在宅時間が長くなった今、自宅周辺の騒音に悩む人が急増!実はその騒音の原因は窓かも!?
新型コロナウイルス問題が長引く現在、テレワークやリモート学習が当たり前になってきたことから、人々の在宅時間がどんどん長くなってきていると言われています。そして、実際にテレワークなどが導入され、昼間も在宅するようになった方の中には、今まで気づくことができなかった自宅周辺の騒音に悩んでしまっているという方が意外に多いようです。例えば、自宅の前に公園があるようなお宅であれば、昼間は近所のお子様が遊ぶ場所になることから、子供の大声が常に聞こえてくる…なんて環境でもおかしくありません。もちろん、今までも昼間はそれなりに騒がしい環境だったと思うのですが、自分たちは会社に出勤していることから、明るい時間帯の騒音に全く気付けず、コロナ問題以降になって初めて認識し、騒音問題に悩まされるといった感じです。
それでは、こういった自宅周辺に存在する騒音については、どのような対処を行っていけば良いのでしょうか?企業によっては、コロナ問題が落ち着いたとしても、テレワークなどと言った新しい勤務形態を継続するケースも多いようですので、自宅でも仕事に集中できる環境を作りたいと考えている方は多いと思います。
実は、こういった外からの騒音に悩んでいる方については、窓が原因になっている可能性が高いのです。この記事では、音の問題から見た場合の窓の弱点と、その弱点を解消するための対策についてご紹介します。
騒音が入り込む原因は『窓』の可能性が高い
皆さんは、自宅にいる時、窓をきちんと閉め切っているにもかかわらず、外部からの騒音が入ってきて悩まされた…と言う経験はありませんか?もちろん、窓を開け放っている時よりも窓を閉めたことで、耳に聞こえる音は減退しているはずですが、それでも騒音に感じる程度の大きな音に感じてしまう…と言うケースも珍しくありません。
実は、こういった騒音の侵入については、窓が原因になっているケースが多いのです。ここでは、騒音の侵入を防ぐことができない窓の弱点をいくつかご紹介します。
窓は薄くて音を通しやすい
車や電車の走行音、人の話し声や動物の鳴き声などは、空気を振動させて広範囲に広がり、窓から家の中に侵入してきます。騒音問題を考えた時に、窓が弱点になってしまうのは、壁などと比較した場合、通常の窓は圧倒的に薄い素材で、遮音性能が低いからです。なお、窓ガラスの中には、防音性能を重視された製品がありますので、そういったものであれば、騒音を防ぐ能力が高くなります。
目には見えないが隙間がある
窓は、きちんと閉め切っていれば、音が侵入してくる隙間などないと考えている方が多いです。しかし、そもそもその考えが間違っているのです。実は、窓をきちんと閉めていたとしても、窓とサッシの間には、小さな隙間が生じてしまっていて、そこから騒音が侵入してしまいます。他にも、築年数が経過してくれば、窓枠が変形してしまい、外壁との間にも隙間が生じてしまうようになり、そこからも騒音が侵入するようになります。
窓の防音性を高めたいと考えた時には、上述した窓ガラスに注目し、防音性能の高い真空ガラスなどを導入する方が多いのですが、サッシ部分の隙間を見落としてしまうと、窓ガラスを交換しても、騒音の悩みが解消できない…なんてことになってしまう恐れがあります。
その他の騒音が侵入する原因
上述のように、窓は外壁などと比較すると、そもそも防音性能が低いうえ、構造的に隙間がどうしても生じてしまうことから騒音の侵入場所になってしまう訳です。
そしてさらに、一般的な木造住宅の場合、鉄筋コンクリート造の建物などと比較すると、振動を伴う重低音を防ぐ能力が低いです。戸建て住宅の壁も、音を防ぐだけためにそれなりの厚みを持っているのですが、鉄筋コンクリート造のマンションなどと比較するとやはり、薄くなってしまいます。そのため、建物そのものの性能面から、どうしても外からの騒音には弱いと考えておきましょう。
窓の防音対策について
ここまでの説明で、外から侵入してくる騒音については、窓が弱点になっている可能性が高いと分かっていただけたと思います。それでは、実際にご自身が騒音問題に悩んでしまった場合、どのような対策を行えば良いのかについてもご紹介していきましょう。ここでは、窓の防音対策について、ご自身でも可能な対策とコストをかけてしっかりとした性能を出す対策、また有名な割にあまり効果が見込めない対策をご紹介しておきます。
自分で出来る窓の防音対策
それではまず、ご自身でも可能な窓の防音対策からご紹介していきましょう。近年では、各ご家庭の生活空間が近くなってきたことで、ちょっとした生活音などが騒音トラブルの原因となってしまうことが多くなっています。そのため、ネット通販やホームセンターなどでは、誰でも簡単に防音対策ができるグッズが販売されるようになっています。窓の簡易対策としては、以下のような方法が有効と言われています。
