賃貸物件の防音対策について!入居者の快適性を高めることは空室対策にも効果的!

近年では、アパートやマンションなどの集合住宅における騒音トラブルが増加していると言われています。例えば、上階からの足音に悩まされている、隣の住人が夜遅くまで大音量でTVを見ていて迷惑をしているという問題であれば、音源となっている入居者が問題行動を行っているわけでので、騒音を出さないように注意することで音の問題が解消される可能性もあるでしょう。

しかし、中には「掃除機の音がうるさい…」「ドアの開け閉めの音が気になる…」など、日常生活を進める上では、どうしても生じてしまう音を騒音に感じてしまうような方もいます。正直な話、物件オーナーからすれば、「このような些細な音の問題まで対処することなどできない…」と考えてしまうようなクレームが入ってきたこともあるのではないでしょうか?それでは、こういった些細な騒音問題に関しては、放置してしまって良いものなのでしょうか?

実は、物件オーナーには、入居者が快適に生活できるようにその環境を整える義務がありますので、物件の問題で音が筒抜けになっているという場合、何らかの対策が必要と考えるべきでしょう。また、近年では、テレワークが一般化していることもあり、賃貸物件でも防音性能の高さが重視されるようになっていると言われています。つまり、騒音の問題を放置するのではなく、きちんと対処するということは、空室対策としても非常に有効だと考えられるわけです。
そこでこの記事では、賃貸物件の空室対策になると考えられる防音工事の種類と、それにかかる費用をご紹介していきます。

賃貸物件にオススメの防音対策について

それでは、賃貸物件において、住民間のトラブルを防ぐ目的や、空室対策にも有効だと考えられる防音対策についてご紹介していきましょう。建物の防音性能については、そもそもの建物構造で大きく変わってしまうものです。一般的には、「木造(低い)⇒軽量鉄骨(やや低い)⇒重量鉄骨(中程度)⇒鉄筋コンクリート(高い)」と言った感じで、防音性能が高くなっていきますが、どのような構造の建物だとしても、後から対策を施して防音性能を高めることは可能です。

ここでは、賃貸アパートやマンションなどで問題になるケースが多い騒音問題と、有効な対策について解説しておきます。

床の対策について

賃貸物件で起きる騒音トラブルと言えば、「上の階に住んでいる子供が部屋の中で走り回るから足音がうるさくて…」と言った感じに、上下階の住人が振動音でトラブルになるケースが多いです。特に、コロナ禍以降は、人々の在宅時間が長くなってしまったことから、足音を起因とする入居者間のトラブルが非常に多くなっているようです。
こういった騒音問題に関しては、以下のような対策が有効です。

■二重床にする
楽器用の防音室を作る際にもよく採用される手法です。足音などは、床の構造体を伝わって階下や周辺の居室に騒音が広がっていきます。したがって、その振動をできるだけ少なくして、他の部屋に迷惑をかけないようにするために有効になるのです。
なお、二重床を導入する場合、既存の床を一度撤去しますので、退去者が出たタイミングで行うようにしましょう。費用に関しては、25㎡程度の部屋で以下のような内訳になります。

  • 既存の床の解体・・・約10万円
  • 廃材処理費用・・・約2~3万円
  • 新規の床を造る費用・・・約25~30万円(床材によって上下します。)

■防音性の高い床材に交換する
床材の中には、防音性が高いものが存在しています。例えば、無垢フローリングの床であれば、防音対策が施された複合フローリングに交換するだけで、階下に音が伝わってしまう可能性を大幅に下げることができます。この手法に関しては、「ペット可」の物件などにもオススメです。ペットは、人間よりも体重が軽いので足音などは問題ないと考えてしまう方も多いです。しかし、フローリングの上を歩くときに、爪が当たってカチャカチャという音が階下に響いてトラブルになるなんてこともあるので、爪音が響かないような素材に交換しておくなども有効です。
なお、床材の交換に関しては、「既存床材をはがして交換する」という手法と、「上から重ね張りする」という方法があります。費用に関しては、以下のような感じです。

  • 4畳・・・張り替え工法:7~14万円、重ね張り工法:5~10万円
  • 6畳・・・張り替え工法:9~18万円、重ね張り工法:6~14万円
  • 8畳・・・張り替え工法:10~20万円、重ね張り工法:8~18万円

この方法についても、新たに採用する床材の種類によって費用が変わります。

壁の対策について

次は、壁の対策についてです。集合住宅では、「隣のテレビ(オーディオ)の音がうるさい」「話し声がうるさい」という理由で騒音トラブルになるケースも多くなっています。こういった問題は、壁の防音性能を高めてあげることで防ぐことができるでしょう。

■遮音パネル、遮音シート、吸音パネルによる対策
壁の防音対策としては、遮音パネル、遮音シート、吸音パネルを設置するという方法があります。方法としては、既存の壁を一度解体して、吸音材や遮音シートを設置した後、壁を再構築するという方法になります。
防音材を設置する順番で対策の効果が変わりますので、きちんと防音工事の専門知識を持っている業者に頼まなければいけません。
なお工事費に関しては、16㎡程度の壁の大きさで20~25万円程度が相場です。使用する材料によって費用が変わるので、一度見積りをとってみれば良いと思います。

■防音効果の高いクロスに張り替え
これは、非常に簡単な方法です。居室の壁などに施工されるクロスは、美観を維持するのが主目的なのですが、中には防音性能を持ったクロスが登場しています。つまり、退去者が生じてクリーニングの際に、クロスを防音タイプのものに交換することでその居室の防音性を高めることが可能です。ただし、上述した、壁そのものの防音対策と比べるとかなり簡易の対策となるので、そこまで高い効果を見込むことはできないと考えておきましょう。
費用は、6畳程度の部屋で天井と壁面のクロスをすべて変えたとして5~10万円程度でしょう。

まとめ

今回は、賃貸物件で騒音トラブルが増えている中、入居者間の騒音トラブルをできるだけ少なくするために有効な防音対策についてご紹介してきました。

この記事でご紹介したように、新型コロナウイルス問題により、在宅時間が長くなってきた近年では、集合住宅で騒音による住民間のトラブルが増加していると言われています。これは、相続対策などで賃貸経営を始める方が増えていて、そういった方は建築コストが安価な、3階建てアパートなどを建築することから、そもそも防音性能がそこまで高くない物件が街中に増えているというのも大きな要因になっているのだと思います。

なお、賃貸物件での防音対策については、入居者にしかメリットがないのに「何で行わないといけないのか?」と考えてしまうようなオーナー様も多いと思います。しかし、実際には、壁や床の防音対策をおこなっておけば「防音物件」として入居募集をかけることができるようになるなど、オーナー様にも非常に大きなメリットが存在するのです。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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