職場がうるさいから集中できない!オフィス内に存在する音の問題とその対策について
近年では、オフィスでの生産性向上を目的に、防音対策を検討する企業様が増えています。オフィスは、多くの従業員が一堂に会して作業を行う場所ですので、作業に集中したいと思っても、他人のタイピング音や電話での通話音、会議室から漏れてくる人の声などの環境音で気が散ってしまう…という声は多いです。
特に、会議室や商談スペースの音漏れに関しては、機密情報が外部に漏れてしまうリスクにもなりますので、企業の信用性に関わる問題にもなります。それでは、皆さんは、こういったオフィスに存在するさまざまな音の問題について、何らかの対策を行ったことはあるでしょうか?個人で可能な対策で言えば、耳栓をつけるといった方法もあるのですが、業務内容によっては耳栓での対応が難しいケースもありますので、企業側に何らかの対策を行ってほしいと考えるケースも多いです。
そこでこの記事では、オフィス内に存在する音の問題とはどういったものがあるのか、また音の問題を解消するための対策とその効果について解説していきます。
オフィスに存在する音の問題とは?
それではまず、オフィスで働く人が感じる音の問題について、どのようなものがあるのかをご紹介していきましょう。
①商談ルームや会議室からの音漏れ
多くの人が集まり、一日の内、長時間を過ごすオフィス内について、やはり気になる音の問題と言えば「さまざまな音漏れ」でしょう。
例えば、会議室や商談ルームなどは、会話を行うために設けられた部屋となるのですが、きちんと密閉された環境ではないケースも多いため、会話する時の声が従業員の作業スペースまで筒抜けになってしまうケースも多いです。さらにコロナ禍以降は、感染症対策や時間効率の観点から、出張ではなく会議室を利用してWeb会議やテレビ会議が行われる機会が増えています。そしてこういったWeb会議は、全員が聞き取りやすい音量に調整するのが意外に難しく、音を大きくし過ぎてしまい、会議に関係ない従業員に迷惑を掛けてしまうケースが多いです。
こういったオフィス内の音漏れ問題は、「うるさい」「イライラ」するといった感じに、従業員の集中を阻害する要因になります。さらに最悪の場合、機密情報が漏れてしまう原因にもなります。
②タイピング音や独り言など、他の従業員の音
オフィス内は、複数の人が作業を行っていますので、さまざまな雑音、操作音、他人の話し声などの環境音などが入り乱れており、それで集中を乱されてしまうという方が多いです。
特に、BGMなどを流していないオフィスなどであれば、もともとが静かな分、パソコンのタイミング音やコピー機などの機械音が目立つので、耳障りに感じてしまうことも多いようです。他にも、同じオフィス内で仕事をする同僚の話し声や咳払いの音、貧乏ゆすりや独り言などは、嫌悪感を抱かれてしまう要因になります。
こういった音の問題は、同僚や上司の人が発しているケースも多いので、「静かにしてもらえませんか?」といった直接的な注意をしづらいのも問題です。音は、一度気になると、余計に耳障りに感じるようになってしまうため、オフィス内でのストレス原因となり、業務効率低下を招くなんてこともあるようです。
オフィスでの防音対策とは?
上述のように、オフィスは、多くの人が一緒に仕事をする場所であることから、意外に音の問題を抱えやすいのが難点です。それでは、実際に、音の問題を抱えた時には、どのような対策を施せば良いのでしょうか?
