防音工事を業者に依頼する人は、どんな音の悩みを持っているの?

近年では、戸建てやマンションなど、建物構造などに関係なく、専門業者に依頼して防音工事を行う方が増加していると言われています。防音工事に関しては、プロの楽器奏者など、日常的に大きな音を生じさせる可能性がある方が、近隣に配慮する目的で特別に行うリフォーム工事と言ったイメージを持っている方が多いと思います。実際に、5~10年ほど前のことを考えると、防音工事は特殊な要望を持っている方のみがおこなうものと言うイメージはあながち間違っていないと思います。

それがここにきて、自宅での楽器演奏やホームシアターの設置など、特別な理由など持っていないというような方でも、専門業者による防音工事を検討する方が急増していると言われています。実際に、防音工事は、特殊工事と言う分類で、一般の内装リフォーム工事とは別種の元として扱われていたのですが、ここ最近、内装リフォーム業者がメニューに防音工事を追加するケースも増えていると言われています。

それでは、それなりに多額のコストがかかってしまう防音工事について、わざわざ専門業者に依頼してまで行う方は、どのような音の悩みを抱えているのでしょうか?この記事では、弊社が行った防音工事について、お客様がどのような悩みを抱えているのか、代表的な事例をご紹介しておきます。

防音工事をする人が抱える音の悩み

それでは、専門業者に依頼してまで防音工事を行う人が、どのような音の悩みを抱えているのかについて解説していきましょう。冒頭でご紹介したように、防音工事については、多くの方が楽器防音室をイメージしていると思います。確かに、お子様にピアノを習わせたい、楽器の演奏が生業で夜間も自宅で練習したいなど、楽器防音を目的とした工事は非常に多いです。

ただし近年では、人々の住環境がかなり変わってきていることや、新型コロナウイルスの影響で生活スタイルが変化してきたことにより、楽器防音以外の相談がかなり多くなっています。ここでは、実際にお客様から相談されることが多くなっている防音の目的をご紹介していきます。皆さんの中にも、同じような問題で悩んでいる方がいるかもしれませんので、ぜひ参考にしてみてください。

楽器用防音室

まずは一つ目の楽器用防音室です。近年では、さまざまな用途の防音工事が増えているとはいえ、やはり防音室を求める方は、自宅でも楽器の演奏を行いたいという要望が非常に多いです。

特に近年では、マンション暮らしの方が増えている、戸建てでも都市部では住宅ごとの距離が非常に近くなったことから、防音室の必要性が高くなっていると言われています。例えば、マンションなどの集合住宅の場合、各ご家庭の生活空間が構造物でつながっていることから、空気音だけでなく、個体伝搬音として近隣の住宅に伝わってしまいます。一般的に、楽器による騒音と聞けば、ピアノなどが設置されている部屋と隣接している方とトラブルになってしまう…と想像しますよね。しかしマンションなどでは、階下の人に振動音が伝わってしまい、トラブルになるというケースが多いのです。

このような状況から、自宅で夜間でも楽器の演奏がしたいというお客様の場合、防音工事が必要不可欠で、弊社のような専門業者に相談してくるといった感じです。なお、戸建て住宅の場合、狭小地に三階建ての建物を建てるケースが多くなっているのですが、防音室は材料的な問題から非常に重量のある部屋になってしまいます。そのため、木造住宅の三階部分に防音室を作りたいという場合、補強工事から入らなくてはならず、全体の工事費が高くなってしまうケースがあります。これから、新築の購入をご検討中の方は、建物の設計段階で防音室を設けておくのがオススメです。

生活音によるトラブルの防止

各ご家庭の距離が近くなってきた現在、これを理由に防音工事に踏み切る方が急増しています。例えば、マンションなどであれば、上の階に住む方の足音に悩まされてしまう…と言う経験がある方も多いのではないでしょうか?賃貸であれば、最悪引っ越しすれば良いのですが、購入した分譲マンションであれば、足音を理由に買い替えるなんてことは難しいものです。
他にも、掃除機や洗濯機、お隣のテレビの音や電話で話す音、お子様が騒ぐ音など、日常生活の中で普通に生じてしまうような生活音が原因で騒音トラブルを抱えてしまうケースが多くなっているのです。これは、生活空間が近くなってきているので、当然と言えば当然です。そのため、こういった生活音による騒音トラブルを防止するため、防音工事に踏み切るわけです。なお、生活音を原因とした防音工事については、「自分が騒音主にならないようにする」という配慮を目的とする場合もあれば、「上の階の足音が…」「夜中までテレビの音が…」など近隣の生活音に悩まされてそれをシャットアウトする目的と言う2つの要望があります。