- ・防音シートを活用
一つ目は、通販やホームセンターなどで販売されている防音シートを窓に張り付けるという方法です。窓は、壁などよりも薄いことから遮音性能が低いわけですので、防音シートなどで窓の防音性を高めてあげるという単純な方法です。なお、防音シートにもさまざまな種類が存在していますが、一般的に厚みがある製品ほど効果が高くなります。注意点としては、このタイプの製品は、人の声など高音の対策には有効ですが、低音を遮断することは難しいです。 - ・隙間にテープを活用
築年数が経過してくると、木材などの変形により窓を閉めていても隙間が生じてしまうようになります。隙間があれば、当然騒音の侵入口になるので、何らかの対策をしなければいけません。最近では100均などでも隙間テープが販売されていますので、それをサッシに貼り、窓を閉めていれば可能な限り隙間がなくなるように対策を施しましょう。コストがあまりかからない割には、意外に効果的な対策になります。ただ、窓の開け閉めは、スムーズさがなくなるので注意しましょう。 - ・防音カーテンを活用
最後は、防音カーテンを導入するという方法です。通常のカーテンよりかなり高額になりますが、人の声などには非常に有効です。今まで使っていたカーテンを防音カーテンに交換するだけですので、非常に簡単な対策になります。注意が必要なのは、きちんと採寸して隙間がなくなるようにしないと意味がないので、可能であれば専門業者に設置までしてもらうのがオススメです。また、性能の高い防音カーテンは非常に重たいので、カーテンレールごと交換する必要があるかもしれません。近年では、通常のカーテンはかなり安価になっていますが、本格的な防音カーテンになると、かなり高額なので、その点は注意しましょう。
本格的な窓の防音対策
次は、我々のような防音工事業者に依頼する本格的な窓の防音対策です。上述したような簡易対策は、人の声などの騒音にはある程度の効果を発揮するのですが、大型車や電車などの走行音など、振動を伴う重低音を防ぐことが難しいです。そのため、防音対策を行ったのに、騒音が止まらない…なんてことになるケースも珍しくありません。その場合、以下のような対策を検討しましょう。
- ・防音ガラスを導入する
上述しているように、窓ガラスの中には防音性を高めたタイプも存在します。したがって、既存の窓を防音性の高い窓に交換するという対策がオススメです。なお、サッシ部分の防音性能が低いケースでは、サッシごと交換する必要がありますので、それなりに高額な工事になると考えてください。そして、分譲マンションなどについては、窓は共用部になるので、自分の部屋だとしても勝手に交換することができないと考えておきましょう。 - ・二重窓にする
窓ガラスを交換できない、サッシの交換まではちょっと…と言う場合、窓の内側にもう一枚窓を設置して二重窓にする対策がオススメです。この方法であれば、分譲マンションなどでも問題なく窓の対策が可能です。
効果が薄い窓の防音対策
ネットで窓の防音対策についていろいろ検索してみると、「窓に梱包に使用するプチプチを貼ると良い」とか「遮音シートを貼る」と言った方法がおススメされています。実際に、これらのアイテムを使って窓の対策に取り組んだことがあるという方も多いのではないでしょうか?
しかし、防音工事の専門家からすると、こういったアイテムを利用した防音対策はあまりオススメできません。プチプチを利用する方法は、窓に空気層を与えることを考えてのことでしょうが、気泡(プチプチ)が単体で細かく分かれている気泡緩衝材では音をたいして吸収できませんので防音効果はほとんどないと考えても構いません。そもそも、窓に緩衝材を貼り付けてしまうと、部屋の見栄えが一気に悪くなってしまうという問題も生じます。
遮音シートについても、不透明な製品ですので、採光が取れなくなるという問題がありますし、化学的な臭いを発するという非常に大きなデメリットが生じます。したがって、こういったアイテムを使って対策を施そうと考えている方はやめておいた方が良いですよ。
まとめ
今回は、家の防音を考えた場合、非常に大きな弱点になってしまっている窓の対策についてご紹介してきました。新型コロナウイルス問題が発生して以降、人々の在宅時間がどんどん長くなっており、昼間も自宅で仕事をする方が増えてきたことで、今までは気にもならなかった音の問題を抱えてしまう方が増えています。
ただ、昼間の騒音に関しては、自宅で仕事をしていたとしても「音を出すな!」とはなかなか言えない事情がありますので、騒音をストレスに感じながら我慢しているという方が多いのではないでしょうか。そういった音の問題を解消したいと考えた時には、窓の防音対策が非常に効果的なケースが多いので、現在音の問題を抱えている方は、窓の防音対策を検討してみてはいかがでしょうか?