話し声の防音対策について。人の声が騒音になる理由と対策について

一般住宅での騒音トラブルと言えば、マンションなどの集合住宅にて、上下階の住人同士が足音などでトラブルになる、小さなお子様が興奮して大声をあげるなどと言ったことをイメージする方が多いのですが、コロナ問題以降は普通の人の話し声が原因となっているものが増えています。

というのも、コロナ問題以降、テレワークが導入される企業が増えており、自宅で仕事をする人が多くなっているのが要因です。仕事をするときには、多くの方が静かな環境を求めるもので、仕事中に近隣住民の話し声などが聞こえてきて、仕事に集中できなくなるといった悩みを抱える人が増加していると言われています。もちろんその逆の問題も発生していて、テレワーク中のWEB会議の声がついつい大きくなってしまい、隣家の住人に迷惑を掛けてしまうなんてことも考えられます。

防音工事は、楽器やホームシアターなど、特別に大きな音が生じる際、近隣住民に迷惑を掛けないようにするため行われるものだったのですが、ここ数年、普通の人の話し声に対する防音対策が急増しています。そこで、効果的な対策を施すため、音の基礎知識や簡単にできる防音対策について解説します。

人の声は騒音トラブルの原因になりうるのか?

日常生活の中ではあまり耳にすることが無いと思いますが、音を表す単位は「dB(デシベル)」が用いられます。例えば、聴力に問題が無い人が聞こえる範囲の音で、最も小さな音が0dBとなります。さらに、これを基準として10倍の音が10dB、100倍の音が20dBと言った感じに大きくなっています。

ちなみに、日本では環境省などが騒音レベルの目安を作っていますので、以下の記事でどの程度の音が騒音とみなされるのかを確認しておきましょう。

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人の声の大きさとは?

それでは、そもそも人の話し声はどれぐらいの大きさになるのかはご存知でしょうか?普通の会話の声などであれば、特に気にならない人が多いですし、大した音量ではないと考えている方が多いのではないでしょうか?一般的にですが、人がささやくような声で30dBほどで、これは深夜帯の郊外と同じぐらいの音量となります。

ただ、普通に会話している時の音量は60dB相当になると言われていて、水洗トイレの排水音や静かな乗用車の音と同等となります。ちなみに、ささやき声と通常の会話は、30dBと60dBですので30dBの音量差があります。つまり、この二つの声は騒音値としては1000倍もの違いが生じるなど、相当な違いが存在しています。さらに、人が叫び声をあげる時や歌声などになると、90dBもの音量となり、これは地下鉄の構内で聞こえる騒音レベルとなります。

これからも分かるように、人の声というのは、普通に会話しているだけでも、十分に騒音と思われてもおかしくない大きさで、子供が騒ぐ、それを叱る時の大声は隣人を不快にさせてしまう可能性が高いと考えなければいけません。音に関する基礎知識を持っていなければ、こういったことに気付けないことから、人の声でトラブルになってしまう訳です。

人の声が騒音になる?

それでは、上述した人の声が騒音に感じられるかについても見ていきましょう。環境省などによると、人が日常生活の中で、静かであると感じる音の大きさは、45dB以下だとされています。そして、不快に感じないレベルの音量は40~60dB程度とされています。

人の日常会話は、60dB相当なのですが、会話が盛り上がると声が大きくなってしまいますし、60dB以上のうるさいと感じるレベルの大きさになってしまうことでしょう。つまり、日常生活の中で普通に会話しているレベルの話し声であっても、近くで延々と聞かされている場合は、うるさいと感じられてしまい、迷惑と思われると考えておいた方が良いです。

ただ、建物の中にいる場合であれば、相手と一定の距離が離れていますし、間に壁などが存在しますので、面と向かって話をしているほどの音を感じることはありません。しかし、相手側が窓を開けていたりすると、そこから音が侵入してしまいますので、テレワーク中など相手が集中したいと思っている時には迷惑な隣人だと感じられる可能性があります。騒音問題は、周囲にどのような環境騒音があるのかも関係してきますが、隣人とのトラブルを抱えないようにするには、きちんとこの辺りの事を配慮しておく必要があります。

騒音は音の「高さ」も関係する

騒音問題を考える時には、音量だけでなく音の高さにも注意しておく必要があります。音の高さは「Hz(ヘルツ)」と呼ばれる単位で表されていて、これは周波数を意味します。人の可聴周波数は20~20000Hzとされていて、基本的に低い音ほど聞き取りにくくなります。人の話し声については、通常100~1000Hzの間で、男性の話し声が500Hz、女性が1000Hz程度の高さと言われています。
そして、一般的に人は1000~5000Hzの周波数を持つ音を不快だと感じると言われており、特に4000Hz程度の音がよく聞き取れるようになり、この周波数の音が強調され続けると耳障りに感じ不快感を持つようになるそうです。ちなみに、人の耳が敏感に反応する周波数帯に当てはまる音は、セミや鈴虫の鳴き声、電子レンジなどの家電製品の電子音だとされています。
騒音問題は、音の大きさにばかり着目する方が多いのですが、特定の周波数帯を持つ音は、そこまで大きな音でなくても人に不快感を与えることがあると思ってください。

人の声に対する防音対策とは?

それでは、上述したような人の声に対する防音対策についてご紹介します。テレワークが広く普及するなど、日本人の在宅時間が長くなる中、他人の話し声や物音で不快に感じてしまうという方が増えているようです。この記事を読んでいただいている方の中にも他人の声などで悩んでいるという方も多いと思いますので、以下でご紹介する対策を試してみましょう。

なお、人の声の防音対策については、本格的な防音室を作るといった工事までは必要ありません。もちろん、悩んでいる音の大きさなどにもよりますが、基本的に窓やドア、壁など、部分的な防音対策で可能です。

■自分で対策を施す

  • 対策を施したい方向に大型家具を配置する
  • 扉や窓の隙間を隙間テープで埋める
  • 窓やドアに防音カーテンを設置する

■専門業者に依頼して対策を施す

  • 窓を二重窓にする
  • 防音ガラスに交換する
  • ドアを防音ドアに交換する
  • 壁の中に防音材を設置する

人の声の防音対策は上記のように部分的な対策でかなり軽減することができます。テレワークなどで、人の声に悩んでいるという方がいれば、お気軽にご相談ください。

スタッフ A

大阪で20年間にわたって防音工事に携わってきました。
防音工事に関しての事、音に関する豆知識などを配信しております。

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