表れ…という可能性もあるので注意が必要です。
そもそも防音工事というものは、遮音や吸音など、綿密な計算に基づいて施工を進めていくのです。そのため、問題があったからと後付けで追加工事を行った場合、当初の設計が崩れてしまい、音響に大きな悪影響が出てしまう可能性が高くなるのです。また、普通の業者であれば、何か問題があればきちんと対応してくれるのが当たりまえです。したがって、当然行うべきことを、さもメリットのように書く必要はないのです。
防音工事は「何かあったらきちんと対応する!」という業者ではなく、「問題が起こらないように事前に綿密な計算・設計を行う」と言う点を重視している業者が望ましいです。
まとめ
今回は、防音工事業者を選ぶ前に、皆さんが知っておきたいポイントをご紹介してきました。どのような住宅リフォームでも、優良業者と悪徳業者というものがあり、リフォームを成功に導くためには、最初の業者選びが非常に重要になるのです。特に防音工事に関しては、目に見えない『音』に対応するための工事となりますので、専門知識と高い技術が求められるのです。
こういったリフォーム工事は、多くの方が『安さ』にばかり注目してしまいますが、安さを目指すあまり求める防音性能が得られなかった…などとなると、かけたコストが全て意味がなくなってしまいます。防音工事が高くなってしまうのは、それ相応の理由がありますので、価格に疑問がある場合、その疑問を解消できるまでしっかりと質問するのが良いでしょう。知識を持った優良業者であれば、お客様が求める性能を実現するため、安易な値下げで対応するのではなく、「なぜそれが必要なのか?」をきちんと説明してくれるはずです。