ちなみに、こういった生活音を原因とする防音工事は、マンションでしか必要ないと考える方も多いのですが、家と家の距離が数十cmしか離れていないような戸建てが増えていますので、戸建てでも生活音対策の防音工事は多くなっています。

テレワーク対応

コロナ禍の現在、急激に増加している防音工事の目的がテレワークやリモート学習への対応のための工事です。2020年に発見されてから既に2年が経過していますが、新型コロナウイルス問題は、現在でも多くの感染者を出しており、完全に問題が解消される見通しはまだ立っていないのが実情です。このような状況の中、多くの企業でテレワークが導入されるようになっていますし、学習塾などでもweb会議システムを活用したリモート学習システムが導入されるようになっています。

コロナ対策としては非常に効果的と言われるこれらの対応ですが、日本の住宅がテレワークやリモート学習に適していない…と言う問題点が残ってしまったのです。戸建てであれば、部屋数に余裕があり、仕事や勉強に集中できる環境も幾分作りやすいのですが、マンションになると空き部屋が無く、リビングなどで仕事をするケースが非常に多いです。そのため、奥様の家事の音で集中を乱されたり、逆にweb会議の音を家族がうるさいと感じてしまったりなど、自宅がストレスの原因となってしまっているケースが多くなっているのです。

そのため、我々のような防音工事業者に連絡し、既存の部屋を区切って仕事用の防音ブースを作ったり、クローゼットなどを簡易の防音室に改装したりと言う工事の依頼が多くなっています。

ペット対策

これもコロナ問題が発生して以降多くなっています。ペット協会などの情報によると、在宅時間が長くなったコロナ禍では、新たにペットを迎える方が急増しているそうです。

しかしペットは、皆さんが考えている以上に、騒音トラブルの原因となりやすいということを頭に入れておいた方が良いです。例えば、室内で大型犬を飼育する方も多くなっていますが、大型犬の鳴き声は、70~90dBもの音量になると言われており、何の対策もしていなければほぼ間違いなく騒音トラブルになってしまうほどの騒音なのです。
他にも、ペットの足音は、爪がフローリングに当たって、カチャカチャと言う音が生じ、これが階下に響き渡ってしまうことがあります。ペットは人間よりも軽いですし、足音が騒音になると考えもしない人が多いのですが、こういった特殊な音が生じますので、ペットの足音を原因としたトラブルも多いと考えてください。

そして、このような、ペットを迎えたご家庭から防音対策の相談を受け、床や窓の防音対策を行うケースが多くなっています。

まとめ

今回は、近年その需要がどんどん高くなっていると言われる防音工事について、専門業者に依頼してまで防音工事を行う方がどんな音の問題を抱えているのかについてご紹介してきました。

正直な話、現在でも楽器用の防音室を求める方は非常に多く、皆さんが考えている防音工事のイメージはあながち間違ってはいないと思います。ただ、コロナ禍による在宅時間の増加などで、生活音やペットが生じさせる音を防ぎたいという要望が増えているのは間違いない事実です。
特に、今までは日中は仕事で外出していて、家の周りがこれほどまでうるさかったのだとコロナ問題のおかげで気づいた…と言う方も意外に多かったです。なお、最近では、ホームセンターなどでも防音対策グッズが販売されるようになっていますし、DIYで防音対策を行ってみたものの、効果が出なかったから相談してきたというお客様が非常に多いです。防音工事と言うものは、壁に吸音材や遮音シートを貼れば良いという簡単なものではないので、少しでも不安があるのであれば、自分で挑戦などしない方が良いですよ。材料を購入するにもそれなりの費用がかかりますし、お金を無駄にしてしまう結果になるかもしれません。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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