夏型結露による防音室の劣化に注意!
サンテレビ「アサスマ! 」で防音工事の匠が紹介されました!
住宅で発生する結露被害と聞くと、冬場に窓表面に水滴がたくさん発生して、木材などを腐食させる、カビの発生を誘引するといった問題をイメージする方が多いと思います。一般的には、住宅での結露は冬場に発生する物で、夏場などはあまり関係がないと考えられているのです。
しかし、エアコンなどの空調設備が広く普及した現在では、夏場にも結露が発生する確率が高くなっており、さらに冬場に発生する結露と比較しても、より深刻な建物被害を引き起こす可能性があるとされているのです。特に、防音室のように、断熱性や気密性が非常に高い環境になると、この夏型結露の発生確率が高くなり、防音室の性能そのものを低下させる可能性があるとされているのです。
そこでこの記事では、結露の中でも「夏型結露」と呼ばれる現象がどのような物で、何が原因で引き起こされるのかについて解説していきたいと思います。
夏型結露について
夏型結露は、文字通り、夏場に発生する結露のことを指しています。結露は、冬場にガラス表面に水滴が発生する現象のことをイメージする方が多いのですが、実は結露にも大きく2つの種類があるのです。ここでは、結露の種類と冬型結露と夏型結露の違いをご紹介します。
まず、結露の種類についてですが、主に以下の二つの結露が存在します。
- ・表面結露
一つ目は、皆さんがイメージする「窓表面に水滴が生じる」という現象です。こちらは表面結露と呼ばれていて、主に冬場に起きやすい現象となります。外気によって冷やされた窓ガラスに、室内の水蒸気を含んだ暖かい空気が衝突することで、急激に冷やされ、水滴として現れるのが表面結露です。このタイプの結露は、視覚的に確認できるため、すぐに拭き取るなどの対処ができる点が特徴です。 - ・内部結露
二つ目は、内部結露と呼ばれる現象です。冬場でも起こることがあるのですが、主に夏場に発生しやすい結露とされています。日本の夏は、高温多湿であり、空気には大量の水蒸気が含まれています。この空気が、壁内部に侵入し、低温部分で冷やされることで、壁内で水滴として現れる現象です。現在の住宅は、夏場は冷房によって室内の空気が冷やされているのが通常です。そのため、室温と外気温には大きな温度差が生じるようになっていて、室温によって冷やされた建材に、外の暖かい空気が当たることで結露が発生するようになっているのです。内部結露は、人の目では確認できない位置で発生するため、対処が遅れてしまうという特徴を持ちます。
住宅における結露は、簡単に言うと室内外の気温差によって水滴が現れる現象のことを指しているのですが、上記のように、発生のメカニズムが異なる結露が存在するのです。
夏型結露と冬型結露の違い
夏型結露と冬型結露には、大きな違いが存在します。冬型結露は、寒冷な外気と暖房で暖められた室内空気の温度差によって、窓や壁の「表面」に現れるという特徴があります。上で紹介した表面結露に当たるのですが、こちらは人の目に入る場所で起こるので、すぐに対処することができます。
一方、夏型結露はというと、水蒸気を含んだ暖かい空気が壁内に入り、エアコンによって冷やされた壁に衝突することで水滴になるという現象です。こちらは、壁の中や床下などで結露が発生するため、内部結露と呼ばれていて、視覚的に結露の発生に気付けず、対処が遅れてしまいやすいという問題があるのです。気付いたときには、住宅性能に関わる大きな問題に発展しているというケースが多いです。
冬型結露と夏型結露は、「暖かい空気と冷たい空気がぶつかることで水滴になる」という点は同じですが、水滴が生じる場所が大きく異なり、夏型の場合は対処が難しいという点が大きな違いとなります。
夏型結露の発生メカニズムと防音室が危険な理由
それでは次に、夏型結露の発生メカニズムについても解説していきます。夏型結露は、高性能な防音室で発生しやすいという特徴を持っていて、これが起きると性能低下につながる恐れがあるので、注意しなければならないのです。
ここでは、夏型結露が起こる要因と、なぜ防音室で起きやすいのかについて解説します。
夏型結露の発生メカニズム
まずは、夏型結露の発生メカニズムについて解説していきます。夏型結露は、以下のような事が要因で発生します。