以下で、オフィスの音の問題を軽減するための防音対策をいくつかご紹介しておきます。
パーテーションで区切る
一つ目の対策は、パーテーションを用いて、従業員の作業スペースを区切るというものです。
オフィス内で、集中が乱されてしまうという問題は、音の問題がある上に、他の従業員の行動が目に入るのも大きな要因です。したがって、可能な限りで良いので、パーテーションによって作業スペースを区切ると良いでしょう。これにより、多少の音であればパーテーションの遮音性により聞こえにくくなりますし、何より他の人の行動が目につかなくなるので、集中がしやすい環境が作れます。
なお、パーテーションには、キャスターなどがついていて、簡単に動かせるタイプがあるのですが、このタイプは、高さがあまりないので、高い防音性は得られません。防音性を重視したいのであれば、天井近くまで高さがあるパーテンションを設置するのがオススメです。
吸音材や、防音パネルを設置する
これは、オフィスの会議室などで良く取り入れられている簡易的な防音対策の一つです。
最近では、特別な工事などをしなくても、壁の吸音性や遮音性を高めてくれるアイテムがネット通販などで販売されるようになっています。中には、オフィスなどでも採用できるよう、デザイン性も考えられた防音パネルもあるなど、社内の雰囲気を壊すことなく、音漏れを防ぐことができます。
方法的には、会議室の壁などに、防音パネルを取り付けるといった方法で、特に専門的な知識などが無くても対策を施すことが可能です。もちろん、本格的な防音工事と比較すれば、効果のほどは知れていますが、会議室内の反響音を防ぎ、音漏れを少なくすることができるので、オフィスの防音対策としては意外に効果的です。
外からの騒音が気になるなら窓の防音を
高速道路沿いのオフィスビルなどであれば、オフィス内の音ではなく、外から侵入してくる騒音で従業員の集中が乱されてしまうことがあります。
こういった場合には、窓部分の防音対策を検討すると良いでしょう。基本的に、鉄筋コンクリート造が多いオフィスビルは、建物そのものの防音性能は優れています。しかし、窓に関しては、一枚物の単板ガラスが採用されているケースも多いので、築年数が経過しているオフィスビルであれば、窓部分の隙間から騒音が侵入しているケースが多いです。
窓の防音対策については、内側にもう一枚窓を設置する二重窓がオススメです。この方法であれば、原状回復も比較的簡単にできますし、防音性能の向上だけでなく、窓部分の断熱性向上による光熱費削減も期待できます。なお、窓を二重窓にする場合は、専門業者による工事が必要ですので、管理会社の許可は必ず取りましょう。
カーペットを敷く
オフィスの床材によっては、従業員が移動する際に、「カツカツ」といった音が生じてしまう場合もあります。そして、そういった音は意外に気になるものなのです。
したがって、床が硬い素材で音が出るという場合は、カーペットなどを敷くことで足音を抑えるのがオススメです。カーペットの中には、吸音性が高いものもありますので、そういったタイプを導入すれば、その他の音も抑えてくれます。
サウンドマスキングを導入する
オフィスによっては、ラジオや有線などをつないで、BGMを流しているケースが多いですよね。こういった対策は、オフィスの雰囲気を和らげてくれる効果があるのですが、その他にも、人が不快に感じる音を打ち消してくれるという効果が得られるのです。
タイピング音や咳払いの音、足音などが気になるのは、周囲が静まり返っている状態だから、余計に音が目立ってしまうというのも大きな要因です。これが、そもそも何らかのBGMが流れているという状況であれば、タイピング音なども聞こえにくくなるので、不快に感じないわけです。
サウンドマスキングは、さまざまな場所で取り入れられるようになっていますし、大掛かりな工事なども必要ないので、非常にオススメですよ!
オフィスの防音対策の効果とは?
それでは最後に、オフィスの気になる音を抑えるための防音対策について、実際に防音対策を行うことで得られる効果がどのようなものなのかを考えてみましょう。
生産性の向上
オフィスの音問題を解決できれば、従業員の生産性向上という効果が期待できます。
どのような作業でも、集中できる環境で行うのと、近くに不快な音が存在していて「うるさいな…」「イライラする…」などとストレスを感じながら作業するのでは、効率が圧倒的に変わってくるでしょう。さらに、会議室などに適切な防音対策を施すことで、Web会議中に無駄なハウリングを防止したり、聞き取りづらさを感じない音量で会議が進められるようになります。
こういったことから、オフィス内での作業効率が大幅に良くなるという効果が期待できます。
機密情報流出の不安が少なくなる
金融機関や病院など、個人情報を取り扱う施設では、上述したような防音対策が各所に施されています。これは、顧客との打ち合わせ時に、個人情報が漏れてしまうことを防ぐというプライバシー保護の観点から行われている対策です。
そして、オフィスの中には、金融機関並みの個人情報を取り扱うような業種もありますし、そうでなくても、打ち合わせの内容が外に漏れてはまずいケースも少なくありません。そこで、会議室や商談スペースに防音対策を施すことで、室内での会話の内容を外に漏れるのを防ぐことができるわけです。
オフィスの防音対策は、従業員が快適に作業できるようにするためだけでなく、企業にとっての不要なリスクを抱えないようにするための対策でもあります。
まとめ
今回は、オフィスの中に存在するさまざまな騒音と、従業員が快適に働ける環境を作るための防音対策についてご紹介しました。
この記事でご紹介したように、多くの人員が同じ場所で勤務することになるオフィスでは、自分以外の人が出した音に反応してしまい、仕事の効率が落ちてしまう…なんて方は少なくありません。もちろん、人によっては集中すれば周囲の音などあまり気にならないという方もいると思うのですが、誰もがそういった考えなわけではありませんし、騒音対策は企業側が行って快適に働ける場を提供しなければならないと考えておきましょう。
この記事では、簡易的なオフィスの防音対策をご紹介していますが、本格的な防音工事を求めるオフィスも非常に多くなっています。騒音を気にしなくても良い、快適なオフィスは従業員の生産性を向上させることもできますので、オフィスの環境作りを皆さんも検討してみてはいかがでしょうか。