楽器の音量ランキングをご紹介!楽器の音は騒音と言われてもおかしくない音量です

我々が日常生活を送る時には、本当にさまざまな音が身近に存在しています。人が室内を歩くだけで足音が生じるわけですし、誰かと電話すれば、その声でご近所さんに迷惑を掛けてしまうこともあるでしょう。

ただ、こういった生活音に関しては、しっかりした構造の建物で窓を閉めていれば騒音トラブルに発展してしまうほどの大問題になるケースは少ないです。もちろん、木造アパートなどで、部屋の中を走り回っていれば、階下の人に怒鳴りこまれる…なんてことも考えられますが、普通の生活をしている限りは、誰かに迷惑を掛けてしまうような大きな音が生じるようなことは少なく、どちらかと言うとお互い様な問題です。

しかし、自宅で楽器の演奏をしようと考えている方であれば、少し注意が必要です。と言うのも、楽器の音色は確かに美しいものですが、時と場合によっては美しい音色でも邪魔に感じてしまうこともあります。例えば、誰もが寝静まっている夜中に楽器の音が聞こえれば誰でもうるさいと感じてしまいますし、普通に騒音トラブルに発展してしまうと考えられますよね。さらに、楽器が出す音と言うのは、前述のような生活音とは比べ物にならないほど大きな音になりますので、日中であっても迷惑に感じられてしまうこともあります。

そこでこの記事では、自宅で楽器の演奏を考えているという方に向け、楽器から出る音がどれほど大きいのか、またどの楽器の音が大きいのかについて解説していきます。

騒音の基準について

それではまず、楽器の音量ランキングをご紹介する前に、一般的な音量について、どのような音が騒音とみられるのかについて解説しておきます。上述しているように、日常生活を進める上では、誰もが無音で過ごすことなどで来ませんし、さまざまな音に囲まれて生活するしかありません。
ただ、そういったさまざまな音に関しても、騒音レベルと言うものが設けられていますので、それをきちんと押さえておきましょう。

音量(デシベル) 音の種類
30 郊外の深夜・ささやき声
40 市内の深夜・図書館・静かな住宅地の昼
50 静かな事務所・家庭用クーラー(室外機)
60 静かな乗用車・普通の会話・洗濯機(1m)・掃除機(1m)・テレビ(1m)・トイレ(洗浄音)
70 騒々しい事務所の中・騒々しい街頭・セミの鳴き声(2m)
80 地下鉄の車内・電車の車内
90 犬の鳴き声(5m)・騒々しい工場の中・カラオケ(店内中央)
100 電車が通るときのガード下
110 自動車のクラクション(2m)
120~ ジェット(飛行機)エンジンの近く、落雷(至近距離)

上記のように、私たちの周りにはさまざまな騒音が存在しています。ちなみに、人がうるさいと感じるのは50デシベル程度からと言われています。もちろん、ある音がうるさいと感じるかどうかは、その時の状況や騒音源との関係性などが関わってきますので、50デシベルを超えると必ず騒音トラブルに発展するとは考えない方が良いです。

楽器の音量について

それでは本題に入りまして、ここからはさまざまな楽器の音量をご紹介していきたいと思います。ここでは楽器の音の大きさが皆さんにも伝わりやすいように、ランキング形式で楽器の種類と音量をご紹介していきます。

10位~6位までの楽器

それでは10位~6位までの楽器についてはさらっとご紹介していきましょう。

  • 10位 チェロ 最大音量:87dB
    楽器の音量第10位は、弦楽器のチェロです。あまり身近ではない楽器ですが、上述した騒音レベルで考えると、騒々しい工場やカラオケ店並みの音量になるのです。こう見ると、楽器の音量は第10位でも相当な音の大きさだということが分かりますね。もちろん、工場の音のように騒音以外の何物でもないといった音ではないのですが、それでも集合住宅などで防音工事もせずに演奏すると騒音トラブルに発展してしまう危険が高いでしょう。
  • 9位 ヴァイオリン、ギター 最大音量:90dB
    第9位もヴァイオリン、ギターと弦楽器がランクインします。最大音量的には、チェロよりもちょっとだけ上回るといった感じですね。実は、ヴァイオリン奏者は、難聴になりやすいと言われているのですが、これは、工場並みの騒音を耳のすぐそばで聴くことになるからだと言われています。当然、ヴァイオリンやギターも何の対策もなしに自宅で演奏すると苦情が殺到するでしょう。
  • 8位 フルート 最大音量:92dB
    楽器の音量の第8位は、繊細で美しい音が出る楽器と言うイメージのフルートです。フルートの音は、騒音トラブルとは縁遠いように感じますが、意外に大音量が生じる楽器なのです。
  • 7位 チューバ 最大音量:97dB
    楽器の音量ランキング第7位はチューバです。あまり聞き馴染みのない楽器かもしれませんが、金管楽器に分類されるものです。音量的にはほぼ100dBに達する音が出ますので、近くで演奏していれば、会話の音が聞き取れなくなるほどの音量だと考えましょう。
  • 6位 クラリネット 最大音量:98dB
    木管楽器のクラリネットが音量ランキング第6位です。クラリネットは、木管楽器の中でも、最も大きく音量の幅を変えられるという特徴を持っています。管楽器と言うのは、オーケストラの中にあっても、音が埋もれることが無いように大きな音量が必要で、どれも騒音レベルの音量になるのです。

