中古マンションを購入したら!入居前のリノベーションは防音性能にも注目しよう!

近年では、集合住宅での騒音問題が急増していると言われています。そしてここにきて、新型コロナウイルスの影響で、在宅時間が長くなってきたことにより、マンションでの防音対策の注目度が非常に高くなっているのです。

新築の分譲マンションなどを購入する場合、それなりの防音性能を持っていると考えられますが、中古マンションを購入する場合には、細かな劣化が生じていることから住んでみると近隣からの騒音に悩んでしまう…ということが多いと言われています。
中古マンションを購入する場合、入居前に大幅なリノベーションを行うということが多いのですが、こういった場合でも、生活の利便性やデザイン性ばかりに注目して設計を行う方がほとんどです。しかし、後から騒音に悩んで防音対策を施すのであれば、リノベーションの時に防音対策も一緒に行っておくのがオススメです。また、家具の配置などで、音に関する居室の快適性が大幅に変わりますので、その点も考えて部屋の設計を行ってもらうのがオススメなのです。

そこでこの記事では、中古マンションをリノベーションする際、防音目線ではどこに注目すれば良いのかをご紹介していきます。

生活音をガードする戸境壁の遮音リフォーム

隣家から聞こえてくる人の話し声やTVなどの音声は、壁の防音性に問題があると考えられます。ちなみに、こういった生活音の問題に関しては、隣家に悩まされる…ということも考えられますが、自分の家の音漏れが騒音トラブルを引き起こしてしまう…可能性もあると考えしょう。こういった音漏れを防ぐためには、戸境壁(隣の住戸との間の壁)の遮音性能に注目しましょう。一般成人の話し声は、約55dB程度のボリュームといわれますので、遮音等級D-55以上が理想的です。

中古マンションを購入した際、戸境壁の厚さが不十分であったり、天井や床との取り合いに隙間が生じている場合、リノベーション時に壁の遮音性を高める対策も行っておいた方が良いです。なお、マンションなどの壁は、コンクリートと下地ボードを貼って、クロスで表面を仕上げるという工法が一般的なのですが、この場合、接着剤の厚みでボードが少し浮いてしまい、太鼓のように音が反響しやすくなってしまう太鼓現象が生じる場合があります。したがって、戸境壁のリフォームをする際には、デザインだけでなく防音の専門業者にも確認してもらい、必要な防音対策も施してもらっておくのがオススメです。

なお、壁の防音性能を高めるために、壁を増設する場合があるのですが、この場合、部屋の面積が少し狭くなってしまうので注意しましょう。全ての部屋の壁を防音仕様にするのではなく。音の問題が気になりやすいリビングや寝室、逆に音漏れが気になる子供部屋など、音の問題が生じやすい場所を中心に防音対策をしてもらうのがオススメです。

こういった壁の遮音リフォームに関しては、6畳程度の寝室に防音対策を行ったとして、18~25万円程度の費用がかかると考えておきましょう。

床の防音リフォームで階下とのトラブルを防ぐ

マンションで発生する騒音トラブルは、足音や子供が飛び跳ねた際の「ドスン」といった重厚感のある音が階下の人に迷惑をかけてしまう…というものが多いです。足音は、床から構造部分を伝って階下の天井に響いてしまうことが多いため、騒音トラブルを防ぐためには遮音性に優れた床を作るのがオススメです。

最も簡単な対策としては、カーペットや畳、コルクといった衝撃音を吸収してくれる床材の導入です。ただし、現在ではフローリングの床が一般的ですので、「床はフローリングでないと!」と考える方が多いと思います。そういった場合、遮音等級LL-40/LL-45の遮音フローリングを表面材として採用すれば、足音などによる騒音トラブルのリスクを軽減してくれます。

なお、床の構造によっても音の響きやすさが変わるということも覚えておきましょう。スラブに直接フローリングを貼って仕上げる直床は音が反響しづらいのでオススメです。その一方で、仕上げの床とスラブの間に空間が生じる構造の場合、音が反響しやすくなってしまうので、床下空間を100mm以上とったり、スラブの上に緩衝材を設置するなどの対策が必要です。