- ・高温多湿の外気の影響
一つ目は、高温多湿という、日本の夏の気候条件が関係します。日本の夏は、高温多湿で、空気中の水蒸気量がかなり多いです。この湿った空気は、建物内部に侵入し、空調設備によって冷やされた空間に触れると、結露として現れてしまいます。外壁材や断熱材が十分な透湿性や通気性を備えていない場合、結露による水滴が内部に留まりやすく、建物を構成する木材や断熱材の劣化が急速に進みます。 - ・エアコンの使用
夏場は、ほとんどの住宅でエアコンが使用されています。特に昨今では、夏の猛暑化が指摘されているため、国も積極的な冷房の活用を推奨しています。この冷房の利用によって、室内外の温度差は非常に大きくなっています。現在では、夏場の気温が35度を超えることも珍しくなっていて、仮に室温を25℃に設定すると、壁内部では急激な温度勾配が発生します。この温度差によって、外気に含まれる水蒸気が結露となって現れるわけです。ちなみに、断熱性や気密性が高い住宅ほど室内外の温度差が大きくなるため、内部結露の発生リスクが高くなるとされています。昨今では、環境配慮の面から、住宅の断熱性向上が目指されているのですが、これも内部結露の発生リスクを高めているとされています。 - ・換気・通気不足
換気が不十分な住宅は、湿気の逃げ場がなくなるため、結露の発生を助長します。壁内に通気層がない、屋根裏や床下の換気が不十分な構造になっているという場合、侵入した湿気が滞留して内部結露になりやすいのです。夏場は、冷房を常に稼働させているという状況であるため、生活習慣として、窓を開放して換気する時間が少なくなります。この場合、空気の循環が滞るので、結露が発生しやすくなります。
夏型結露は、上記のような事が要因となり発生します。特に、エアコンの風が直接壁に当たるような構造になっていると、壁が局所的に冷やされてしまうので、内部結露が発生しやすくなります。
内部結露を防止するには、室内外の気温差を無くすという対策が有効なのですが、そうはいっても「エアコンを使用しない!」という選択はできないはずです。そのため、その他の方法で結露を防止する必要があるでしょう。
防音室が夏型結露リスクが高い理由
夏型結露の発生メカニズムが分かれば、なぜ防音室が危険とされているのかが良く分かるはずです。以下のような理由から、防音室は、通常の居室と比較すると、夏型結露が壁内で起きている可能性が高くなるのです。
- ・断熱性、気密性が非常に高い
防音室は、室内で生じさせる音が外に漏れていかないようにするということが主な目的です。この効果を実現するため、壁内にはしっかりと吸音材などが充填されているのですが、この吸音材にはグラスウールなどの断熱材が採用されています。そして、隙間が生じるとそこから音が漏れていくため、小さな隙間も生じないように作られているのです。つまり、防音室は、他の居室と比較しても、圧倒的に断熱性や気密性が高くなるのです。その結果、エアコン利用時には、室内外での気温差がどうしても大きくなり、壁内での結露の発生リスクが高くなるのです。 - ・空気の流動が少ない
防音室は、音漏れを防ぐ目的で、隙間が生じないような作りになっています。また、利用時には窓もドアもしっかりと閉め切った状態になるため、空気の流動がほとんどなくなるのです。その結果、湿気などもこもりやすくなり、夏型結露が発生しやすくなります。 - ・エアコンの影響が大きい
防音室は、断熱性、気密性が非常に高い空間となるため、室内の快適性を維持するためには、エアコンなどの空調設備に頼らなくてはならなくなります。その結果、室内外での気温差がどうしても大きくなってしまい、夏型結露が発生しやすくなるのです。また、気密性の高さから、空調の効きが良くなり、夏場は室内がしっかりと冷やされます。そうすると、外気に触れる壁の外側もしっかりと冷えるので、そこに結露が発生しやすいです。この他、楽器にエアコンの風が直接当たらないようにするため、壁に向けてエアコンを稼働させる方が多く、エアコンの風が当たる部分が極端に冷やされ、結露が発生しやすくなることもあります。
上記のような理由から、防音室は、夏型結露が発生しやすくなります。
夏型結露による弊害とは?