5位 トロンボーン 最大音量:106dB

第5位からは、いよいよ音量が100dBを超えてきます。第5位にランクインするのはトロンボーンで、なんと電車のガード下よりも大きな音量が生じる楽器なのです。このレベルになると、極めてうるさいと感じる音量ですので、防音工事などもせずに自宅で演奏していれば、確実に騒音トラブルになると言えます。

5位 ホルン 最大音量:106dB

実は、楽器の音量ランキング第5位はもう一つ同じ音量のものが存在しており、それがホルンです。ホルンは、重厚感のある音の響きで、音が出る部分が横を向いていることから、オーケストラの中でもきちんと音の存在感を出すために、大きな音が生じる必要があるのです。
この楽器も、電車のガード下以上の音が出ますので、何も考えずに自宅で演奏してしまうと、騒音トラブルのもとになってしまうでしょう。

3位 グランドピアノ 最大音量:107dB

楽器の音量ランキング第3位は、一般の方にとっても最も身近な楽器であるグランドピアノです。非常に美しい音色の楽器として有名で、情操教育として子供に習わせる楽器としてはピアノがナンバーワンなのではないでしょうか?しかし、このピアノと言う楽器は、皆さんが考えている以上の音量が出るのです。
ただし、最大音量の107dBという数値に関しては、「プロが演奏する」と言う条件が付くと考えてください。ピアノは、演奏者の力量で音量がかなり変わってきますので、一般の方でアップライトピアノとなると、80~90dB程度の音量だと言われています。もちろん、90dBでも十分騒音と感じられる音量ですので、集合住宅などで演奏した時には、騒音トラブルの原因になります。

なお、防音工事と言う概念ができたのは、過去にピアノによる騒音トラブルで大事件にまで発展したのが要因だとされています。

2位 トランペット 最大音量:108dB

楽器の音量ランキング第2位は、皆さんも良くご存知のトランペットです。トランペットは、非常に大きな音が出る楽器として有名で、大きな音を出しても誰にも迷惑を掛けない、河原などで練習している方を見かけたことがある人も少なくないのではないでしょうか?
トランペットは、なんと最大音量で108dBもの音が出る楽器で、ここまでくると、至近距離でクラクションを鳴らされているのと変わらないレベルと考えても構いません。実際に、近くでトランペットの演奏を聞いていると、耳が痛くなるなど、人体に悪影響を与えることもあるのです。

1位 パーカッション、サックス 最大音量:110dB

楽器の音量ランキング第一位は、パーカッションとサックスとなります。どちらも最大音量が110dBと、非常に大きな音量となります。なお、オーケストラでは、ティンパニまたはバスドラムを指していて、ティンパニのフォルテは雷鳴のような響きを持つと言われるほど、楽器の世界でも特に大きな音が生じるのです。

ちなみに、ドラムなどもここに入りますので、自宅でドラムの演奏をしたいと考えているのであれば、しっかりと防音対策を施さなければならないと考えておきましょう。なお、ドラムなどの楽器は、振動音対策が非常に重要になることから、他の楽器の防音室よりも工事費が高額になります。

まとめ

今回は、騒音トラブルの原因となってしまいがちな楽器について、さまざまある楽器の中でも、特に大きな音を生じさせる楽器について、ランキング形式でご紹介してきました。

楽器は、演奏を聞きたいと思っている方にとっては、非常に美しい音色に感じるものですが、仕事中の方や就寝中の方など、音が存在してほしくない人からすれば、騒音以外の何物でもないのです。特に、楽器が生じさせる音と言うのは、私たちの身近に存在する生活音とは比較にもならないほど大きな音となりますので、防音対策なども行わない状態で演奏してしまうと、近隣住民に迷惑を掛けてしまうことは間違いないでしょう。

この記事では、第10位までの楽器をご紹介していますが、ここで紹介していない楽器でも同レベルの音量を生じさせる楽器もありますので、「ここで紹介されている楽器以外は大丈夫」などと考えないでください。どのような楽器にしても、騒音トラブルは音を出す側が何らかの対策を施すべきものですので、自宅で演奏したいと考えているのなら、防音工事が必須だと思っておきましょう。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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