上記に様な床の対策は、「自分たちが騒音の原因にならないようにするため」のものです。注意が必要なのは、マンションで暮らす場合、あなた方が上階からの騒音に悩まされてしまう…ということも考えられる点です。こういった場合の対策としては、天井部分に防音対策を施しておきましょう。
例えば、天井のクロス下地に、防音性の高いボードを設置したり、遮音シートを貼ったりすれば、上階からの音をかなり軽減できるはずです。こういった対策を施したものの、上階からの音に悩まされてしまう…という場合は、管理会社などを通じて、上階の方の防音対策をしてもらうのがオススメです。

床の防音対策(防音フローリング材の導入)に関しては、10畳程度の床1面の工事で25~30万円程度を想定しておきましょう。

外からの音は窓の防音対策が重要

マンションの前を走る自動車の走行音や人の声など、外から侵入してくる騒音の対策は窓の防音リフォームが非常に重要です。
ただし注意が必要なのは、分譲マンションだとしても、窓ガラスや窓サッシに関しては共用部分にあたるのが一般的ですので、自分が購入した部屋でも勝手に交換することができないのです。したがって、分譲マンションでの窓の防音対策については、既存窓の内側にもう一枚窓を設置して、二重窓にするという方法が最も有効です。

内側に設置する窓に関しては、どのようなものでも二重窓になることで防音性が高まりますが、より高い防音効果がお望みであれば、真空ガラスなどの防音性の高い窓ガラスを採用するのがオススメです。
二重窓にする防音リフォームに関しては、数時間で完了する手軽さが嬉しいポイントでもあります。費用的には、採用する窓ガラスによって多少の上下があり、一か所当たり7~15万円程度が相場です。

インテリアの配置を考えた間取りが重要

中古マンションを購入した方であれば、実際に住み始める前に大幅なリノベーションを行うという方が多いです。もちろん、リノベーションがされたマンションを購入したのであれば、自分では行いませんよ。

あなたが中古マンションを購入し、生活動線などを考えて、自分たちが住みやすいような間取りに変更するため、リノベーションを行う場合、デザイン性や使い勝手の良さにばかり注目する方が多いです。当然、高いお金を出して購入したマンションですし、可能な限り快適に暮らしていけるような部屋に作り替えたいという気持ちは理解できます。
しかし、中古マンションのリノベーションを行う時には、生活動線などだけでなく、そこで暮らす際に生じる音や隣家から侵入してくる音を防ぐという視点を持っておくのがオススメです。なぜかというと、居室の防音性能に関しては、壁や床、天井などに防音対策を行うだけでなく、大型家具の配置で大幅に変わるからです。

例えば、戸境壁部分に大きなタンスを置いておけば、タンスと中の衣服が侵入してくる音を吸収してくれるようになるため、防音壁の工事をしなくても快適な住空間を作ってくれる可能性が高くなるのです。したがって、入居前に大幅なリノベーションを加える時には、防音性を高められる家具の配置などをあらかじめ考え、それに沿って生活もしやすい間取りを設計してもらうようにするのがオススメです。

まとめ

今回は、中古マンションを購入した際、実際に入居する前のリノベーションで検討したい部屋の防音対策についてご紹介してきました。この記事でご紹介したように、中古マンションを購入してリノベーションを行う時には、できるだけデザインを良くしたい…、生活しやすい間取りにしたい…などといった点に注目する方が多いです。しかし、マンションなどの集合住宅では、他のご家庭との距離が非常に近くなることで、日常生活を進めていく上でどうしても生じてしまう生活音による騒音トラブルの危険があるということを忘れてはいけません。

さらに、新型コロナウイルスの影響により、人々の在宅時間が長くなっていることから、騒音に関するトラブルが急増しています。こういった事を考えると、中古マンションのリノベーションを行う時には、同時に防音性を高める対策も行っていくのがオススメです。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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