それでは最後に、夏型結露が発生し、適切な対処が実施できなかった場合に生じると考えられる問題についてもご紹介していきます。
木材の腐朽
日本の住宅は、木造建築が大半を占めています。木材は、結露によって湿潤状態になり、それが長期間に及ぶと、腐朽などの問題に発展します。
住宅に利用される木材は、多くの水分を含んだ時、腐朽菌が繁殖してしまう可能性が高まります。自然の大気中に放置されている場合、含水率は15%程度にとどまるのですが、結露によって水分が発生すると、含水率がどんどん高くなっていくのです。木材をダメにする腐朽菌は、20%以下の含水率では生息することが難しいとされ、30%を超えてくると繁殖する危険性が高くなります。内部結露は、この腐朽菌が活発に活動できる状態にまで含水率を高めてしまうので、気付かないうちにどんどん家の老朽化が進んでしまうのです。
ちなみに、湿った木材は、シロアリの大好物であるため、シロアリなども誘引して食害の被害に遭う可能性も出てきます。
断熱材の劣化による性能低下
防音室は、壁内にグラスウールなどの断熱材が充填されています。グラスウールは、繊維系の断熱材となるのですが、内部に無数の空気層が存在することで、断熱性能や吸音性能を実現しています。
ただ、壁内で内部結露が発生した時には、この空気層に水分が溜まり、潰されてしまうのです。その結果、本来得られるはずの断熱性や吸音性が失われてしまい、防音室の性能が発揮できなくなるのです。また、グラスウールなどの断熱材は、シート状の形をしており、これに水が含まれると、自重によってズレ落ちてしまう可能性が出てきます。断熱材がズレてしまうと、その部分に隙間が生じてしまい、音漏れの原因となってしまうのです。
このように、内部結露は、防音室の性能そのものを低下させる非常に恐ろしい現象なのです。
カビ・ダニの繁殖による健康被害
結露によって壁内部の湿度が高くなると、カビやダニの繁殖を招いてしまう可能性があります。カビやダニは、エサとなる物質があり、酸素、温度、水分などの条件が整うことで一気に繁殖します。壁内結露は、まさにカビやダニの繁殖条件を整えることを意味するのです。
夏型結露によってカビやダニの繁殖を招いてしまうと、壁のシミや悪臭と言った諸問題を引き起こす可能性があります。さらに、カビの胞子やダニの死骸などが空気中を舞うことになれば、防音室内にいる人がそれを吸い込み、アレルギーや喘息、シックハウス症候群などの健康被害に繋がる恐れもあるのです。
まとめ
今回は、住宅における結露の中でも、人の目では確認できない場所で発生する夏型結露について解説しました。夏型結露は、内部結露とも呼ばれていて、人の目には見えない壁の中で発生します。そのため、どうしても気付くのに遅れてしまい、住宅の劣化や性能低下などが引き起こされてしまうのです。
夏型結露は、エアコンなどの空調設備が整っていることで発生するものですが、エアコンを使わずに過ごすというのはなかなか難しいです。そのため、夏型結露に対処するためには、家づくりの段階から対策を施す必要があるとされているのです。また、防音室については、特に壁内結露の発生確率が高くなるとされているため、防音室を長持ちさせることを考えた時には、この部分の対策もしっかりと行ってもらいましょう。
なお、防音工事の匠では、防音室の外側の壁部分に、防音性能に影響を与えないよう壁内換気ができる小さな換気扇を取り付けるという対策を実施しています。これにより、防音壁内を適切に機械換気ができるようになるため、防音性能を長期間保持することができるようになります。高性能で長く使用できる防音室をお求めなら、ぜひ防音工事の匠にご相談ください!